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薄く、軽く、小さくなった
ニンテンドーDS Lite試用レポート

3月2日 発売

価格:16,800円

 3月2日、任天堂株式会社の携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」のアッパーバージョンといえる「ニンテンドーDS Lite」が16,800円で発売された。3月2日に発売されたのはクリスタルホワイトで、発表当時からラインナップされていた残りの2色、アイスブルーとエナメルネイビーの2色は11日に発売となる。クリスタルホワイトを発売日に入手して以来、しばらく使ってみたので、ここでその試用レポートをお届けしよう。

■ コンパクトになり、軽量化された本体にはさまざまな変更点が

横長のDSに比べ、コンパクトな印象を受けるDS Liteのパッケージ
同梱物一覧。マニュアルがカラー化されている。ストラップは通常のもので、タッチペンストラップではなくなった
 発表当時からそのコンパクトさが話題になっていた本体を収める箱も、DSと比較すると非常にコンパクトになっている。パッケージの表面も光沢のあるコーティングだったDSと、本体部分が光沢で、それ以外はマットな仕上げのDS Liteと異なっており、より高級感を演出したものになっている。梱包材はDSと同じくダンボールであまり違いはないが、内容物を見てみると、マニュアルが大型化し、さらにオールカラーという装丁になった。

 本体(USG-001)、DS Lite専用ACアダプタ(USG-002)、DS Lite専用GBAコネクタカバー(USG-005)、DS Lite専用タッチペン(USG-004)2本、DS Lite専用ストラップ(NTR-009(-01))という商品構成で、ACアダプタ、タッチペンが専用品になっており、DSとの互換性はない。

 クリスタルホワイトの本体は、上画面上面、下画面下面がクリスタルのパーツになっており、それ以外はマットなホワイトのプラスチック系素材が使用されている。同系統の色で本体のほとんどが構成されているため、統一感が感じられるほか、液晶を中心にスラントしていたDSの形状と比べると、直線を基調として角を丸めた形のDS Liteはすっきりとしていながら高級感のあふれるデザインとなっている。

 このクリア仕上げのパーツ部分には、やはりというか指紋が付きやすい。クロスなどで拭けばあっさり指紋を除去することは可能だが、白という本体色によって、個人的にはそれほど気にはならなかった。むしろ、ヒンジ部分や操作パネル部分のマットカラーの梨地仕様パーツのほうが汚れが気になるかもしれない。食事の前というわけではないが、使用する前には手を洗ってからのほうがいいだろう。テストに使用していたものは、早速L/Rボタン付近に汚れが目立ってきた。

 それでは、本体のサイズの違いなどを表で見てみよう。

本体

形式

サイズ(縦×横×厚さ)

重さ

タッチペンのサイズ(長さ×太さ)

DS

NTR-001(JPN)

84.7mm×148.7mm×28.9mm

約275g

約75.0mm×直径約4.0mm

DS Lite

USG-001

73.9mm×133.0mm×21.5mm
(-10.8)mm×(-15.7)mm×(-7.4)mm

約218g
(-57)g

約87.5mm×直径 4.9mm
(+12.5)mm×(+0.9)mm

 サイズ的にも小さくなり、57gの軽量化、そしてタッチペンは長く太くなっており、操作面と携帯性が見事に両立されたスペックになっているDS Liteは、機能的にほぼDSと同様のものを実現しながら、いくつか細かいところに変更点が見受けられる。

 まずは電源ボタン。DSでは下画面左にプッシュ式のボタンが用意されていたが、これが下画面右横にスライド式のスイッチへと変更され、スライドするごとに電源のON/OFFが切り替えられる。これは、本体を使用している際に持ち上げるなどしたときに、誤って電源ボタンを押してしまう(注意すれば防げるレベルだったが)という心配に対する改良点といえる。

 また、下画面下にあった電源と充電ランプは、ダブルスクリーンをつなぐヒンジの右へと移動。折りたたんだ際にも確認しやすくなっている。さらに、タッチペン収納部が下画面上部背面に設置されていたものが、下画面右サイドに移動。DSでは本体使用前に取り出していたが、DS Liteでは、本体使用時に取り出しやすくなった。

 また、GBAスロットには専用のカバーが付属しており、出荷時にすでにはめ込まれた状態になっている。このカバーのおかげで防塵効果が望めることはもちろん、見た目にもスッキリした印象が与えられている。

艶のあるクリアパーツが表面に使用されている タッチペンも大型化。DSよりも大人の手には持ちやすい
上から見たところ。完全にひと周り小さくなった 正面から見たところ。DSの下画面部分との差が大きい。GBAスロットには専用のカバーが
右サイドから。電源ボタンとタッチペンの格納部が移動 背面。DSスロットの位置などには変更はない


■ 操作部分にも大きな変化。DSとは好みでチョイス?

