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5pb.、メーカーの枠を超えたゲームミュージックイベント
「EXTRA ~ HYPER GAME MUSIC EVENT 2007」を開催

7月7日 開催

会場:新木場STUDIO COAST

 株式会社5pb.は、ゲームミュージック・コンポーザーが自ら出演する、DJと生バンドライブを織り交ぜたライブイベント「EXTRA ~ HYPER GAME MUSIC EVENT 2007」を新木場STUDIO COASTにて開催した。開場時刻である12時には、周辺に長蛇の列ができあがるなど、スタート前からすでにゲームミュージックファンの熱気が会場にあふれていた。フロアがオープンになると同時に多数の来場者がダッシュで流れ込んでくる様は、彼らのこのイベントへの期待を表わす象徴的な出来事だったといえるだろう。

 それもそのはず、今回のイベントには、スペシャルゲストとして植松伸夫氏率いる「THE BLACK MAGES」を始め、「momo-i(桃井はるこ)」、「山岡晃&日比野則彦 with 小柳ゆき」、「BETTA FLASH(TAMAYO/Cyua)」、[H.]、「田中宏和」、「松前公高」、「古川もとあき with VOYAGER」、「大久保 博(NBGI)」、「伊藤賢治」、「崎元仁×並木学×岩田匡治×金田充弘」、「古代祐三 with Flair」、「細江慎治」(THE BLACK MAGES以外は出演順、敬称略)といった、メーカーの枠を超えた、多数の人気タイトルを手がけたコンポーザーが一堂に会するという豪華な内容となっていたからにほかならない。

 また、会場内には物販ブースも用意され、5pb.、ハドソン、セガ、THE KING OF GAMESによるCDやTシャツなどが飛ぶように売れていた。


■ 長丁場だったが豊富なラインナップで来場者もアガッてアガりっぱなしの第1部

 フロア中央にはライブステージ、フロア奥にはDJステージが併設され、2つのステージを通じてイベントが進行。オールスタンディングで行なわれた「EXTRA」は、まず、「momo-i」さんの「『アイドル八犬伝』より~きみはホエホエむすめ」、そして「『ボコスカウォーカーズ』より~すすめボカスカ」の2曲からスタート。こちらは「ボコスカウォーズ」の作者、ラショウ氏とのステージでのコラボレーションが実現した。まさに「8BITサウンド」といえるシンプルで強力な音色に、一気にGMイベントだということを意識させられるナンバーだ。



 続いて、KONAMIの「サイレントヒル」シリーズの音楽・プロデューサーを担当した山岡晃氏、「METAL GEAR SOLID」シリーズの楽曲を手がけている日比野則彦氏によるユニットによるステージでは、うってかわってジャズナンバーをメインとした落ち着いた雰囲気の展開となった。「サイレントヒル」から「Silent Hill」、「Theme of Loura」、そして、なんと小柳ゆきさんをボーカルに迎えて、「METAL GEAR SOLID 3」から「Snake Eater」を披露、さらに日比野則彦氏が作詞・作曲・プロデュースを担当した小柳さんの楽曲である「Prelude to Suicide」も演奏された。小柳さんは「『METAL GEAR SOLID3 SNAKE EATER』は、友達がプレイしているのを最後までずーっと見て、ストーリーに涙した」とゲーム好きの一面を見せていた。



 お次は、カプコンやタイトーで多数の人気タイトルを手がけてきたTAMAYOさんと、ボーカルのCyuaさんのユニット「BETTA FLASH」。「ソンソン」や「アレスの翼」、「大魔界村」といった「Capcomメドレー」、「レイフォース」、「レイストーム」、「レイクライシス」などの「Ray Remix」から「.BLUE -地球に棲む日-(『レイクライシス)」、「BEYOND」といったナンバーがDJブースをメインに展開された。

 セガサウンドチームで構成されたバンドで、弊誌読者にはおなじみの[H.]のステージは、「AFTER BURNER REMIX in 2005」からテイクオフ。ベースの光吉氏が一番キツかったであろうと思われる「Qualtet」へと展開し、さらにいつの間にこんなタイトルが付いたのか、「HANG ON 愛のテーマ」、福山氏のトランペットがうなった「Last Wave(アウトラン)」、そして最後はやはり光吉氏のボーカルが圧倒的パワーを誇る「Let's Go Away(デイトナUSA)」で締めくくる展開。特に「Let's Go Away」は久しぶり、さらにライブでは初披露(?)の「HANG ON」と、オールドGMファン感涙のライブステージとなった。



 任天堂の楽曲を多数手がけてきたクリーチャーズの田中宏和氏のDJステージは、「メトロイド」のオープニングから始まり、今やほかのゲームでの登場で認知度が上昇したと思われる「ファミリーコンピュータ ロボット」のBGM、さらに「バルーンファイト」、「レッキングクルー」、そして「Dr.MARIO」とノリノリのREMIXナンバーが展開。ラストは再び「メトロイド」で静かにシメるというこれまたオールドファンも若いファンにも楽しめるステージとなった。



 松前公高氏のステージは氏がかつて参加していた「S.S.T. BAND」や、このイベントの前身といえるゲームミュージックイベント「LEGEND」で氏が演奏した「ファミコンREMIX」を「やろうと思ったら、本家の方々に先にやられてしまって」とMCで笑いを取るところからスタート。KORGのモノフォニック・シンセサイザであるMS-20をメインに、「Part1」、「Part2」、「Sunshower Beach」、「Outro」といった本人いわく「まだどのゲームに使われるかわからない曲」を演奏。鍵盤とツマミで音を自由に操る松前氏のステージに、笑いから入ったものの、いつしか真剣に聞き入ってしまった来場者も多かったようだ。


