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価格:18,900円
■ 液晶の大きさが目立つが、薄く軽量化された本体 DSiのパッケージは、DS Liteの正方形のものから、先代DSのように横長の長方形スタイルになっている。化粧箱は光沢のないシンプルさを感じさせるもので、梱包材は薄手のダンボールになっており、中にはぎっしりと本体、ACアダプタ、マニュアル類が収められている。 本体(TWL-001)、DSi専用ACアダプタ(WAP-002)、DSi専用タッチペン(TWL-004)2本(うち1本は本体にセット済み)という商品構成で、ACアダプタ、タッチペンが専用品になっており、DS/DS Liteとの互換性はない(タッチペンは利用できるが、本体への収納時にちょっと困る程度)。また、今までのシリーズには専用ストラップが同梱されていたが、DSiには含まれていないのも違いとなっている。箱から本体などを取り出してみると、その裏には本体、ACアダプタ、タッチペンのマークが印刷されており、どこに何をしまうべきかがわかりやすくなっている。 マニュアル類は、DS Liteと同じく多色刷りのわかりやすいもので、「かんたんスタートガイド」、「サポートブック」、「本体取扱説明書・基本編」、「本体取扱説明書・機能編」と、DS Liteでは2分冊だったものがさらに細かく分かれ、パッケージと同じく長方形に版型が変わっている。 専用ACアダプタは、DSおよびDS Lite用からサイズ的には縦横が縮まり、厚みが増している。コネクタはちょっと小さくなっているため、DS/DS Lite用いずれも刺さらないようになっている。
そして、液晶サイズが3インチから3.25インチへと、DSハードで初めて拡大されていることが見た目の一番の特徴といえるだろう。解像度は従来と同じく256ドット×192ドット(横×縦)だ。バックライトの輝度調節機能はDS Liteの4段階から、5段階へと1段追加され、DS Liteよりさらに明るくなったように見える。設定は本体設定から画面の明るさを選択するか、SELECTボタンを押しながら、音量/明るさスイッチを押すことで変更できる。
さらに、単焦点レンズ、撮像素子にCMOSを採用した有効画素数約30万画素のカメラをヒンジ内側、そして外側の2カ所に内蔵しているのも従来モデルになかった要素だ。カメラはいずれも本体上側に設置されている。
DSiの電源ボタンは「電源/リセットボタン」となり、下画面左下に移動している。DSと同じく、本体を閉じると操作できないようになっているわけだ。DSiでのこのボタンは、DS初のリセットボタンとして機能するため、DSiの操作感を従来機と異なるものにしている。電源ONは1クリック、電源ON中に1クリックでリセット、0.5秒以上の長押しで電源OFFとなる。本体を折りたたんで閉じると、バックライトがOFFとなり、ソフトの動作が一時停止し、いわゆるスリープ状態となる(電源ランプが明滅する)。 ボリュームスイッチは本体下画面側左横に移動し、スライドボリュームからプッシュ式のものに変更。さらに画面の明るさ調節と兼用となり、音量/明るさスイッチとなった。音量は7段階で調節可能。押しっぱなしにすることで、0~7へとすぐに変更できる。無音状態で本体を起動したいときは、音量/明るさボタンの「-」側を押しながら電源をONにすることで実現している。なお、音量の設定は電源OFF時のものが記録されており、次回起動時に反映される。 入力系統は十字ボタン+A、B、X、YにL、Rのボタン、START/SELECTボタンと従来と同じ数。ストロークは、DS LiteよりはDSに近い。かなり浅く、ちょっと押せばすぐに反応するという感じだ。また、十字ボタンとA、B、X、Yボタンの大きさはDS Liteと変わらないが、L、Rボタンは上下に小型化しているかわり、本体から飛び出す格好になっており、本体を開いた状態でも、人差し指を持っていけば、どこまでがボタンかがすぐにわかるので、操作しやすいと感じられた。 DSiに初めて搭載されたものの1つに、SDカードスロットがある。