|
●技能覚醒 ●装備強化法「強化石精錬」 ●特化バランス調整 ●レベル上限を60から65に開放 ●ダメージキャップ撤廃 ●ダメージ計算処理の変更 ●上覧武術大会“月夜見之演”の不戦敗のペナルティ(※17日以降の上覧武術大会から適用) ●毎日成長クエストの敵POP率調整 ●フィールド敵の経験値増加
■ 日本神話の神々に戦いを挑む「凶神の冥宮」
「なぜ任意で地上にワープできるのにダンジョンの脱出が目標なのか?」と思うかもしれないが、単に脱出するだけではクエストは達成できない。「凶神の冥宮」は既存クエスト「根の国の異変」で倒したボス敵「八雷神」が復活し、地上(人間界)への侵攻を狙っているという設定。八雷神の侵略を食い止めているのが八尋の仲間の神官「天御柱」。彼らを救出し、異変の原因を解決したうえで黄泉の国を脱出するのがこのクエストの達成条件となっている。
「凶変イザナミ宮」の内部は地面や壁に植物の根のようなものが這い、死霊系のモンスターが徘徊している死と生の挟間の世界となっている。「凶変イザナミ宮」の入り口には、八尋の他に「熊若」と「お凛」という味方NPCが立っている。少し驚いたのが、八尋に話しかけたとき「熊若」が会話に割り込んでくること。NPCとの会話中に他のNPCが話しかけてくることは珍しく、新鮮な思いがした。会話ログを読み返すと誰が発言しているのかわかりづらいのが難点。PCの会話のように発言者の名前を入れると読みやすいと思うのだが、今後に期待したい。
クエストでは「熊若」から仲間の救助を依頼され、迷路のようなダンジョンを進んでいく。新グラフィックスのボスである「機巧夜叉」は本来ならボス敵の「八雷神」を3体倒さないと戦えないのだが、今回は特別にいきなり対戦させてもらった。「機巧夜叉」は三輪栖という巫女に話すことで出現。「機巧夜叉」は八雷神の1人「析雷(さくいかずち)」が開発したカラクリ兵器。「機巧夜叉」レベルは68で、パーティーの構成は7キャラクタ。 メモを取りながらのプレイで、戦いに集中できなかったためか、結果は2戦2敗。圧倒的な敵の攻撃力の前に回復が追い付かず、本来ならお供の敵から狙うところを体力が異常に多い「機巧夜叉」に攻撃を集中させてしまったことが敗因といえる。凶悪な攻撃を連発する「機巧夜叉」であるが、後ろでテストプレーを見ていた山中氏が「盾の釣りが甘いな……」と指摘した通り、盾役のプレーヤーが「機巧夜叉」の攻撃を受け止めていれば勝てない敵では無いと思う。もっとも、後衛も前衛もレベルを60以上に上げ、装備を強化して生命付与を充実させるという努力は前提になると思う。
この後に続くボスも「機巧夜叉」以上の強敵が待ち受けているという。「凶神の冥宮」は誰もが簡単に突破できるわけではないことは確実、それだけにクエスト突破の「信長の野望Online」史上最高の達成感が得られることだろう。
■ ユーザーの個性が反映される技能強化システム「技能覚醒」
この際、1番目に設定した技能は青いマークが3つ、2番目は青マーク2つ、3番目は青マーク1つと序列が決まり、青いマークが多いほど獲得する技能経験値が多くなる。技能経験値が10,000貯まると技能覚醒レベルがアップし、10ポイントの「覚醒値」を入手できる。この「覚醒値」を消費して、「威力(技能のダメージ上昇)」や「ウェイト(技の発動までの時間の減少)」などの「覚醒効果」を強化していく。 今回は陰陽師の特化「陰陽道」のキャラクタでテストしてみた。早速、陰陽道の単体攻撃術「千紫万紅」を先ほどのボス「機巧夜叉」に当て、「技能覚醒」前と「技能覚醒」後のダメージ差を検証した。技能覚醒前の「千紫万紅」の与ダメージは3,226だったのに対し、「威力」レベルを20底上げした技能覚醒後の「千紫万紅」の与ダメージは4,176、ダメージ量が格段に上昇したことがわかる。 