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会場:台北世界貿易中心
入場料:大人150台湾ドル(約450円)
2008年の「ルーセントハート」の成功は、今年以降の台湾産タイトルの日本進出を促進させる効果をもたらすのは間違いないと思われる。それは「ルーセントハート」の発売元であるGamaniaも例外ではない。今回は「ルーセントハート」以降の自社開発タイトルを取材するために、Gamania本社を訪れた。
今回取材できたのは、Taipei Game Showに合わせて正式発表されたGamaniaの新作オンラインゲーム「HERO 108」と、日本で今春正式サービス開始予定の「仙魔道」、そして「ルーセントハート」の最新アップデート情報も聞いてきた。順番に紹介していこう。 ■ Gamaniaの新作オンラインゲーム「HERO 108」は、欧米展開の秘密兵器
肝心のゲーム内容は、中国の英雄小説「水滸伝」の世界観を下敷きに、108人の英雄の活躍を描いたオンラインアクションゲーム。奥行きのある3Dステージを舞台にした横スクロールアクションゲームで、ゲーム性としては「アラド戦記」、グラフィックスやバトルスタイルはXbox Live Arcadeで配信されている「Castle Crasher」にそっくりだ。ゲームの開発予算は約2億台湾ドル(約6億円)で、北京と台湾の開発チーム、合計20人体制で開発が進められている。 今回実際に台湾の開発ルームにおいて実機によるデモンストレーションを見ることができた。アニメの第1話に登場するキャラクターがプレーヤーキャラクターとして選択可能で、3頭身のかわいらしいキャラクターは、実になめらかな動きをする。その動きはどこまでもアニメ的だ。ジョブやスキル、レベルといったRPG的要素はあるようだが、ディテールについてはこれから決めていくということだ。 現時点ではとりあえず、街があり、インスタンススタイルのダンジョンがあり、そこで敵と戦えるというだけの内容が実装されており、開発にはまだしばらく時間が必要な印象を受けた。基本的には最大4~5人前後のパーティーを組んで、ダンジョンごとに課せられたミッションを突破していく。デモでは、ステージの最奥に巨大なボスモンスターが出現し、それを倒すことでステージクリアとなった。 アニメーションとリンクさせることで、アニメの登場キャラクターをプレーヤーキャラクターに選択できたり、アニメの進行に合わせてアップデートを行なったりなど、ゲームとアニメの双方にシナジー効果を出すための仕掛けを取り入れていく。ストーリーは不明だが、カートゥーンネットワークで流されるアニメーションだけに子供向けの味付けになることは間違いなさそうだ。
欧米でのサービス開始時期は2009年後半を予定。ただし、アニメの放送配信日が決まっていないため、スケジュールについては流動的だという。 ■ 日本で今春正式サービス開始予定の「仙魔道」は、大拡張を計画中
台湾では2008年3月に正式サービスがスタートしているが、ゲームのバランスが良くないため数字が伸び悩んでおり、チューニングを施した上で展開される日本サービスに大きな期待を寄せているという。膨大な数のアバターアイテムが用意されているため、定着率が高く、客単価も高いゲームになっているという。 基本的なゲームデザインは、対人戦に主軸が置かれており、そのための仕様が充実している。そのひとつが“仙魔化”と呼ばれるパワーアップシステムだ。任意のタイミングで発動させることで「『ドラゴンボール』のスーパーサイヤ人」(駱氏)のような瞬間的な肉体性能のグレードアップを図ることができる。 仙か魔かによって、“仙魔化”の内容も変化し、いわゆるスーパーサイヤ人化するだけでなく、仙側のキャラクターなら味方にヒールをするという能力を獲得することもできるという。一方、魔の場合は、個人プレイが優先されるため、個人の能力を上げる仙魔化が多いという。仙魔化は2~3分有効で、対人戦時やクエスト攻略時など、さまざまなシーンで使うことになるようだ。 対人戦には、個人戦である「PvP(Player VS Player)」と、仙と魔という2つの陣営の戦いを描いた「RvR(Realm VS Realm)」の2系統を用意。PvPは、中立エリアなら自由に実行可能で、勢力の違うキャラクタとなら相手の許可は不要。