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5pb.、第2回となるゲームミュージックイベント
「EXTRA HYPER GAME MUSIC EVENT 2008」を開催

10月13日 開催

会場:新木場STUDIO COAST

 株式会社5pb.は、ゲームミュージック・コンポーザーが自らDJや生バンドライブを繰り広げるライブイベント「EXTRA HYPER GAME MUSIC EVENT 2008」(以下、「EXTRA 2008」)を10月13日、新木場STUDIO COASTにて開催した。「EXTRA 2008」は、「ゲームミュージック・アーティストを招き、ゲームミュージックをみんなで楽しもう!」をコンセプトにしたゲームミュージックイベント。開場時刻である15時には、会場周辺には熱心なゲームミュージックファンが詰めかけ、自分の入場順になるのを今か今かと待ちわびていた。

 昨年に引き続いて行なわれる今回は「トリオ・ザ・DS-10(佐野信義×光田泰典×岡宮道夫from THE BLACK MAGES)featuring only KORG DS-10」、「BETTA FLASH(TAMAYO/Cyua)」、「古代祐三×日比野則彦」、「細江慎治」、「古川もとあき with VOYAGER」、「quad(luvtrax)×KPLECRAFT」、[H.(from SEGA)]、「Hip TANAKA.ex」、「今井麻美×仁後麻耶子×平田宏美×長谷川明子 from THE IDOLM@STER featuring ファミソン8BIT☆アイドルマスター」(出演順、敬称略)という、1980~90年代のゲームミュージックシーンで活躍したコンポーザーから、最近人気のChip Tune楽曲を手がけるアーティストのステージまでが楽しめる、豪華な内容となっていた。



■ 「トリオ・ザ・DS-10(佐野信義×光田泰典×岡宮道夫from THE BLACK MAGES)featuring only KORG DS-10」

 ステージが始まると最初に登場したのは、「トリオ・ザ・DS-10(佐野信義×光田泰典×岡宮道夫from THE BLACK MAGES)featuring only KORG DS-10」の3人。始めのメンバー紹介では「オンDS、DS-岡宮! 続いてオンDS、DS-光田! そして私はオンDS、DS-佐野でございます」と、すべてのメンバーがニンテンドーDSソフト「KORG DS-10」6台だけで、演奏することをアピール。

 いよいよ「ファイナルファンタジーII」から「チョコボのテーマ」が演奏されると、会場から大きな歓声があがる。続けて「クロノトリガー」より「クロノトリガーのテーマ」、「遙かなる時の彼方へ」、「予感」、そして「クロノクロス」より「時の傷痕」の4曲を演奏。そのまま「リッジレーサー2」から「Grip」、「リッジレーサー」から「Rare hero」と、すべての楽曲を「KORG DS-10」のみで演奏し、ゲームミュージックイベントの新たな可能性を披露した。




■ 「BETTA FLASH(TAMAYO/Cyua)」

 続いてはステージ左側、DJステージに登場したのは、カプコンやタイトーで多数の人気タイトルを手がけてきた「BETTA FLASH」のTAMAYOさん。月光を思わせる青白い照明の中「サンダーフォースVI」から「凰舞 -GRUPLAR GENISKETMEK-」と「THUNDER FORCE VI STAGE1 BGM」を演奏。続いて「BETTA FLASH」ボーカルのCyuaさんも登場し、ユニットとして演奏を開始。

 「ナイトウィザード」より「6th body」そして1stアルバムよりオリジナル「HORIZON」を歌いあげる。最後には「レイクライシス」から「RAY'z BEYOND」を演奏しながら、メッセージ入りのカラーボールを観客席に投げ入れてDJステージを後にした。




■ 「古代祐三×日比野則彦」

 第1部の最後は、一転してギター・バイオリン・チェロといった弦楽器とキーボードで編成された「古代祐三×日比野則彦」のステージ。前2組のアップテンポな内容とは対照的に、ジャズやクラシックを思わせるシックなイメージで古代氏がバンドメンバーとともに「世界樹の迷宮」より「バトルメドレー」、「Dungeon 01」の生演奏を披露。

