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【連載第37回】大人による大人のための洋ゲー連載

Game Dudeの「大人のための海外ゲームレポート」

2009年期待の海外ゲームカタログ!!
君はプレイステーション 3の大攻勢を防ぎきれるか!?

「海外ゲーム'09」特集(前編)


 2009年に入り、Xbox 360は4年目に突入、国産プラットフォームのプレイステーション 3とWiiも3年目を迎えた。欧米ではパブリッシャーごとの生き残り競争は激化し続け、昨年末のホリデーシーズンも多数の大作がしのぎを削ったことは記憶に新しい。

 今年はいよいよ現行世代機の円熟期に入り、2008年以上の大豊作が期待される。更に練り込まれた良作が多数登場するだろう。今回の海外ゲームレポートは特別版として、2009年の海外ゲームシーンを先取りしてみたい。

 「海外ゲーム'09」特集の前編では、プラットフォーマーであるソニー・コンピュータエンタテインメントのプレイステーション 3にフォーカスを当ててみた。後編ではサードパーティータイトルを紹介する予定だ。

【お断り】
 当連載でご紹介したゲームは日本国内で流通しているハードウェアでは動作を保証するものではありません。編集部では海外版ハードウェア・ソフトウェアを輸入して紹介しています
 この記事を読んで行なった行為によって、生じた損害はGAME Watch編集部および、メーカー、購入したショップもその責を負いません
 GAME Watch編集部では、この記事についての個別のご質問・お問い合わせにお答えすることはできません



■ 強力な独占タイトルを囲うことがゲームファンへの支持に繋がる

 世界中にたくさんの熱烈なファンを持つプレイステーション・プラットフォームだが、ゲームビジネスとしては依然として低迷状態にあり、今年はいよいよ待ったなしの正念場になる。Xbox 360から約1年リリースが遅れ、最も安いシステムでも399ドルという値段の高さが、ボディーブローとなって、いまだに本領を発揮するに至っていない。

 そしてなんと言っても痛いのが独占タイトルの少なさだ。Xbox 360やPCとのマルチプラットフォーム展開がビジネスとしてすっかり定着して久しいが、ソフトウェア供給面で言うとPS2全盛期ほどではないにしろすでに十分な量のタイトルが確保されているものの、如何せんPS3ならではの独占タイトルがほとんど見あたらない。

 また、NPD調べによると、米国ではいわゆるハイデフ機のシェアは、昨年末のホリデーシーズンは、Xbox 360は約84万台、PS3は約38万台と大きく水をあけられる結果となった。もともと米国製品に抵抗がありプレイステーションブランドの強かった欧州市場においてもXbox 360は年末商戦では売上を伸ばしている。単純に考えて、Xbox 360とPS3で最大2倍の価格差がありながら、プレイできるゲームはXbox 360の方が豊富という現状をなんとかして打破しなければゲームプラットフォームとしての未来は厳しいだろう。

 SCEは過去にサードパーティー各社に資金を注入し、独占タイトルの囲い込みをやってきたが、この作戦は今やすっかりMicrosoftの十八番になってしまっている。SCE側も巻き返しを図るために、最近は独占タイトルに「Only on PlayStation 3」の表記をつけるようになったが、如何せんそれをアピールするタイミングが3年遅い。今こそプラットフォーマーであるSCEが、PS3の持つポテンシャルを十二分に引き出した独自タイトルをゲームファンにしっかりと提供していかないと、熱心なファンすら見切りをつけてしまってもおかしくない。

 米NPDグループが発表した2008年のゲームソフト売上トップ10においても、PS3のランクインは「Grand Theft Auto IV」のみという結果に終わってしまっている。残念ながらPS3の独占タイトルは1本も含まれていない。

 今年が天王山、という見解はやはりSCE側も持っているのか、投入される予定の独占タイトルはどれも強力なもので未発表のタイトルも考慮すると、SCEは今年史上最大規模の独占タイトルの大攻勢を仕掛けてくるのは確実な情勢だ。