実質的にPKを容認するシステムになっている。同勢力間でも許可を取ることで戦うことができるという。 一方のRvRは、一応実装済みながら、企画段階のものが多いという。つまり、「仙魔道」は、いまだ「仙と魔の戦い」という基本的なゲームコンセプトが十分に実現できてないということになる。このあたりはいかにもオンラインゲーム的というか、台湾的というか、表現が難しいところだが、日本サービスがスタートする今春のタイミングで大幅な機能強化を予定しているということだ。 その具体的な内容については「現在日本と調整中」とのことで話してもらえなかったが、現在の基本仕様は、専用マップで争われ、領土や施設を奪い合う概念はなく、純粋に戦功値を競い合うというスポーティーな内容だという。獲得した戦功値によって専用のレアアバターを入手できたりするという。個人プレイを好む台湾とは異なり、日本では団体意識が強いため、それに関連したシステムの強化を図っていきたい考えだ。
今夏にはメジャーアップデートを予定しており、そこではストーリー性の強化を図っていきたいということだ。なぜストーリーに着目したかというと、もともと「仙魔道」はストーリー性の高いMMORPGとして企画していたが、台湾ではストーリーに対してあまりニーズがないため実装を見送ってきたが、日本では逆にストーリー性を求めるため、日本サービスに合わせて強化していきたいという。ハードコアの作風だが、実際どのようなストーリーが展開されるのか楽しみである。
■ 今年も続々と大型アップデートが続く「ルーセントハート」
2008年8月に日本でインタビューして以来、約半年ぶりに再会したPlayCoo総経理の張鳳珠氏に、日本での成功の感想を聞くと、「半年の成功では、まだ商業的な成功とは言えない」と慎重な解答だったが、満足しているポイントとして、業績が予想より上回ったこと、ガマニアジャパンのフィードバックを受けて速やかに対応できたこと、日本向けのアバターが好調であること、“ほしとも”システムが好評であることなどを挙げてくれた。 台湾と日本のユーザーの大きな違いは、アバターアイテムの買い方だという。台湾のユーザーは機能重視で、具体的な効果を求めるのに対し、日本は見た目が良ければヒットする傾向があるという。 その一方で不満点としては、コミュニティ機能の弱さを挙げてくれた。日本人は、台湾や中国ユーザーに比べると団体、グループ意識が強いため、コミュニティ機能の強化は必須だと感じたという。これを補強するために、今後、ギルド機能の強化を計る。具体的にはギルド戦のシステムを導入し、ギルドのアームバンドを装着可能にしたりすることを考えているという。そのほかにもマイルームを作って、そこに友人を呼べたり、コミュニティ間で即席のクイズ大会を開ける「クイズショウ(仮)」システムを計画しているという。 日本で人気の高いアバター関連要素については、アバターアイテムの拡充に加え、装備すると目立てる超大型武器の実装、カップル用のエモーション、ペットシステムの強化、2人乗りのペットの実装などを予定。 日本運営サイドで課題として掲げられていたゲームのボリュームの短さについては、100階建ての塔や、毎日挑戦できるランダムクエスト、レベルクエストの実装で補うという。ランダムクエストは、対象のマップと対象のモンスターをランダムで指定し、報酬もランダムというプロシージャルなクエスト生成システム。 その他の新要素としては、2009年下半期に、ゲームのイメージキャラクターとして利用されている女神をゲーム内に登場させ、クエスト等を提供してくれるような演出を計画しているという。張氏は日本のユーザーに向けて「今年のアップデートにはいろいろサプライズがあります。どうぞご期待ください」とメッセージを寄せてくれた。 「ルーセントハート」は、現在、台湾と日本のみでサービスが提供されており、今年も引き続き日本サービスに力を入れていく方針のようだ。「ルーセントハート」ユーザーは、今後の展開に期待したい。
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□Taipei Game Showのホームページ (2009年2月17日) [Reported by 中村聖司]
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