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ガマニア代表取締役COO 浅井清氏インタビュー
「仙魔道」は今春サービスイン。2009年は「さらに攻める年」に

1月収録

会場:ガマニア本社

 ガマニアデジタルエンターテインメントは、2008年8月にサービスインしたMMORPG「ルーセントハート」のヒットにより好業績を記録した数少ないオンラインゲームパブリッシャーのひとつだ。正式サービスから半年足らずで、累計会員数30万人(1月14日時点)を突破し、万単位のユーザーすらなかなか集めづらくなりつつある昨今では文字通りの大ヒット作品といっていいだろう。

 ただ、多数のユーザーを集めた一方で、サーバーへ接続できなかったり、サーバーがダウンしたり、RMT(リアルマネートレード)を目的としたBOTがはびこるなど、その運営状況は必ずしも順風満帆とは言い難いものがあった。去る11月20日には初の大型アップデート「Natalis~守護する力~」も実装され、正式サービス開始から数カ月を経て運営も落ち着きを取り戻した印象を受ける。良い意味でも、そして若干悪い意味でもガマニアが大きくクローズアップされた1年になった。

 それでは2009年はどのような年になるのだろうか。「ルーセントハート」に続く自社開発タイトル「仙魔道」の進捗、それ以外の事業戦略も含め、今回は日本法人のトップを務める代表取締役COOの浅井清氏に話を伺った。


■ 2008年は「非常に良い年」に。その一方で運営面での課題も浮き彫りに

ガマニア代表取締役COO浅井清氏
「ルーセントハート」の公式サイト。本日実装された「Fides」アップデート一色となっている
編: 2008年は、ヒット作も誕生し、ガマニアにとって良い年でしたね。メーカートップとしてどのような感想をお持ちですか。

浅井氏: 非常に良い年でした。2、3年前にさかのぼりますが、ガマニアグループ内で、これからは自社コンテンツを展開していくというお話しをさせていただきましたが、いざ「ブライトシャドウ」を始めてみたらいきなりコケそうになりました(笑)。それが2007年の後半でした。

 2008年に入り運営のやり方や考え方がマーケットとずれていたのかなと感じていた部分をWebから何から全部切り替えていきました。日本が要望していたバージョンアップも行ないました。その結果、「ブライトシャドウ」はユーザーさんの支持を得ることができました。

 そのあと「ルーセントハート」が7月からクローズドベータテストを始めて8月にオープンベータテストを行ないすぐにサービスインしました。こちらも非常に好評を頂いています。これまで私たちが提供してきたコンテンツの中でも最も多くのユーザーさんに遊んでいただいていると感じています。

 3月、4月に「ブライトシャドウ」の建て直しをしてからの流れが非常に良い形で全体に影響を与え、現在までも支持をいただいています。「ルーセントハート」に関してはWebMoneyのアワードもいただきました。新規コンテンツやずっと暖めてきていたグループで開発したコンテンツがある程度軌道に乗ってくれたという意味で戦略的にも意味のある年でした。

編: 台湾本社はどのような状況ですか。

浅井氏: マーケット全体でみると、マーケットの伸び自体は鈍化傾向にあります。なおかつ、競争が非常に激しくなっています。ガマニア自体は積極的に新規タイトルをリリースしながら着実に伸びている感じです。ただ、依然として「Lineage」、「メイプルストーリー」が柱ですので、新たな3番目の柱になるようなコンテンツができているかといえばまだできていませんね。

編: 日本での柱である「ルーセントハート」と「ブライトシャドウ」はいかがですか。

浅井氏: 実は台湾ではいずれも厳しいです。スタート時は前評判も良くて両タイトルと共にユーザーが集まりました。台湾のマーケットの特徴でもありますがユーザーの移り変わりが非常に激しいところがありまして、維持ができていなかったと思います。今後も運営は継続していきます。

編: それではユーザー数は既に日本の方が多いということでしょうか。

浅井氏: 「ルーセントハート」に関しては日本の方が多いです。「ブライトシャドウ」については似たような状況です。

編: 「ルーセントハート」が日本でヒットした理由をどのように考えていますか。

浅井氏: 実は「これが要因でここまで伸びた」と確信して言えるところがありません。とはいえ、「ブライトシャドウ」の経験から「ルーセントハート」に関してはコンテンツがある程度充実していることと、バージョンアップを含めたゲームのボリュームがある一定のレベルまで達しているというのはポイントになったと思います。それから「ブライトシャドウ」は見切り発車したところがあったのですが、「ルーセントハート」に関してはしっかり準備してから立ち上げたのが理由の1つだと思いますし、特徴的なゲームシステムが受けたんじゃないでしょうか。

 「ほしともシステム」は作りこみがしっかりできている。まったく知らないユーザーといきなりマッチングされるわけではなく、ある程度入力した結果がある程度反映されるシステムになっているのが大きいですね。マーケティングについても、ユーザーの人数にあった形のものが実施できていますし、その他サービス全般についてもバランスよく提供できたと思います。

編: 昨年後半、様々なメーカーさんに「ルーセントハート」のヒットの要因を聞かれました。私なりの考えでは、女性にとって入りやすいゲームだったからではないかと思っています。男性女性を1対1で扱う「ほしともシステム」は、女性が圧倒的に少なく、女性と見るとたちまち“姫扱い”されてしまいがちなオンラインゲームの分野では、女性にとって非常に入りやすいゲームに映ったのではないかと思います。結果として、女性がいるから男性も入るということで雪だるま式に多くなったのではないかと考えています。

