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Taipei Game Show 2009現地レポート

Gameflier、有名RPGをテーマにしたMMORPG「仙剣Online」、
アクションMMORPG「Dragonica」の2本を出展

2月12日~16日開催

会場:台北世界貿易中心

入場料:大人150台湾ドル(約450円)
    子供100台湾ドル(約300円)


台湾最大規模のゲームショウTaipei Game Show2009ではいくつもの台湾オンラインゲームメーカーが出展し、来場者に存在をアピールしている。オンラインゲームメーカーの中で一番派手な出展を行なっていたのが、Gameflierだ。

 Gameflierは「ラグナロクオンライン」、「World of Warcraft」、「信長の野望Online」といったタイトルを台湾でパブリッシングし、「黄易群侠傅 online(カオティック・ブレイン)」といったタイトルを運営する台湾No.1のオンラインゲームメーカーSoftworldグループの、パブリッシングを担当する部門である。

 今回Gameflierは、台湾Soft Starが開発する「仙剣Online」と、韓国Barunson Interactiveが開発する「Dragonica」の2本を大きなブースで出展していた。白を基調にしたブースは階段状に2段の試遊コーナーを設置しており、大きさとともに“高さ”で他のメーカー以上の存在感を主張していた。本稿ではSoftworld本社で担当者から聞くことができた情報をあわせて、ブースと2つのタイトルをレポートしたい。


■ 巨大な二段のブースとセクシーなコンパニオンで来場者を魅了するGameflierブース

コンパニオンの指導でパッドでのプレイを体験する来場者。コンパニオンにフォローしてもらうというコンセプトは魅力的だ
 Gameflierのブースは来場者の目を引くブースだ。2段になっている巨大なブース、大きなライトがつり下げられた他のブースよりも一段高いところに作られたステージ、フリルを多用した派手なコスチュームをまとったコンパニオンと、華やかな雰囲気のブースだ。

 ゲームユーザーにとって最大の注目点は、今回出展されたMMORPG「仙剣Online」だ。この作品はSoft Starが開発し、台湾で大きな人気を獲得したRPGシリーズ「仙剣奇侠伝」をオンラインゲーム化したものだ。

 「仙剣奇侠伝」は「仙剣奇侠伝4」まで作られており、テレビドラマまで作られた作品。台湾のゲーム業界がパッケージゲームが中心だった数年前、Soft StarとSoftworldはゲーム開発のライバルだった。そのSoftworldがSoft Starが開発する「仙剣Online」をパブリッシングする、というのは台湾のゲームファンにとって大きな“事件”であるといえるだろう。ユーザーの注目度は高く、試遊台でスキルやキャラクターをチェックするユーザーも多かった。

 もう1つの出展タイトル「Dragonica」は日本のコンシューマのアクションゲームを思わせる軽快な操作性と、頭身の低いかわいらしいキャラクターが特徴のMMORPGだ。韓国ではNC Softがパブリッシングを行なっており、本誌でも1度G-Star2007のレポートで取り上げている。

 今回Gameflierは試遊台にゲームコントローラーを設置して本作をアピールしていた。ボタン連打で次々と技を繰り出すキャラクターの動きは軽快で、爽快だった。以前みた開発中のバージョンはダンジョンでの戦いが中心で、おどろおどろしい雰囲気だったが、今回みることができたフィールドは桜が咲いていたり、海辺の砂浜など和やかな風景も見ることができた。ユーザー各キャラクターの操作間をチェックしたり注目が高かった。

 魅力的なタイトルを出展していたGameflierだがゲームをたっぷり体験できたかというと疑問を持つところもあった。コンパニオンは人気だったが、試遊台に近づかず、カメラを持った来場者に答えるのに精一杯になってしまう場合も多く、またイベントでステージに立ってしまったりで、来場者のプレイをフォローできない場面も多くみられた。

 出展も強めのキャラクターで初期の場所からスタートするというもので、試遊台に座ったもののゲームをどう楽しんだらいいかわからず、適当にキャラクターを動かして周りを見回しながら離れる、という人も多かった。MMORPGの試遊台はこういったケースが多い。数分のプレイではゲームの魅力がほとんどわからないのだ。これをフォローするためのコンパニオンが役目を果たせないというのは残念だった。

 韓国ではゲームのエッセンスを体験できる特別フィールドを用意したり、ゲームプレイを支援するためのスタッフを数多く配置したりとタイトルのアピールが洗練されてきている。今回のGameflierはタイトルの存在感はアピールできたものの、ゲームの魅力を伝えるのにはもうひとつというところだった。台湾No1のオンラインゲームメーカーとして今後の出展の姿勢に期待したい。

