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YNKJAPAN、WIN「天地大乱」開発者インタビュー
日本ユーザー主体のサービスで“運営のタブー”を打破する

10月23日 収録

 株式会社YNKJAPANは10月23日、韓国Gigassoftが開発しているWindows用MMORPG「十二之天2」をローカライズし、「天地大乱」としてサービスすると発表した。「天地大乱」は、タイトル名を変更して日本語化するだけでなく、ゲームシステムにまで手を加えた大規模な変更が行なわれる。

 ゲーム内容については、23日に行なわれた発表会で語られているが、より詳しい内容を聞くため、開発・運営陣にインタビューを行なった。開発のGigassoftからは、戦略事業本部長のソ・ヒョジョン氏、技術企画本部長のキム・キョンワン氏、海外事業部のイ・ソンヨン氏。そしてYNKJAPANより、日本運営責任者の竹村哲氏にお話を伺った。



■ 4つの勢力が争い、時に共闘する“3つの戦争システム”

左から、イ・ソンヨン氏、竹村哲氏、キム・キョンワン氏、ソ・ヒョジョン氏
――日本でのサービスが発表されました。今の感想を聞かてください。

ソ・ヒョジョン氏 : 今日が発表でしたので、今後も一生懸命頑張っていくというのが、たった今の感想です。発表会でも申し上げたとおり、開発のGigassoftとしては、顧客中心の開発を進めていきたいと思っていますし、YNKJAPANにおいてもお客様中心のサービスを続けていきたいと思います。そのために今後どういう風にやっていくかというところを考えています。

――日本版の開発状況はどの程度でしょうか?

ソ氏 : 70%程度が完成しています。今、一番気を使っている部分が、日本語ローカライズです。ただ韓国語を日本語に翻訳するのではなく、日本の作家さんを中心として、日本バージョンとしてローカライズするにはどう進めていくべきかを考えているところです。残りの30%については、日本ではコンソールゲームが中心となっていますので、コンソールゲームのユーザーさんがオンラインゲームに簡単にアクセスできるようなシステム作りと企画を行なっています。これも完成に近づいています。

――本作の1番の魅力となるであろう戦争について、どういったものが用意されているのか教えてください。

ソ氏 : 「勢力戦」、「聖石戦」、「討伐戦」を用意しています。「勢力戦」は時間を区切り、各勢力に分かれて直接戦います。「聖石戦」は、お互いに相手の勢力が持っている聖石を潰し合う戦いで、1週間に2回から3回程度行ないます。「討伐戦」はモンスターを全滅させる戦いで、これは24時間常に行なえるシステムになっています。

 戦争に関して他のゲームとの差別点としては、大規模な戦闘が可能だというところです。「勢力戦」では、3つの勢力……日本バージョンで1つ「浪人」が入りますので4つの勢力になりますが、各々の勢力に100人ずつくらいのプレーヤーが、1つの戦場に同時に参加できます。要するに400から500名ぐらいの大規模な戦争が可能になるということです。

――「聖石戦」も4つの勢力が同時にぶつかり合うのでしょうか?

ソ氏 : 「聖石戦」は、相手チームが持っている聖石を潰すというもので、4つの勢力がぶつかり合います。1つが守り、他の勢力が攻めてくるという形で、いわゆる攻城戦のようなものです。

――もう1つの「討伐戦」ですが、巨大なモンスターとプレーヤーが戦うもの、という認識でよいのでしょうか?

ソ氏 : プレーヤーが協力し合ってその1つのボスを倒すということもできます。モンスターを相手にプレーヤーが共闘するという仕組みです。

――そうすると、敵対している4つの勢力が、巨大なボスに対しては一緒になって立ち向かうという状況もあるわけですね。

ソ氏 : そうです。

――次に勢力の仕組みについて尋ねます。各勢力には「勢力長」があると伺いましたが、他にも地位が用意されているのでしょうか?

