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GameHi次期新作発表会レポート
教育要素を盛り込むアクションMMORPG「プロジェクトL」
濃いストーリーと演出へ挑戦するTPS「プロジェクトE」

9月23日 開催

会場:ソウル JWマリオットホテル

 韓国GameHiが9月23日、ソウルにあるJWマリオットホテルで開催した「GameHi次期新作発表会」。第2報となる本稿では、「METALRAGE(仮称)」以外の韓国GameHiの自社開発のタイトルを取り上げる。

 発表会では、低年齢層をターゲットとした横スクロールアクションMMORPG「プロジェクトL」、そして宇宙ウィルスに冒された人間や怪物と極限のバトルを繰り広げるオンラインシューティング「プロジェクトE」が、壇上に上がった開発代表者によってムービーと共に説明された。発表会の後に行なわれたインタビューの内容も交え、現時点で明らかにできるゲームの内容を紹介したい。

 最後に紹介された自社開発のMMORPG「プロジェクトA」は、「『デカロン』を開発したGameHiがMMORPGを制作中!」という情報だけで、ムービーも、荒廃した都市を背景に1人の男が立っている、というだけのものだった。こちらに関してはまだまだこれからというところだろう。


■ 世界をリアルに設定し、遊ぶだけで知識が増える教育要素を盛り込んだ「プロジェクトL」

「プロジェクトL」のプロダクトマネージャーであるカン・ドンジュ氏
アニメ作品のキャラクタという本作の登場人物。スプリングアクションがどうなるのか期待したい
 「プロジェクトL」は韓国で放送されていて、日本でも今後放送予定のアニメーション作品「ヴィキ・アンド・ジョニー」のキャラクタが登場する横スクロールアクションMMORPG。プレーヤー達は皆で協力しながらフィールドやダンジョンを駆け抜けていく。

 ゲーム性は「メイプルストーリー」に近いが、よりアクション性を重視し、ジャンプ中に向きを変えることができるなど軽快な操作性を目指しているという。アニメ作品をテーマにしたゲームだけに、キャラクタデザイン、世界観も独特なものになりそうだ。ムービーでは色の塗り分けられたアフロヘアや坊主頭など、外見の異なるプレーヤーキャラクタも登場しているので、アバター要素にも期待したいところだ。

 本作のユニークな点は、職業制ではなく、武器によって戦い方を変えられるところ。剣や弓など12種類の武器が用意されていて、プレーヤーは武器を持ち替えることで全く別な戦い方ができる。スキルは武器と独立していて、火のスキルを育てていれば、剣を使うと刀身に炎を宿らせ、弓の時には炎の矢を射ることができるなど、武器の自由度を重視したバランスになるという。

 もう1つ大きくアピールされているのが「教育要素」である。ゲーム内にいきなりクイズ問題が出るといった「直接的な教育ゲーム」ではない仕掛けを考え中だという。「マチュピチュ」や「ピラミッド」など、世界の遺跡を舞台にしたステージでは、その地方に住んでいる人たちの風俗や、建物に使われた技術など、遊びを通じて知識が増えるようにしていく。

 このため、ステージを作るために今までとは違うアプローチをしており、スタッフ自身も勉強が必要だという。また「英語の街」といった場所では、ヨーロッパの民話を題材にしたクエストを用意したり、遊びながら知識を増やしていくアプローチが行なわれるという。

 アクションに関しては、プレーヤーキャラクタは大きなスプリングに乗っていて、これを使って大きく飛び跳ねる事ができるという設定になっており、ゲーム的にも面白い要素になりそうだ。また、「プロジェクトL」は15歳以下のユーザーをターゲットにしているゲームなので、バットやゴルフクラブなど現実にあるものを武器として過激な使い方をするような表現は避けてているという。この他、PvPや攻城戦も導入される予定だ。

 「プロジェクトL」のプロダクトマネージャーであるカン・ドンジュ氏は、特に日本の80年代後半から、90年代のアクションゲームにこだわりを持っているようで、「プロジェクトL」には「スーパーマリオブラザーズ」や「メタルスラッグ」といったゲームが持つテイストを盛り込んでいくという。特にゲームの“感触”に注目したい。

【スクリーンショット】
独特のキャラクタデザインが作品に面白いテイストを加えている。アバター要素も面白そうな切り口となりそうだ。ゲームのフィールドにちりばめられているという教育要素も楽しみである


