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会場:カナダ大使館 オスカー・ピーターソン シアター
【プリンス・オブ・ペルシャ】 価格:各7,329円
CEROレーティング:B (12歳以上対象)
「プリンス・オブ・ペルシャ」は、リアルな動きとアクションで一世を風靡した「アサシン クリード」を制作したUbisoftのモントリオールスタジオが制作した新作。世界中から注目を集める作品で、12月9日に行なわれた発表会にはKONAMIの小島秀夫監督やプラチナゲームズの三並達也氏などゲームクリエイターも出席していた。 アクロバティックなアクションは一見すると難しい操作性を感じさせるが、プレイしてみると非常に簡単な操作でこれらのアクションを繰り出せることに気付くだろう。さらにプレーヤーはプリンスを操作するのだが、ゲームは常にエリカと共に進んでいく。エリカはつかず離れずプリンスと共に歩み、時には助け時には協力しながらストーリーを進めていく。何よりこのゲームを特徴的にしているのはゲームオーバーがないという点。例えば崖から落ちそうになってもエリカが助けてくれるのだ。また敵と戦い刃に倒れそうになっても、エリカが体力を回復してくれる (とはいえ敵も回復してしまうが)。
簡単な操作で魅力的なアクションを簡単に決めることができ、ストーリーを堪能することができるアクションゲーム。そのストーリーを引っ張るプリンスとエリカを演じているのが声優の浪川大輔さんと女優の成海璃子さんだ。12月9日に開催された発売記念イベントでもアフレコについて対談が行なわれたが、今回それぞれに短い時間ではあるがお話しを伺うことができたので、ここにお伝えする。
■ プリンス役、浪川大輔さんインタビュー
浪川さん はい。プレイしますよ。でも、最近ロールプレイングゲームにしても何にしても、コマンドを選んで戦うといったオーソドックスなRPGとかは少なくなって、こういったスタイルのゲームが多いじゃないですか。そういった意味では苦戦したのですが、ここまでアクションなのは久し振りというか、初めてかなぁ。 でも、このゲームのアクションって壁を伝ってジャンプしていくといった、新しいかなといった印象は受けましたね。 ―― 「プリンス・オブ・ペルシャ」のアクションは見た目は派手ですが、壁にジャンプすると勝手に壁を伝って走ってくれたり、思ったより簡単ですよね。 浪川さん そうですね、思ったより簡単でした! 勝手に行っていちいちボタンを押したりしなくちゃいけないのかなと色々考えたのですが、意外とフォローが行き届いているというか、自然とサポートしてくれるというか、その幅があるからやりやすいですよね。 あと、ゲームオーバーがないので、落ちても落ちない。時間制限もなく、トラップなどを通過できるまで何度でも挑戦できるので、そんなにイライラはしないゲームですよね。確かに通過するのに難しい場面もあるんですよ。だけど、それも構造的には簡単にできているので……組み合わせだけ……どう行くかみたいなだけなので、それはルートを探していくという感じで面白いですね。 大きくジャンプしたり (普通のジャンプで渡れないような場所でも、一度ジャンプしてエリカの助けを得ればさらに遠くにジャンプすることができる機能がある)、とにかくエリカが助けてくれるのがすごくおおきいです (笑)。 ―― 浪川さんはゲームの最後まで演技されて「エリカに恋をする」といった感想をお持ちだと言うことですが、いかがでしょうか? 浪川さん うーん、そうですね。どう考えても普通の感覚と一緒で、ああいう (2人で冒険をしていくといった) 状況になれば、そりゃ惹かれますよね、人間誰しも。だから、そういった気持ちには絶対になると思います。 だけど、そこからがこの作品の壮大なところと言うか、人間の欲とか……恋愛も欲の1つだと思いますが、普通の恋愛のストーリーがあっても、さらにそこから欲に発展していくんですよ、話が。そこは「どうすんだよ!」みたいな。これは演じている方も「どうしよう!!」みたいな展開になっていくので、そこはぜひプレイして欲しいですね。ストーリーにも注目して欲しいです。ちゃんとキャラクタ同士が会話しているので、その辺も見所の一つだと思います。 ―― ゲームの音声の収録はひとりで行なわれることが多いと聞きますが、今回も1人で収録されたのでしょうか? 浪川さん もちろん! もう朝から晩まで!! 大体、毎週日曜日に収録を行ないまして、1日8時間を3日、4日くらいでしょうか。あとプラス5時間程度だから、30時間ちょっとでしょうか。 そんなに連続してやると言うこともなかったのであれなんですが、普通のゲームよりは時間でいえば長い方じゃないでしょうか。 ―― 浪川さんは洋画の吹き替えもされていますが、今回は洋ゲーということで、何か苦労がありましたか? 浪川さん やっぱり絵がないということですかね。 ―― ゲームの収録って何もないところでただ台詞だけ収録していくのですか?? 浪川さん そうです。本当に紙に台詞だけがドワーっと列んでいて……相手の台詞が書かれていることもあるのですが、わかりやすいところで言えば自分の台詞だけドカーーンと列んでいて、めくってもめくっても自分の台詞だけ。