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ゲームオンフェスタ2008、GNGWC&WCG日本大会決勝戦レポート
GNGWC「SiLKROAD ONLINE」、WCG「RED STONE」にて日本代表選手が決定

10月19日開催

会場:池袋サンシャインシティ

 10月19日に池袋サンシャインシティで行なわれたゲームイベント、「ゲームオンフェスタ 2008」では、ステージイベントとして2種類のゲーム世界大会に向けた日本予選決勝大会が行なわれた。ひとつは「Game & Game World Championship 2008(GNGWC2008)」の「SiLKROAD ONLINE」部門。もひとつは「World Cyber Games 2008(WCG2008)」の「RED STONE」部門だ。

 これら2タイトルの日本予選は、国内運営を手がけるゲームオン自らがホスティングする形となった。会場に集まった選手達は、あらかじめオフライン予選を通過してきた強豪達で、会場内で行なわれる決勝大会に勝利すれば、世界大会への切符を手に入れる事になる。本稿ではその模様を中心にレポートしたい。


■ ゲームオンフェスタ2008会場にて、GNGWC2008「SiLKROAD ONLINE」日本代表選手が決定

ステージに備えられた競技用PCに向かい、試合に集中する選手達
 まず最初に行なわれたのが、GNGWC2008「SiLKROAD ONLINE」部門の日本予選決勝大会だ。GNGWCは韓国で毎年開かれているゲームの世界大会で、本稿でレポートする「SiLKROAD ONLINE」のほか、「ショットオンライン」、「NAVYFIELD NEO」などの種目で日本代表選手が出場することになっている。昨年とは異なり、各ゲームの予選は運営各社が別々に実施しているため、大会の全貌を掴みづらいのがひとつの問題ではある。

 今回「ゲームオンフェスタ 2008」の会場で開かれた日本予選決勝大会には、「SiLKROAD ONLINE」部門でGNGWC2008に出場するための切符をかけて、6チーム、全12名の選手が登場した。

 eスポーツの分野では、これまでFPSやRTSなど対戦ルールがあらかじめ確立されたタイトルで行なわれることが多かったため、「SiLKROAD ONLINE」のようなMMORPGタイトルでどのような対戦が行なわれるのか、想像がつかない方も多いかもしれない。

 「SiLKROAD ONLINE」では、2名1組でチームを作り、参加6チームが同時にひとつのゲームフィールドに参加する。各チームは、そこに存在するユニークモンスターを撃破するとポイントを獲得する。フィールド内には多数のユニークモンスターが配置されており、これをうまく撃破し続け、制限時間内にどれだけのポイントを獲得できたかを競うというルールだ。

 使用キャラクタは、大会のために特別に準備されたレベル80のキャラクタを全員が使用する。スキルポイントの割り振りは自由で、事前準備段階で、どのような特性を持つキャラクタに仕上げるかが重要になってくるようだ。また2名1組のチーム単位で戦うルールなので、どのような役割分担を行なうかもポイントになってくる。

試合ルール。ひとつのフィールドで、どれだけ多くのユニークモンスターを倒せるかを競う。強いモンスターを倒すほど獲得ポイントが高まるので、弱いモンスターをスルーできるような意思の強さも必要になってきそうだ

ユニークモンスターの周囲には大量のザコモンスターが沸く。これを適切に処理することも重要なテクニックだ
 日本予選決勝の制限時間は20分。いざ試合が開始されると、全プレーヤーが各種各様の動きでユニークモンスターを探し、戦闘を始めていく。ユニークモンスターには、Lv20、Lv40、Lv60の3種があり、撃破して得られるポイント数は、その強さに応じたものとなっている。プレーヤーキャラクタはLv80という設定で、どのモンスターも問題なく倒せる強さであるため、なるべく高ポイントのモンスターを狙うほうが効率的なようだ。

 ほとんどのチームは、なるべく高ポイントのユニークモンスターを見つけ、2人で協力して戦うという戦法。直接攻撃系のクラスと遠隔攻撃系のクラスで協力し合うスタイルが中心のようだ。なかには2人が別行動を取って、モンスターを別個に捜し回るという作戦をとるプレーヤーも見かけられたが、それは少数派。他チームのプレーヤーを倒して邪魔をする事もルール上認められているが、そういったシーンは試合の中で見られなかった。

 なにぶんMMORPGのゲーム進行は、それをプレイしている本人以外には解りにくい部分も多い。キャラクタの各種パラメータや、細かな支援魔法のかかり具合など、画面から読みとりにくい情報が多いためだ。このため、どのチームが有利なのか、現時点でどういう展開になっているのか、観戦者にはわかりにくい状況が続いた。