ソ氏 : 「勢力長」の下に「副勢力長」というものが5人くらい作れます。現在韓国のサービスでは20人くらいの「副勢力長」がいまして、他の種族に対して自らの勢力を誇示する告知システムのような権限を持っています。他には、戦争は「勢力長」がいなくても戦争はできますが、「勢力長」がいる場合は攻撃力がアップするといった効果も持っています。またその戦争に勝利するともらえる報奨金のようなものがあるのですが、それを管理する権限も持っています。「勢力長」が持っている権限の中心となるのは、もちろん戦争なのですが、勢力内の階級を利用した政治システムや経済システムというコンテンツもあります。

――次に成長要素について伺います。発表会では、キャラクタと武器とペットという3つの成長があるということでした。この3つの組み合わせで、好みのキャラクタを作り上げていくのでしょうか?

ソ氏 : その3つが中心となりますが、「天地大乱」はプレーヤーの操作がとても重要です。発表会でキム・ガヨンさんが話していましたが、キーボードとマウスによる操作の練習を続けることで、自分よりも遙かに高いレベルのプレーヤーを倒せます。ペットと武器、キャラクタの成長以外に、自分自身の腕前にも左右されるゲームになっています。



■ 「天地大乱」は「十二之天」、「十二之天2」とどう違う?

「十二之天2」でプレーヤーが選択できる3つの勢力。上から順に、「正派」、「邪派」、「魔教」
――初代「十二之天」との違いはどういうところでしょうか? また新たな魅力だと考えている部分はどこでしょうか?

ソ氏 : まずグラフィックスが大幅に向上しております。ストーリーは「十二之天」の200年後という設定になっていますので、大きく変わった点はないのですが、日本バージョンでは第4の勢力が登場するところがバージョンアップしています。システムに関しては、実際にプレイしていただければわかると思いますが、ほぼ異なるシステムになっています。システムの違いの全てはお教えできませんが、いくつか大きなところを今からご説明します。

 1つ目は、戦争に参加できる制限レベルです。「十二之天」では、ある程度高いレベルにならないと戦争に参加できなかったのですが、今回はレベル10から戦争に参加できるようになります。プレイを始めて10分くらいすればレベルはあがりますので、ゲームのシステムや内容を全然知らない場合でも、すぐに戦争に参加できるシステムになっています。

 2つ目が経済システムです。「十二之天」にも経済システムはありましたが、その経済の差によって戦争に差がつくということはありませんでした。「天地大乱」では経済の差が戦争に有利、不利に働くことがあり、経済システムが大きな役割を果たすことになります。

 3つ目が各種族に関するバランスです。「十二之天」では種族間のバランスにかなりの差がありました。その経験を生かし、「天地大乱」では各種族のバランスを最適化し、ユーザーさんが実際にプレイしたときに、それほどバランスの差があると感じない程度にチューニングしています。

 4つ目がペットです。ペットはゲームの中で進化していきます。ゲーム内で10年程進化させると、ペットに乗れるスキルが得られます。普通にプレイした場合だと、3~4カ月でゲーム内の10年になりますから、ペットの使い道がどんどん変わっていくわけです。もちろん他にも色々システムがありますが、今紹介できるのはこれぐらいです。

――韓国版「十二之天2」から日本版「天地大乱」になるにあたり、アレンジを加える方向性のようなものがあれば教えてください。

ソ氏 : 韓国はかなり前からオンラインゲームが盛んで、ユーザーさんもたくさんいますので、ゲーム会社のほうが遊び方を説明しなくてもユーザーさんはわかっています。日本の場合、やはりコンソールゲームが主流でしたので、オンラインゲームをどのように遊べば楽しいかという部分で、やはり未熟な部分があると思います。その辺りを教えなくても、ユーザーさんが自分から楽しさを見つけられるような簡単さや利便性を、まず追求していきたいと思います。