階段状のブース構成でインパクトのある出展を行なっていたGameflierブース。コンパニオンのコスチュームのスカートが短いため、2段になっている試遊台の上の段を歩いていると目のやり場に困ってしまう


■ 愛と情念をテーマにしたSoft Starの名作をMMORPG化、「仙剣Online」

「仙剣Online」運営担当のGameflier Operation Center Assistant ChiefのLolo Ho氏
ゲーム画面はスムースに拡大縮小する。フィールドは華やかで美しい
 「仙剣奇侠伝」の世界をMMORPGに! というアプローチは実はSoft Starが数年前からチャレンジしていた問題であった。今回、ようやく「仙剣Online」のプレイアブルのバージョンがファンの前に姿を現わすことができた。

 「仙剣Online」の原作となる「仙剣奇侠伝」シリーズ第1作は日本でもセガサターン向けRPGとして発売されたことがある。古代中国を舞台として、華麗な剣の使い手、おどろおどろしい魔物、仙術といった要素が盛り込まれた“武侠もの”の世界観を持つ作品である。原作である「仙剣奇侠伝1~4」はそれぞれ主人公が違い、時代設定も変わっていく。

 今回運営担当のGameflier Operation Center Assistant ChiefのLolo Ho氏に話を聞くことができた。「仙剣Online」はシリーズ第1作目と2作目のストーリーをベースに展開するという。2作目は1作目の50年後の世界を扱っている。「仙剣Online」はこの間を埋めるオリジナルストーリーが展開する。鍵を握るのは1作目の主人公とヒロインの間に生まれた娘だ。現在はシリーズ2作目までがメインだが、今後は全部の作品の要素を盛り込んでいく予定だ。

 「仙剣Online」は3月中に2回限定されたテストを実施し、4月9日よりクローズドベータテスト、4月16日よりオープンベータテストを行なう。スタート時は人族と妖族が選択可能で、今後のアップデートで魔族や仙人、鬼といった原作で登場する種族も選べるという。職業も剣侠や練気師など6種類が用意されているが、今後増えていく。

 本作の魅力はなんといってもストーリー要素だ。原作に登場するキャラクターが登場し、プレーヤーと関係を持ちストーリーが展開する。「仙剣奇侠伝」シリーズは男女の主人公たちの生き様を第3者として追っていくというのが基本ラインだったが、「仙剣Online」ではプレーヤーは世界の住人として登場人物たちと関わり、物語を紡いでいくこととなる。

 原作同様、“愛”は重要なファクターであり、開発元が練り上げた情念あふれるストーリーを体験できる。ストーリーはクエストが中心となり、さまざまな登場人物がキャラクターに関わってくる。原作ファンは間違いなく楽しめるが、本作がシリーズ初挑戦というプレーヤーもストーリーに入れ込めるような工夫をしていくという。

 ペットやギルドなど、コミュニティや成長要素を盛り込みMMORPGとしての楽しさを追求していく。中でもユニークなのがプレーヤーキャラクターの関係がゲームに直接関係してくるシステムだ。「身内」、「親友」、「兄弟」、「戦友」、「夫婦」と言った関係をプレーヤー同士で結ぶことで特別なつながりが生まれる。パーティーを組むと補助効果が生まれたり、特別なスキルが使えるようになる。ゲームルール以外でも、ロールプレイという側面で他のMMORPGにはない独特な人間関係を感じることができそうだ。

 ゲームの方向性としてはキャラクターを強化するだけだったり、PvP、RvRを目的とするだけでなく、プレーヤーの分身であるキャラクターが「仙剣奇侠伝」の世界でどう歩き、他のプレーヤーと関係を結ぶ、「世界での生き方」を模索するゲームを目指しているという。

 会場の試遊台では細かく書き込まれた世界、巨大なモンスター、派手なスキルのエフェクトなどが目を引いた。Lolo氏は「RPGを作ってきたSoft Starですから、ストーリー要素、クエストはボリューム、内容も充実しており、一番のセールスポイントです」と語った。

 Soft Starは台湾でMMORPGが出始めた時の作品である「飛天オンライン」でムービーシーンや濃いストーリー展開を盛り込み、独自要素をアピールしたメーカーである。そのSoft Starが、「仙剣Online」においてストーリーとコミュニティ、そしてゲームとしての楽しさをどこまで高いバランスで実現できるか期待したい。そしてGameflierの運営により、どのようなプレーヤー社会を作ることができるのか、注目したいところだ。