優勝して「GNGWC2008」本戦への出場権を得た「やってみるさ」チーム
 ただ、面白いことに、試合時間が17分を過ぎ、残り時間3分弱という頃になると、フィールドに存在するユニークモンスターが目に見えて少なくなってきた。ここから先、ほとんどのプレーヤーがモンスターを捜してマップ中を走り回ることになるのだが、その矢先、「全てのユニークモンスターが倒されました」というアナウンス。この事が参加者のプレイスキルの高さを示していると思える。

 ここで制限時間一杯となり、試合が終了。3位「黄河のプニプニ」チーム、2位「カルメット」チーム、優勝「やってみるさ」チームとなった。優勝した「やってみるさ」チームには、韓国で行なわれる「Game & Game World Championship 2008」決勝大会への出場権が与えられた。

 優勝チームのプレーヤー、「ブチ」選手と「ルイ」選手は、「この試合には勝つつもりで臨みました。世界大会でも勝てるようにがんばります」と意気込みを語った。

【GNGWC 2008 「SiLKROAD ONLINE」日本決勝大会】
「モンスターを狩る」というルールが採用された「SiLKROAD ONLINE」の試合。パラメータ依存の強いMMORPGで行なわれる試合であるだけに、観戦者が正確な状況を把握することが難しい。このあたりの「見せ方」は、今後の大会運営で課題になってくるのではないだろうか


■ World Cyber Games 2008、「RED STONE」部門日本代表決定戦

大観衆に囲まれて試合に臨む選手達。この日最大の注目を集めていた
 次にご紹介する、「World Cyber Games 2008」の「RED STONE」部門日本代表決定戦は、「ゲームオンフェスタ 2008」の最後のステージイベントとして2時間枠をかけて行なわれた。

 「World Cyber Games」は、2000年より毎年各国で開催されている、世界最大規模のゲーム競技会。今年は全14種目が採用されているなか、日本からは「RED STONE」、「Age of Empire III」、「Virtua Fighter 5 Live Arena」の3種目でエントリー。決勝大会はドイツ・ケルンにて11月5日~9日の会期で開催される予定だ。

 今回、他の2種目に先駆けて行なわれた「RED STONE」の日本代表決定戦には、オンライン予選を勝ち抜いてきた全6チーム、24名が参加。ジャンルとしてはMMORPGとされる「RED STONE」だが、新しく実装された「決戦モード」を用いて、4対4のチームデスマッチ形式で試合が行われる。制限時間6分、20ポイント先取というルールだ。

 各プレーヤーが操作するキャラクタは、試合のためにあらかじめ作成されたレベル300のキャラクタだ。4人1組のチームを組んで戦うというルールのため、各プレーヤーはチーム内の役割分担を考慮し、得意なプレーヤークラスで試合に臨むことになる。各チームともクラス構成に特徴があり、相手チームとの「相性」が非常に強く出る内容だ。

どちらのチームが先制するか、ゲーム序盤の流れがその後の展開を決定づける
 まず第1回戦第1試合で対決したチーム「ixion」とチーム「nyokessekimaster」の試合は、かなり一方的な内容で終始する。4人単位のパーティプレイで相手と戦う本作のルールでは、どちらか一方のチームメンバーがひとり倒されると、一時的に4対3という格好になるため、著しく不利な状況となる。この試合ではこの傾向が顕著に出て、「nyokessekimaster」チームが20-0というストレート勝ちを収めた。

 続く第1回戦第2試合もこれによく似た展開となった。対決したのは「lap」チームと「happysweets」チーム。「happysweets」チームは支援型3人、前衛型1人というバランスのとれたチームで、終始「lap」チームを圧倒。20-0で「happysweets」が勝利した。

召還モンスターを交えた戦いでは、画面要素が非常に混乱する。この状況で冷静さを保てるかが勝敗の鍵を握る
 これで残り4チームとなり、これからの試合はかなり拮抗したものとなった。準決勝第1試合で対決した「nyokessekimaster」チームと「seasidecottage」チームは、前者が標準的な編成のチームとするなら、後者はモンスター召還型のクラスを2人も配置した点で極めて個性的な編成。大量のモンスターが画面中をうろつきまわり、相手チームの冷静さを失わせる効果があるようだ。序盤は「nyokessekimaster」がリードするものの、結果は20-10で「seasidecottage」チームの逆転勝利。なかなか意外な展開だった。