 また日本のユーザーさんは韓国のユーザーさんに比べて、キャッシュアイテムの購入確率、リアルマネーを使う頻度がとても高いのです。その分、クオリティの高いゲームのサービス対応をしていかなければなりませんので、その面を十分に考慮しています。韓国よりもサービスの質が高くなければいけないと考えています。具体的には、ユーザーさんの目に見えない部分では、こちらのハードウェアを最新化します。

 ユーザーさんの目に見えるものとしては、「天地大乱」は戦争が中心になっていますので、レベルアップが非常に早く、すぐに最高レベルになります。韓国ではまだ発表していませんが、「天地大乱」では経験値がカンストした人が、さらに次の段階にステップアップできるシステムを導入する予定です。

「天地大乱」で追加される第4勢力「浪人」。外見から和風のデザインになっている
――「天地大乱」の特徴としては、第4勢力の「浪人」が最も大きいと思います。まだ韓国でも遊べない要素ですが、これによってゲームはどのように変わっていくのでしょうか?

ソ氏 : 4つ目の勢力の追加によって、ゲームの勢力バランスが保たれます。最もゲーム内の勢力のバランスが保たれるのは2つの勢力がある場合なのですが、「十二之天2」では3つの勢力があり、勢力の均衡を保つのがすごく難しいのです。そこで4つ目を追加することによって、ゲーム内の勢力のバランスが最適化されると考えています。

 「浪人」というのは、もともとあった派閥から抜け出たという意味なので、「浪人」をプレイすることで、2つ、3つの勢力の特徴を同時に味わえるというよさもあります。

――「浪人」は勢力として、既存の3つの勢力と並ぶ確固とした勢力になるのですか? それとも方向性が違い、各勢力の傭兵のような形になるのでしょうか?

ソ氏 : 4つ目の勢力である「浪人」は、その他3つの勢力と敵対関係にあります。プレーヤーはこの3つの勢力で一定の条件を満たした場合に、NPCを通して「浪人」になれます。「浪人」になると、3つの勢力とはまた別の住む場所があり、狩りをしたりするのも違う場所になります。「浪人」については、今のところお話できるのはこれぐらいです。

――ほかに日本版において、特に注目してほしい所、力をいれている所があれば教えてください。

ソ氏 : 先ほど申し上げた残りの30%に関して、今YNKJAPANさんを通して、日本のユーザーさんが何を望んでいるかを調査しています。ユーザーさんがどんなものを望んでいるのかをYNKJAPANさんと話し合い、そこで日本版として入れるものを決定していこうと思っています。今後はそのYNKJAPANさんを通してご質問ください。

 我々Gigassoftとしては、開発したものを日本側にサービスとして渡す場合に、完成度は50%だと思って渡しています。残りの50%は、日本のユーザーさんとサービス会社のほうで作っていくものだと思っています。日本のユーザーさんから要望がありましたら、それにあわせて私たちは開発していき、そこでゲームが100%完成するものだと考えています。



■ “運営のタブー”をなくし、透明感のあるサービスを提供

日本版とな「天地大乱」のキャッチコピーは「魂をゆさぶれ!」
発表会でも、ユーザーと開発、運営の密接な関係を強調しているYNKJAPAN。「R.O.H.A.N」での経験を活かしたものだ
――運営にも話をお伺いします。日本側から今提案されていることはありますか?

竹村哲氏 : いくつかあります。まず日本のユーザーが特に望んでいるであろうと思われることを初期段階で伝えました。その後は、公式サイトなどでユーザーの要望を聞き、すぐ開発に伝え、できるかできないかを確認し、できるのであればすぐ行なっていただきます。できない場合でも、未来に向けて「こういうプランでいきましょう」という形で準備しています。とにかくユーザーの声をより聞くということです。普通の運営ですと、ユーザーの声を聞くとは言っても、開発側の「これは仕様だからしょうがない」で終わるパターンが多いですから。

 普通の運営ではタブーとされていること、暗黙の了解で決まっていることが多々あると思うのですが、「天地大乱」に関してはそういうことをできるだけなくして、ユーザーに対して透明感のある運営を行ないます。ゲーム内の数値なども、特に戦争となると気になるものですので、具体的にユーザーに知らせることで、公平且つ大胆に戦争が行なえる場を提供します。それがユーザーにとっての1番大切なものなのではないかと思っています。

――運営側としては、韓国の「十二之天2」をどのように日本の「天地大乱」に変えていこうと考えていますか?