 そこで、今回は、今年話題になりそうなPS3独占タイトルを中心にピックアップしてみた。発売予定は北米でのものであり、日本での発売予定も確約できない。PS3ファンは今年のPS3にぜひ期待してほしい。



 PS3発表時から最大級のキラータイトルとして注目されてきた「Killzone 2」は、ゴールドマスターが上がり開発も完了、あとは来月の発売を待つのみとなった。ポスト「Halo」として誕生した前作は、PS2が持つ表現力の限界にチャレンジしたFPSとして市場に投入されたものの、独特の操作性や、いまひとつ洗練しきれてないデザインで評価は不十分だった。日本版もなぜかSCEではなくセガから発売されている。その後、SCEは開発元のGuerrilla Gamesを買収し、開発環境を安定させてPS3の持つポテンシャルを最大限まで引き出した大作FPSとして本作の開発を行なってきた。

 日本時間の2月6日、ヨーロッパのPLAYSTATION Storeにて待望の「Killzone 2」体験版の配布が開始された。ファイルサイズは1.1GB以上あるため、体験版としては大きなものだがダウンロードをする価値は特大。早速プレイをしてみたので、速報としてゲームのインプレッションをお伝えしよう。

 体験版のゲームはミッションの1シーンを切り出したもので、プレイ時間はノーミスで大体10分程度、難易度の選択はできない。プレイ感覚的には前作「Killzone」を大体踏襲しており、米国産FPSには見られないFPS視点から見たプレーヤー自身の動きをできる限り再現した挙動になっており、手に持っている自動小銃の動きや構え、ジャンプや走りなどの動きに、慣れないうちは若干の戸惑いを覚えるかもしれない。

 戦闘で面白い点としては、「Gears of War」のように遮蔽物に隠れるという要素を取り入れており、戦闘は基本的に遮蔽物に身を隠しながら敵を狙い撃ちにしていくパターンになる。この点ランボータイプのひたすら突撃を繰り返して爽快さを楽しむFPSゲームとはデザイン思想が異なることが伺える。戦闘はテクニックと慎重さを要し、他のライバルゲームに比べると若干難易度は高く設定されている。

 ダメージ方式は「Call of Duty 2」でお馴染みになった、ヤバくなったら隠れて体力回復という方式。敵の攻撃はなかなか執拗なので、しっかり隠れないと即死する。銃火器自体は拳銃とロケットランチャー、2種類の自動小銃にナイフが確認できた。製品版で使える武器の種類が気になるが、武器のデザインは凝っており、リロードの様子もカッコいい。

 ゲームはオーソドックスな仲間のNPCと一緒に行動していく小隊スタイルで、体験版中は単独で行動するシーンは出て来なかった。2人で協力して進むシーンもあり、「Gears of War」シリーズを強く意識している点がここでも伺えた。残念ながら協力プレイを本作はサポートしていないので、いかに仲間(あるいは敵)のNPCが賢く行動してくれるかが期待のしどころだ。

 「Killzone 2」の体験版は時間差で米国をはじめその他地域で配布されると思われるが、発売前にゲーム本編の片鱗に触れるには十分な内容で、1回通しでプレイすれば、ゲーム本編に期待せざるを得ないところ。PS3らしいゲームを求める人には避けて通れない一作になるだろう。本海外レポートでも製品版を入手次第、紹介するのでご期待あれ。

いよいよ27日の発売を待つばかりとなった「Killzone 2」。ビジュアルのクォリティ、演出の迫力度合いは公開中のトレイラーを見れば文句なし。あとは純粋にFPSゲームとしてどこまで楽しめるか、重要なのはそこだけだ。PS3至高の1本になるかどうか、あと少し待てば自分の目で確認することができる

敵地に上空から強襲する 赤いスコープが特長の敵兵達
爆発シーンはド派手 ダメージを食らったら即退避だ




 「Killzone 2」に引き続いて春頃に投入が予定されているのが、この「inFAMOUS」だ。開発は「怪盗スライ・クーパー」シリーズで、「ラチェット&クランク」や「ジャックxダクスター」など人気アクションゲームフランチャイズに負けない内容でユーザーを驚かせたSucker Punch Productionsが手がけている。