また、「技能覚醒」には「隠し技能覚醒(仮称)」がある。これは「覚醒値」を一定値以上消費すると、新たな「覚醒効果」が出現するというもの。例えば、陰陽道の「千紫万紅」の初期状態の「覚醒効果」は「威力」と「ウェイト」しかないが、「威力」をある程度まで強化すると、「隠し技能覚醒(仮称)」である「知力(戦闘中にステータスの知力がアップする)」が出現する。 この「隠し技能覚醒(仮称)」の効果は奥深い。「信長の野望Online」の特化技能には使いやすく誰もが使用するレギュラー技能がある反面、「これ、どうやって利用するの?」と首をかしげたくなるほど使い勝手の悪いマイナーな技能も多数ある。開発者によると、そんなマイナー技能にはお得な「隠し技能覚醒(仮称)」が多めに設定されているという。
レギュラー技能を優先させるか、それとも「隠し技能覚醒(仮称)」に賭けてマイナー技能を強化するか……。戦闘ではユーザーの「技能覚醒」の趣向が強調され、意外な技能の使い道や攻略法が見つかる可能性もある。「技能覚醒」の育成は「覚醒の刻」の大きな楽しみになりそうである。
■ 大型アップデート「覚醒の刻」実装記念ミニインタビュー 拡張パックのリリース前に2度の大型アップデートを実行する「信長の野望Online」。10月のアップデート「錬磨の刻」のユーザーの反応、そして新たに導入される「覚醒の刻」について「信長の野望 Online」運営プロデューサーの山中肇氏と「信長の野望 Online」開発ディレクターの渡辺知宏氏に話を伺った。
山中氏 プレーヤーのクエストへの参加率はとても高いです。今の多くのプレーヤーは短期間でキャラクタを成長させたいんだなあ、と思いますね。このゲームは1アカウントで3キャラクタまで作成できますから、たくさんのキャラを育てたい、今までアイテム倉庫と化していたキャラを育てたいという要望に応えられたと思います。 ――「毎日参加クエスト」は目的地までワープできる上、帰還アイテムまでありますから参加しやすいです。 山中氏 カジュアル要素の実装希望の声は多かったので、早めのタイミングで投入できたのは良かったですね。 ――「毎日参加クエスト」は現在、ダンジョンにユーザーが集まり、敵との戦闘になったら救援の合図を出して他のユーザーに戦闘に参加してもらうというスタイルがメインとなっています。このスタイルは想定内だったのでしょうか? 渡辺氏 1つの攻略目標のマップを定め、そこでワイワイ遊んでもらおうというのが当初の狙い。ですから、救援が多くなるのはある意味想定内でした。ただ、予想以上の反応だとは思っています。ダンジョンの入口で少人数徒党を組んでいくのかな、とも思ったんですけど。 山中氏 救援ばかりだと、その場限りのお付き合いになってしまうのが残念ですね。何らかのコミュニケーション支援は行なっていきたいとは思います。 ――徒党を組む時間をショートカットできるので時間の無いユーザーさんにとって良いのですけどね。それと、1カ所に人が集まりすぎていて、ダンジョンの敵が枯れているときがあるのですが……。 渡辺氏 おっしゃる通りで、倒す敵が中々ポップしないという現象にすぐ対処できず申し訳ないと思っています。それに対して、12月17日の「覚醒の刻」アップデートではゾーン内のプレーヤーキャラクタ数が多いほど敵キャラクタの再ポップ間隔が短くなる、という調整を予定しています。 ――それはとてもありがたがられると思います(笑)。現在の「毎日成長クエスト」は敵討伐クエストしかありませんが、戦闘以外のベクトルのクエストも増えるのでしょうか? 渡辺氏 増やす方向で検討はしております。ただ、まだ具体的な内容はお伝えできないです。 山中氏 最近はログインしたらまず「毎日成長クエスト」の「かわら版」を見に行く、という人が多くなりましたからね。