 マーケティング的にもうまかったと思います。マーケティングに関しては災い転じて福となす的な部分もあり、ユーザーを代表する立場からは、正当に評価すべきか迷うところですが、結果論としてはそこもうまく回りました。その2つが見事にマッチして良い結果へと結びついたのではないかと思いました。

浅井氏: 女性ユーザーの比率は高いことは高いのですが、実は飛びぬけて高いわけではないのです。自社のタイトルの中では一番女性ユーザーの率が高いのは確かですが、他社のタイトルには「ルーセントハート」よりも女性比率の高いものもあると思います。災い転じてという部分はクローズドβテストの募集の部分などを指しているのだと思いますが、ガマニアでは、単にユーザーを募集するだけではなく、テストに参加するところからが遊びだと考えています。ですので、そこのプロセス1個1個をユーザーに楽しんで貰えるような仕掛けを行おうとしました。それで、「その場で抽選して当たる」という企画をやろうとしたらサーバーが落ちてしまったんですね。昨年のユーザーのパワーを思い知った出来事でした。

 オープンβテストが始まってからもサーバーが安定しなかったり、予想以上のアクセスを頂いたことでゲームに入れないユーザーさんが出てきてしまいました。多くの皆様にご迷惑をおかけした反省点はあるのですが、許していただける範囲で改善していくことができたのかなと思っています。

編: その一方で2008年は、オンラインゲーム業界全体を見ますと、サービス開始から1年も持たずにサービス終了してしまったタイトルも多かった。それらと「ルーセントハート」との違いは何だと思いますか。

浅井氏: 難しい質問ですね。1つ言えるとしたら、数年前までは、国産、韓国産を問わず、とにかくオンラインゲームを早くリリースすれば儲かるのではないかというマーケットの流れがあり、どんどんと竹の子のようにリリースされた時期がありました。しかし、日本のユーザーさんは見る目が厳しいので、コンテンツの内容が一定以上のもの、サービスの質が一定以上の会社のものではない限り生き残れなくなっていると思います。「ルーセントハート」は総合的にそういった「一定の要件」を満たしていたと思います。

編: その「一定の要件」とは何ですか?

浅井氏: 1つはゲーム性です。ゲームが完成しきっていないような状態では日本のユーザーさんはなかなかついてきてくれません。リリースするタイミングでローカライズやゲームのシステム、ゲーム自体のボリュームなど、一定以上のレベルでないとなかなか日本のマーケットでユーザーさんの支持を頂くことが難しい。

 もうひとつは、サービスの品質の部分です。弊社もまだまだ努力していかなければいけない部分はありますが、例えばトラブル時の対応やセキュリティの部分での取り組み、サポート体制など、課金の扱いなどを含めてトータルで満足していただけるものを提供できるかどうかです。全般的にこうしたものが整っていないと最近での成功は難しいのではないかと思います。コンテンツに光るものがあるだけでは成功しにくい環境になってきています。

編: 昨年、印象的だったのは「顧客満足度にこだわっていく」というメッセージです。「ブライトシャドウ」と「ルーセントハート」に関して、顧客満足度はすでに満たしていると考えてよいのでしょうか。

浅井氏: 満たせるように努力はしていきますが、正直満たしているかといわれればまだまだだと思います。

編: 点数をつけるなら何点ですか。

浅井氏: 60点くらいだと思います。残りの40点については、パブリッシャーだけでなくデベロッパーとしてのスタンスも必要です。具体的には、ユーザーが増えてきたときのサーバー管理やプログラム自体に付随するラグ、BOTが多くなってきた際の対策などです。問題に対してはその都度対策を講じてはいるのですが、後手に回ってしまうところもまだありますので、様々な観点から引き続き安定してゲームを遊んでいただける環境を構築していかなければいけないなと思います。もう1つはユーザーとの距離感の問題です。例えばどういったアップデートをしていくか、どういった修正を入れていくかなど、これに関しては皆さんと一緒にコンテンツを育てていくような気持ちでやっていきたいです。

編: ガマニアさんは、そろそろオフラインイベントかなという規模感のメーカーになってきましたよね。

浅井氏: オフラインイベントの開催はもちろんですが、それ以前の課題としてユーザーさんに対するお知らせの出し方や状況の報告方法など、どういうタイミングでどういう出し方をしていけばいいかなど、的確なタイミングかつわかりやすい形で提供できているのかというところをブラッシュアップしていく必要があるのではないかと思います。

編: といいますと?

