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【鉄道ゼミナール -大手私鉄編-】 価格:5,040円
CEROレーティング:A (全年齢対象)
DS「鉄道ゼミナール -大手私鉄編-」は、“鉄道”に関する情報を満載した教養ソフト「鉄道ゼミナール」シリーズの最新作。今作では大手私鉄16社の許諾のもと、大手私鉄に関する知識を試す「おためし検定」、大手私鉄各社ごとの問題に挑む「各社検定」、さらにミニ車両を使ってレイアウト(ジオラマ)が制作できる新機能「ミニトレ」などのコンテンツが収録されている。 本稿では、一般ユーザー向けのイベントに先駆け、プレス・関係者向けに開催されたトークイベントをレポートする。ゲームの内容については以前の記事(こちらやこちら)をお読みいただくとして、開発の裏話などを中心に紹介する。 この日のイベントには、「鉄道ゼミナール」シリーズの開発を担当している株式会社音楽館の代表取締役社長の向谷実氏、その向谷氏とともに音楽を担当したSUPER BELL"Zの野月貴弘さんと土屋基さん、そしてセールスプロモーション担当として、元鉄道アイドルの豊岡真澄さんがゲストとして登場。
各人の挨拶の後、向谷氏の「僕は今日、このイベントに来るまでが山あり谷ありだったんですよ」という衝撃的な発言からトークは始まった。「先週の土曜日に風邪をひいて、日曜日に計ったら熱が39度もあったんですよ。インフルエンザかなーと思ったが、それはセーフだった。やっぱりこのソフトを発売するために、神が見守ってくれているんだなと思いました。でも、その間に皆さんのイベント1個とばしちゃってるんですよね(笑)。それで朝ここへ来る前にちゃぶ台に足をぶつけて倒れちゃったんですよ。世の中にこのソフトを出しちゃいかんのか? みたいな。でもこれ見てください。(ここで軽快?なダンスステップを披露) もう治っちゃってるんですよね。私はここへピークを持ってきたんですよ(笑)」と向谷氏も本作の発売が嬉しくて仕方がない様子で今日の顛末を語った。
そして本作の話の前に、前作「鉄道ゼミナール -JR編-」の話題では、「JR7社から許諾取るのが結構大変で、今はもう時効だから言っちゃいますけど、JR東海とJR東日本が一緒に入っているソフトってないですからね。だって東京駅で新幹線つなげないじゃん。例えば、鹿児島中央駅から新函館駅行きの夜行新幹線とかね。ものすごいサービスなんですよ。高速で寝ているからものすごい迫力なんですよ(笑)」と開発の裏話とともに自身の希望(?)まで披露した。 続いて「大手私鉄編では、これだけの私鉄各社がまとまって1つのソフトになったことはないそうなんですね。大手私鉄は関東、関西、中京、九州と各地にあるので、作ってみてわかったことがいろいろあったんです。まだまだ俺はアマチュアだなと。全部の私鉄を知らないもん。やっぱり問題作ったり調べていくと、大手私鉄にはそれぞれ歴史があったり、いろいろな違いがあって。JRの時にはもともと国鉄という共通の枠がかけられてたんだけど、私鉄になったとたんに……」と話したところで、唐突に他の3人にどこの私鉄が好きかを質問。 野月さんは「僕は東武鉄道ですかねぇ」、土屋さんは「京王! 昔のクロスシートのある快速がいいです」、豊岡さんは「私は東京メトロと近鉄が好きですね。メトロは車両が好きで、特に有楽町線の10000系なんかが。(ゲームでは)まず一番最初に東京メトロやりました」と答えた。そこで野月さんが「10000系が全部16000系に置き換わるっていう話も……」と振ると、「それは大ニュースですね!」と豊岡さんが食いつくなど、“鉄分”満載の会話を展開した。
それを受けて向谷氏は「今のこの会話を見ただけでも、ここにいる4人でも好きな私鉄は違うんですよ。これが今、われわれがターゲットとしているマーケットの広さが、JRと比べたらかなり広いんじゃないかと(いうことの証明になる)。『僕は○○が好き』、『私は××が好き』というような人たちがそれぞれ楽しめるということは、個別の鉄道会社を好きな人も取り込めると16倍でかくすることができるんです。僕的にはそうなっているんですよ。それを実現可能にするのは、タイトーさんであり、スクエニさんであると(笑)」とターゲットの広さをアピールしていた。
■ 向谷氏自らゲーム内容を紹介
