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会場:幕張メッセ SCEJブースには両機種、サードパーティ開発/販売のものを含めて、実に50タイトル近くを一挙に出展。初公開のタイトル、初プレイアブル出展のタイトルも多く、2機種を軸にラインナップの豊富さをアピールしている。
本稿はブースレポートPS3編のその1として、PS3側ブースの模様、プロモーションビデオやスペシャルイベントを展開する中央の「PlayStationHALL」の模様、そして、PS3タイトルからSCEJが自信を持って一押しする「リトルビッグプラネット」。開発者とのショートインタビューを交えての「Flower」。そのほか、PS3専用ダウンロードタイトルから「PlayStation HOME」と「dress」をまとめた。
■ 「PlayStationHALL」上映ムービー、PS3用CERO D以上ブースタイトルなど
プレイステーションホールで上映されているムービーは、「BAYONETTA」、「龍が如く3」、「白騎士物語~古の鼓動~」、Playstation Store限定配信のアニメ「亡念のザムド」、「QUANTUM THEORY」、「のびのびBOY」などが連続して流れていく。そして、スクウェア・エニックスからは、「ファイナルファンタジーXIII」シリーズ、Blu-ray版ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレンコンプリートが上映タイトルに加わっている。やはり「ファイナルファンタジーXIII」は注目度が高く、そこでスクリーンに詰め寄る人が多い。 ブースは前述のように左半分がPSP用タイトル、右半分がPS3用タイトルのスペースとなっている。PS3側は、まず一押しの「リトルビッグプラネット」を前面に押し出し、その横に「グランツーリスモ5プロローグ Spec III」。中央付近では、「ワールドサッカーウィニングイレブン2009」、「NARUTO-ナルト-ナルティメットストーム」、「モーターストーム2」、「FIFA 09 WAORLD CLASS SOCCER」、「ソニックワールドアドベンチャー」、「ストリートファイター1V」、「ガンダム無双2」、「メタルギアオンライン」がプレイアブル出展されている。「メタルギアオンライン」はKONAMIブースとの通信対戦となっている。
さらに後方には、黒い枠に囲まれて内部が伺えないスペースがある。ここは、CERO D以上(17才以上対象)のタイトルをプレイできる場所だ。ここでは、「KILL ZONE2」、「RESISTANCE2」、「Demon's Souls」、「SOCOM: CONFRONTATION」、「BIO HAZARD5」、「侍道3」が出展されている。なおこのスペースは入場口で身分証明書などによるIDチェックが行なわれている。
株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント
一応、というのは、「LBP」は細かなアクションや表情を見せるリビッツたち、物理演算を使って多彩かつ実在感のあるギミックに満ちたステージ、そしてステージをユーザーがクリエイションしてオンライン上に公開することも自由にできるなど、ただのアクションゲームとはとても言えない代物だからだ。 ブースでプレイできる「LBP」は製品版。プレイは、操作方法やゲームの魅力を教えてくれるガイドさんに、参加者3人を加えた4人同時プレイとなる。大体1回あたりのプレイ時間は5分から10分ほどということで、基本的な操作紹介から、実際のステージプレイまでとなっている。残念ながらステージクリエイトには触れないものの、リビッツのコスチュームなどは製品版の内容になっている。 プレイできるステージは、サバンナステージのミーアキャットダンジョン。βテストで遊べた範囲の次のステージだ。ミーアキャットダンジョンは薄暗い洞窟のようなステージで、どんどんと地下に、そして奥へと進んでいく構成になっている。ステージのそこらには、上空に勢いよくリビッツを跳ね上げるモグラなど、βテスト範囲では見られなかった様々なギミックがある。 注目の高いタイトルだけにプレイ時間は少し短めに感じてしまうものの、4人で一緒にDUALSHOCK3を傾けてリビッツの頭をグルグル回したり、コスチュームを変えてみたり。ステージに挑めばドタバタワイワイと楽しめる。「LBP」の魅力がしっかり掴める。
なお、プレイステーションホールでは、定期的に「リトルビッグプラネット ライブパフォーマンスショー」を開催されている。また、ブース周辺にはたまに着ぐるみのリビッツ君が登場するということだ。
LittleBigPlanet(C) 2008 Sony Computer Entertainment Europe. All Rights Reserved. Published by Sony Computer Entertainment Inc. Developed by Media Molecule. LittleBigPlanet is a trademark of Sony Computer Entertainment Europe. Konami Digital Entertainment Co.,Ltd. 1997 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. CHARACTER DESIGN : TETSUYA NOMURA Created by LEVEL-5 Inc. Sony Computer Entertainment Inc.