浅井氏: アップデートの内容の連絡など、ユーザーさんに対する配慮にまだまだ改善の余地があると思うのです。例えば今回ラグが発生したりサーバーが不安定だった時期がありました。そうした時期に現状どこまで改善が進んでいるのかとか、開発会社とどこまで調査を進めているのかとか、いつごろどういった対策が入りますよといった情報もわからず、いつ改善されるかわからない状況で遊び続けるのはすごくストレスに感じられると思います。そういった、ユーザーさんが安心して遊んでいただける状況になったかというと中々改善に時間が掛かっているところはあります。

 全ての情報を出せばよいというわけではなく、かといって直るまでまったく情報を出さないというのも良くない。どこまでの情報を出すかです。Webでの告知やインタビューへの回答も含めて全般的な問題です。少なくともユーザーさんの信頼に足る運営ができているかと言われれば正直できていない部分があると思います。

 ユーザーさんの視点に立ってどういう情報が欲しいのか、どういう運営なら安心して遊べるのかというところを汲み取りながら着実にやっていきたいです。単に情報を出せばよいというわけではないです。先ほど60点と申し上げたのはぎりぎり及第点なのかなという意味合いです。しかし満点には程遠い。


■ 「ルーセントハート」と「ブライトシャドウ」の今後の展開について

浅井氏は「ルーセントハート」の商業的な成功とは裏腹に、かなり厳しい見方をしていることがわかる
「Fides」アップデートではユーザー待望の「結婚システム」が導入
編: 「ルーセントハート」についてお伺いします。去る11月に初の大規模アップデートが行なわれましたが、その後の経過を教えてください。

浅井氏: 「ルーセントハート」はコミュニティの部分が非常に受けています。そこを拡張する意味で、2月2日に結婚システムを入れます。ペットなどのキャラクタ受けも良いので、同時に「戦闘ペット」も導入することになりました。

編: 浅井さんはコンテンツに対して非常にシビアな視点をお持ちですが、ゲームコンテンツについては何点あげられますか。

浅井氏: 70点から75点です。日本のユーザーの趣向を前提としたキャラクターづくり、基本的なシステムの充実速度、課金システムを含むサービスレベル。ただ、まだやれるところはあるだろうと。1つには「ルーセントハート」を、皆さんに長期間にわたり楽しんでいただくための目標をシステム的に導入することです。日本から提案したアバターなどはその都度入れているのですが、他にもユーザーの皆さんから多くの要望をいただくようなアイテムやクエストを今後も随時提案し、導入していきたいです。まだやれることはたくさんあると考えています。

編: 「ルーセントハート」はコンテンツとしてまさにこれから成長するゲームですが、浅井さんはどのようなゲームになっていくと良いなと考えていますか。

浅井氏: 概念的な言い方をすれば、日本のマーケットの中でメジャーなタイトルがなぜメジャーなタイトルなのかと考えた時に、ユーザー数が多いからというだけではなく、サービスの品質も含めてコンテンツのクオリティが一定以上のレベルをクリアしているからだと思うのです。もちろんすべてがパーフェクトではないと思います。「ルーセントハート」を3年4年とユーザーさんの支持をいただけるようなコンテンツにしていきたい。そのためにはユーザーの満足度を高める運営、そしていかに自社開発の強みを発揮できるかが課題だと思います。

編: 「ブライトシャドウ」と「ルーセントハート」の共通点として、新規コンテンツに対して日本が主導権を握って提案していくという方針が挙げられると思います。2009年は日本からどのような働きかけを行ない、またどのようなコンテンツが実装されることを期待していいですか?

浅井氏: ユーザーからの要望を取り入れることはもちろんのことですが、この2コンテンツに関してはガマニアジャパンが自社で取り組めるという利点を生かして日本向けのサービスをより良く行なうための提案を行なっていかないといけません。皆さんご存じのとおり日本はゲームに関しては比較的先進的な感覚を持っていると思いますし、これらのタイトルが配信されている各国と比べて興味の視点も違ったものを持っている部分があるでしょう。このゲームを好きになってくれたユーザーの皆さんが心地よいと感じる部分をより強調できるようなシステム、他のオンラインゲームとの差別化を図れるような新しいコンテンツを導入するよう積極的に問いかけ、働きかけていくつもりです。

編: 次に「ブライトシャドウ」について伺います。ようやくカードシステムが入りましたね。

浅井氏: 元々カードを集めていくことがゲームのキーになっていたのですが、それをより一層楽しく遊んでいただくにはどうしたらよいかというところで準備をしていました。そこから1年ほどかかってしまいましたが、やっとカードでモンスターを召還するシステムが実装できました。初期の段階から入れるつもりだったので、やっと導入できてほっとしています。

編: ユーザーさんの反応はいかがですか。

浅井氏: 比較的好意的に遊んでいただいていると思っています。今回のアップデートが入ってから戻ってきたユーザーもかなりいて、アクセスも増えていますので良かったなと感じています。現状での特徴は、モンスターを召還し、ユーザーと一緒に戦えるといったところなので、もう少し遊び方に幅を広げていきたいと思います。

編: 今後カードシステム、そしてゲーム全体はどのように進化するのでしょうか。

浅井氏: もう少し奥の深さや幅を広げたいですね。現在、開発側と協議しています。たとえば、現在魔攻陣というものにカードを入れてモンスターを召還したり能力値が上がったりするシステムなのですが、これに加えて現在の召還、能力値アップ以外のことができるようになっていきます。

編: 昨年の取材でひとつ違和感を感じたのは、「ブライトシャドウ」のアップデート単位を「エピソード」と呼称していましたよね。以前は、「エピソード3まで作っています」というお話でした。しかし、いつのまにかエピソードの呼称そのものがなくなってしまいましたね。これはなぜですか?

