アップルストア銀座店にiPhoneアプリメーカーが集結 「世界に飛び出す日本のiPhone Appクリエイター」を開催
3月8日 開催
会場:アップルストア銀座店
iPhone用アプリケーションを開発する企業15社がアップルストア銀座店で3月8日、「世界に飛び出す日本のiPhone Appクリエイター」と題したイベントを開催し、自社アプリケーションのプレゼンテーションとiPhoneのアピールを行なった。
本イベントはニュース閲覧アプリ「iSWEN」シリーズなどを手がけるContent Idea of ASIA株式会社の小野田達哉氏の声がけにより開催されたもので、ゲームをはじめとした、さまざまなアプリケーションが紹介された。本レポートではそのうち、主要ゲームについて紹介する。
■ サン電子「上海」
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サン電子の水野政司氏 |
サン電子株式会社の水野政司氏は、パズルゲーム「上海」をプレゼンした。「上海」は同社が長年、国内でフランチャイズしてきたタイトルで、iPhone 3Gの発売と同時にApp Storeでリリースしている。マルチタップで2つの牌を同時に消すことも可能だ。
同社は1998年に欧米市場から撤退したが、その原因は不良在庫の累積だった。その後は携帯電話アプリを中心に配信してきたが、App Storeを大きなチャンスと捉え、開発をスタートさせたという。来期以降もさらにアプリ配信に力を入れていくとのことだった。
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麻雀牌を使った定番パズルゲーム「上海」。iPhoneのローンチタイトルとなったものの1つだ |
■ ビースリー・ユナイテッド「つみネコ」
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ビースリー・ユナイテッドの鈴木宏幸氏 |
株式会社ビースリー・ユナイテッドの鈴木宏幸氏は、バラエティゲーム「つみネコ」をプレゼンした。大・中・小の3種類のネコをドラッグ&ドロップで積み上げていき、高さを競うというもの。
ユーザーからは賛否両論があったそうで、鈴木氏は「これはヒドイ」、「調整不足」といった辛辣な意見から、「ネコ好きにはたまらない」といった賞賛まで、ユーザーから寄せられたコメントを紹介しながら、ゲームのアピールを行なった。今後はときおり出現する隠しキャラの追加なども行なっていくという。
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ひたすらネコを積み上げていくゲーム「つみネコ」。ゲームとしては賛否両論あるが、可愛いネコの姿や鳴き声は好評だ |
■ コニット「サムライチェス」
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コニットの橋本謙太郎氏 |
株式会社コニットの橋本謙太郎氏は、チェスゲーム「サムライチェス」をプレゼンした。般若や芸者が戦う和風テイストの内容で、CPUの難易度が3段階あり、ロビー機能を介して全世界のユーザーと通信対戦もできる。
会場では無料体験版のサムライチェスLiteの配信と、有料版ではアップデートでRankingとInvite機能が実装されるという発表も行なわれた。InviteではiPhoneのアドレスリストに登録されているユーザーにゲームの案内メールが発信できる。Lite版でも3回まで通信対戦が可能だ。
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和風のグラフィックスを取り入れた「サムライチェス」。現状でオンライン対戦に対応し、さらにアップデートも予定されている |
■ パンカク「LigetBike」
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パンカクの柳澤康弘氏 |
株式会社パンカクの柳澤康弘氏は、アクションゲーム「LigetBike」をプレゼンした。映画「TRON」の世界観をモチーフにした1人称視点の対戦型スネークゲームで、画面分割対戦や通信対戦で4人まで対戦できる。
米App Store有料アプリランキングで1位に輝いた実績を持ち、3月1日現在で無料版は95万ダウンロード、有料版は多い日で1日15,000ダウンロードにも上ったという。このほかiPhone発の現実拡張(AR)アプリケーション「クリスマスカメラ2」なども紹介された。
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米国ランクで1位を獲得した「LightBike」のほか、ARアプリケーションなども手がけ、iPhoneの可能性を広げている |
■ APPLIYA「ヱヴァンゲリヲン」
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APPLIYAの小田嶋太輔氏 |
APPLIYA株式会社の小田嶋太輔氏は、「ヱヴァンゲリヲン」関連のアプリをプレゼンした。同社はiPhoneアプリ関連のパブリッシャーで、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」から抜き出した印象的なカットを、合成フレームとして使える写真アプリ「フレームカメラ」をはじめ、5作をリリースしている。
