ACCS、第2回通常総会を開催
改変データは使用したユーザーも違法であると表明

2月16日 発表



 社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)は、2月16日に平成12年度第2回通常総会を開催し、来年度の事業計画、中古ゲームソフト販売および「ときめきメモリアル」改変データの訴訟などに関する発表を行なった。

「ときめきメモリアル」改変データ判決について
-改変データを使用したユーザーも違法-

 2月13日の「GAME Watch」でもお伝えした通り、「ときめきメモリアル」改変データ販売が「著作物の同一性保持権を侵害する」とした最高裁判決について、ACCSはさらに踏み込んだ見解を示した。

 ACCSは「ネットワーク社会で、プログラム技術を持たない個人に専用ツールを渡すことで簡単に改変行為が実現するということは、ツール開発者や販売ショップがユーザーを手足として(著作物の同一性)侵害を助長している」と認定されたことを前提に、販売や開発が違法行為に当たるとし、ゆえに「(改変データを)使った個人が同一性保持権の侵害である」としている。

 協会側は、私的利用の範疇に法律を持ち込むことは難しいと考えていたが、今回の最高裁判決により「個人が家庭内で行なう同一性保持権の侵害についても、法律の手が入ってくる。判りにくいかもしれないが、事実が明確になれば処罰されうる。私的な領域で行なわれる(データの)改変の是非については、私的利用との関係から『法律は家庭に入らず』など学説上の対立があったが、(最高裁での判決が)これに終止符を打った」としている。
 また、ゲームの改造方法やデータを、雑誌に掲載したりインターネット上で配信する行為についても、場合によっては今回の判決が適用されうるとしている。

 会見内容を整理すると、改造データの販売、購入、使用は不可であり、それらの情報配信行為も場合によっては判例が適用される可能性がある、ということになる。

中古ゲーム販売について
-最高裁で勝ったとしても中古ゲーム販売の撲滅は行なわない-
-ゲームソフトの友だち同士の譲渡は頒布権に抵触しない-

 中古ゲーム訴訟については、'99年以降、東京地裁や大阪地裁で相反する判決が下されて以来、先行き不透明な状況が続いているが、ACCSは「3月の高裁判決で、仮に(ゲームの)頒布権が勝ち取れたとしても、それを盾に(中古ゲーム販売)撲滅するということはない」ことを表明した。またACCSが主張する「頒布権」とは公衆への頒布であり、友だち同士でゲームを貸し借りするなど、個人間の譲渡は頒布権を侵害するものではないとしている。

 今後も同協会では、著作権侵害に対する対策強化を改めて打ち出すと共に、著作物の集中管理に向けて10月1日に施行される「著作権等管理事業法」にのっとり、著作物の集中管理に向けて「集中管理事業準備委員会」を設置し、必要な準備活動を行なうとしている。
 ただし、3月27日に東京高裁、3月29日に大阪高裁でそれぞれ判決が出る中古ゲーム訴訟の結果如何では、内容に影響が出る可能性があるとしている。

【著作権等管理事業法】
※これまでは許可制だった、映像や音楽などの著作権および著作隣接権の管理事業が登録制に変更されるというもの。著作権管理が自由化されたことにより、誰でも著作権管理事業に参入することが出来る

□ACCSのホームページ
(2月16日現在、この件に関する情報は掲載されていない)
http://www.accsjp.or.jp/
□関連情報
【2月13日】コナミ「ときめきメモリアル」メモリーカード裁判 最高裁は「データ改変は同一性保持権の侵害」と判断
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010213/konami2.htm

(2001年2月16日)

[Reported by 北村孝和]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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