【仙剣Online】
スキルやキャラクターのアクションが派手な「仙剣Online」。ストーリー要素に特に期待したい

【ムービー】


■ 韓国メーカーが開発したゲームパッド対応のアクション重視のMMORPG「Dragonica」

「Dragonica」運営を担当するGameflier Operation Center Supervisor のJacky Tseng氏
クエストとNPC会話画面。キャラクターのイラストも独特の味がある
 「『Dragonica』は台湾初の3D横スクロールMMORPGなんです。新しいゲームの楽しさを感じてほしいと思っています」と語るのは、本作の運営を担当するGameflier Operation Center Supervisor のJacky Tseng氏だ。「Dragonica」はGameflierのブログサービスG-logで熱心なテスターを募り、台湾ユーザーの意見をとり入れたゲームとするべく通常よりもさらにターゲットを絞った形でクローズドβテストを実施している。

 FGTは1月末に1度目を行ない、3月にも行なう予定だ。Gameflier は本作の中心となるターゲットを高校生以下の低年齢層に設定しており、さらに自余性ユーザーの意見を積極的に集めているという。サービススケジュールとしては4月以降、第2四半期にCB以降を展開する予定だ。

 「Dragonica」はファンタジー世界を舞台にしたMMORPGで連続攻撃でのコンボや、ジャンプ攻撃など横スクロールアクションゲームの要素を積極的に取り入れた作品だ。キャラクターは3頭身の丸っこいデザインでかわいらしいが、コマンドで多彩なモーションで攻撃を繰り出す。ゲームパッドに対応しており、コンシューマゲームのような感触で戦闘が楽しめる。

 巨大な剣を振り回す「戦士」、派手な魔法攻撃を繰り出す「法師」、遠距離から弓で射抜く「弓師」、素早い攻撃が得意の「影者」という4つの基本職業があり、さらに専門的な職業に分化していく。パーティーは4人までで、インスタンスダンジョンではパズル要素も盛り込まれている。

 ユニークな要素としては「毎日の恋人」というシステムがあり、毎日ランダムでパートナーが指定され、そのパートナーとゲームを楽しむと補助効果などさまざまな特典がある。ゲームはシングルプレイでどんどん楽しめるが、中盤以降はパーティーを組んで狩りにいくような展開になる。

 「Dragonica」は“城”を奪い合うギルド戦システムも実装されている。従来の甲状腺のように防御側、攻撃側になるのではなく、専用の対戦フィールドで拠点を奪い合うといった形の、乱戦が展開する。「Dragonica」は世界観の設定では12の城があるが、FGTの時点では1つだけが実装されている。次回のクローズドβテストでは100人以上のプレーヤーがぶつかり合うテストを予定している。

 FGTの後はプレーヤーを集めた座談会が開催され、Tseng氏はユーザーから直接さまざまな意見を聞いた。台湾のユーザーにあったサービスにするにはどうするかを議論し、さまざまなことを考えさせられたとTseng氏は語る。「毎日の恋人」ではプロフィールも交換したいという意見が出て、開発に働きかけている。

 試遊台でゲームパッドでのプレイを提示していたTseng氏は、ゲームパッドを同梱したパッケージの販売も検討している。Softworldは「信長の野望Online」などいくつかのタイトルでゲームパッド同梱のパッケージを販売している。本作でもその可能性はあるという。

 筆者は以前韓国でテストバージョンの「Dragonica」を触っているが今回、フィールドの書き込みやキャラクターの描写の書き込みに感心させられた。ちょっと気になった点としては、派手な攻撃のわりに当たり判定が少し狭いかな、というところだった。日本でのサービスはまだ見えない本作だが、台湾のユーザーの反応は気になるところだ。

【Dragonica】
韓国の公式ページのスクリーンショット。表情豊かなキャラクタと、スピーディなゲーム展開が魅力だ

【ムービー】


□Taipei Game Showのホームページ
http://tgs.tca.org.tw/
□Gameflierのホームページ
http://www.gameflier.com/
□関連情報
【2008年1月27日】台湾最大手Softworldグループ台北本社訪問レポート
PC/Xbox 360相互接続を実現する次世代MMORPG「Xenjo Online」を見た
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080127/tgs_sw.htm
【2007年11月10日】NCSoftブースレポート
テストより先行した要素が体験できた「AION」
アクションRPG「DRAGONICA」など
4タイトルを会場特別バージョンで出展
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071110/ncsoft.htm

(2009年2月14日)

[Reported by 勝田哲也]



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