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発売中(12月18日)
価格:7,140円
今回、同社は本作の完成を記念して、主人公の黒崎一護役の森田成一さん、日番谷冬獅郎役の朴ろ(王へんに路)美さんとメディア関係者との対戦会を開催。本稿では、2人へのミニインタビューおよび、開発スタッフ陣へのインタビューを通して、本作の魅力に迫っていきたい。
■ 対戦会は声優陣の2連勝で幕を閉じる 対戦会の1人目は朴さんとの対戦。使用キャラクタはもちろん冬獅郎と一護、GAME Watch側は石田雨竜とザエルアポロという、メガネキャラコンビとなっている。 「普段あまりゲームをしない」という朴さんは、対戦前に「私、負けると機嫌が悪くなるので、お手柔らかにお願いしますね!」と、事前にプレッシャーをかける勝負師ぶり(笑)。GAME Watch側は「手加減して体力ゲージが半分くらい減ってから反撃しようかな……」と、試合途中から反撃開始するも、事前に一戦していた慣れもあったのか、冬獅郎の連続技に押し切られてしまう形で決着。 「空気を読んでいただいてありがとうございます!」とは対戦後の朴さんのコメント。でも普通にパートナーとか使いこなしていてうまかったんですが……事前のプレッシャーや手加減はいらなかったんじゃ? というお手前でした。
2人目は一護役の森田さん。使用キャラクタは同じく一護と冬獅郎だ。森田さんは、普段からゲームをよくプレイされているということで、GAME Watch側も本気モードで対戦開始。 朴さんとの対戦の間に、どうやら石田雨竜とザエルアポロは近距離戦が苦手で遠距離戦が得意なキャラらしい、ということを理解したGAME Watch側は、遠距離からの射撃戦をメインにチクチクと体力を削る作戦に変更。この作戦が功を奏したのか、序盤はGAME Watch側がリードすることに成功する。しかし、森田さんもこちらの作戦に気づいたのか、確実に回避してから瞬歩で一気に接近し、得意な近距離で連続技を叩き込む。 結局、先に卍解ゲージをためた森田さんが卍解から一気に押し切り、逆転。声優陣の2連勝となった。
■ 森田さんと朴さんへのミニインタビュー
森田さん(以下、森田) 苦労した点で言うと、攻撃ボイスとかやられボイスとか、とにかく叫び声が多くて、それだけで喉がガラガラになってしまうのが大変ですね。ゲームの場合はそこが結構大変です。 朴さん(以下、朴) 私の場合はそれはないですね。私のほうはそんなに声を張るセリフはないので。 森田 僕の場合は白一護もあるので、2キャラ分に叫ぶことになりますね。 ――ご自身のキャラクタを操作された感想はいかがですか? 森田 毎回「BLEACH」のゲームが出ると、基本的に一護しかやらないのですが、これは操作感が楽しいですね。あと今やったときに「(石田)雨竜ってこんなに遠距離で攻撃できるんだ、きったねーな」(笑)なんて思ったりとか、なかなか戦略性もあるのが面白いですね。その中でも、一護は攻守に渡ってバランスがとれたキャラクタなんですが、操作を間違えると結構やられちゃうので、そこだけは気をつけたいなと思います。 朴 今までイベントでしか「BLEACH」のゲームに触ったことなくて、基本的にゲームはやらないんですけど、先ほど生まれて初めて卍解ができて。しかも人生で初めて! 勝てたので。自分のキャラクタで勝てるなんてこんな素晴らしい経験ができて、ありがとうございます(笑)。 ――(苦笑)ご自身のキャラクタ以外で操作してみたいキャラクタはいますか? また、組ませてみたいパートナーもいましたらお聞かせください。 森田 組んでみたいキャラクタはいっぱいいるんですけど、さっき練習で(阿散井)恋次と組ませてみたんですよ。これが1番原作に近いなと思って。恋次で卍解して、狒々王蛇尾丸を使ってみたんです。これがカッコイイんですけど、なんかうまく動かせなくて……。そしたらセガのスタッフさんが、「狒々王蛇尾丸は上級者向けですよ」と(笑)。組むには一番カッコイイなと思うんですけど、ちょっと別に恋次だけを特訓しなきゃなと思いました。僕はこのコンビでやりたいですね。でもさっきの戦いで、一護で近・中距離を戦って、雨竜で遠距離を戦うのもバランスとれているかなと思いました。 朴 見たいのは(松本)乱菊! おっぱいの大きさとか見たいです(笑)。組むとしたら私は立木さん(更木剣八)と組みたいです。