|
会場:幕張メッセ1~8ホール
入場料:1,000円(一般/前売り)、1,200円(一般/当日)
プライベートルームでは、Xbox 360版のローカライズバージョンの最新ビルドを用いて、各タイトルのプロデューサーやクリエイティブディレクターがデモンストレーションを行ない、質問にも気軽に答えてくれた。
ちなみに、欧米のメーカーは、E3、Game Convention、東京ゲームショウをひとつの連続した露出の場として捉えるケースが多くなっている。今回のユービーアイソフトもまさにそんな感じで、日本のメディアより海外のメディアのほうが多いありさまで、海外で取材しているかのような錯覚を覚えた。それではさっそく各タイトルの最新情報をお伝えしていきたい。 ■ デュオアクション、フリーパスデザインなど、新システムが楽しい「プリンス・オブ・ペルシャ」
開発は、同社を代表する開発スタジオであるUbisoft Montrealが担当しており、しかも2007年に日本でもヒットした「アサシンクリード」のスタッフ達が開発している。ゲームエンジンも「アサシンクリード」エンジンのカスタムバージョンが採用されており、その豊富なインタラクションとアクション性の高さは折り紙付きだ。 今回のデモでは、ゲームのプロローグシーンを見ることができた。リアルタイム処理のカットシーンから入り、何者かに追われる謎の女性エリカを、主人公のプリンスが追いかけていく。「ついてこないで!!」と言い放つエリカ。その声の主は、女優の成海璃子さんであることが明らかにされた。NTTドコモのCMに比べるとずいぶんぶっきらぼうだが、今回の「PoP」ではプリンスとエリカの2人1組の「デュオアクション」が大きな特徴となっており、ゲームが進むと、声の雰囲気などにも変化が生まれてくるのかもしれない。 このステージは、チュートリアルとなっており、移動やジャンプといった基本的なアクションの操作方法を学べるようになっている。バトルシーンは常に1対1で、チュートリアルではプリンスひとりで戦うことになるが、実際のゲームプレイではエリカで力を合わせて敵と戦っていくことになる。 今回ひとつ発見だったのは、E3でもっとも印象的だった、ボス撃破後にエリカが腐敗した世界を浄化していくシーン。この謎が解けたことだ。 彼らの冒険の舞台は、闇の力によって汚染された世界であり、この汚染された世界をひとつずつ浄化していくことがゲームの直接的な目的となる。ゲームの世界は24の台座で構成され、そのひとつひとつが別のステージとなっている。世界の構造は4つの円形ブロックにわかれ、中央の大きな台座に繋がっている。イメージとしては「ファイナルファンタジー X」のスフィア盤のようなデザインで、4つのブロックの浄化に成功すると最後のステージにアクセスできるようになるのだろう。 ステージの浄化に成功すると、どろどろとしたヘドロのような穢れで充たされていたステージが、美しい光と緑に充たされたステージへと代わり、「光の種」がステージの各所に出現する。これを集めることでプリンスは様々な技が使えるようになるという。これにより、新たなステージにアクセスできるなど、行動半径が広がるというわけだ。 プロデューサーのMattes氏によれば、このシステムを「フリーパスデザイン」と呼んでおり、ストーリーとしてはあくまで1本道ということだが、その進め方にはかなりの自由度が与えられているようだ。 なお、「PoP」シリーズは高難易度のアクションゲームとして知られ、そのために、時間を巻き戻すなど、独自のシステムで難易度を和らげる施策が採られていたが、今回はエリカの存在そのものが緩衝材として機能するようになっている。具体的には高所から落下しても、エリカがすくい上げてくれたり、「エリカボタン」を押すことで、いつでもエリカが行くべき道、経路を、不思議な光の線で指し示してくれる。これにより、「PoP」のアクロバティックなアクションに不慣れなプレーヤーでも、迷わずゲームを進めていけるという仕組みだ。 「PoP」の発売時期はXbox 360版が12月18日、PS3版が今冬を予定。価格はそれぞれ7,329円。今年のホリデーシーズンを彩る強力なタイトルだ。
■ オープンフィールドFPS「FarCry」がますますパワーアップ!! マップエディターも凄い!
