コナミ「ときめきメモリアル」メモリーカード裁判
最高裁は「データ改変は同一性保持権の侵害」と判断

2月13日 発表

 コナミ株式会社は、スペックコンピュータ株式会社が販売した同社の恋愛シミュレーション「ときめきメモリアル」の主人公の能力値を変更するデータが入ったメモリーカードに関する裁判で、最高裁判所第三小法廷が13日に「ゲームソフトの著作物としての同一性保持権を侵害するもの」との判決を下したことを発表した。

 スペックコンピュータが輸入販売したメモリーカードは、コナミ「ときめきメモリアル」の主人公の能力値を極めて高い能力に変更することが可能で、コナミはこれを「ゲームソフトのキャラクタを無断複製」し、データを変更したことにより「ゲームストーリーが改変」された結果、「著作物の同一性保持権が侵害された」としている。

 争点となった「著作物の同一性保持権」とは、著作権法20条1項に記載されている「著作物が著作者の人格の発露としてその無傷性が保証されていることから、著作物の変更を禁止する権利」として、著作者に認められた権利。

 コナミでは、最高裁が下した判決の要点として以下の2項目を挙げている。

  • ゲームソフトの改変は、製作者が開発したプログラムそのものに直接加えられるものでなくとも、ストーリー等を改変するデータの入力によっても行ない得ることが認められた
  • このような改変データを販売する行為は、製造に関わらなくとも、著作権法上の違法行為となると判断された。このことは改変データのインターネット送信が著作権法上違法であることも示します

 具体的には、メモリーカードのデータを改造する行為も「ゲームソフト本体の改変」と同様であり、それらの製造、販売、インターネット上での送信に関わることは著作権法上の違法行為に該当するということになる。

 本裁判は、平成9年11月に大阪地裁で第1審が行なわれたが、同地裁はコナミ側の主張を退ける判決を下し、コナミはこれを不服として平成9年12月に控訴。
 平成11年4月に行なわれた大阪高裁の第2審では、一転してコナミ側の主張を全面的に認める判決が下されるも、スペックコンピュータ側はこれを不服として平成11年5月に上告。今回、最高裁判決を仰ぐこととなったが、同一性保護権の侵害について1月16日の口頭弁論を経たのち、本日の判決が下されることとなった。

□コナミのホームページ
http://www.konami.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.konami.co.jp/press/2001/02/013/r.13.02.13.html

(2001年2月13日)

[Reported by 北村孝和]

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