 MC後には「アクトレイザー」から「Fillmore」を演奏してオールドゲームファンの心もつかむ。最後にそれまで指揮者としてステージをまとめていた日比野則彦氏がテナーサックスに持ち替えてピアノとのデュオによる、アニメ「ブラスレイター」からメインテーマ~「カルドセプト」から「昏哉」を演奏し、バラエティに富んだ第1部を締めくくった。







■ 「細江慎治」

 第2部は、スーパースィープの細江慎治氏によるDJステージからスタート。「スターブレード」から細江氏のナムコ時代の代表作のひとつ「ドラゴンスピリット」につなぎ、会場を一気に盛り上げる。続けて「ダライアス」、「ニンジャウォリアーズ」、「クレイジークライマー」、「妖怪道中記」、「ファンタジーゾーン」、「サンダーセプター」、そして「源平討魔伝」と、メーカーの枠に捕らわれない1980年代後半の代表的なゲームミュージックステージを展開。

 ここからWiiで発売されている「カラス」と、同じくWiiで12月発売予定の「レッツタップ」、それから、アリカからリリースされていた「テクニクティクス」からリリースされた「テクニクティクス リミックス」など、最近の楽曲までも網羅。最後に細江氏のもうひとつの代表作といえる「リッジレーサー」の楽曲へとつなげ、最初から最後までMCすらないノンストップのステージを終えた。




■ 「古川もとあき with VOYAGER」

 続けてメインステージにおいて「古川もとあき with VOYAGER」のステージがスタート。始めに「悪魔城ドラキュラ」より「ドラキュラメドレー」を演奏して、ギャラリーのハートをガッチリキャッチ! 続けて「XEXEX」より「Battle Cry」、「グラディウスII」より「A SHOOTING STAR」と「SYNTHETIC LIFE」を演奏。

 最後は「A-JAX」から「1st BGM」と、古川もとあき氏の代表曲といえる「XEXEX」の「Breeze」へとつなぎ迫力のライブステージを締めくくった。




■ 「quad(luvtrax)×KPLECRAFT」

 第2部のラストは「quad(luvtrax)×KPLECRAFT」によるDJステージ「オトメディウスGシューティングメドレー」。最初になぜか先ほどステージを終えたはずの日比野則彦氏が登場すると「なぜ私がここにいるかというと、『オトメディウスG』ではDLCによって楽曲がダウンロードできるようになっており、アレンジャーを今日も登場した古代さん、細江さんやメタルユーキさんなど、豪華なメンバーにお願いしています。今日はこのDLC楽曲の中からいくつか演奏しますのでお楽しみください」とあいさつ。

 quad氏アレンジによる「グラディウス」より「Challenger 1985」と「グラディウスIII」より「SAND STORM」、日比野氏アレンジの「XEXEX」の「BOOSE UP」、そしてKPLECRAFT氏アレンジによる「グラディウスIII」の「IN THE WIND」、そして「グラディウス外伝」から「snow field」と「BLACK HOLE」へとつないで、ノリノリのDJステージを締めくくった。





■ 「H.(from SEGA)」

 第3部ではトップバッターとして「H.(from SEGA)」が登場。最初は「スペースハリアー」より「メインテーマ」を演奏。「スペースハリアー」の画面がスクリーンに表示されただけで歓声があがるなど、ゲームミュージックバンドの先がけといえるS.S.T. BANDから続く、同バンドの人気の高さを伺わせた。続いて光吉氏が行なったメンバー紹介ではサプライズな発表。今回のステージでドラマーを務める工藤詠世くんはなんと中学生とのこと。工藤くんについてHiro師匠は「中学生の工藤くんが入ったことで「H.(from SEGA)」の平均年齢が大幅に下がってよかった(笑)」とコメントし、会場の笑いをとっていた。

 続いてのナンバーは「ファンタジーゾーン」より「ファンタジーゾーンメドレー」。「OPA-OPA」から始まり「SHOP」続いて「SAARI」、「PROME」、「DON'T STOP」、「HOT SNOW」、「DREAMING TOMMOROW」、「KEEP ON THE BEAT」と順番こそゲーム中とは違うものの全ステージのBGMを披露。最後は歌詞がついていることでも有名な「YA-DA-YO」を光吉氏が歌いつつエンディングの「VICTORY WAY」へとつなぎ、10分近くにもおよぶメドレーを演奏しきる。そして最後には光吉氏が「電脳戦機バーチャロン フォース」より「Conquista Ciela」を力強く歌いあげ、ステージを後にした。