本体下画面右横にプラスチック製のカバーがあり、爪で引っ掛けるようにして横に開きつつ、カバーを引き出すように開ける。このカバーは最初ちょっと開けにくいが、ちゃんと引き出さないと、SDカードを出し入れする際に邪魔になる。SDカードは、端子側を上に向けて差し込むようになっており、慣例上とは逆に差し込む形になっている。そのためか、画面上もSDカードは端子側を描いたアイコンになっている。 SDカードはカメラの画像や、内蔵メモリに登録されたデータのバックアップ、そしてAAC形式の音楽ファイルを格納するために使われるものだが、2GB以上のSDHC規格のものにも対応している(ただし、どれだけ容量が大きくても、SDカードに写真やフレームを保存する場合、カードの空き容量に関わらず、最大3,000枚までしか保存できないようだ)。同じくSDカードスロットを搭載しているWiiとの連携が考えられているようだが、Wiiでは現状SDHC規格には対応していないので、大容量のSDカードを使おうと考えている人は注意が必要だろう。miniSDおよびmicroSDカードも、SDカードアダプタを使えば対応できる。 また、スピーカーの位置が少しだけ下がっており、開口部の面積が変化している。だが、DS Liteよりも音量が大きくなったように聞こえ、包み込むようなやわらかいサウンドが楽しめる。これはDS Liteより明らかに改善された機能の1つだろう。
■ リセットすればDSiメニューへ移行。内蔵ソフトの多彩さがDSiらしさ 電源を投入してみると、おなじみのDSの起動画面に「i」の文字が。液晶が拡大しているので、多少フォントが太く見える。初期設定画面では、インターフェースは基本的にタッチペンと十字ボタン+AおよびBボタンで行なう。本体設定は見た目がWiiの設定画面に似ている。ユーザーカラーは16色の中から選択できるようになっているなど、より個性を発揮できるように変化している。 また、DSではIEEE802.11だった無線規格は、IEEE802.11b/g(DSSS/OFDM)となり、WEPにしか対応していなかったWi-Fiセキュリティ設定が、WPA2-PSK(AES)まで対応。設定保存項目も、WEPの3つと、上級者設定3つの6つまで設定できるようになったうえ、プロキシやMTU設定もできるようになっている。ただし、ニンテンドーDS互換機能(DSソフトをプレイするときなど)では、この上級者設定は利用できず、従来のWEPでの通信となる。また、本体に記録しているWi-Fiユーザー情報は、別のDSi本体などへ移動できるようになっている。
設定が終了すると、DSiのコアとなるニンテンドーDSiメニュー(DSiメニュー)へ移行する。DSiメニューでは、下画面に本体設定、DSカードスロット、そして各種内蔵ソフトが横にずらっと並ぶ。上画面にはユーザーネーム、日付/時刻、音量表示、電池残量表示(5段階)が表示されている。十字ボタン+A(決定)で操作できるほか、タッチペンを使って画面下のバーをスライドさせることでメニューの移動、アイコンをタッチすることで決定できる。また、この画面でL、Rボタンを押すと、カメラ機能が起動し、下画面にカメラの映像が映し出される。カメラ起動中はA、L、Rボタンで撮影、Bボタンでキャンセル、Xボタンで外側カメラ移動、Yボタンでメニューを閉じて全画面表示という操作に変わる(タッチパネルでも操作可能)。撮影した画像およびニンテンドーDSiカメラで加工した画像は、DSiメニューで上画面に表示されるようになる。これもカスタマイズ機能の1つだ。 そのほか、ニンテンドーDSiカメラ、ニンテンドーDSiサウンドといったデフォルトでDSiメニューに登録されている内蔵ソフトで遊ぶことができる(詳しくはレポート記事を参照)。初回起動時はカメラ機能のチュートリアルから、ニンテンドーDSiカメラのチュートリアルに移行できるので、一通りの機能を体験できる。 各内蔵ソフト、そしてDSソフトプレイ時に電源/リセットボタンを押すことで、DSiメニューに復帰する。繰り返すようだが、これがDSiの操作の大きな特徴。ゲームプレイ中も電源ボタンを押すとDSiメニューに移行してしまうので、データセーブ中などは気をつけていただきたい。