浅井氏: これまでは「エピソード」という名称でかなり大規模なアップデートを行なっていました。ただ、長い期間お待たせするよりも短い期間でテンポ良く更新を重ねることがより楽しんでいただける秘訣なのではないかと思い、軌道修正を行ないました。また、アップデートというとどうしても上級者向けになりがちなのですが、初心者と上級者の交流を図れるようなアップデートも現在検討しています。

編: あとは期待されたほどのストーリー部分の拡張がまだ足りない気がしますね。

浅井氏: もともとはクエストを含めたストーリー性の拡張を考えていたのですが、現在は開発側もゲームシステムの拡充に体制をフォーカスしているところです。その理由としては、「ブライトシャドウ」はサービス開始やアップデート時にしばらく不具合が多かった時期があったことがありました。これを踏まえて本格的なストーリー拡張の前に様子を見たいというところと、そのための調整に時間をかけているとのことです。

編: 早期実装の実現よりは、ゲームとしてのクオリティを重視していきたいと?

浅井氏: そうですね。ユーザーさんにいつ入りますよといったものはしっかり守っていきたいと思うのですが、とはいえあまりに中途半端なものや不具合の多いまま出してしまうのは良くないと考えています。クオリティを重視しています。


■ ネットカフェ展開、ゲームポータルビジネスについて

ネットカフェ展開について「それほど力を入れてこなかったというのが正直なところ」という浅井氏。台湾産MMORPGの意外なウィークポイントといえそうだ
ネットカフェの公式サイト。最後のイベント実施は2008年10月、今年は未更新と確かに力が入れられていない……
編: 今回、伺いたかったのがネットカフェへの働きかけです。ガマニアは現在どのようなポリシーで望んでいるのですか。

浅井氏: トップページにバナーを張って見やすくしたりしていますが、ネットカフェ展開については、他社さんと比べてそれほど力を入れてこなかったというのが正直なところです。ネットカフェの展開自体まったくやらないというわけではなく、やれるところはやっていきます。

編: 「ルーセントハート」もネットカフェ未対応のままですよね。なぜでしょうか。

マーケティング部部長 高井礼央氏: 実はやりたいのですが、ネットカフェ展開特有の経験値2倍といった特典システムの実装が開発の都合上難しいのです。オファーはすごく頂いているのですが、それが整った時点で一気にやりたいです。

編: 開始時期はいつ頃を想定していますか。

浅井氏: まだ数カ月かかる見込みです。この背景には、台湾本社が比較的ネットカフェに注力してこなかったことがあります。自社コンテンツに関しても開発自体がネットカフェ用の対応を考慮していない部分もあり、そこで展開が遅れている面があります。

高井氏: あとはタイトル的にネットカフェに受けがいいものがなかなかありませんでした。しかし「ルーセントハート」は中々受けがいい。それでもネットカフェ展開には独自の特典がないとなかなか広がらない部分があり、現在のまま出しても成功しないと考えています。まさに開発側に働きかけているところです。提供開始時期を正確にお知らせすることは難しいのですが、「ルーセントハート」はぜひ仕掛けたいですね。

編: オフラインイベントについてはいかがですか。

浅井氏: 2003年、2004年まではちょこちょこやっていた時期もあったのですが、どうしても東京や大阪など場所が限定されてしまうという意味で、本当の意味ですべてのユーザーさんに顔が見える形での展開ができるのかどうかなかなか難しいなと考えていました。とはいえある程度ユーザーの数が増えてきておりもう少し積極的にユーザーさんと顔を合わせていきたいと考えています。場合によっては批判を受けるかもしれないし、場合によっては面白いネタが提供できるかもしれない。そういったことをやっていきたいということは非常にあります。タイミングのほかにオフラインイベントには体力が必要なのでそのあたりの兼ね合いです。状況が整ってきたら色々とやっていくつもりですよ。

編: ゲームポータルサイトとしてのビジネスも継続されていますが、こちらは今後どのような進展を考えていますか。

浅井氏: ガマニアではゲームポータルではなくプラットフォームという呼び方をしています。今の市場環境の中で、コンテンツ単位ですべてのタイトルが競合するわけではなく、ある程度ユーザーを共有していってお互いにプラスになるのであればそういう提携の仕方もありなのではないかと思い、2004年からチャネリングを進めています。ポータルビジネスとしては「Hangame」さんが一人勝ち状態ではありますが、我々がプラットフォームとしてどのような役割を果たせるのかという意味で、タイトルをどんどん増やして他社さんのものをお預かりするだけでなく、1本1本良い展開ができるものに絞り込んでやっていく方向を考えています。

編: ゲームポータルという枠組みで考えると、私は2008年はついに勝者不在になったと考えています。そうした中、ガマニアさんは「GASH」のプラットフォームでどのような形で進化させていくのか、その終着点に非常に興味があります。

浅井氏: ポータルとしてなんでもかんでも取り込んでいこうという考え方ではないです。現時点でそこまでできているわけではないのですが、「GASH」というIDで様々なサービスが利用できるという形にしていきたいです。基本的には弊社のコンテンツを遊んでいただくためのアカウントでありプラットフォームなのですが、タイトルが増えればよいというわけではなく、「GASH」のIDがあればカジュアル的なものからMMOありというところからオンラインで一通り遊べますよというラインナップを揃えて提供したいです。どこがゴールかといわれれば難しいですが今のところはそうした展開です

