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開発スタッフに直撃インタビュー!
AC「機動戦士ガンダム 戦場の絆」REV.2.0の秘密に迫る

12月上旬より順次バージョンアップ



 本稼働開始よりおよそ2年を経過した今冬、株式会社バンダイナムコゲームスのドームスクリーン式戦術チーム対戦ゲーム「機動戦士ガンダム 戦場の絆」は大型のアップデートを迎える。現行のリビジョン表記が「REV1.16」であることもわかる通り、これまでは小数点刻みでの改訂が行なわれていたわけだが、12月上旬からの稼働が予定されているバージョンにおけるリビジョン表記は「REV.2.0」であり、ついに1の位の値が変動する。

 ちなみにユーザーの間では「DX」という通称が浸透しており、イメージとしては「待望の続編」や「シリーズ第2作」といった立ち位置にあるというのが伺える。また、REV.2.0の稼働に合わせ、携帯サイトで入手可能だった称号の一部廃止や、携帯サイトで参照できる過去の戦績の大部分がクリアされるというアナウンスが公式に出されたという経緯もあるため、ユーザー側の「新時代」という意識に拍車がかかったという部分もあるだろう。

 果たして、そのあたりは具体的にどういうことなのか。大型アップデートを直前に控え、バンダイナムコゲームスの開発スタッフにインタビューした。

■ 2.0のリビジョン表記は「続編」や「第2作」を意味するのか?

性能は同じだが、一部武装が異なる近距離戦型ジム「ジム(ホワイト・ディンゴ隊仕様)」。
 最初はやはりこの話題から。JAMMAショーに出展されたバージョンには「ハードウェア改造バージョン」と銘打たれており、インターフェイスの向上に重点を置いたものであることが強調されていたが、ユーザーの間で噂が広まるにつれて、すっかり「続編」や「シリーズ第2作」といった新たな区切りのものというイメージが固定化されつつある。

 だが、低重力ステージである「ア・バオア・クー」の登場や、モビルスーツ(以下MS)カテゴリの再編、新型MSの大量ロールアウトなど、REV.1.16までの枠を超えた新要素の追加により、従来とは異なるゲーム性が実現するであろうことも間違いない。

 REV.2.0とは、いかなる方向性への進化を遂げたバージョンなのだろうか?

 「REV.2.0では、戦場の絆の魅力である『チームの戦略に応じた役割で活躍して、敵軍に勝つ快感をチーム仲間と共有できる』ということをより確実に多くのプレーヤーさんに楽しんでいただける様、従来の楽しさをそのままに、チーム戦の肝である『仲間との意思疎通をはかりやすくする』ことをテーマにソフト、ハードの改良を行なっています」

 「特に、今回搭載された『ボイスシンボルチャット』機能を使うと、他店舗の味方と今までは不可能だったちょっとした連携や、あんな作戦こんな作戦が可能となっています。従来の『シンボルチャット』の上位コミュニケーションツールとして活用していただければと思います」

 「また、従来の中距離支援型という名称がなくなり、新たに射撃型というカテゴリが登場したりといったカテゴリの再編についてですが、いちばん大きなポイントとしては、われわれが想定していたものとは違う運用がなされているカテゴリ(おもに中距離支援型)が存在するという問題が大きかったです。さらに、ネットの情報等によりMSの編成がほぼ固定化してしまっているという状況の中で、MS編成の幅を広げながら、どのカテゴリを選択したとしてもそれなりに戦える環境を作ろうと考え、現在の5カテゴリに再編する形となりました」

■ 撃墜数、S取得回数のリセット、一部称号廃止の理由

ドムの宇宙戦仕様となる射撃型MS「リック・ドム」
 REV.2.0へのパイロットカード引き継ぎに伴い、それまでの撃墜数やS取得回数などがリセットされ、パイロットポイントも上限10,000ポイントまでの引き継ぎとなる。また、称号の一部が廃止され、今後も使用可能な称号であっても、REV.2.0では入手できなくなるものも存在する。この仕様については、多くのユーザーから反発の声も上がっているが、こういった仕様に踏み切る以上は、やはりそれなりの理由が存在するようだ。

 「まず、S取得回数についてですが、REV.2.0からは戦闘結果に応じたランクの判定基準が大幅に変わるというのが最大の理由です。これまでは被撃破0回、バトルスコア350点以上、2機以上撃墜という条件でSランクという判定でしたが、今後は敵軍に勝利するという条件が追加されるので、従来のSランクが持つ意味と、REV.2.0以降のSランクが持つ意味というものが大きく異なってしまうため、一旦リセットさせていただくこととなりました」

 「称号に関しては、組み合わせによって公序良俗に反する称号ができてしまうもの、また、小隊・大隊に関するポイントの仕様変更のため、関連する称号は廃止することになりました。やはり戦績の持つ意味というものも変わりますので、通算勝利数に応じて獲得できるものだけは残しつつ、それ以外のものもリセットという形を取るべきではないかという判断です」