DSiは常にこのDSiメニュー復帰できるように作られており、たとえゲームプレイ中にDSカードを抜いてゲームがハングアップしても、リセットすればDSiメニューに復帰するほど(電源投入中にカードを抜き差しすることは、DSカードにセーブされているデータが壊れてしまう可能性があるので、取扱説明書では「使用上のお願い」のなかで“電源ランプが点灯(点滅)しているときは、ゲームカードや周辺機器を抜き差ししない”と明記されている)。また、DS/DS Liteでは、DSカード未挿入で起動した場合、一度電源を落とさないとDSカードは認識しなかったが、DSiメニュー起動時は、DS/DS Liteの本体メニューではできなかったDSカードのリアルタイム認識が可能となっている。ただし、これも同じく取扱説明書の中で禁止されている事項なので、やらないほうが賢明だ。
DSiメニューには、このほか空きボックスが初期状態で32個ある。ここに、これまたDSiのみの「ニンテンドーDSiショップ」でダウンロードしたDSi専用ソフト「DSiウェア」が並ぶことになる。11月1日よりオープンしたDSiショップには、現時点で無料の「ニンテンドーDSiブラウザ」が登録されている。 DSiショップを利用するには、初期状態からは本体を一度更新する必要がある。インターネットに接続して、本体を更新すると、Ver1.0JからVer1.1Jへと更新されていることがわかる。更新作業は、画面にしたがって進めていけば1分程度ですぐに終わった。DSiショップでのダウンロード方法は、Wiiと同じように項目から選択していくだけなので、非常にシンプルだ。本体の空きブロックは1,024ブロック(内蔵メモリ容量は256MB)で、DSiブラウザーは85ブロックを必要とする。DSiウェアは、有料のものが今後配信される予定だが、現状は無料のものしかないため、DSiポイントを登録することはできないようになっている。
また、この更新が終わると、本体設定に「ソフト管理」という項目が現われ、本体メモリとSDカードでのデータのやり取りが可能となった。
DSiは、DSとDS Liteのよいとこ取りをしたうえに、さらに薄く軽く、大きな画面になっている、という外見に、さらにカメラを搭載、音楽再生機能など、多機能化を果たした。DSiカメラやDSiサウンドは、タッチペンを使ってデータをリアルタイムにいじったり、DSiサウンドの多彩な再生画面で遊ぶことができるのは、DSプラットフォームの進化と、これからの可能性を想像させてくれてうれしい機能といえる。 さらに、実際に使ってみると、DSiメニューという新たな機能が加わったことで、ソフトは終了してしまうが、本体の再起動なしにDSウェアとゲームのシームレスな行き来が可能となったことにより、今までのDSとちょっと違った新しさが感じられた。ともかく、「早くDSiウェアがいっぱい出てくれないかなあ~」とわくわくしてしまう。Wiiの発売時は、バーチャルコンソールなど、ダウンロードして楽しめるソフトウェアがいくつかあったことを考えると、ちょっとさびしいといえばさびしいのだが、今後に期待するしかない。SDカードによってバックアップも取れるので、たくさんのDSiウェアが登場してくれることを祈るばかりだ。 ひとつ気になるのは、薄くなったことによって、ちょっと本体を握ったときに心もとない感じがしてしまうのは、まだ本体の変化になじんでいないからだろうか(しっかりと剛性は確保されており、決して華奢というわけではないので誤解なきよう)。 いずれにしても、DSiは、単なるマイナーチェンジとは思えない、任天堂の遊び心をうまく取り入れつつ、新たな可能性を感じさせてくれるハードウェアになっているといえるだろう。GBAスロットがないこともあり、DS Liteから今すぐ乗り換えたほうがいいとはいいにくいのは確かだが、DSiがいかに「個人的な」ハードウェアになるかは、DSiウェア次第といえるだろう。
□任天堂のホームページ (2008年11月1日) [Reported by 佐伯憲司]
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