まずデモ機を起動する段階から、「皆さんにはここを見ていただきたい」(向谷氏)と言いながらゲームを起動。メーカーロゴなどが出る中で、大手私鉄16社の社名がずらりと並ぶ画面を掲示した。これはもちろん各社の許諾を受けたことの成果であり、向谷氏も各社の許諾を取るのに相当な苦労があったことを伺わせる。 そしてゲーム起動後、各社検定モードを選び、大手私鉄16社の名前が表示されている画面では、「実はこの16社。並べ方にもこだわりました。これは民鉄協(日本民営鉄道協会)のホームページを見るとあいうえお順では並んでないんですよ」と民鉄協に準拠した順番になっているという。 本作を開発する上でのコンセプトは、「深く、広く」を目指しており、ROM容量とせめぎあいながら、より多くの情報を詰め込んでいるという。例えば、解説文であれば要となる単語に色を付け、タッチするとその単語の解説が表示されるなど、理解を助ける工夫が盛り込まれている。さらに1度見た情報はその直後に「おさらい」として問題を用意して、その情報をきちんと読ませるような仕組みにしているという。そして前作に引き続き“閲覧率”というものにもこだわっており、今作ではそのごほうびとして「ミニトレ」という機能が搭載されている。 次に車両情報の見方には2通りの方法があるという。1つ目が「車両ガイド」から見る方法。もう1つは「データベース」の中にある「車両図鑑」から探す方法。特にこの「車両図鑑」にもこだわりがあり、京王電鉄であれば「京王6000系 5扉車」、「京王1000系 ブルーグリーン」などのように、同系でも色違いや改造した車両も網羅している。ところが、これらの車両の写真は鉄道会社自身でも持っておらず、開発スタッフ自らが線路へ行き、1日中張り付いて写真を撮る羽目になったという。この“こだわり”によってもっとも苦労したのは近鉄で、全部で95種類も車両があり、しかもほんのわずかな違いという車両も多く、写真を揃えるのに一番最後までかかったそうだ。
「鉄道ゲームソフトっていうのは、こだわればこだわるほど、一般ユーザーさんの突っ込みが繰り返されるわけですよね。われわれも完璧ではないですから、いろいろ謝らなければいけないこととかもあるわけですよ。でも、できるだけ突っ込まれないように、もうこれでもか、これでもかとやる。でもそんなマニアックなのを誰が欲しがるの? と。そこを音楽や検定、ミニトレといった要素を混ぜることによって、ちょっと鉄道好きな人から、大鉄道王と呼ばれる人たちまで楽しんでもらえる」と鉄道ゲームソフトならではの工夫を語った。
「今回の検定は大自信作」と向谷氏が語る検定では、新たに「サバイバル検定」が登場。この検定では「100問」、「1,000問」、「3,000問」と3つのコースがある。特に3,000問コースは収録されている全問題の8割以上になるというとんでもない検定コースとなっている。また、向谷氏はこのサバイバル検定の音楽が匍匐前進しているみたいで特にお気に入りという。
16社の情報を入れるということで容量の問題も当然出てくるが、そこでもっともこだわったのが音楽であるという。「制作会議の中で何気なく言われたんですが、『JR編』では『ここは検定だよ』という感じのBGMを入れているけど、『ここは東急だよ』、『ここは京急だよ』というようにしてみたらどうですかとさらっと言われて、『いいねー』と言った瞬間に『いけね。16社あるわ。16曲作るのかよー』みたいな話になって、そこでSUPER BELL"Zさんに頼んで、手分けして作りました。僕もその中には過去にカシオペアで阪神のトレインシミュレータ用に作った曲があって、それを阪神に持って行っちゃおうかとやっているので、演奏はカシオペアというのもあります。また、改めて録音しなおしたりなど、贅沢な作り方をしています」とこだわりっぷりを語った。
このようにこだわって作った音楽は、ゲームソフトと同じく今日発売のCD「鉄道ゼミナール 音楽編」に収録されている。このCDでは、「ゲームの表現をもっと大きく拡げて、3~4分の楽曲にする」という作業をしているという。そして「ゲームを楽しんでから、CDで気になった音楽を聴いてもいいですし、逆に音楽を聴いて楽しんでからゲームの方に入っていってもいいように、ゲームとCDで“相互直通”な作りになっています」と最後は“鉄”らしい言葉で締めくくった。
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□タイトーのホームページ (2009年1月22日) [Reported by 滝沢修]
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