編: 現時点で「GASH」プラットフォームのビジネスが成功していると考えて宜しいのでしょうか。

浅井氏: ビジネス的に事業としては成り立っています。ビジネスとしての規模というよりもそこにコンテンツを提供している会社さんにとってそしてガマニアにとってプラスになることが大事だと思います。後は「GASH」のアカウントでコンテンツを遊んでいただいているユーザーさんが満足することが重要です。「GASH」に関わっている事業者さんやユーザーさんの満足度が向上すれば良いなと今のところやっています。全体の売り上げ比率でいえばそれほど高いわけではないのです。「GASH」については利益をどんどん上げるよりはより良い品質の向上を目指したいですね。

編: 「GASH」のプラットフォームを利用している「GASH」会員というのは何人くらいいるのですか。

浅井氏: トータルで180万人から190万人程度です。アクティブユーザーは非公開です。お蔭様で多くのお客様にご利用いただいているので、それなりに責任を持ったサービスをしていかなければいけないと感じています。


■ 新規タイトル「仙魔道」は2009年春サービス開始予定

「仙魔道」のイメージイラスト。善の“仙”と悪の“魔”の2つの勢力が相争うMMORPG
「仙魔道」のスクリーンショット
編: 2009年のビジネスについてお伺いしていきます。現時点でサービス開始が予定されているタイトルには「仙魔道」があります。弊誌では2006年頃から追っかけていますが、難産になっていますね。

浅井氏: 当初2006年に情報を出した段階ではこんなにかかると思っていませんでした。台湾では2008年の春頃からサービスをしています。日本ではゲームが安定して一定のレベルに達した段階でリリースしようとしていましたので、ある意味計画通りのスケジュールです。

編: 時間がかかった理由は何でしょうか。

浅井氏: そもそも台湾でのサービスが遅れたことが挙げられます。その理由のひとつに、グループとして開発の経験や実績が足りなかったことがあると思います。「仙魔道」はガマニアの子会社で作っているのですが、ある程度形を作ってから商品として提供できるようなクオリティに仕上げるまでに時間がかかりました。そもそも自社開発であまり中途半端なものは出せないというプレッシャーがグループを通じてありましたね。

編: 台湾でのユーザー数や反応はいかがですか。

浅井氏: 万単位でユーザーは集めているのですが、アクティブではそれほど多くありません。

編: 台湾での運営実績、アップデートを経たことで、日本でも提供できるクオリティのゲームに仕上がってきたと考えて宜しいのでしょうか。

浅井氏: グラフィックスであったりゲームシステムという部分で、100%日本でリリースする上で満足な形になっているかといえば難しいですが、みなさんに満足して遊んでいただける一定のレベルのところには来たなと思っています。

編: 毎年、台湾本社の取材で「仙魔道」の変遷を見てきていますが、最終的にはどのようなゲームに仕上がったのでしょうか。

浅井氏: 当初、仙族と魔族の勢力争いを主眼に置いた作品にしていこうとしていたのですが、それ以前にMMORPGとして遊び方の部分をしっかりしていませんでした。あまり先のほうばかりをイメージしすぎて足元が揺らいでいたのでは納得して遊んでいただけないと思います。現在はグラフィックスやエフェクトといった見た目の部分も以前より良くなりました。キャラクター固有の成長に関するカスタマイズ部分もしっかりと作りこんでいますので、単純に敵を倒してレベルを上げるだけでなく、自分なりの性能を持ったキャラクターを作って楽しめるといった特徴が個性的なゲームになってきたと思います。

編: 「ルーセントハート」では“ほしとも”というユニークなシステムが存在しますが、「仙魔道」ではどういった新システムが搭載されていますか?

浅井氏: システムというわけではありませんが、1番ユーザーさんに見ていただきたい部分ははっきりした世界観と、キャラクター育成の部分です。育成に関しては各種スキルの組み合わせでかなり能力が変わってきます。担当者によれば何万通りもあるのではないかとのことです。

編: 初期構想では、なんといっても善か悪の2つの陣営による壮大な戦いというのが軸になっていましたよね。

浅井氏: はい。現状も仙と魔で分けられたマップがあり、双方刃を交えるマップもあります。戦場では複数人が協力して戦うことになります。ダンジョンなどでも通常相手時婦負の街にいるNPCがボスで登場したりと、ストーリー的にも盛り上がる作りになっています。

編: ちなみに台湾ではどういったオンラインゲームとして押し出しているのですか?

浅井氏: 8頭身でリアルなキャラクターの大規模なゲームは「グラナド・エスパダ」など何本かありますが、そうした比較的リアルなキャラクターのオンラインゲームの中でも手軽に遊べるゲームという位置づけにいます。

編: 過去のイメージだと重厚長大な大人のゲームという雰囲気でした。その辺は多少変わったということでしょうか。

浅井氏: 紆余曲折がありました。MMORPGとして遊べるベースの部分をしっかり作るのはもちろんのことですが、昨年あたりからは個性を持ったキャラクターで遊ぶという部分を堀り下げて作ってきました。

編: 一方、日本ではどのような売り方をしていきますか。

浅井氏: コミュニティやキャラクターの育成だけに留まらず、この世界観を知ってプレイすることでよりゲームを楽しめるんじゃないかと考えています。そのための仕組みもユーザーの皆さんにわかりやすいものを着々と進めているところです。開発が身近なコンテンツですので日本向けの様々な展開をしていきたいですね。

編: 「仙魔道」はどのようなエンターテインメントを期待できるゲームですか?