注目されているポイントですので、「かわら版」を拡張していくというのはありかと思います。 ――「錬磨の刻」のメインコンテンツが上々の滑り出しで何よりです。それでは「覚醒の刻」のダンジョン「凶神の冥宮」はどのような内容になるのでしょうか? 山中氏 基本的にはエリアの最後にボスがいて、ボスを倒すと次のエリアに進むという侵攻型攻略ダンジョンです。 ――「九州三国志」の「高千穂」のように2徒党で攻略するようなポイントもあるのでしょうか? 渡辺氏 いえ、それはないです。クエスト「根の国の異変」のようにボスを倒しながら最深部へ進んでラストボスを倒した後、そこから脱出するという感じをイメージしていただけると近いのではないかと思います。実装意図としては、レベルキャップの解放や「技能覚醒」といったやり込み要素を追加することで「信長の野望 Online」の世界でやり込み要素で成長を楽しんでいただきたい。そしてその成長させたキャラクタの冒険の場が必要だろう、ということがありました。 山中氏 拡張キットの「争覇の章」で「九州三国志」が実装され、みんな「九州三国志」に集まってしまった。それに対して、「もっと色んなところで遊んでほしい」という狙いがありまして、カジュアルに遊べる「毎日成長クエスト」や「凶神の冥宮」など遊びに行く目的を作りました。変化に富んだ遊び方をしていただければ嬉しいですね。 渡辺氏 ボスを倒すと状況が保存され、続きから遊べます。現状、高難度クエストの「高千穂」をバリバリ進んでいるようなプレーヤーさんなら結構クリアできちゃうと思います……。でも、すぐには無理かな(一同笑)。レベルを上げて、「技能覚醒」などを強化すればクリア可能なように作っています。 ――「技能覚醒」は先ほど遊ばせていただきましたが、非常にやり込みがいのある要素になっていますね。 渡辺氏 短い間隔で段階的に成長できる、という成長要素を目指しました。その中で「この技能が良い」、「こんな使い方がある」とか攻略法が生まれていく面白さがあると思います。 ――マイナス面もあると思うんですよね。例えば、盾役の鎧鍛冶の特化技能「鎧の極み・改(装備品の防御力が2倍になる)」を技能覚醒させて、ウェイトを短くするとします。ボス戦で有効な特化技能であり徒党員に必要とされると思います。半面、「鎧の極み・改」を持たない鍛冶屋はお断り、といった不均衡も出てきやしませんか? 渡辺氏 「技能覚醒」は開発内でも慎重に調整はかけましたし、職業間の個性を出すための特化ですからプレーヤーの皆さんの中では想定内だと考えています。ただ、あまりに想定外の不均衡が起こる場合であれば変更していきたいですね。 ――わかりました。それと装備強化の新要素「双晶石」が追加されますね。それにしても、石が多すぎませんか? 渡辺氏 付与石に神秘石に宝玉、増えすぎですよね(笑)。狙いとしては新たな冒険の場に挑む装備が必要になるだろう、ということで実装しました。2つの付与石を合体させると「双晶石」となり、神秘石や付与石の付与値を現在の限界値を超えて伸ばすことが可能です。付与値を伸ばすには、「珠玉」という強化材が必要となります。 ――少しだけ難解ですね(苦笑)。ゲーム内には説明NPCがいますよね? 山中氏 「双晶石」関連は修理屋が教えてくれます。装備品強化のルールはややこしいですよね……。だから「信長の野望Online」はオンラインマニュアルを作るのが難しいんです(笑)。
