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会場:韓国国際展示場(KINTEX)
入場料:5,000ウォン(前売り3,000ウォン)
ブースで人気を集めていたのが「AION」だ。「リネージュII」の次を担うMMORPGとして韓国国内で期待されているコンテンツだが、会場での人気も非常に高かった。「パンチモンスター」、「DRAGONICA」は低年齢のユーザーの人気も高い。 NCSoftの出展タイトルはどれも「会場向け」にカスタマイズされているのが大きな特徴だ。「AION」は現在クローズドβテストを実施しているが、会場では現在未実装の「魔族」を会場で一足早く体験でき、PvP要素も盛り込まれている。「パンチモンスター」、「DRAGONICA」はシングルプレイ専用のマップが用意されており、チュートリアルから雑魚戦、そして迫力たっぷりのボス戦を体験できるようになっていた。 今回改めて考えさせられたのは来場者の「ゲームへの興味の強さ」だ。「AION」はコンパニオンが横に座ってプレイを教えてくれるおなじみの方式を採っていたのだが、横に女の子を座らせる事を望まない人が多く、のめり込むように画面を見つめ、さまざまなスキルを使ったりと、コンテンツそのものを楽しんでいた。ユーザーが夢中になってプレイしているのを見守るだけのコンパニオンもいた。 コンパニオンが横に座ってくれるブースの様子を見て、興奮した様子で集団でプレイ待ちをしていた男の子達の姿は、「G★2007」にはなかった。これはNCSoftでも予想していなかったのではないだろうか。ハードなFPSである「POINTBLANK」で的確に相手を倒していく女の子など、今回のNCSoftブースは特にイベントに来て最新コンテンツを確かめる、「コアなユーザー層」の広がりを強く感じた。
NCSoftは「G★2007」で唯一、プレイ待ちの行列を作っているメーカーだった。試遊台が空いた時にユーザーを誘導する形にしたため、試遊台の周りはすっきりしておりたっぷりプレイを楽しむことができた。モニタを設置したり、列の方から見えるように試遊台を設置したりと、プレイ待ちの人も楽しめる工夫も感じられた。
■ 独自の世界観を作り上げる「AION」。会場では天族と魔族の戦いを体験
「AION」は2006年のE3でプレイアブルのデモバージョンが発表された。白い羽毛の生えた翼を持つ天族のプレーヤーがモンスターと戦い、巨大な塔でボスと戦うといった展開の中に、森、海辺、川と美しい風景がめまぐるしく変わり、海辺では天空に巨大な生き物がゆっくりと空を横切っていくという、幻想的で美しい世界を強く印象づけた作品だった。 韓国で行なわれているクローズドβテストでは、プレーヤーは天族をプレイできる。翼を持った種族だが、プレーヤーの意志で自由に空を飛ぶというシステムにはなっておらず、普段のキャラクタは翼をしまった普通の人間のような外見を持っている。このキャラクタが塔の上など「飛行可能区域」にたどり着くと大きな翼を広げ飛翔する。幻想的な「AION」ならではの“美しさ”をプレーヤーは体験できる。 この他キャラクタが倒れたときなど、キャラクタは大きく翼を広げ、次の瞬間翼で自分の体を包み隠してしまう。随所に独特なセンスを感じさせられるゲームとなっており、クローズドβテストは韓国国内で高い評判を獲得しているという。 「G★2007」の会場では、テストで現在未実装の「魔族」そしてPvP要素が体験できる事が発表されていた。この情報に、コアプレーヤーは高く期待していた。しかし、いざ出展されたバージョンでは、魔族そのものは明らかになったものの、初期のスキルは天族と同じで、PvPもマップ奧のポータルを使うと敵対種族の地に行ける、というものだった。 多くのプレーヤーはただモンスターを倒していて、いきなり進入してきた敵対プレーヤーに倒されると言うところで、“対戦を楽しむ”というところまでいっていなかったのが正直なところだ。コアプレーヤー達は肩すかしを食ってしまった形になる。 とはいえ、「AION」に少しでも触れたいというユーザーは多く、さらにそのビジュアル的な密度の濃さは来場者の期待に充分応えたと言えるだろう。コウモリのような翼を持った魔族の飛翔する姿ははっきりと天族と対立する存在であるイメージを打ち出している。来場者には充分「AION」の魅力はアピールできたと言える。