 さて、実際にゲームをプレイしてみることにする。本体を展開し(DS同様、全開とその手前の2段階で止まる)、DS Liteの液晶を見てみよう。スペック上はDS、DS Liteとも3インチで、大きさには変化はほとんどない。上下画面ともTFTカラー液晶(26万色表示)、ドットピッチは0.24mm、解像度は192×256ピクセルのバックライト付きの液晶画面が2枚装備されているというスペック面も同等のものになっている。ただし、DS Liteになって、半透過反射型から透過型へと変更されているのが大きな違いだ。この違いは何に表われるか、といえば、液晶のコントラスト、そして明るさだ。

 また、DS Liteは4段階の輝度調整可能となっている点も大きい。この液晶の輝度設定は、マニュアルモード設定で電源を投入すると表われるDSメニューの左下にあるランプの形をした「バックライト輝度調整アイコン」をクリックするごとに、1(最も暗い)→2→3→4(最も明るい)と切り替わる。出荷時は4に設定されているため、クリックすると1へと戻る。2がDSと同じ明るさということなのだが、4にするとかなり明るい。おまけにコントラストもDSとははっきりと違って見え、全体的に色味が強い。1の設定にあわせて写真を撮影すると、4では画面の色が飛んでしまうほどの明るさだ。

【DS】【DS Lite(1)】【DS Lite(2)】【DS Lite(3)】【DS Lite(4)】

バッテリー持続時間

DS

約6~10時間
[フル充電約4時間]

DS Lite

(1)最低輝度 約15~19時間
(2)低輝度  約10~15時間
(3)高輝度  約7~11時間
(4)最高輝度 約5~8時間
[フル充電約3時間]
(-約1時間)

 DS Liteの液晶は、完全な透過型を採用することにより、暗いところでもより見やすくなったという印象が強い。ただ、かといって暗い場所でゲームを長時間遊ぶのは目によろしくないわけで、注意したほうがいいことは今さら言うまでもないだろう。

 また、輝度が調節できるようになったことに伴い、バッテリーの持続時間にも変更がある。右の表を参考にしてほしいが、基本的にはロングライフであることには変わりはないが、DSよりも明るく調節している状態では、さすがに持続時間は減少している。最大消費電力も充電時でDSの約1.6Wから、約2.3Wへと増えている。

 その代わりといってはなんだが、フル充電にかかる時間が約1時間短縮されているので、毎日持ち歩く人にはありがたい性能向上といえるだろう。

L/Rボタンも形状が異なるため、指の長さによって押しやすさが違うだろう
 そして、操作に関係する部分をチェックしてみると、ボタンのストロークが異なることにまず気がつく。DSとDS Liteではボタンのストロークがほぼ倍ある。十字ボタンも同程度の押し込み感覚の違いが感じられる。これは、基板に接触するスイッチのラバー部分の形状の違いが大きい。完全に押下し、スイッチが基板に接触するまでに、多少の隙間が生じているので、ゲームボーイアドバンスで言えば、SPとMicroほどの違いが感じられるわけだ。さらに、十字ボタンはDSのほうは中央部が丸くへこんでいるが、DS Liteは緩やかに中央に向かってアールがかかっている程度。十字ボタン中央部に突起があることも押してみればはっきりわかる。

 また、STARTやSELECTボタンの位置が変更になり、小型化しているため、大人にはちょっと押しにくいと感じられる。反面、ボリュームスイッチは大型化し、スライドさせやすい。