■ 「Hip TANAKA.ex」

 続いては「Hip TANAKA.ex」こと田中宏和氏によるDJステージ。始めに田中氏は「今日のステージで一番ピコピコしているのはこのステージになると思います。楽しんでいってください」とあいさつ。

 演奏が開始されると「ドンキーコング」、「光線銃シリーズ」、「マリオランドBGM」とつないでいき、「バルーンファイト」、「レッキングクルー」、「ドクターマリオ」ではテーマが流れると歓声が上がる場面も。最後は「マリオランドエンディング曲」を演奏し、最初から最後までピコピコした曲で彩られたステージを締めくくった。



■ 「今井麻美×仁後麻耶子×平田宏美×長谷川明子 from THE IDOLM@STER featuring ファミソン8BIT☆アイドルマスター」

 最後は「今井麻美×仁後麻耶子×平田宏美×長谷川明子 from THE IDOLM@STER featuring ファミソン8BIT☆アイドルマスター」によるライブステージ。

 メインステージに前半のメンバー仁後麻耶子さんと今井麻美さんが壇上に登場すると、会場は一気にヒートアップ! 仁後さんが可愛らしい振り付けをしながら「Labyrinth(『パックマン』NEW SONG)」を披露したのに続き、歌唱力に定評のある今井さんが「Fly High!(『ドラゴンスピリット』NEW SONG)」を歌い上げる。最後には2人で「ポジティブ(『スカイキッドMIX』)」を歌い、前半のステージを終えていた。

 続けてDJステージに登場した平田宏美さんと長谷川明子さんは、「ゼビウス! ゼビウス!」と観客を煽りながら「First Stage」(『ゼビウス』ファミソン8BIT MIX)」を歌う。次のソロステージでは平田さんが「ハリキリ★ラリー(『ニューラリーX』NEW SONG)」、メインステージに移動した長谷川さんが「Shooting!!!(『F/A』NEW SONG)」を歌い、最後には2人そろって「エージェント夜を往く(Hoover & Acid MIX)」で紫のライトに照らされながら妖艶なステージを披露。

 平田さんと長谷川さんのMC後、今井さんと仁後さんが登場すると、いよいよ最後の曲「GO MY WAY(Dream Match MIX)」が。「ファミリースタジアム」を思わせる演出で、平田さんが菊地 真として凛々しくバットを構える場面もある中、会場の「アイドルマスター」ファンと一体となって「アイドルマスター」の楽曲の中でも人気の高い「GO MY WAY」を歌いきり、本日ラストとなるステージを締めくくっていた。







 今年の本イベントは、出演アーティスト数こそ、昨年よりも少なくなったものの、1990年代のゲームミュージックイベントで主体だったバンドスタイルによる演奏から、DJステージ、「アイドルマスター」出演声優陣による寸劇ありのステージなど、バラエティに富んだ内容になっていた。特に「トリオ・ザ・DS-10」でのゲーム機そのものを使っての演奏は、今までのゲームミュージックイベントには見られなかった新しい潮流といえるかも知れない。

 楽曲についてもやはり1990年代の楽曲が多いものの、1980年代から最近のものまで、誰でも楽しめる内容となっていたのが好印象。ゲームミュージック好きな筆者としては、来年以降も、本イベントの継続と、ゲームミュージックというジャンルのより一層の発展を願いたい。



□5pb.のホームページ
http://www.5pb.jp/
□「EXTRA」のページ
http://ex-project.com/
□関連情報
【9月4日】5pb.、ゲームミュージックコンポーザーたちによるライブイベント
「EXTRA HYPER GAME MUSIC EVENT 2008」を開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080904/extra.htm
【2007年7月9日】5pb.、メーカーの枠を超えたゲームミュージックイベント
「EXTRA ~ HYPER GAME MUSIC EVENT 2007」を開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070709/ex.htm
【2007年5月28日】5pb.、七夕の日にゲームミュージックのライブイベント
「EXTRA ~ HYPER GAME MUSIC EVENT 2007」を開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070528/extra.htm

(2008年10月14日)

[Reported by 菅原哲二]



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