 「スライ・クーパー」同様にコミック調のビジュアルを採用したオープンワールドタイプのゲームで、エンパイア・シティーという架空の街を舞台に、主人公ディランが突然手に入れた超能力を使い、犯罪と混沌が渦巻く街の運命を決めて行く。まだ公式サイトすら公開されていないため、入手できる情報も限られているが、知れば知るほど壮大な規模を持つゲームで、GTA系のゲームが好きな人であれば、ぜひ注目してもらいたいタイトルだ。

 オープンワールドゲームとして注目したいのは、主人公は超能力に反応してしまうため銃火器が使えないこと、ビルの間を飛び移ったり、建物をよじ上ったりと、アクション性が高いこと、ミッションの請負が指定の場所に行く事でスタートする従来のGTA方式とは異なり、プレーヤーの周囲で自然にアクシデントが発生し、シームレスにミッションが開始されるなど、意欲的な要素が多く、意外な伏兵としてゲームファンを喜ばせてくれるかもしれない。

 現在、米国のプレイステーション公式サイトにいくつかトレイラーが公開されている。ビジュアル面・ゲーム性ともに期待できそうな1本に仕上がっているのでぜひチェックしてみよう。

E3 2008で公開されたスクリーンショットから。主人公の超能力をいかに活用して戦ったり窮地を切り抜けたりという要素はプレーヤー自身の戦略性も問われる部分で、通常のアクションゲームとはまた違う楽しさを体験できそうだ



 「God of War」シリーズといえば、マッチョの主人公・クレイトスが己の欲望と野望のために神をも敵にまわして壮絶な戦いを展開するド迫力アクションだ。欧米においてプレイステーションを代表するゲームである。ちなみに本連載を開始するきっかけも、当時発売されたPS2版「God of War II」を日本のゲームファンに紹介したいという所から始まった。

 現状ではゲームの全貌は明らかにされておらず、この春あたりに一部米国メディア向けに何かしらの発表がされるのではないかと囁かれている。公式サイトもまだ立ち上がっていないため、現状動いてるものを確認できるのは、ティーザーサイトで公開されているトレイラーのみだ。

 主人公クレイトスと神・ゼウスとの戦いは本作にて完結となる。ストーリー、ゲーム内容共に過去最大の規模のパワーをプレーヤーに魅せる、今年のホリデーシーズンタイトルの大本命となる1本だ。具体的なお目見えは夏に開催されるE3になると思うが、前作はPS2のスペックをフルに活かし、ユーザーの度肝を抜いただけに期待するなという方が無理なゲームだ。

E3 2008で発表されて以降、具体的なアクションはまだないが、そろそろ米国のメディア向けにお披露目があるという噂のある本作。PS2版の「God of War II」でこれだけの表現力を見せてくれた以上、PS3版最新作は全世界のアクションゲーマーが注目するだろう



 「ベストPS3ゲームは?」と問われれば、迷わず挙げたいのが「UNCHARTED: Drake's Fortune」だ。本作は誰にでもオススメできるアクションゲームで、手軽に大迫力の冒険を楽しめるゲーム性といい、ユニークなキャラクター、PS3の能力を余す所無く使った演出など、非の打ち所がない。

 そして発売から2年目にしていよいよ続編の足音が聞こえてきた。「UNCHARTED 2: Among Thieves」は前作の主人公・ドレイクが引き続き活躍するアクションゲームだ。現時点ではトレイラーのみ、プレイステーションのオフィシャルサイトで観ることができる。

 トレイラーは現時点で2編公開されており、ヒマラヤの雪山にドレイクが乗っていた飛行機が不時着し、腹を負傷しつつシャンバラの伝説を求めて行く様子が伺える。今回も不明の敵に追われているようで、前作の傭兵団のような敵との戦いも待っているだろう。

 ゲームの発売は今年秋ということで、前述の「God of War III」よりは前に、ホリデーシーズンを飾る勝負ゲームとしてリリースされる。ゲームの詳細な内容やインプレッションはE3の時期に明らかになるのを期待したいところだ。