「AION」は、「3つの種族の対立」を最大のテーマとしている。天族、魔族はプレーヤーが選ぶことができるが、竜族はNPCとなっている。竜族をどのように扱うかが、ゲームの大きな駆け引きになるという。この要素の詳細に期待しているユーザーは多い。この声に応えるためか、NCSoftは「AION」の発表会を開催し、PvPが行なわれる世界「アビス」の概要を発表している。こちらの情報は別項で改めて紹介したい。
■ 広大で仕掛けたっぷりのフィールドを軽快なアクションで駆け抜ける「DRAGONICA」
本作の最大の特徴はフィールドの奧と手前、更に上下を行き来する要素を加えたところにある。ジャンプ台に乗ったキャラクタは大きく奧や手前に跳ね、今まで背景だと思っていたフィールドが足場となる。フィールドも奥行きを持っていて、敵の後ろに回り込んで連続攻撃を加えたりできる。 キャラクタを含め全て3Dグラフィックスで描き出されており、様々な状況でフィールドの視点も変わる。奥行きだけでなく、上下も自由にスクロールするため、現在最大のダンジョンは手前と奧で4ライン、上下5階層となっており、同ジャンルのゲームでは追随を許さないスケールを実現しているという。 もう1つの面白さが、スキルのセンスである。魔法使いは頭を砲台に変えて弾を撃ち出したり、怪しい人物を呼び出して敵をひるませるスキルなど、ゲーム全体の雰囲気が持つファンタジー風世界観からから大きく外れた要素を取り入れ、ユニークな雰囲気を造り出している。戦士などは大仏の頭をかぶり防御力を増す。キャラクタの職業は戦士と魔法使いの他、弓使いや盗賊といった職業が用意されている。 開発理事を務める李承俊氏は「街とフィールドの3Dとしての繋がり、そしてMMOである人と人の繋がりを特に見て欲しい」と語る。本作ではアクションが主役となる2D要素、敵との位置が大事になる3Dの表現を状況と演出によって使い分ける。単純なマップ切り替えではなく、繋がっているマップによる変化は広い空間を冒険している実感を与えてくれる。 また、街は見下ろし型に近い広場も持たせ、プレーヤー達が集まり楽しくおしゃべりをできるように工夫をしている。ボス戦でも広いフィールドを使うことで、「イース」のようなフィールドを動きながら敵の攻撃をかわす駆け引きを実現している。他にも4人で楽しめるインスタンスダンジョンもあり、様々なゲームの楽しい要素を取り入れることを目指しているという。 アバターは無料のものが120種類、課金を30種類以上用意する。アイテムは頭、肩、手袋、上着など細かくパーツ分けされており、肩飾りやマント、ネックレスなどのアクセサリもある。ゲームを通じて無料で手に入る物はファンタジー的な雰囲気を持っているが、課金アイテムはセーラー服や水着など、現代的なアイテムにしていく。 今後は、飾り立てることのできる「マイルーム」、連れて歩くことができ、乗ることもできる「ペット」、フィールドに昼と夜の概念を取り入れ、更に日本のユーザーには、「四季」の要素も喜ばれるかもしれないと李氏はコメントした。
最後に李氏は、日本の未来のプレーヤーに対して「ゲームで一番大切なのは、コンセプトを設定しそれを守っていくことも必要ですが、オンラインゲームにおいては特にユーザーとのコミュニケーションが必要だと思っています。本作が日本でサービスできた時には、是非たくさんの意見を寄せてください」と、メッセージをくれた。日本展開にも期待したいところだ。
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□G★ 2007のホームページ (2007年11月10日) [Reported by 勝田哲也]
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