「エアショックバトル1/12 ビームサーベル」
発売	バンダイ
価格	4,980円
電源	単3電池×3
発売日	発売中

遊んでいるところ

　1979年に偶然にもリアルタイムに「機動戦士ガンダム」の第1話を見た筆者は、主人公アムロがガンダムを操縦し一心不乱にふるうビームサーベルに目が釘付けになった。ビームの剣(つるぎ)。これほど格好いいものはない。映画「スター・ウォーズ」の影響も大きかったのだろうが、子ども向けのアニメに登場した、大人の香りのする“兵器”の存在に、筆者は酔いしれたのだった。幼き頃の筆者と同じ思いをした少年少女は、それこそ、数万、いや数十万人といただろう。

　そして時が経つこと、29年。そのビームの剣(つるぎ)が、トイとして商品化された。一体、どんな遊びができるのだろうと、興味をおぼえている読者も多いに違いない。さっそくレポートしていこう。

パッケージ。キャッチコピーは「未知なる衝撃!! 君もガンダムになれ!!」

■ 赤外線センサーと振動モーターを内蔵

　最初に断っておくが、本商品からビームは出ない(笑)。当たり前だ。そのようなものが実現化するとしたら軍用兵器として用いられ、一般市民の手に渡ることはないだろう。本商品「エアショックバトル1/12 ビームサーベル」(以下、ビームサーベル)は、サーベルのグリップ部分だけの商品だ。

本体。できうる限りモールドが刻まれ、ディテールが施されている。劇中のガンダムもこのようなビームサーベルを操っていたのだろうか

　「ビームサーベル」を遊ぶ前に、あなたに問いたい。あなたは想像力が人一倍豊かだろうか? この質問に「はい」と答えられる人だけがこの「ビームサーベル」で遊べる資格を有する。何しろ目に見えないビームの剣をふるい、目に見えない敵モビルスーツと戦うのだから。究極の“ごっこ遊び”を強いられる、と言っても過言ではない。

　本体は、1/12スケール。ディテールは、そこそこのこだわりが感じられる。というか、ガンダムの劇中でも「ビームサーベルのグリップ部分のドアップ映像」を詳しくチェックしたことがないので、筆者にはこれがリアルかどうか判断ができないのだ。

　しかし、さすがのバンダイ。このビームサーベルは全長150cmに及ぶ「1/12 HY2M RX-78-2 ガンダム」(別売)に搭載できるようになっているのだ。「1/12 HY2M RX-78-2 ガンダム」を保有しているようなマニアには朗報だろう。

　内蔵されているメカニズムは、大きく分けて2種類。1つ目は、本体の正面から照射される赤外線センサーで、反応距離は約80cm。「ビームサーベル」の動作と対象物へのセンサー反応の有無で効果音が変わる。2つ目は振動モーター。「ビームサーベル」を対象物に振ったり、突いたりすることで、ブルルルと「ビームサーベル」が震える。これがなかなかの手ごたえがあり、「ビームサーベル」を操っているという気分を味わわせてくれる。

透明のスタンドが付属。インテリアとして飾ることができる	本体の先端から赤外線が放射され、対象物の有無を識別

■ 古谷徹氏による名ゼリフやおなじみの効果音が鳴り響く

遊ぶ際は付属のストラップをきちんと締め、周囲への安全確認を怠らないようにしたい

　遊びかたは「ノーマルモード」、「シナリオモード」、「格闘モード」の3種類がある。

　「ノーマルモード」は、対象物に向けて「ビームサーベル」を振る、突くの2つの動作で戦うモード。ビームサーベルを振ると「バキュィーン」という音が、突くと「バキュン! ビィーン!!」という効果音が鳴る。アクションが空振りすると、「ブウン」という空振り音がする。サウンドは当然ながら「機動戦士ガンダム」シリーズで用いられているもの。気分を多いに盛り上げてくれる。

振るのアクション。上から下へと振り下ろす		突きのアクション。前方へビームサーベルを差し出す

　基本的な遊びかたは、見えない敵を撃破するために、アクションを連続して繰り出すこと。「ズゴーン」という爆発音が発せられたら、敵撃破だ。何回のアクションで敵を撃破できるかに挑戦しながら遊ぶと面白さが増す。

　「シナリオモード」は、アムロ役の古谷徹氏の名セリフで「機動戦士ガンダム」のストーリーを追体験するモードだ。本体のシナリオモードボタンを押すと、「キュルルルーン」と警告音が鳴る。このとき素早くアクションを繰り出して、見えない敵を倒せばクリアとなる。レベルが上がるごとに素早い反応が必要となり、難易度が増していく。攻撃が成功すると、「ピリリーン」というおなじみのニュータイプ音が鳴り響き、これが気分を燃えさせる。

　聴けるセリフはこんな感じだ。すべてのセリフを聴くために奮闘してみよう。

・レベル1「ガンダム大地に立つ!!」VSザク
　セリフ「武器はないのか、武器は!」

・レベル2「ジオンの脅威」VSグフ
　セリフ「ええぃ! どうせあと1回くらいしか撃てないんだ!」

・レベル3「迫撃! トリプルドムジオンの脅威」VSドム
　セリフ「モビルスーツめ、先にホワイトベースをやるつもりか!」

・レベル4「ジャブローに散る!」VSスゴック
　セリフ「赤い色のモビルスーツ、シャアじゃないのか!?」

・レベル5「恐怖! 機動ビグ・ザム」VSビグ・ザム
　セリフ「005か、スレッガー中尉さすがだな」

・レベル6「エルメスのララア」VSエルメス
　セリフ「とんがり帽子だな」

・レベル7「宇宙要塞ア・バオア・クー」VSジオング
　セリフ「こう近づけば四方からの攻撃は無理だなシャア!」

　対象物がある場合は「振りアクションヒット音」と大きな振動が、対象物がない場合は「ビームサーベルぶつかり音」と長く続く大きな振動が繰り出される。手早く遊びたいとき、ストレスを解消したいときに遊ぶと最適だ。

　遊び込んだ感想は、冒頭でも述べたことだが、大いなる想像力が必要だ。アムロになりきれる人だけ、100%楽しめるアイテムだ。そういう意味では万人向けとは言いがたいのだが、数あるガンダムグッズのコレクションとして押えておいても損はないだろう。

※「気になるe-Toy遊んでレポート」は今回で最終回とさせていただきます。長い間ご愛読いただき、ありがとうございました。

(c)創通・サンライズ

□バンダイのホームページ
http://www.bandai.co.jp/
□「エアショックバトル1/12 ビームサーベル」のページ
http://www.bandai-hobby.net/plamo/all/kit/54964.htm

(2008年10月9日)

[Reported by 元宮秀介]