単純に個人的に好きなので……。あとちょっと気取ってるけど(朽木)白哉と組んであげてもいいかも。あとは藍染とか……。賢雄さん(天貝繍助)と組んでもいいんですよ。キャラクタじゃなくて中の人になってますけど(笑)。 ――本作では画面分割による対戦のほか、Wi-Fi越しにネットワーク対戦をすることもできますが、対戦してみたい相手はいますか? 森田 Wi-Fiで対戦する人は大抵強い人ですよね? へこまされるじゃないですか(笑)。仲間うちでゲームが得意そうなのは……石田雨竜役の杉山(紀彰)くんかなぁ。茶渡泰虎役の安元(洋貴)くんは強すぎるのでちょっと……。彼は別格で強すぎて多分秒殺されちゃうので、彼とやるなら知らない人とやったほうがいいかな(笑)。 朴 インターネット越しに世界中の人と対戦できるのなら、私はフランス人。フランスの香りがする人ですね。ボンジュール、ジュテームとか言いながら斬り合いたいです(笑)。(編集部注:Wi-Fi対戦は国内のみ) ――本作は3Dマルチ対戦アクションというジャンルになるわけですが、ほかにも好きなゲームのジャンル等がありましたらお聞かせください。 森田 いろんなゲームをやるんですけど、対戦格闘とレースが一番好きですね。パズルゲームなども遊ぶんですが、落ち物系は弱いかな。「ぷよぷよ」は結構好きなんですけど、「テトリス」は弱くて……。ずっとハマってやっているのは「ナンプレ」ですね。ゲームボーイmicroでやり続けています。 朴 私は「Wii Fit」などの自分の体を使うものですね。後はDSの「脳トレ」だとか、漢字ドリル系ですね。(セガのスタッフさんに向かって)セガさんからも出てるんですか? DSとかPSPとかのがあったらください! あとWiiも持ってます! 森田 朴さん、取材中! おねだりタイムじゃないんだから(笑)。 ――最後にファンの皆さんに、メッセージをお願いします。 森田 簡単操作でできるゲームですので、アクションゲームが苦手かなっていう人も感覚で覚えられて楽しめると思います。「BLEACH」の世界に存分にハマって楽しんでいただきたいです。 朴 私でも空気を読んでいただければ勝てるゲームですので、皆さんも瞬歩に命をかけてこのゲームを楽しんでいただきたいなと思います。 ――本日は長い間、ありがとうございました。
■ 開発スタッフインタビュー 開発を担当したトレジャーのスタッフが語る本作の見所とは?
本作の特長とである「クロス・インパクトシステム」などのゲームシステムに関してはもちろん、ゲームプレイ時に役立つコツや、開発中にこだわった点や苦労話まで、さまざまなお話を伺えたのであわせてお届けしよう。
手塚敏氏(以下、手塚) 今作は、顔のグラフィックスにかなり力を入れて作っていますので、顔に注目してほしいです。あと登場したとき以外にも、勝利したときにもデモシーンがあって、卍解してたり解放してたりで演出が代わりますので、その辺も注目していただければと思います。 ――遊び方の質問ですが、ある攻撃から別の攻撃へとつなげると大ダメージをあたえやすいといったコツはありますか? 松浦大人氏(以下、松浦) 今回パートナーの使い方で結構変わってくるんですが、例えば必殺技でも「これ、絶対当たらないよね」というような技もあるんですけど、これを、パートナーをうまく使うと当たったりしますので、その辺りを練習してもらいたいなと思います。 ――事前のプレイでは、空中へ移動することへの利点があまり感じられなかったのですが、こういった際に空中に移動するとよい、といったコツなどはありますか? 松浦 空中にいるほうが結構安全だったりするんですね。敵が来たらとりあえず上に逃げるプレイが結構有効だったりします。 壬生祐樹氏(以下、壬生) 攻撃が縦方向の誘導が弱いキャラがわりといるので。そういう相手に使っていただければ。逆に空中戦用の必殺技もあったりするので、そういう場合は横方向に逃げるように使い分けていただければ。 ――パートナーを選ぶ際、こういった基準で選ぶと楽しい、といったものはありますか? 壬生 これは、ホントに好きなキャラを選んでいただくのがいいかと。 松浦 原作があるゲームなので、そこはプレーヤーの好きに選んでいただくのが一番だと思います。 壬生 比較的人気のなさそうなキャラは、結構変なキャラになっているというのはありますけどね。 本山真二氏(以下、本山) 逆にそういったキャラに愛を注いでいる感もあるんですけどね。