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価格:6,980円
CEROレーティング:D(17歳以上対象)
PS3「デモンズソウル」は、次世代機のパワーを生かしつつ“良い意味でクラシカル”に作られたアクションRPG。「丁寧すぎる誘導」、「過剰で一方的なムービー演出」など、プレーヤーの想像力や主体性の妨げになる要素を排除し、ゲーム本来のよろこび「チャレンジ」、「発見」、「達成感」を提供するという。 ゲームの舞台は、北の国「ボーレタリア」。オーラント王は、人跡地の限界「氷山脈の奥地」で、巨大な楔の神殿を見出し、人に隠された新たな力”ソウル”を手にした。だが、ボーレタリアの繁栄は長くは続かなかった。老境に至ったオーラントは、更なる力を求め楔の深奥に入り込み、そこに眠る古い獣を目覚めさせた。次々と生じる、色の無い濃霧とデーモンたち。色の無い濃霧はボーレタリアを覆い、デーモンたちは人々からソウルを奪い、喰らった。
ボーレタリアは、瞬く間に、ソウルに飢えた亡者だけが彷徨う亡国と成り果てた。霧の裂け目は、多くの英雄たちを飲み込み、そして誰も戻らなかった。濃霧は、静かにボーレタリアから滲み出しつつあり、すでに北の地の大半が、濃霧の中に消失していた。人々は、緩やかな滅びの予感に絶望していた。やがて濃霧が、世界のすべてを覆うだろう。そんななか、またひとり、最後の希望(主人公)が、霧の裂け目からボーレタリアに入り込む……。
本作は、自由度の高いゲームシステムが特徴。キャラクタメイキングは、騎士、神職、盗賊、魔術師、狩人など10種の職業が選択可能。性別もそれぞれ選ぶことができる。能力パラメータは体力、知力、頑強、筋力、技量、魔力、信仰、運の8項目。それぞれ経験値(ソウル)を消費して伸ばすことができ、どんなふうに育てるかはすべてプレーヤー次第。ちなみに経験値=ソウルは「お金」でもあり、アイテム購入の際にも消費される。 武器は、右手にふたつ、左手にふたつ装備可能。剣、槍、斧、盾のほか、魔法の触媒、拳鉄までさまざまなバリエーションが存在する。クセの無い剣、盾受と併用できる突き専用の槍、当て方でダメージが変化する斧、敵を薙ぎ払えるが狭い洞穴では振り回せないポールウェポンなど、個々特徴を踏まえておくことがとても重要。防具は、兜、胴鎧、手甲、足甲の4種類。防御を重視した金属鎧、回避と隠密性に優れた軽い革鎧など、こちらも事前に特徴をチェックしておきたい。 本作の戦闘はアクションRPGらしいシステムで、「考えて攻略する」ことが求められるという。装備する武器と持ち手に始まり、先手を取るか、あるいは盾を構えて様子を見るか、通常攻撃またはリスクを負った大振り、敵の攻撃を誘ってカウンター(パリィ)、背後からの奇襲、弓、魔法、壷など、アプローチの選択肢は枚挙にいとまがないほど。肝心の敵も、硬い鎧と盾を装備した騎士、金縛りを使う獄吏、刃が通じない骸骨、溶岩を泳ぐクマムシ、無数の毒虫など、長所、弱点、クセが異なるさまざまなバリエーションが存在。己の装備と敵の特徴を照らしあわせ、攻略のポイントを見つけ出す。常に緊張感あふれる戦いが楽しめそうだ。
冒険のフィールドは、全5エリア、16ブロックにわかれている。攻略は1本道ではなく、常に複数の選択肢が存在。それぞれ自由な順番で攻略できる。各ブロックは、重装備の剣士が有利、弓や魔法など飛び道具が有利など、プレイスタイルで難易度が変化。複雑な立体マップのダンジョンを前に、どのブロックをどう進んでいけばいいかなど、ここでも「考えて攻略する」ことが重要になる。
「血痕システム」は、プレーヤーが死んだ場所に血痕が残り、それが他プレーヤーに配信されるというもの。配信された血痕から、プレーヤーの死に様がリプレイで確認できる。「なんの変哲もない通路に、大量の血痕が……」など、ダークファンタジーらしい演出と攻略のヒントを兼ねそなえた、実に本作らしいシステムといえる。「ヒントメッセージ」は、「この先に宝がある」などのメッセージをマップに書き込めるというもの。書き込んだメッセージは他プレーヤーに配信され、そこで評価される。面白いのは、メッセージが評価されるとご褒美に配信したプレーヤーのHPが全快すること。ただのメッセージだとイタズラが横行するのだろうが、実利をともなわせることで「(結果として)プレーヤー間の助け合い意識を高める」ことに成功している。
システム的な後押しから察した人も少なくなさそうだが、本作のマルチプレイは、単なる共同プレイではなく「助け合い」がテーマ。ゲーム中にキャラクタが死亡すると、HPが半分になる「ソウル体」と呼ばれる状態になる。復活にはいくつかの手段があるが、そのひとつが他プレーヤーに「ソウルサインを出す」という方法。ソウルサインは、生きている他プレーヤーに転送される。生きているプレーヤーは、ソウルサインからソウル体となったプレーヤーをファントムとして召喚し、一緒に冒険することができる。召喚できるソウル体は、最大2体まで。死んだプレーヤーは生きているプレーヤーのミッションを一緒に達成することで復活させてもらえるし、生きているプレーヤーは冒険に行き詰ったときの仲間として、それぞれ補いあえる関係にあるのがいい。スパルタンなアクションRPGが好きな人をはじめとして、見逃せない1本となりそうだ。
□プレイステーションのホームページ (2009年1月30日) [Reported by 豊臣和孝]
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