山中氏 フィールドの敵を倒した際の入手経験値も増加の方向で変動させました。ダンジョンの敵とフィールドの敵の入手経験値に差がつきすぎてしまいました。そこで、フィールドの敵を倒すことに意味を持たせたいと思い経験値を調整しました。 渡辺氏 5年前はフィールドのどの敵の経験値が美味しいとかプレーヤーの皆さんが探していましたからね。古くからのユーザーは、そういう時代を懐かしんでもらえれば嬉しいです。MMORPGなのでフィールドはすごく大事にしたい。「九州三国志」のようにインスタンスダンジョンに人気が集中してしまい、どちらかというとMORPGになっている。フィールドではプレーヤー同士との触れ合いというか、コミュニケーションが取れるような感じにしたいですね。 ――皆もっとお外で遊びましょう、ということですね。そのほかには? 山中氏 「凶神の冥宮」のボスがドロップよるアイテムを解体した素材を使った新生産品も追加されますのでお楽しみに。 ――新グラフィックスの装備品でしょうか? 山中氏 それは秘密です(笑)。 渡辺氏 12月17日というわけではないのですが、全ワールドのプレーヤーが集まり対人戦をする「上覧武術大会」にも修正が加わります。主な修正は“月夜見之演”における不戦敗のペナルティですね。不戦敗の原因を作った人(登録したのに時間内に試合会場に現われないと不戦敗になってしまう。そのため不戦敗が多発していた)に対し、ペナルティが発生するようになっています。プレーヤー自身は悪くないのに徒党員の不参加による不戦敗によって順位が落ちる、という現象に対しフォローがいくようにしております。 ――それでは次の拡張キットのご予定は? 渡辺氏 一番問題となっている場合を解決していく形で進めていきたいと思います。プレーヤーの皆さんに人気の合戦や国勢の変動とか「もうちょっとこうしてほしい」というところを直したい。もちろん、次の攻略コンテンツの開発も含め、色々と毎日作っているところです。 ――スケジュールは来春頃ですか? 渡辺氏 お待たせしたくはないですね。 山中氏 春ぐらいだったらもう発表会やらないといけない頃ですね(笑)。ですから、少なくとも春より先になると思います。 ――「大航海時代Online」のPS3版開発決定のアナウンスで、「信長の野望Online」のユーザーも次世代機対応を期待していると思いますが……。 渡辺氏 前回のインタビュー時から、具体的にはまだ進展がないですね。 山中氏 「大航海時代Online」の情報はこちらもすぐ受け取れますので、PS3版の技術・ノウハウなどは共有していけると思います。だからといって「信長の野望Online」のPS3版がすぐ出るというわけではありませんが(笑)。 ――期待しております(笑)。それではユーザーの皆様にメッセージをお願いします。 山中氏 拡張キット「争覇の章」発表の時点では「錬磨の刻」、「覚醒の刻」という大型アップデートは予定していませんでした。ですが、お客様の反応・遊び方を見て、今回のような大型アップデートの速やかな実装が必要だと思いました。「争覇の章」の初期で「楽しめないな」と離れていったというお客様には一度戻ってきていただいて、「錬磨の刻」、「覚醒の刻」でパワーアップした「信長の野望Online」を見ていただきたいと思います。 渡辺氏 2回の大型アップデートに際し、プレーヤーの皆さんの要望を収集するのはもちろんですが、ゲーム内の情報をできる限り集めて分析を行ないました。その情報量に対してもっとも理解した形で「練磨の刻」、「覚醒の刻」が提供できたと思います。「信長の野望Online」をいかに長く遊んでいただけるかということを念頭に置いて開発していますので、末永くよろしくお願いいたします。 ――ありがとうございました。 (C)2003-2008 KOEI Co., Ltd. All rights reserved.
□コーエーのページ (2008年12月16日) [Reported by 福田雄一郎]
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp Copyright (c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|