セガサイドから見ていると(笑)。 壬生 同じタイプのキャラ2人よりは、違うタイプのキャラを選んだほうがプレイングに広がりはあると思いますが、そこまで極端な差はないように作ってありますので、原作で好きなキャラを選んだほうがいいですね。 ――現在進行中の破面(アランカル)篇を題材にしていますが、ストーリーのどのあたりまでがフォローされているのでしょうか? 本山 “発売時期にアニメがどこまで進んでいるか?”というのは、微妙にずれたりすることもあるんですけど、今作では、虚圏(ウェコムンド)篇を区切りのあるところまでひと通り収録しています。ただ、原作のほうもどんどん進行している最中ですので、それを追いかけているとエンディングが作れません。その辺はきちんと考えて、ゲームとしてクリアしたときに気持ちのいい終わり方になるようにしているつもりです。 ――TVアニメオリジナルキャラの「天貝繍介」も登場するとのことですが、ゲームに落とし込む際に特に苦労した点などはありますか? 壬生 ノーコメント……というわけにはいかないですよね(笑)。 手塚 実は苦労していなかったというのが……。 松浦 いや、かなり苦労はありました。精神的な苦労が(笑)。 手塚 デザイナーの意見としては、アニメとほぼ同時進行だったので、好きにやっていいですよ、と言われて自由に作ることができたので、すごく楽でした。絵コンテなども全キャラ中最速であがったり。ただ、同時進行なので、作った後に「設定が変わりました、直してください」ということもあって、そのあたりは苦労しました。 松浦 テレビを見ていると「アニメで見たことない設定が!」というようなことがありましたからね。卍解のデザインができあがった後に変わったり。 壬生 なかなか設定画があがらなかったり、設定画は来たけど、どんな技かわからなかったり……。 本山 アニメ制作現場なりの進行というのがありますからね。ゲームの場合は、まずデザインがあって、そこにプログラムが動きをつけていくという流れになりますが、アニメの場合、デザインや動きなどを、考えながら作るということがありますから。そのあたりのタイムラグというのが……苦労させちゃったなぁ、という部分です。 ――非常にたくさんのキャラクタが登場するようですが、最終的に何人くらいのキャラクタが使用できますか?また、ゲームにする際に苦労したキャラクタや、注目してほしいキャラクタはいますか? 本山 ネタバレになるので、基本的にはノーコメントとさせていただきたいと思いますけど……。いわゆる原作つきのキャラクタゲームというのは、キャラクタがすごく多いじゃないですか。それをとりあえず全部バーッと出す、ということはしていないんですよ。そういう作り方があることも理解しているんですけども……。今回はプレイした時のキャラの再現度や面白さを優先したかったので、ある意味、苦渋の決断でもありました。その代わり、出しているキャラクタに関してはきちんと作りこんでいきましょう、という部分はきちんとやっていただけたかな、と思います。 ――キャラクタを厳選する際に、どういった基準がありましたか? 松浦 まずは活躍している、あとは人気がある、今が旬である、というのが基本ですね。そこに余った枠には、開発陣の趣味(好きなキャラクタ)が入っています。 手塚 ものすごく揉めるんですよ(笑)。 松浦 今回、趣味の部分が少なかったんですが。 本山 毎回決まらないですね(笑)。キャラクタ選定がもっとも苦しいところです。 壬生 プロジェクトが立ち上がった当初と、キャラクタのラインナップが全く違うんですよ。あの頃は、このキャラクタがいたり、あのキャラクタがいなかったり……。「このキャラクタは解放するかもしれない」という理由から枠を確保したものの、決まらないままもどかしい思いをしたりしましたね。出せるなら「エスパーダを全員出したいなぁ」とは思ったんですが、解放が遅いと戦闘の描写が間に合わないといったこともあったりして諦めました。 ――画面分割はもちろんWi-Fi対戦も可能とのことですが、対戦モードを作る際に工夫した点や苦労した点はありますか? 壬生 Wi-Fiはいつも苦労するんですが、画面分割対戦がなければもう少し派手にできたかなと。ないわけにはいかないんだけど、画面分割にした時点でどうしても処理を食ってしまうので。 手塚 今まではDSだったので、DSだったら対戦するという場合、2台、3台とあるのが当たり前だったんですが、Wiiで対戦となると、基本的に1台しかないので。 