スクリーンショットは前作のもの。「Uncherted 2」では、南方の島が舞台だった1作目とうってかわって厳寒のヒマラヤでの冒険になる。公開されているトレイラーを見ると、主人公ドレイクは事故により負傷してしまうようだが、ゲーム中ではどのような演出効果として組み込まれるのか、今から興味津々だ。



 PS3がXbox 360に対抗できるオンラインコンテンツとして、可能性が望めるのがPCではおなじみのMMORPGだ。SCEの子会社、SOEでは既に2タイトルPS3用に開発を進めている。そのうちの1つがこの「DC Universe Online」だ。タイトルのとおり、スーパーマンやバットマン、グリーンランタンなど米DCコミックスに登場する様々なヒーローが活躍する世界で、プレーヤー自身が正義のヒーロー(もしくは悪のヒーロー)を演じられる、アメコミファン大注目の一作。

 エンジンには何かとPS3にとっては鬼門になってしまっているUnreal Engine 3が採用されているため、若干の不安はあるものの、2009年後半から2010年頭のサービスインに向けてSOEのオースティン・スタジオで着々と開発が進められている。スタッフには「EverQuest」などに携わった面子も加わっているようで、純粋なオンラインゲームとしての出来映えにも期待が持てる。公式サイトもコンテンツが充実してきており、まずまず順調に開発は進んでいるようだ。

 ゲームの流れは現在公開されているトレイラーから推察するに、原作マンガの展開そのもので、ヒーローとなってゴッサムシティ(バットマン)やメトロポリス(スーパーマン)に降り立ち、強盗に襲われている市民などを見つけたら救い出し、悪のヒーローと闘うという、王道を行く展開が楽しめそう。原作のヒーロー達がどのようにプレーヤーに絡んでくるのかは、まだわからないが、プレーヤーの危難におなじみのヒーローが駆けつけて自分達を助けてくれるようなシチュエーションは、かなり燃える。

パっと見でNCsoftがサービスしているヒーロー物MMORPG「City of Heroes」を連想するが、どっこいこちらは本場アメコミのヒーローが総登場する決定版。気になるビジュアルはUnreal Engineを使用することから、表現力に心配はないもののテクスチャの読み込みが遅かったりすることがよくあるため、チューニングが気になるところ



 最後にご紹介するのはPS3向けオンラインゲーム2本目。「The Agency」は、MMOとサード・パーソンアクションを合体させた、何ともPS3らしいゲームだ。こちらもSOEの開発だが、スタジオは全く別のラインだ。

 2009年発売と告知されていたが、最近ではその辺のリリースに関しては特に明かさなくなっているが、タイトル自体の発表は2007年なので、そろそろ何かしらの具体的な進展が発表されても良い頃だ。SOEサイト内にある公式サイトも簡素なもので、具体的に拾える情報は現時点で何もない。今年のE3あたりがお目見え機会になりそうな予感。

 ゲーム内容でわかっているのは、プレーヤーはThe United Nations Intelligence and Tactical Experts (U.N.I.T.E) とThe Paramilitary Global Operations Network (ParaGON) というお互い対立している組織のエージェントとなり、各組織からミッションを受け敵対組織と戦い成功報酬をゲットしていくという内容で、映画「007」に登場する「Q」のように味方エージェントに対して様々なガジェットや兵器を開発するNPCがいて、ミッションを成功させていくとご褒美に様々なアイテムをもらえるような仕組みも用意されている。

E3 2008でのデモより。E3でお披露目されてから、現在どこまで進化を遂げているのか気になるところだが、この手のMMO+アクションゲームはPS3のようなゲーム機との相性も良さそうで、オンラインゲーム機としての発展土壌を築くための重要なタイトルになりそうな予感

(C)2009 Sony Computer Entertainment.

□「PlayStation」公式ホームページ
http://us.playstation.com/

(2009年2月9日)

[Reported by Game Dude]



当連載でご紹介したゲームは日本国内で流通しているハードウェアでは動作を保証するものではありません。編集部では海外版ハードウェア・ソフトウェアを輸入して紹介しています
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