浅井氏: これまで洋ゲーといいますか、ファンタジー色の強いMMORPGはあったと思うのです。一方で中国や台湾では武侠に傾倒しているゲームが多かったと思います。「仙魔道」に関してはその中間を狙っていて、アジアファンタジー的な部分を目指しています。日本市場を目指してそうしたわけではなく、アジアやグローバルに受け入れられるものを目指した設定になっています。世界観と仙と魔の遊び方というところで、入り口の部分で他のゲームと違った感覚で遊んでいただけるゲームです。

編: サービススケジュールはどのように考えていますか。

浅井氏: 春くらいにはリリースしたいですね。開発とローカライズを並行して半年以上やっていまして、ほとんど準備は整っているのです。最終的な調整とマーケティングと運営の対策を進めています。いつでもユーザーさんに遊んでいただける状態になっています。

編: 浅井さんが日本サービスを踏み出せなかった理由はなんですか。

浅井氏: コンテンツのクオリティとはまた別の問題です。ガマニアの場合、一昨年「ブライトシャドウ」をやって、半年くらい後に「ルーセントハート」をやっています。リリースの間隔をあまり詰めてしまうと運営の体制やサーバーの運用やサポートの部分である程度「ルーセントハート」の運営が落ち着いてからリリースしたかったです。ゲームに関してはどこの部分ができたらという明確な意識があったわけではありませんが、開発会社で準備しているアップデート等のスケジュールを見ながらこれくらいのボリュームであれば十分日本のユーザーの皆さんに遊んでいただけるだろうというところまで待っていました。

【仙魔道】
今春サービス開始予定の「仙魔道」の最新スクリーンショット。ゲームの開発そのものやローカライズ作業は一昨年前からスタートしており、実際に見せてもらったところ、かなり完成度の高い状態だった


■ Webゲームや日本有力IPを使った新作など、今後の展望について

浅井氏はもともと石橋を叩いて渡らないタイプの経営者だが、Webベースのゲームにも慎重な構えを見せた
ガマニアが無料サービス提供しているFlashゲーム「す~ぱぁ★りっち」
編: 台湾でひとつ気になっている動きがFlash製のオンラインゲームです。Webブラウザで動くオンラインゲームという切り口のゲームですが、ネットブックブームの火付け役となった台湾らしいソリューションだなと感心します。ガマニアでは何か動きがありますか。

浅井氏: 良いところに目をつけていますね。ただ、現状ではお話しできることはありません(笑)。

編: ガマニアさんのほうで新規タイトルを開発しているという事実はないのでしょうか。

浅井氏: あるかないかと言えば開発しているものの中にはそうしたものも含まれます。ただ、今の段階でお話できることはないですね。

編: 2008年頃から明確化してきた台湾のゲームメーカーさんの動きのひとつですよね。ガマニアさんも「す~ぱぁ★りっち」のFlash版を作ったりチャレンジされていますよね。

浅井氏: 台湾市場についてお話しすると、Flashベースのタイトルに関しては実はまだビジネス的に成功しているケースは少ないようです。色々なメーカーさんが作っていることは確かなのですが、まだトライアル的な取り組みです。去年あたりに数がかなり出ていて今はむしろ落ち着いてきているのかなと思います。ちょっと難しいのではないかという話も私は聞いています。

編: 浅井さん自身はどのような展望をお持ちですか。

浅井氏: いわゆるUMPCやネットブックと呼ばれるPCスペックを要求しないPCで遊べるものがこれからの日本のマーケットを考える上でも十分コンテンツにはニーズがあるのかなと思いますので、注目はしています。

編: 有望だが、すぐに結果の出る分野ではないといった認識ですか。

浅井氏: コメントしにくいですね。日本でいけるという確信も前例もないものなので、あくまでトライアル的に色々な取り組みをしていきたいという段階です。ただ、将来的にはしっかりサービスをやっていくところまで考えています。

編: 昨年のインタビューで、日本の独自IPを使ったゲームを、日本主導で開発していると伺いました。現在の進捗はいかがですか。

浅井氏: 現時点では、日本のコンシューマゲームのIPを使った開発が進んでいます。そんなに遠くない時期にどんなタイトルでどんなゲームになるかということがお話できると思います。年内に正式発表できると思います。リリース時期についても来年以降になると思います。展開地域はもちろんグローバルを狙っています。ジャンルはMMORPGではありません。元々日本側で企画したもので、日本独自のアイデアが織り込まれています。

編: 日本側というと、開発は日本ではないということですか?

浅井氏: 上海に開発スタジオを持っていまして、そこで開発を行なっています。ガマニア上海オフィスの中にR&Dのチームがありまして、そこでやっています。

編: 台湾の公式ページを見ますと「アルテイル」や「ファンタジーアース」など、日本産とのタイトルも目立つようになりつつありますね。あれは日本法人が仲介したビジネスだと伺っておりますが、ビジネス的にはいかがでしょうか。

浅井氏: まあまあですね。「ファンタジーアース」はユーザーさんの前評判もよく非常に期待していただいていて、サービス直後はお客さんがたくさん集まりました。遊び方が台湾は日本以上にBOTやチートの問題が課題になっていると聞いています。日本から持ち込んだゲームということで韓国産のものと台湾産のものとは違うという評価を頂いて順調に推移しているとのことです。