 「ただ、携帯サイトで獲得できる称号は新たに追加されますので、携帯サイトユーザーの方々には、より一層称号編集を楽しんでいただけると思います。それから、皆様から頂戴しているご意見をもとに、過去データの閲覧が携帯でできるような仕組みを検討しております。具体的な内容が決まり次第お知らせいたします」

■ アップデート内容に込められたメッセージ

格闘型MS「高機動型ザク(R-1A)(黒い三連星仕様)」
 中距離支援型というカテゴリそのものの是非が問われてみたり、特定のMSの正しい運用法や間違った運用法に関する議論は日常茶飯事であったりと、誰が示してくれるわけでもない「正解」のようなものを追い求め、全国のプレーヤーたちは激論を交わし、意見を主張してきた。

 だが、そういったプレーヤーの相対数が減少してきた結果、新機体がロールアウトされて間もなく、ろくに運用法の模索もされないうちに「不要な機体」という烙印を押されるケースも増えてきている。もちろん、運用法に完全なる「正解」が用意されているというのは興ざめでしかないが、プレーヤーが模索の努力を怠るようであるなら、「正解のようなものが存在するとすれば、おおよそこのベクトルである」という程度のヒントぐらいを提示して、模索していく楽しさに気づかせるという喚起があっても良いのではないだろうか。

 REV.2.0で多くの新機体がロールアウトされることもあり、そのあたりについても訊いてみた。

 「もちろん、本来ならプレーヤーのみなさんに、新しいものを模索していく楽しさというものも味わっていただきたいところです。ですが、何かしらのヒントが不足してたかというと、確かに不足しているのではないかという思いもありますね。我々としては、アップデートの内容にそのあたりのメッセージやヒント的なものを込めていましたが、もう少し具体的な形があってもいいかもしれませんね。とはいえ、やはり遊び方を強制するということがあってはならないと思いますので、程よい形というものは考えてみたいと思います」

■ “オフライン更新”への答え

ザクIIを全面的に改修した近距離戦型MS「ザクII改」
 本来なら御法度というべきものだが、実態としては多くのプレーヤーが活用しているという、オフライン更新による階級維持。REV.2.0へのパイロットカード引き継ぎはオンラインでしか行なえないため、実質的にオフライン更新というものが行なえなくなるという話だが、そもそもオフライン更新というものは、一定以上のレベルでの対戦を求めるプレーヤーたちにとって、ゲームへのモチベーションを維持し続けるための苦肉の策という側面もある。階級を基準としたマッチングを採用している以上は、あっちを立てればこっちが立たず的なジレンマであり続ける問題だったが、ついにその問題への明確な回答が提示された。

 「まず、階級の降格・昇格に関する条件がまったく変わります。これはなぜかというと、従来の判定方法だと、同じ階級であったとしてもプレーヤーの腕の部分でレベル差が発生してしまい、適正なマッチングが行なわれないという問題がありましたね。この根本的な問題がどこにあるかというと、プレーヤーの技術レベルを判定する基準ですので、そういった評価関連の仕様を見直しました。それに伴って階級の昇格や降格基準も改良しましたので、REV.1.16での昇格条件を満たしていても、REV.2.0には反映されません。ただし、REV.1.16からREV.2.0への引き継ぎ時に階級はそのまま引き継ぎますので、大佐であれば大佐のまま、大将であれば大将の状態でREV.2.0への引き継ぎが行なわれ、その後はREV.2.0の基準に応じて階級が上下することになります」

 「それと、いわゆるオフライン将官対策というものに関してですが。そもそも、なぜオフライン更新をする必要があるかというと、より高いレベルのマッチングを維持する手段ですよね。であるなら、現状に則した形でのマッチングシステムが導入されればいいのではないかと。そのあたりを踏まえまして、REV.2.0からはマッチングクラスをS、A、Bの3段階に、そしてSクラスである将官への昇格条件をユーザーの皆様からのご意見ご要望を受け仕様変更を行ないました。イメージとしては、月間パイロットポイントランキング外であってもSクラス入りへの意思と腕前があればいつでも大佐から少将へ昇格できる形となります」

 「また、それに伴いまして、マッチングに関する判定基準を階級とは別に、直近の戦績からクラス毎に3段階に設定される『パイロットレベル』というものを追加しました。よって、今後の階級の役割はマッチングに影響するというよりも、その人の段位といった感覚ですね。プレイを積み重ねていけばそれなりに階級が上がっていく感じです。直近の戦績を参照することで、マッチングレベルの上り下がりが頻繁に発生するようになっています。よって、苦手な機体を練習した結果、戦績があまり芳しくなく、マッチングレベルが下がってしまうということも起こり得ますが、そのあたりはトレーニングモードをうまく利用していただければと」