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ゲームスタート時から、すでにプレーヤーは花びらの1枚となっている。見渡す限り果てしなく大草原の丘が広がっていて、草が風になびいている。ゲームのガイドや説明などは一切ない。言葉がいらない世界だ。大草原の中、風に舞う花びらになれる。自由自在に飛びまわるだけで、相当に気持ちのいいゲームだ。圧倒的な浮遊感が楽しめる。モーションセンサーの操作もクセがなく扱いやすかった。 説明のないゲームだが、目的はある。つぼみの状態の花にタッチして開花させることだ。自分が花に近づくことで、花が咲き、自分の花びらが増えていく。飛びまわれる範囲は広いもののある程度決まっていて、その範囲にある花を全て開花させることで次の範囲へと進めるようになる。つぼみのままになっている花の周りは草が枯れているが、開花させることで緑を取り戻していく。 サウンドも本作の大きな魅力だ。草原に風が吹き抜けていく「ザァァァ」という音、花のつぼみに近づいて開花させたときのピロンという音、ヒーリングミュージックのような静かな曲が控えめに流れる。会場ではどうしても周囲の音が大きいため、「Flower」の音が聞き取りづらいのが残念。 非常に独特なゲームで、いい意味でゲームらしくはないゲーム。草原に舞う花びらとなって自在に飛んでいく感覚、開放感に満ちた空間の気持ちよさがとてもよかった。じっくり腰を据えて遊びこむというよりも、気分転換がてら何も考えず、感じるままに遊びたいゲームだと思った。
(C)Sony Computer Entertainment America Inc. ■「Flower」を制作したケリー・サンティアゴさんにショートインタビュー
―― 「Flower」はとても独創的なゲームになっていますが、このアイデアはどこから出てきたのでしょう? ケリーさん 「thatgamecompany」はひとつの使命として、今までにないゲームを野に放ってほしいというものがあります。「Flower」では、都市と自然との対立を表現しています。アイデアとしては花畑を表現したかったというのがありますね。 画面の見せかたもすごく広大に見えるよう、パノラマに見えるような手法を使っています。その中に咲いている花はとても大事な要素なので、ゆっくり見れば、ひとつひとつの花の様子や動きがしっかりと見えるようにもしています。 ―― すごく美しくて、他にないゲームだと思います。 ケリーさん ありがとう! ―― 花びらが空を舞っていくゲームになっていますが、最初から花びらを題材にすると決めていたのですか? ケリーさん 一番最初から「Flower」という形ではなかったです。空想の世界を自由に操作できる、飛び回れるゲームを作ろうというものがありました。試作の段階ではプレーヤーが「虫」になるというものがありました。こう、虫が花びらを巻き上げて移動していくという。その試作がすごく評判がよかったので、その後に花びらがプレーヤーに変わっていきましたね。 ―― プレーヤーの花びらがつぼみの花に近づくと、周囲の枯れていたような草が緑を取り戻しますが、これは自然がパワーを取り戻しているのですか? ケリーさん 各ステージによってテーマが変わるのですが、今プレイしたステージでは、色を取り戻す環境に取り戻そうというのが目標です。花が咲くことで、その周囲にも色が咲きます。色あせていた世界が色を取り戻す。 コントラストとして、冒頭では都市の絵が出てくるのですが、それは全て色の無い場所になっています。全体のコンセプトとして、都市と自然とのバランスであったり、調和をいかにとるかというようなことが、最終的に扱いたいことです。 ―― 確かにタイトル画面は、都市にある部屋の一室のようになってます。そこはモノクロな絵になっていますけど、そこは色を失って寂しい感じになっているんですね。 ケリーさん そうです。 ―― 今、話している最中のデモ画面で、プレーヤーの花びらたちの中に、花びらが組み合わさった蝶がいたような気がしたのですが、そういう仕掛けもあるんですか? ケリーさん ゲームでは各所にいろいろな見せかたをしていますが、なるべく自由に。ユーザーの方がいろいろな想像をしていけるよう、あまり堅めすぎないように、さりげなく見せています。 ―― なるほど。「Flower」は言葉での説明やガイドなどが一切ありませんが、それも想像の余地を入れたかったからでしょうか? ケリーさん それもありますし、もうひとつは、ゲームに慣れてない人でも遊びやすいゲームというのを目指しているためです。テキストは無いですし、操作もボタンひとつであとはコントローラを傾けるだけ。普段ゲームをやっていない人でも遊びやすいゲーム。遊んでいろんな捉え方をして。そして、いろんな感情を抱いてもらおうというゲームです。
―― ありがとうございました。
(C)Sony Computer Entertainment Inc.
□CESAのホームページ (2008年10月10日) [Reported by 山村智美]
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