編: こうしたB to Bの仲介ビジネスは、今後も続くのでしょうか。

浅井氏: そうですね。このところ日本のコンテンツを扱っていなかったのは、タイミングと条件がたまたま合わなかったところもあっただけでしたが、「ファンタジーアース」はスクエニさんとやらせていただいて、「アルテイル」に関してはゲームポットの子会社さんとやらせていただいていて、引き続き日本のコンテンツを台湾に持っていきたいと考えています。

編: 次に持っていくタイトルは決まっているのですか。

浅井氏: 現在クローズドテストまで行なわれていますが、ゴンゾロッソさんの「パンドラサーガ」です。そろそろオープンベータテストが始まるタイミングかと思います。それ以降もほぼ決まっているのは何本か良いものがあります。

編: 最近はタイミングがよく合うということですか。

浅井氏: というより、日本発のビジネスを強化していると考えていただいて結構です。パブリッシングの部分で色々な会社さんと協力しながら、将来的にはコンテンツの開発などのところでも一緒にやっていく可能性はあるかなと考えています。

編: サイバーステップさんの「ゲットアンプト2」の展開はいかがですか。前作を取り扱っていますし、「2」に関しては日本でもすでにチャネリング提携していますよね。

浅井氏: 仮に展開するとしてもサイバーステップさんがリリースを出してない以上、私の口からは何も申し上げられないです。引き続きサイバーステップさんとは長く提携させていければよいなと思いますし、さまざまな日本のコンテンツを世界に広げていこうと考えています。


■ ガマニアの不正行為対策のポリシーについて「クレジットカードの不正が増えている」

浅井氏は、理事を務める日本オンラインゲーム協会(JOGA)では、不正アクセスおよびRMT対策に関する分科会を主催しているだけに、独自の視点を持っている
編: ガマニアさんのRMTをはじめとした不正行為対策について伺います。最近の全体的な傾向としては、メーカーが不正ユーザーや業者を駆逐しつつありますね。ガマニアさんでは現在どのような状況で、どのような活動を行なっていますか?

浅井氏: RMTと不正行為について色々あると思います。いずれも禁止事項です。例えば「ルーセントハート」は、ある程度ユーザーが増えて、BOTも増えてきています。そしてBOTはRMTに繋がっている部分があると思います。そうした動きが出てくるのは避けられないところではあると思います。対応が後手に回った部分がありますので、BOTに関しては取り締まりを強化することが1つ。そしてシステム的にBOTがしにくい環境を作っていくことを開発側と協力して積極的に取り組んでいます。「ルーセントハート」は一時期BOTの多いオンラインゲームということでユーザーさんから批判頂いたところがあるのですが、現在はある程度改善が進んできたかなと思います。

編: 全社的な方針としてはいかがですか。

浅井氏: RMTを撲滅するためにBOTを撲滅するのか、というと、私は完全にイコールではないと思うのです。快適に遊べるようなゲーム環境を提供するのが最優先だと思っていますので、そういう意味でBOT対策はしっかりやらばければいけない。それがRMTの対策にも繋がっているという考え方です。

 このBOTやRMTはここ1、2年でかなり浄化できていますが、その一方でクレジットカードの不正がかなり増えています。他人のクレジットカードを利用して不正に大量購入したアイテムをRMTに流すような行為が相当数出てきてしまっています。そこがBOTイコールRMTではないという部分です。パブリッシャー側としては回収のリスクの問題になりますし、そもそも不正にカードを利用するのは明らかに犯罪行為です。それに対して阻止撲滅する活動はしなければいけません。オンラインゲーム協会で不正アクセス関係の分科会を立ち上げて関連会社さんと対策を講じているところです。

編: なるほど、クレジットカードの不正利用と並んで、問題になりつつあるアカウントハックについてはいかがですか。

浅井氏: アカウントハックについては現状どこまでユーザーさんのアカウントが盗用されているのか、パブリッシャー側で正確に掴むのが非常に難しい。簡単に言えば特定のコンテンツを狙ってアカウントを抜くようなマルウェア的なものが多いと聞いていますが、そういったものになるとセキュリティのツールでも検出できません。しかし汎用的なツールはすぐにセキュリティソフト側でも対策されるのですが、特定のコンテンツを狙って、しかも世の中に流通するわけではなく、特定のチームが自分たちのためだけに作られたツールというのが出回っているらしいのです。これに関しては対策がかなり厳しくなってきていると聞いています。仮にそこでアカウントが抜かれてしまったとしても抜かれているかどうかをパブリッシャー側が検地することは物理的に不可能なのです。

 となると、ユーザーさんに呼びかけをしていくことと、アカウント自体をユーザーさんの方でしっかり管理をしていただき不正のプログラムを入れないような注意をしていただくことが大前提になります。もしアカウントがハッキングされたという問い合わせがあった場合には早急にパブリッシャとして取れる対応を行なっていきたいと思います。なかなか大規模にどこから情報が流出したということでもない限り根本的な解決はなかなか難しいなと感じます。今後の対策については、もしそういった問題が出れば最優先に取り組まなければいけないなと思います。


■ 2009年は「さらに攻める年」に。新規タイトルは4タイトル以上!?