松浦 最初は4人対戦ありきで作っていたので、開発機を4台用意して、テレビ4台は無理だから2台で切り替えながらやったりしましたね。 壬生 デバッグしようとするとPC1台に開発機1台なので、PCが4台必要になってしまって。 手塚 コントローラがすごいことになりますよ。その机の上は(笑)。 壬生 電源容量もやばいことになりますね。 松浦 みんなどうやってるんですかね? セガさんのやり方を教えてほしいのですが(笑)。 ――最後にこのゲームをプレイされる皆さんにメッセージをお願いします。 手塚 Wiiリモコン(ヌンチャク)以外にも、クラシックコントローラやゲームキューブコントローラにも対応していますので、お持ちの方はぜひお試しください。 壬生 今までの「BLEACH」を題材にしたゲームの中で、一番キャラモデルの顔が似ていると自負しています。最初セガさんからは、アニメとも原作とも違う表現で、というオーダーがあったんですけど、抵抗してアニメの表現に近いようにしました。やっぱり自分がファンとして買うのは、まずそこだと思うんですよね。別の表現はその次の話だと思うので、結果的にはよかったんじゃないかと思っています。 本山 トレジャーさんには「こういう風にしませんか?」と提案すると「ヤダ!」って返ってきますから(笑)。面白くもあり気を揉むところでもあるんですけど。 手塚 「ヤダ!」とは言ってないですよ。「エーッ!!」とは言いましたけど(笑)。 本山 「エーッ!!」のところに「ヤダ!」っていうのがチラチラと見えるんですよ(笑)。でもそこは全然OKで。「ハイハイ」って言われてそれなりのものができてしまうよりは、開発内でケンカしたっていいので、「こういうのがいいんだ!」って議論を尽くして作ったほうが絶対いいものができあがりますし。 松浦 「BLEACH」のゲームとしては、スピード感なり爽快感なり、かなりいい感じにできあがっていると思いますので、Wi-Fiなどで遊んでいただければ嬉しいです。 本山 「BLEACH」のゲームはいくつも出ていますし、セガでも何本か出しているんですけれど、近作は、最初から“どういうものを作っていくのか”という所で一番悩んだゲームです。完成したものを見ていると、すごくその辺の成果が出ているタイトルになっていると思いますので、“ゲームとしてきちんと面白いんだ”という部分を、ユーザーの皆さんに手にとってプレイして感じていただきたいと思います。その上でユーザーさんなりの戦い方を編み出していっていただきたいですね。そのためのパートナーシステムだと思うので。 ――結構戦略的な部分がありますよね。そのわりに操作自体はシンプルにできていますし。 本山 そうですね。最初、森田さん・朴さんが遊んでらっしゃったときも、とりあえず操作自体はなんとかなっていたと思うんですよ。その先に細かな間合いの見極めだとか、このタイミングでパートナーを使うとか、しかもパートナーごとに射程距離だったり効果だったりが違うというのがあるので、そこを使い分けていくと、どんどんゲーム性が深くなっていくタイトルになったな、と思っています。 ――本日はどうもありがとうございました。
本作は比較的シンプルな操作方法なので、すぐに操作方法を習得できたのが好印象だった。それでいながら、原作の個性あふれるキャラクタ達に合わせて作られた攻撃方法と、パートナーとの連係をいかにうまく使うかが問われる「クロス・インパクト」システムにより、ゲーム性もなかなか深いように感じられた。また、シナリオモードではテキストスキップや、分岐地点に戻るシステムなども用意されているおり、プレーヤーに手間をとらせないことを考えたシステムも用意されているなど、プレイアビリティを重視して作られているようだ。 以上のように、本作をプレイした感想としては、とにかく非常に丁寧に作り込まれている印象を受けた。「BLEACH」の原作やアニメのファンにはもちろん、キャラクタゲームは内容が薄くなりがちなのでちょっと不安、という人にもオススメの1本といえるだろう。
(C)SEGA (C)久保帯人/集英社・テレビ東京・dentsu・ぴえろ
□セガのホームページ (2008年12月26日) [Reported by 菅原哲二]
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