当然のことながら、ゲームエンジンもCry Engineから、Dunia Engineへと変わっており。前作ともCryteckの最新作「Crysis」に搭載されているCry Engine 2.0とも明らかに違った質感の作品に仕上がっている。どちらが優れているという話ではなく、アプローチが異なる印象で、「FarCry 2」は、家屋を爆破する、木を折る、草原一帯を焼き払うといった環境の破壊に力を注いでいるのが大きな特徴と言える。草木の生成には、プロシージャル技術が使われており、これは後述するマップエディタで大きな効果を発揮している。 前作では南太平洋の小島が舞台になっていたが、今回はアフリカのとある新興国。プレーヤーは、武装勢力間の対立を再燃させ、多くの人々の命を危険にさらす謎の武器商人“ジャッカル”を暗殺するためにアフリカに赴くことになる。暗殺ミッションを遂行するためには、アフリカで対立する2つの武装勢力に手を貸して情報を集める必要があるという。最近のストーリー重視系FPSで増えてきた、敵と味方が定かではないというシチュエーションだ。 実際のゲームの流れは、目標と目的地が与えられ、その目標をどのようなルートで達成するかはユーザーにゆだねられている。プレーヤーは、マップとコンパスを片手に、ジープや徒歩で、ジャングルの奥に突き進んでいくことになる。ジャングルの広さは50平方kmにも及び、開始時のローディング後は、一切ローディングを挟まない仕様となっている。マップには大まかな敵の位置と目的地などが記されており、そこをどう突破するのかはプレーヤー次第だ。 実際、デモを受けてみて驚かされたのは、草木がざわめきや太陽光のきらめきなど、フォトリアルな表現に加え、現地のキャラクタたちがズールー語をしゃべり、水域がアフリカ特有の濃い濁りがあるなど、アフリカらしさの演出にこだわっているところだ。 ジープも衝突や銃撃でダメージを受けると、乗り捨てるのではなく、レンチを取り出し修理する。敵の銃器も拾って使うことができるが、武器には摩耗度が設定されており、使い古した銃器はミスファイアが増え、使い勝手が悪いという寸法だ。 前作で話題を集めたAIについてもさらに4年分の進化を遂げており、拠点を離脱して一安心していたところ、拠点から敵兵がジープで追いかけてくるなど、かつてない動きが特徴となっている。リリースによれば、敵の衛生兵が負傷兵を引きずったり、恐怖で銃を落としたり、逃げ出したりなど、状況に応じてより現実に近い動きをするようだ。 マルチプレイについては、最大16名による同時プレイをサポートしている。6つのクラスが用意され、ゲームモードはデスマッチ、チームデスマッチ、CTF、アップライジングの4モード。当初予定されていたCO-OPモードの実装は見送られ、オーソドックスなマルチプレイに留まるようだ。 ただ、「FarCry 2」で大きな楽しみとなりそうなのは、コンシューマ向けのFPSとしては、群を抜いて優秀なマップエディタが、最初から同梱されているところだ。作成したマップは自由にアップロード/ダウンロードが可能となっている。コンシューマ用としてさすがにファイルサイズとオブジェクト設置数には制限が設けられているが、その枠内であれば自由にオブジェクトを設定できる。 機能的には、サバンナ、ジャングル、砂漠など複数のテクスチャパターンを備えて、ワンボタンで貼り付けることができる。土地の上げ下げも楽ちんだが、リアルに見せるために稜線のテクスチャを張ることもできる。細かい草木はプロシージャル生成されるため、1本1本植えていくという手間は不要。大まかなステージデザインが完成した後は、建物や車等の比較的大型のオブジェクトや道路を配置していく。道路をぐねぐねっと伸ばしていくと、樹木が道を避けて再配置されていく。非常に賢いマップエディタだ。
なお、「FarCry2」は今回公開された4タイトルの中で、もっとも発売が近い。Xbox 360版は11月27日、PS3版は12月18日、価格はそれぞれ7,329円となっている。
(C) 2008 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved.
□コンピュータエンタテインメント協会(CESA)のホームページ (2008年10月14日) [Reported by 中村聖司]
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp Copyright (c) 2007 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|