それをひとりで録音していくという感じなんです。 今回はさらに (海外版で使用された音声を) 聴きながらあてなければならないという。向こうがどういう芝居をしているかに合わせなくちゃいけなかったんです。まぁ、そこが吹き替えに似ているという所ではあったんですけど。ただなにせ、情報量が圧倒的に少ないので、文字からしかわからない。まぁ、聴きながら同時に台詞を喋らなくてはいけないというのが、今回は一番キモだったんじゃないですかね。 ―― 収録前にいくつか資料はご覧になったのでしょうか? 浪川さん はい、あのこのシリーズ自体が前からあるシリーズでしたので知っていましたし、前はアクション系を重視していたと思うのですが、今回はストーリーを重視するということで「新しい気持ちでやってくれ」ということでしたので、台本から一番ヒントを得るという事でしたね。やはりふたりの会話が大事だと思ったので、特にプリンスは何を考えて行動しているのかというのを一番考えましたね。 ―― プリンスというキャラクタについてはどのようにお感じになりましたか? 浪川さん いや、意外と最初はちょっとああゆう体なので、オーディションもあったのですが、クールでもあり乱暴者でもありと言う感じで演じてみたのですが、でも「プリンス自体は若さ故の軽薄さだったりを重視してくれ」といったことを言われたので、どうかなと思ったのですが、最後まで演じてみたらすごく好きになりましたね。 皆さんはプリンスといえばプレーヤーですので、プリンスの立場になると思うので、あまり邪魔にならないようにというか、エリカとの関係ですとかそういったところも楽しんでもらえればと思いますね。 ―― ここを聞いて欲しいなと言った聞き所ってありますか? 浪川さん そうですね、途中、途中はプリンスもよくわからないうちにエリカと一緒に行動を共にしているので、とにかくクライマックスですね。欲とか恋とかその先の結末とかは、ぜひ皆さんの意見を聞きたいですね。 ―― 今はどれくらいプレイされたのですか? 浪川さん けっこう行きましたよ。敵や登場人物もそれほど多くはないので、あと4人ぐらい倒して……まだクリアしていないのですが。発表会に合わせて早足で進めてきたので、ここからは自分のペースで行きたいですね。セリフの量もけっこう多いですし、聞きながらやるとけっこう時間が掛かるんです。 ―― アドベンチャーゲームだとセリフがまとまってあるという印象ですが、アクションゲームですと、細かなセリフもありますよね。たとえば今作であれば、崖を登るときにエリカに手をさしのべるシーンがあって、ふたりの関係がまだ親密ではない最初の頃はちょっと嫌みっぽく「どういたしまして」と言ったりしますよね? 浪川さん そうですね、状況によって……ふたりの関係が変わっていくと、そういったアクションに付随するセリフも変わるんです。 ―― では、似たようなセリフでも何度も録ったのですか? 浪川さん もちろんもちろん。向こうの外人さんの声も変わっていますから。向こうの役者さんも演じているので。それに合わせてこっちも変わるし。そういった意味では向こうの役者さんの声はいい参考になりましたね。 ―― 最後にこれからプレイする方にメッセージをお願いします。 浪川さん 本当に大きなタイトルですし、元々このシリーズが好きな方もいらっしゃるかと思いますが、新しくプレイする方は特に操作性で「こういうアクション系は苦手……」という方もけっこういらっしゃると思うんです。これだったらそんなに難しくないですし、映画を観ているような感覚で……長い映画になるかもしれませんが、死なないということとエリカと常に一緒にいて常に協力し合うと言うところは本当にこのゲームのウリかと思うので、一度手にとってプレイしてもらえれば、自然と進むようになっているので色々な楽しみかたができるゲームになっていると思います。一度やってみるのが重要だと思います。
―― ありがとうございました。
■ エリカ役、成海璃子さんインタビュー
成海璃子さん 初めて絵を見せていただいた時にまず映像が綺麗だなと言うことと、エリカという人物がすごく芯が強い方なんだろうなと、キャラクタにも魅力を感じました。凄く良い作品になりそうだなと感じました。 ―― 事前にキャラクタの資料などについてはご覧になっていたのですか? 成海さん アフレコで録音する前に軽く読ませていただきました。 ―― ではそこで、芯の強い女性だなという印象があったのですね。 成海さん はい。 ―― 台本は膨大な量だったのでしょうか? 成海さん そうですね……1日何千ワードとか録る量のノルマがありまして。「今日はこれくらい!」とか (電話帳くらいの厚さを手で表現しながら)。でも、「やるぞ!」って気合いを入れないと勝てないという感じでした。 ―― 収録はどれくらいかかったのでしょうか? 成海さん 1日8時間はスタジオから出ないみたいな感じで、それを5日くらいやってました。もう気合いで乗り切れたんだなぁって感じです。 ―― ストーリーの最初から順番に録音していったのですか? 成海さん もう、多すぎてわかんないんです (笑)。 ―― では最後まで収録したけど、ストーリーの概要はわからない? 