■ ラストの「THE BLACK MAGES」までノンストップ! 最新曲からオールドナンバーまでスピード感が感じられた第2部

 10分の休憩を挟んで始まった第2部は、まず、KONAMIで「矩形波倶楽部」のメインメンバーとしてかつて活躍、現在も「THE OCEAN AND YOU」など「GUITERFREAKS&drummania INSTRUMENTAL COLLECTION2」などでGM楽曲を提供している「古川もとあき with VOYAGER」のステージからスタート。フュージョン=GM(ゲームミュージック)と認識しているであろう'90年代世代直撃のステージとなった。「JUST WHO I NEED TO SEE(from POLICENAUTS F/N)」、「SMILE FOR YOU(from GUITARFREAKS&drummania INSTRUMENTAL COLLECTION)」と続いたナンバーだが、「矩形波倶楽部」のオリジナルであった「Memories of a Summer Island」で記者もどっきり。「Ultra☆7(from Ultra☆7)」で締められたステージだったが、懐かしさと新しさが同居した今回のイベントの一端をここで垣間見た気がした。



 そして、バンダイナムコゲームスで「リッジレーサー」シリーズの楽曲を手がけてきた大久保 博(NBGI)氏のDJステージでも、「Meet The World」や「Orbital Rock」といったシリーズ最新作となる「リッジレーサー7」の楽曲を中心に、CD化がまだ行なわれていない「リッジレーサー6」、「R:RACING EVOLUTION」のマニアックな音源も披露。そして、「リッジレーサーズ」からCM曲でもあった大久保氏の代表的な楽曲の1つ「Disco Ball」へとつながる大盛り上がりの豪華REMIXとなった。映像ももちろん「リッジレーサー7」のものが使われ、ファンにはたまらないステージだっただろう。

 おなじく「The Road to SAGA」、「不死鳥の山フェニキオン」とバンダイナムコゲームスの「カルドセプト サーガ」からの楽曲でスタートした伊藤賢治氏のライブステージは、「ロマンシング サガ -ミンストレルソング-」から「熱情の律動」、「聖剣伝説4」からも「愚者の舞」とファンからも評価の高い「イトケン節」と呼ばれる独特の旋律がムードを盛り上げる楽曲群を披露した。岸川恭子さんのボーカルパワーと楽しいMCに圧倒(笑)された、和みつつも盛り上がるステージになった。



 うって変わって、シューティングゲームの楽曲といえばいまやこの人たちといえるベイシスケイプの「崎元仁×並木学×岩田匡治×金田充弘」のDJステージ。「怒首領蜂 大往生」から「千弾蔓來」、「蒼穹紅蓮隊」からは「衛星軌道上 EXTRAmix」などシューティングで攻めた嬉しいラインナップに会場からどよめきが起こっていたのが印象的だった。

 また、アトラスから発売された「世界樹の迷宮」がCD化され、話題となった古代祐三氏のステージは、同作からピアノソロ2曲でスタート。さらに、Flairさんをボーカルに迎えて、「ナムコ × カプコン」から「すばらしき新世界」、そして「いつかきっと、月光(つき)の下で」の2曲も披露。古代氏はピアノソロからギターへ! 「ナムコ × カプコン」は当時名曲として話題になっていただけに生ライブで聴けたファンの感動を誘っていた。



 そして、リッジシリーズにも多数の楽曲を提供してきたスーパースィープの細江慎治氏のDJステージでは、なんと「ドラゴンバスター」、「ドルアーガの塔」、「源平討魔伝」、「ゼビウス」、「リブルラブル」、「NEW RALLY-X」、「ワンダーモモ」、「パックマニア」と往年のナムコBGMをREMIX。これにはファンも驚きつつも、ワンダーモモは変身前、後もきっちり演奏とファンのココロをがっちりつかむ内容。さらに締めくくりは、自身がコンポーズを手がけた「ドラゴンスピリット」のREMIXである「Dragon Spirit -first groover-」でラスト前を熱狂的に盛り上げて締めくくるというニクい内容。

 オオトリを務めたのが植松伸夫氏率いるスペシャルゲスト「THE BLACK MAGES」。「ファイナルファンタジー」シリーズから「最後の死闘(FF III)」、「更に闘う者達(Those Who Fight Further)(FF VII)」、「Maybe I'm a Lion(FF VIII)」、「ビッグブリッジの死闘(Clash on the Big Bridge)(FF V)」とロックアレンジナンバーを次々に披露してくれた。。植松氏からは「THE BLACK MAGES」の次のアルバムをレコーディング中です。発売は来年早々になっちゃうかな」と新たなアルバムの告知もあり、ファンとしても次回作が気になるライブで締めくくられた。



 長丁場で休憩が10分と押し気味のイベントだったが、あっという間という印象が残った。できれば、植松氏が言っていたように、日本でもこういったゲームミュージックイベントが定着してくれると、ゲームミュージックファンの記者としても、とてもうれしい。今後とも期待したい。

□5pb.のホームページ
http://www.5pb.jp/
□「EXTRA」のページ
http://ex-project.com/
□関連情報
【5月28日】5pb.、七夕の日にゲームミュージックのライブイベント
「EXTRA ~ HYPER GAME MUSIC EVENT 2007」を開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070528/extra.htm

(2007年7月9日)

[Reported by 佐伯憲司]



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