プレゼンでは「つなぐ」、「楽しむ」をキーワードに、開発会社のアプリの販売・宣伝を行なったり、「アプリヤナイト」と称して毎月、iPhone関連の関係者を集めたパーティの企画・運営などの活動が紹介された。
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「ヱヴァンゲリヲン」アプリで注目を集めているパブリッシャー。「アプリヤナイト」などを開き、開発者同士の交流を深める手助けもしている |
■ 今年は全世界で2,400万台出荷も
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ITジャーナリストの林信行氏 |
イベント後半ではITジャーナリスト林信行氏がiPhoneの魅力について講演した。林氏は日本のマスコミはiPhoneのネガティブな側面を強調しがちだが、2008年末で世界中で1千万台が出荷されており、2009年には2,400万台に達するというアナリストの見解を紹介。また国内ではiPhoneの魅力が正しく伝わっていないとの見解を示した。
その上で、今後ITの主戦場はPCから携帯電話に移行するという見方を示し、性能はネットブックと携帯ゲーム機の中間で、携帯性に富むとiPhoneのポジショニングを分析。iPhoneはユーザーのポケットの中でWeb 2.0を実現するプラットフォームだと述べた。その上で国内のiPhoneのシェアは2%にすぎず、アプリ開発者は世界に視野を向けることが重要だと述べ、共にiPhoneをもり立てていこうとアピールした。
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日本では失敗といわれているiPhoneだが、40万台出ているといったデータを示してアピールした |
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GClueの佐々木陽氏 |
最後に「iKoto」などの和風楽器アプリを展開する福島県・会津若松市のデベロッパー、GClueの佐々木陽氏が登壇し、iPhone SDKを利用したアプリ制作のデモを行なった。佐々木氏は画面をタップして音が鳴る太鼓アプリの制作を通して、Intel Macを用いたiPhoneアプリの制作手順を紹介。わずか10分でアプリを完成させ、iPhoneアプリが簡単に開発できることをアピールした。
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太鼓を叩くと音が出るアプリ。画像などは元から用意してあったものだが、実機で動くアプリを10分で作り上げた |
本イベントではiPhoneのみの紹介となったが、実際にはiPod touchでも多くのアプリを走らせることができ、両者をあわせれば、国内でも相応の販売台数となる。林氏のプレゼンではiPhone向けアプリの中でもゲームが22%と最多だと紹介されたが、その大半はtouchでもプレイ可能だ。また登壇者のうち、老舗ゲームメーカーはサン電子(サンソフト)のみで、異業種や新規参入組が多く、プレイステーションの立ち上がり時を思わせるエネルギーが感じられた。
Content Idea of ASIA株式会社の小野田氏によると、4月に同様のイベントがアップ名古屋栄店でも開催予定で、それ以後も全国でムーブメントを展開していきたいという。日本のベンチャー企業による良質なアプリケーションが、ますます世界中で販売されていくことを期待したい。
□アップル -iPhone- App Storeのホームページ
http://www.apple.com/jp/iphone/appstore/
□アップル -直営店- Ginzaのホームページ
http://www.apple.com/jp/retail/ginza/
□Content Idea of ASIAのホームページ
http://ci-a.co.jp/
□サン電子のホームページ
http://www.sun-denshi.co.jp/
□ビースリー・ユナイテッドのホームページ
http://www.b3united.com/
□コニットのホームページ
http://www.conit.co.jp/
□パンカクのホームページ
http://www.pankaku.co.jp/
□アプリヤのホームページ
http://appliya-inc.com/ja/
□GClueのホームページ
http://www.gclue.com/
□関連情報
【3月4日】APPLIYAとブロッコリー、iPhoneアプリ共同事業発表会を開催
「ヱヴァンゲリヲン」関連アプリを5本発表
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20090304/app.htm
【2月18日】ブロッコリーとアプリヤ、「ヱヴァンゲリオン」を題材にした
iPhone/iPod touchアプリの開発を発表
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20090218/eva.htm
(2009年3月9日)
[Reported by 小野憲史]
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