成海さん (収録した台詞が) どこで使われているのかとか、あまりわからないのですが……あと「うっ!」とかいう声も必要じゃないですか? とにかく台詞を録音していくという感じでした。 でも、それだとキャラクタの心の流れとか荒くなってしまうのが嫌だったので、英語の台詞を聞きながらあたしが喋るということで、英語を聞いてそのイメージで日本の言葉で喋るという流れでした。 ―― ゲームの収録は普通の吹き替えとは違い、細かい台詞や叫ぶシーンとかたくさんあるじゃないですか? 成海さん ありましたねぇ。芝居の中で、そういった (叫ぶ) シーンもある時もあるけど……でも今回そういった声ばっか録るときもあったので声も枯れました(笑)。 ―― エリカの声を聞いてすごく大人っぽい演技だなと感じたのですが、そこは意識してそうしたのでしょうか? 成海さん 心の強さを強調したら大人っぽくなったという感じかなぁ。明確に年齢がいくつとか設定があるわけではないので、イメージでやりました。一番重要なのは芯が強いと言うところですね。王女様だけど、すごく自分ひとりでやって行けそうな感じとか、強さですね。 ―― ちなみにゲームはよくプレイする方ですか? 成海さん あまり得意ではないんですね。わたし、ゲームオーバーとかなるとすっごく! すっごく!! 悔しくなっちゃうんですよ。だからパズルとか寝れないときにやりますね。 ―― そういった意味では「プリンス・オブ・ペルシャ」にはゲームオーバーがないじゃないですか? 成海さん (ゲームオーバーが) ないですよねぇ。すごいな、新しいですよね。 ―― まだプレイはされていないのですか? 成海さん はい。「プリンス・オブ・ペルシャ」は世界観がすごい作品なので、現実逃避できますね (笑)。没頭できる感じです。 ―― じゃ、チャレンジしたい感じですか? それとも誰か上手い人にプレイして欲しいって感じですか (笑)? 成海さん だれか一緒にプレイを手伝って欲しいです (笑)。 ―― グラフィックスが美しいゲームですので、見てるだけというのもアリではあるんですが (笑) 、でも成海さんがプレイするとなると、自分 (エリカ) が助けてくれると言うことになりますね。不思議な感じですか? 成海さん わたし、自分の声が聞こえてくるっていうのが不思議って言うか、恥ずかしいですね。自分の声が好きなわけでもないので。「どうなの?」って感じですけど。 ―― 映画とかドラマでも自分の声は聴けるじゃないですか? 成海さん あぁ、そうですね。でも、表情が見えない分だけ声だけに集中するじゃないですか? だからすごく恥ずかしいです。いつもとは違った感じですね。 ―― ゲームの音声の収録はひとりですると言うことですが、そこら辺は難しかったですか? 成海さん (プリンスとの) 掛け合いなんか結構あるので相手の役者さんの英語の台詞を聞いて、イメージしながら演じました。 ―― これまでの映画やドラマでの演技とは若干違った演技が要求されたと思うのですが、今後またゲームの音声収録といった仕事が来たら挑戦してみたいですか? 成海さん あまり、声の仕事だからやりたくないとか映像だけやるとかそういう風には思っていなくて、良い作品だと思ったらそれは参加したいし、特にこだわりがないです。また良い作品があれば参加してみたいです。 ―― 収録にあたって一番苦労したところは? 成海さん もう、録音ブースで集中力を保つこととか、「うっ」とかそういった細かい台詞の収録とか、色々難しかったですね。わたし、普通に話してるトーンですとお芝居しているときより声を張らなくちゃいけないとか、映画のアフレコとも違うんだなぁと思いました。 ―― 映画のアフレコと具体的にどこが違うとかありますか? 成海さん 自分が役で演じている感情が映画だとありますけど、ゲームだとどこに使われるかいまいちわからないんですよね。ゲームのプレイによって違うし。だからちょっと割り切るところも必要だったかなぁって。もう最初は「この台詞、どういった感情で言ったらいいのかわかんないや」とか思っていたのですが、ここはここで使うような声って言うのがあるので、多少割り切ってやっていたのかなと思います。 ―― 今回のエリカの聞き所は? 成海さん 自分でも全部聞いているわけではないのですが……そうですね、どうなんだろ……精一杯頑張りましたので、勘弁してくださいって感じです (笑)。 ―― (笑)。全てが聞き所ということですね。 成海さん そうですねぇ……いや、そうですよ! ―― ではゲームは最後までクリアしてくださいねって事ですね? 成海さん そうです! ―― 最後にこれからプレイする方にメッセージをお願いします。 成海さん 映像が美しいですしキャラクタも魅力的ですし、スケールがすごく大きいですよね。だからすごく入り込めると思うし、いろんな人に楽しんでもらえればと思います。
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□ユービーアイソフトのホームページ (2008年12月25日) [Reported by 船津稔]
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