■ 「消化」も「練習」も堂々とやれる時代に。「トレーニングモード」について

宇宙でも使える遠距離砲撃型MS「ギガン」
 REV.2.0の隠れた目玉と言えるのが、プレーヤーの任意でCPUと対戦できる「トレーニングモード」の存在。このモードはゲーム中に支給される「チケット」を使用することで選択することができ、「チケット」はオンラインプレイを1回行なうことによって3枚入手できる(チケットをストックできる上限は5枚まで)。トレーニングモードは戦績に影響しないのでマッチングレベルが変動することもなく、不得意な機体の練習には格好の場と言える。戦績に傷をつけるのを嫌うのであれば、頻繁に活用することになるモードなのかもしれない。

■ MS入手のために編成が荒れにくい新支給システム

 REV.1.16までの問題点として挙げられていたもののひとつに、新たにロールアウトされたMSを獲得するために、本来そのパイロットが不得手とするカテゴリのMSに搭乗しなければならないという取得条件がある。中距離支援型や狙撃型のMSにこういった条件が設定されていると、ロールアウト初日の編成画面には、武装の扱いもおぼつかない中(距離支援型)や狙(撃型)のカテゴリが一斉に並び、戦術ゲームとしての体をまるでなしていないという現象が起こっていた。この問題を回避するために、MS支給の仕様にも改良が施されたようだ。

 「従来のような支給条件ですと、やはり条件を満たしたいプレーヤーがマッチングした場合に編成が偏ってしまうという問題がありましたので、そういった支給方法はやめようということになりました。具体的な流れとしましては、ターミナル上で支給可能なMSが表示されまして、そこで支給を受けたいMSを選択したのち、出撃によって支給に必要なポイントを溜めていくという形です。この場合に必要なポイントを獲得するにはMSのカテゴリを問いませんので、例えば陸戦型ガンダムに乗ってポイントを獲得して、射撃型MSの支給を受ける、というような形でもいいわけです。なお、武装支給に関しましては従来通りで、支給された機体に実際に搭乗して武装支給のためのポイントを獲得することになります」

■ 新カテゴリ分けの大まかなイメージ

 格闘、近距離という純粋な前衛タイプは従来通りのイメージで問題がなさそうだが、射撃型、遠距離砲撃型、狙撃型に関してはやや事情が異なる。狙撃型の活躍レンジが変更されたという点も踏まえ、そのあたりを大まかに説明していただいた。

 「射撃型に関しては、いわゆる1.5列目あたりから、従来の中距離支援型の活躍レンジまで、という感じです。遠距離砲撃型というカテゴリは、拠点攻撃を得意とするカテゴリだという認識で基本的には問題ありません。狙撃型の得意レンジが変更された理由には、従来の射程だとチームの連係の輪の外で淡々と仕事するという存在になりやすかったというのがあります。今後の狙撃型は、より連係力を活かさないと活躍しにくいカテゴリになるでしょうね」

■ REV.2.0最初のステージはア・バオア・クー。登場MSは両軍合計62機体!

これだけの大量のMSがロールアウトしているという。支給方法の変更などにより、さらに新鮮な感覚で遊べることだろう
 以上がREV.2.0へのバージョンアップに伴う疑問についてのインタビュー内容である。冒頭の疑問であったREV.2.0の正体とは、ゲームシステムの部分はREV.1.16からの大きな変更が用意されているわけではなく、ハードウェアの強化によるインターフェイスの向上により他店との連携機能を強化し、他店舗という枠を越えて本来のゲーム性を楽しみやすくなったバージョンだということになりそうだ。待望の本稼働は12月上旬で、その時期のステージは噂に違わずア・バオア・クーとのことだ。なお、多くのプレーヤーが期待を寄せるMSのラインナップは右の通り。

 本稼働直後にはこのすべてが登場していないのではないかという噂も囁かれているが、

「大丈夫です。すべて完成していて、本稼働初日から全てロールアウトされています」

 ということらしいのでご安心を。パイロットデータの引き継ぎ仕様に関するユーザーの不満が緩和されるのかという心配はあるものの、その部分をメーカーが問題点として認識していることは間違いないので、ポジティブな結果に期待したい。 まだ見ぬ新ステージと新MSに胸を膨らませながら、稼働開始のその日を心待ちにしつつ。

(C)創通・サンライズ

□バンダイナムコゲームスのホームページ
http://www.banpresto-am.com/
□「機動戦士ガンダム 戦場の絆」のページ
http://www.gundam-kizuna.jp/
□関連情報
【11月17日】バンダイナムコ、AC「機動戦士ガンダム 戦場の絆」
メジャーバージョンアップ「REV.2.0」を告知
パイロットカード引継ぎの詳細などを明らかに
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081117/kizuna.htm
【9月18日】第46回アミューズメントマシンショーレポート
第46回「アミューズメントマシンショー」ブースレポート バンダイナムコ編1
~「ガンダム」から「太鼓の達人」ほかバラエティに富む出展タイトル~
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080918/ambn.htm
「機動戦士ガンダム 戦場の絆」関連リンク集
http://game.watch.impress.co.jp/docs/backno/rensai/podlog.htm

(2008年11月28日)

[Reported by 三番町第20番小隊]



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