竹村氏 : 先程も出ましたが、韓国で行なわれているサービスだと、成長スピードのような問題があります。どのレベル帯まで成長が早くて、どのレベル帯からなだらかにすればいいのかがまず重要です。その上で、狩り場とかに落ちているアイテムのランクをどうするか。成長のバランスが変わっていくと、アイテムドロップの補正値なども全て変えないとバランスが崩れてしまいますので、今後慎重に詰めていきます。

 あとは戦争です。既にいくつか大きな戦争システムはありますが、日本独自の戦争システムを作りたいと思います。今すぐには難しいかと思いますが、さほど時間はかからないと考えています。ユーザーに、より戦いを楽しむ選択肢も増やしつつ、戦争を楽しむためのレベルアップもより楽しめるというスタイルを考えています。

――戦争によるPvPがメインのゲームのようですが、日本向けに対モンスターに特化したデザインに変えようというわけではないのですか?

竹村氏 : 対ボスモンスター戦もありますが、基本路線はPvPメインで行く予定です。日本のユーザーはPvPがあまり好きではない、という懸念材料があると思っていらっしゃるかもしれませんが、日本人はポテンシャルとして戦う事に関しての抵抗はないはずです。日本のユーザーの最も求めているのは、お互いに対等の立場で戦いたいという、公平性なのです。「こっちの種族が強い」となると、日本人のユーザーは「やっても負けちゃうからもうやらない」となってしまいます。海外でサービスした場合は、「弱くてもなんとかしてやろう」というユーザーが多いのですが。武士道ではないですが、正々堂々、お互い同条件でやりましょうよというのが日本人の血なのかもしれません。その辺りを考慮して、システムの中にどんな戦争をいれてもお互いに公平である、というものを考えています。

――日本版についてもう1つ「マルチメディア化」というものがありました。これは何を目指しているのですか?

竹村氏 : 今後、YNKJAPANで色々なゲームやサービスを提供していく上で、複数のゲームをリンクさせたりとか、その中で音楽を共有してみたりとか、様々な可能性があると思います。その辺りを今後、プランを立てて行なっていきたいという方向性です。具体的に、今何ができるのかと言われると困るところですが、そういう風に未来を見据えて、模索しながら動いている段階です。

――では最後に、日本のゲームユーザーに対してメッセージを一言ずつ頂ければと思います。

ソ氏 : 「天地大乱」をご声援頂きたいと思いますし、声援をいただいた分だけ、我々は一生懸命それに答えられるように努力していきますので、よろしくお願いします。

キム・キョンワン氏 : 私は技術担当者なのですが、各国ごとにユーザーさんのプレイ環境が違うと思います。日本のユーザーさんのプレイ環境において、快適なサービスとゲームが行なえるように最大限努力していきます。

イ・ソンヨン氏 : 「天地大乱」を日本においてサービスするにあたって、日本のユーザー様からの不満がないように最大限努力いたします。

竹村氏 : 私からは、「期待していて下さい」の一言で十分だと思います。期待は裏切りません。

――ありがとうございました。

□YNKJAPANのホームページ
http://www.ynkjapan.co.jp/
□Gigassoftのホームページ
http://gigassoft.co.kr/
□「天地大乱」のページ
http://tenchitairan.gamecom.jp/
□関連情報
【10月23日】YNKJAPAN、WIN「天地大乱」発表会開催
「十二之天2」を日本向けに大規模改修、新勢力などを実装
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081023/ten.htm
【10月7日】YNKJAPAN、武侠MMORPG「十二之天2」
“Japan edition化”して日本向けサービスを展開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081007/ten.htm

(2008年11月12日)

[Reported by 石田賀津男]



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