 準決勝第2試合、「happysweets」と「lovetruth」チームが対戦。この試合は、両方のチームが前衛1人、後衛3人というバランス型の編成で、まるで合わせ鏡のような内容。試合展開もまた拮抗し、両チームが硬い防御を展開する中、隙を見つけた前衛プレーヤーが攻撃をたたき込んでポイント獲得を目指した。

 制限時間6分をほぼ一杯まで使ってもまだ各チームのスコアは4-4で拮抗していたが、終盤付近で「lovetruth」チームの後衛1名が不用意な攻撃に出て、そこを逆に反撃されて倒される。これでバランスが崩れ、「happysweets」チームが6-4という僅差で勝利した。冷静さで勝ったということだろう。

 そして決勝戦では、召還型クラスを2名擁する「seasidecottage」チームと、バランス型の「happysweets」チームが対決。画面中をうろつく召還モンスターのためにやや混乱が見られたものの、「happysweets」チームは冷静に試合を運び、2ポイントを奪われた後は順調に試合を進めた。結果としては7-2というスコアで「happysweets」チームが勝利。

決勝戦の最終スコア。「happysweets」チームでは前衛の1名のみがスコアを稼いでいる。高い組織力で勝ったという内容だ
 決勝戦のスコア内訳をよく見ると、「seasidecottage」側でスコアを獲得したプレーヤーは2名居たのに対して、「happysweets」側は7ポイントの全てを前衛の「ぷりん」選手が獲得している。この点、高度に組織的に動いたチームが勝ったという評価ができるだろう。

 決勝戦に勝利して優勝を得た「happysweets」チームは、11月に開催される「WCG 2008」ドイツ大会グランドファイナルへの出場権の他、賞金16万円、膨大なゲーム内マネーなど、沢山の賞品を獲得した。本戦でどのような成績を残すことになるか、「RED STONE」ファンの方々には楽しみな内容になったと思われる。

 「RED STONE」はMMORPGタイトルでありながら、「決闘モード」というデスマッチスタイルのゲームモードを備えていることにより、こういった試合でも非常に面白い内容を見ることができた。このことは、他のMMORPGタイトルにも多少の影響を与えて行くことが期待できるだろう。

【WCG 2008「RED STONE」日本予選決勝大会】
4人1組のパーティプレイで対決するという「RED STONE」の試合では、いかに組織的に戦うかというチームプレイ要素が強く求められる内容となった。その中で最も完成度の高いプレイを見せてくれた「happysweets」チームは、11月にドイツ・ケルンで開催される「WCG 2008」のグランドファイナルに臨むことになる


【ステージイベント「FIFA ONLINE 2」】
試合の合間に行なわれたステージイベントを簡単にご紹介したい。「FIFA ONLINE 2」の発表会では、熱狂的なリバプールファンとして知られるトニー・クロスビー氏が登場。このステージ上で、本作の10月20日からのオープンサービス開始がアナウンスされた。それに伴い、最大同時4人で対戦できるゲームモードが搭載されたほか、4チームでトーナメント戦を行なえるシステムが実装されたという。「FIFA ONLINE 2」でも今後様々な形でゲーム大会が開催されていくはずなので、腕に覚えのあるサッカーゲームファンは是非参加を検討してほしい。ちなみに、「FIFA ONLINE 2」プロデューサーの村上満氏は、ステージ上で「リバプール」チームを操り、トニー氏が見守る中で負けてしまった。トニー氏の憮然とした表情が印象的だった

【ステージイベント「Alliance of Valiant Arms」】
「Unreal Engine 3.0」を使用して本格的なグラフィックスを実現したFPS「Alliance of Valiant Arms」。今回のステージイベントでは10月27日のオープンサービス開始がアナウンスされた。それに合わせたアップデートとして、ゲーム中に登場する「ポイントマン」、「ライフルマン」、「スナイパー」の3クラスに、各2種類の主武装が追加される。また新マップ2種類が実装されるなど、様々な発表が行なわれていた。本作も今後盛り上がっていくことが期待される


□ゲームオンのホームページ
http://www.gameon.co.jp/
□ゲームオンフェスタのページ
http://www.gameonfesta.jp/
□関連情報
【10月20日】ゲームオン、「ゲームオンフェスタ2008」開催
「FIFA ONLINE 2」、「A.V.A」のオープンβテスト開始日が決定
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081020/gameon.htm

(2008年10月20日)

[Reported by 佐藤カフジ]



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