■ ストーリーテリングと演出で、コンシューマゲームのようなゲーム性を取り入れるオンラインTPS「プロジェクトE」

「プロジェクトE」の企画チーム長キム・チョンヨン氏
現在まだ明かせないという5種類のキャラクタ。特に協力プレイで戦い方を工夫できそうだ
 「プロジェクトE」は、宇宙から来たウィルスに冒された人や動物がモンスターと化し、人類と壮絶な戦いを繰り広げている世界が舞台となるオンラインシューティングゲーム。ゲームはキャラクタが常に見えるサードパーソンシューティング(TPS)であり、PvPももちろんあるが、協力プレイ、そして「シナリオ要素」に挑戦するところを評価したい作品だ。

 本作はニューヨークから東南アジア、といった形で世界中を舞台としたストーリーが展開する。プレーヤーはどの国家にも所属しない傭兵となる。この世界はウィルスに感染した生き物達が人類に戦いを挑み始めてから数年が経過している。人類のリーダーを目指す指導者など、人間関係、政治情勢のドラマも展開するという。

 一方ウィルスに冒された生物は、独自の進化を遂げていくという。ウィルスに冒された人類はゾンビのようだが、進化や、「結合」を繰り返し、より高度な生き物になる。本作を紹介したムービーでは恐竜のような怪物も見ることができた。どんな世界が展開するか楽しみである。

 プレーヤーキャラクタの役割は5種類に分類できるとのことだが、詳細はまだ秘密だという。本作はシューティング要素だけでなくRPG要素もあり、ゲームを進めていくことでキャラクタが成長していく。シナリオで手に入ったアイテムを組み合わせることで、武器や防具、役立つアイテムを作るなど、成長要素も多く取り入れられるという。

 プレイムービーでは、わらわらと襲いかかってくるゾンビにプレーヤーが協力して立ち向かうといったシーンも見ることができた。闇の中から迫ってくるゾンビが支援のヘリコプターのライトに照らし出されるなど、演出も期待できそうだ。キャラクタのダッシュ時にカメラのアングルが地面に動いたり、接近戦時は特別のシーンが展開したりと、北米のコンシューマゲームの手法に近い演出も感じさせられる。

 ゲームはロビーからルームを作りプレーヤーを募って進行する。協力プレイでは8人の参加が可能だという。「ACT1」というシナリオを現在開発中で、こちらはプレイし続けることで6時間ぐらいで最終ストーリーまで到達できるが、キャラクタを強くするために繰り返し挑戦する要素も取り入れていきたいという。

 対戦はより手軽な戦いを楽しめるようにチューニングしていくという。隠れたり、建物をよじ登ったりという高低差のあるフィールド、そして接近戦での強力な攻撃がユニークなポイントとなるという。ムービーでは脇差しくらいの長さを持つナイフで一気に敵の体を貫くなど、パワフルな演出が見られた。攻撃が成功するとカメラのアングルが変わるのが迫力をもたらしていた。

 「Gears of War」、「Halo 3」、「Call of Duty 4」など、北米では演出を強化したアクションシューティングが人気だが、「プロジェクトE」では、「韓国でも負けないゲームを作ろう」という意気込みが感じられる。演出はもちろん、特に臨場感をもたらす鍵となる「敵のAI」をどう作っていくか、開発スタッフの手腕に注目したい。

【スクリーンショット】
かなりハードな雰囲気のゲームとなりそうである。ストーリーはもちろん、敵の挙動やカメラの演出などに注目したいところだ

【「プロジェクトA」】
今回ムービーの出展のみだった「プロジェクトA」。ムービーの内容は遠景の街からキャラクタのアップになるというとても短いもので、今回は全くゲーム内容はわからなかった


□GameHiのホームページ
http://www.gamehi.net/
□ゲームヤロウのホームページ
http://redbanana.jp/
□関連情報
【9月24日】韓国GameHi、ソウルで次期新作発表会を開催
4つの自社タイトルと2つのパブリッシングで目指す世界戦略
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080924/gamehi1.htm
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【3月4日】韓国最新オンラインゲームレポート
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http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080304/korea_22.htm

(2008年9月24日)

[Reported by 勝田哲也 / Dong Soo “Luie” Han]



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