 ボタン類に関しては、DSはどちらかというとボタンをクリックするような感覚だが、DS Liteははっきりと「押す」という感覚を伴う。この違いは、DSに慣れてしまった人にはちょっと違和感を覚えるかもしれない。しかし、これは時間と慣れが解決してくれるものだろう。それよりも、本体の形状の違いによる指の運びやすさに違いが感じられる。DSは外に向かってスラントするような形状になっており、十字ボタンやA、B、X、Yボタンも微妙に外側に向かってセットされている。また、ボディの端からボタンまでの距離、そして本体の厚みの微妙な違いにより、指運びのしやすさはやはりDSのほうがやりやすい感覚を受ける。十字ボタンの大きさの違いも影響している。手の小さい人には逆にDS Liteの方が操作しやすいことだろう。

 このように、微妙に操作感覚に違いがあるため、すべてにおいてDS Liteが優れていると決め付けるわけにはいかない。だが、いずれにしろ操作に困るものではないため、購入にあたって慎重を期す必要のある方は、店頭の試遊機や友人に借りるなどして、操作の違いを体感してもらったほうがいいだろう。とくに、ボタンを多用するアクションゲームなどを好んでプレイする人はチェックしておいたほうがいい。

 一方、タッチペンが大型化したので、タッチパネルでの操作は快適度が増した。これはDSにおいてもタッチペンを自分にあったものに交換すれば問題はないわけだが、本体に収納できるタッチペンのサイズが大きくなったのは非常にありがたいことだ。劇的に、とまではいかないが、DS Liteのほうが確実によくなっている。DSの発売時には、本体は机などに置いて操作することが想定されていたが、DS Liteでなら片手で本体を持ちながらのプレイも十分軽いしやりやすい。ただ、本体の空きスペースが減ったので、本体を持ってタッチペンで操作という使い方では、少し手の大きな人は下画面に触れてしまうかも、という心配が出ないとも限らないが……。

 また、スピーカーから出力される音にも違いが感じられる。DSはある程度低音からしっかりと音が出ており、音像もはっきりした印象だが、DS Liteでは、中域がメインで音像が少しぼやける感じ。ボリューム最大での音量もDSのほうが大きめだ。これはヘッドフォンを使用してプレイするときにはまったく関係ない話だが、スピーカーでの利用がメインの人には「ちょっと気になるだろうな」と思われる。

十字ボタン、START、SELECTボタンが小型化したDS Lite ダイレクト感のつよいDSのボタン類
DS、DS Liteのボタンの取り付け角度の違いがわかるだろうか。本当に少しだが、DSのほうが本体外に向かって傾いてセットされている

GBAスロットに振動カートリッジを差してみた。やはりはみ出てしまう
 最後に、GBAスロットに関して見てみよう。発表時から言われていたように、GBAスロットは浅くできており、通常のカートリッジを挿入すると、1cmほどはみ出てしまう仕様となっている。DS LiteでGBAゲームをプレイする人はどれぐらいいるのかがはっきりわからないが、「メトロイド プライム ピンボール」の振動カートリッジなど、GBAスロットを使う拡張カートリッジがはみ出てしまうのが残念だ。ただし、これからDS Lite用にあわせて各種カートリッジも発売される(振動カートリッジはすでに発売が予告されている)ので、安心してほしい。

 ここまでざっと見てきたが、基本的にはGBAとGBA SPの関係のように、どちらを選ぶかは好みによるといっていいDS Lite。DSじゃちょっと物足りない、という人の心をくすぐるデザイン、そしてスペックを持っているのは間違いないので、しばらく入手は厳しいだろうが、ぜひ一度手にとって見てほしい完成度を誇っているといえるだろう。

□任天堂のホームページ
http://www.nintendo.co.jp/
□ニンテンドーDSシリーズ製品情報
http://www.nintendo.co.jp/ds/index.html
□関連情報
【3月2日】「ニンテンドーDS Lite」発売。各地で行列ができあがる
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060302/dslite.htm
【2月24日】任天堂、「ニンテンドーDS Lite」
アイスブルー、エナメルネイビーの2色を発売延期
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060224/dslite.htm
【2月15日】好調なDSの今後について岩田社長語る
「年内のできるだけ早い時期に1,000万台の普及を達成したい」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060215/nin3.htm
【2月10日】任天堂、「ニンテンドーDS Lite」の仕様を公開
3色が同時発売。タッチペンの大型化など仕様の変更も
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060210/dslite.htm
【1月26日】任天堂、ニンテンドーDSを小型・軽量化した新型
「ニンテンドーDS Lite」を3月2日発売
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060126/dslite.htm

(2006年3月6日)

[Reported by 佐伯憲司]



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