ガマニアのシンボルフルーツ蜜柑を手に笑顔の浅井氏。今年はどのような1年になるだろうか
編: 2009年のガマニアの事業戦略について教えてください。

浅井氏: 「仙魔道」の次のコンテンツも、夏頃までには準備を終えて、ユーザーさんに遊んでいただけるような状態になると思います。それはMMOではないものになります。以降もMMORPGで準備を進めているものもあるのですが、今年はMMORPG以外のタイトルも含めて遊びの幅を広げていくチャレンジをしていきます。

編: カウントしますと、今年はMMORPGが2本と、そうではないものが2本の計4本をサービスしていくということですか。

浅井氏: 年内にやるかどうかは別にして準備が進んでいるものは4本です。ラインとしてはその他に4ラインあるので2010年末くらいまではパンパンの状態です。2010年までにリリースできるかは別にして、その中にはかなり日本を意識して見せたくてしょうがないものもあるのですが、準備が出来次第お見せします。

編: オンラインゲーム以外で今年やってみたいことがあれば教えてください。

浅井氏: ケータイコンテンツを2006年くらいから部分的にやっていたのですが、2008年末にやっと3キャリアに対応しました。PCで展開しているオンラインゲームのグッズであったりミニゲームであったり、一部ポイントを貯めてアイテムが貰えるようなサービスをやっています。PCのオンラインゲームは遊ぶ場所が限定されていますので、それ以外の場所でコンテンツに触れる機会をユーザーさんに提供していくことで幅広くコンテンツを遊んでいただける環境を構築していきたいです。

編: モバイル事業というレベルまで強化すると?

浅井氏: いえ、事業として強化していくというより、PCオンラインゲームを遊んでいただくための補助的なツールとして携帯電話を活用して色々なサービスをやっていきたいです。

編: それはたとえば「ルーセントハート」のモバイル版を作るという話ではないわけですね。

浅井氏: そういうことは考えていないです。あくまでよりよくPCオンラインゲームを遊ぶためのことをやっていきたいです。

編: どこから手をつけていますか。

浅井氏: 「ルーセントハート」はFlashのゲームとグッズの展開を進めています。携帯電話もどんどん新しいものを追加して提供していきたいです。PCのゲームと連動した遊び方もできればよいかなと思います。

編: 日本法人の2009年の目標を教えてください。

浅井氏: 去年から「ルーセントハート」をたくさんのユーザーさんに遊んでいただいているので、その期待に責任をもってしっかり応えられるようなサービスができる会社にしていきます。60点の自己評価を80点にまで上げたいです。80点から上は私の中にはなくて、100点になってはだめなのです。100点になったらその会社は終わってしまうので、必ずしもうちの運営がダメだといっているわけではないことはご承知置きいただきたいです。サポート面や運営面を含めて非常に高いノウハウをもっていますので、ある一定のレベルは確実にクリアできていると思うのですが、常に貪欲に追求していきたいということです。

編: 昨年は「攻めの1年」ということでしたが、今年はどのような1年にしたいですか。

浅井氏: さらに攻めたいです(笑)。攻め続けることもそうですが、足元の部分をしっかり固めてユーザーさんにパブリッシャーとして支持をしていただける会社を目指していきたいです。サプライズなニュースも是非楽しみにしていてください。

編: ユーザーさんにメッセージをお願いします。

浅井氏: 自社開発である「ルーセントハート」と「ブライトシャドウ」を多くの方に遊んでいただいていることが非常にありがたいと感じています。オンラインゲームがたくさん出てきている中で、ガマニアに対する批判はもちろん、期待も含めて非常に注目していただいていると思います。2009年もユーザーさんの皆さんに面白いものをどんどん提供していきたいなと感じています。

編: ありがとうございました。

□ガマニアデジタルエンターテインメントのホームページ
http://www.gamania.co.jp/
□「ルーセントハート」のページ
http://lh.gamania.co.jp/
□関連情報
【2009年1月23日】ガマニア、WIN「ルーセントハート」
大型アップデートを2月2日に実施
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20090123/lh.htm
【2008年11月20日】ガマニア、「ルーセントハート」初の大型アップデートを実施
高レベル向け新地域と新装備、ペットシステムなどを実装
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081120/lucentint.htm
【2008年8月28日】ガマニア、「ルーセントハート」開発/運営チームインタビュー
「星座は後付け」。コミュニティに特化したユニークなMMORPG
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080828/lucentint.htm
【2008年8月11日】ガマニア、WIN「ルーセントハート」公式サイト公開
ゲームクライアントのダウンロード配信も開始
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080811/lh.htm
【2008年8月1日】ガマニア、WIN「ルーセントハート」
オープンβテストを8月14日より実施
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080801/lh.htm
【2008年7月10日】ガマニア、WIN「ルーセントハート」
弊誌専用枠で500名のクローズドβテスターを募集
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080710/lh.htm
【2008年7月7日】ガマニア、WIN「ルーセントハート」
クローズドβテストを7月24日より実施
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080707/lh.htm
【2008年5月2日】ガマニア、新作MMORPG「星辰Online(仮)」先行体験レポート
絆を強くしていく恋愛要素や、クエスト自作システムなどユニークな要素を紹介
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080502/seishin.htm
【2008年5月2日】ガマニア取締役COO 浅井清氏インタビュー
2008年は攻めの1年に。今期は「星辰Online(仮)」、「仙魔道」を新たに投入
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080502/gama2008.htm
【2008年1月28日】Gamaniaの新タイトル、恋愛要素を取り入れたMMORPG「星辰 Online」
プレーヤーの生き方を問うMMORPG「仙魔道」、2Dアクションゲーム「Art of War」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080128/gamania.htm

(2009年2月3日)

[Reported by 中村聖司]



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