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Cybac中野サンプラザ店とIT-CAT泉店、「サドンアタック」店舗対抗戦を開催
東京、仙台の2カ所で約30チームが参加。次は全国規模でネットカフェ対抗戦へ!

8月30日開催

会場:Cybac中野サンプラザ店(東京会場)
IT-CAT泉店(仙台会場)


 Cybac中野サンプラザ店(東京)とIT-CAT泉店(仙台)は、8月30日、ゲームヤロウのオンラインFPS「サドンアタック」のデスマッチモードを用いた店舗対抗対戦イベントを行なった。

 対戦はデスマッチ専用マップ「ウェアハウス」で3対3のデスマッチ形式で行なわれ、両店の上位2チームによる総当たりで総合優勝が決められた。ルールは、10分の制限時間内に60キルを達成するか、制限時間内で稼いだキル数の多い方が勝利となる。

 メイン会場となった東京のCybac中野サンプラザ店では、事前・当日枠含め23チーム80人程が集い、一方仙台のIT-CAT泉店では十数チームがエントリーし、それぞれ活況を呈した。Cybac中野店に集まったユーザーは主に10代後半から20代後半が中心で、IT-CAT泉店は郊外店のため近所の中高生を中心とした若いユーザーが多かった。

 このイベントで何より面白かったのは、通常5対5で行なわれる試合が3対3で行なわれたことだ。有名クランのプレーヤーが大勢やってきて複数のチームにわかれたり、他のクラン同士で即席のチームを編成したりなど、いずれも即席ながら実力の高いチームがいくつも出来上がっていた。店舗でのイベントという枠だからこそ結成できた粒ぞろいの精鋭たちの争いが、非常に熱い熱戦を生んだ。

 その後に行なわれた各店舗上位2チームによる店舗間対戦では、Cybac中野サンプラザ店から参加した、クラン「Nabd」を主体とする「キミがいてボクたちがいる」が他を寄せ付けず3連勝で圧勝。2位はIT-CAT泉店の「コロナッチョ」、3位はCybac中野サンプラザ店から「痛かったら言って」、4位はIT-CAT泉店から「機動六課」となった。

 「キミがいてボクがいる」は常に3人が連携し、前線に常時3人が戦っている状況を作り出した。いずれのチームもノープランで気楽に挑んだゲームだったが、7月に韓国ソウルで開かれた「e-Sports Seoul 2008」でアジア予選を勝ち上がった彼らの実力は本物だった。前線を下げることなくほとんどのゲームで60キルを取る圧勝の試合展開だった。

 IT-CAT泉店で決勝に残った2チームのプレーヤーは有名クランの「Nabd」と生で対戦できたことが非常に嬉しかったようで、有名プレーヤーとのプレイを楽しんでいた。


■ 国内有力クランが参戦!! アツイ戦いが繰り広げられた東京会場

対戦を控え、多くの参加者とギャラリーでごったがえすCybac中野サンプラザ店
イベントに先立ち挨拶をするテクノブラッドネットカフェ事業支援本部営業部 コンテンツ企画課 康詩温氏。康氏自身、Hacというプレーヤーネームで知られる「Counter-Strike」のプレーヤーだ。店舗を利用した対戦イベントに力を入れていき、全国のネットカフェを巻き込んだムーブメントにしていきたいとのこと
今回総合優勝を勝ち取ったのは「e-Stars Seoul 2008」日本代表のクラン「Nabd」のメンバーからなる「キミたちがいてボクがいる」チーム。同じクランのメンバーが参加するチームが次々に敗退していくなか、駆け引きの妙が光り、優勝を掴んだ
 イベント当日は、晴れと雨が数時間おきにやってくる不安定な天候だったが、Cybac中野サンプラザ店には選手・観戦も含め多くのユーザーが集まった。イベント会場となったのは、これまでオンラインゲームのオフラインイベントで使用実績のあるカフェエリアではなく、ハイスペックパソコンの置かれたコミュニティスペースエリアで行なわれた。

 参加希望者はエントリーフィーとして1人800円を支払い、3人1チームで受付を行なう。当日枠も無制限で設けることで、23チーム約80人とトーナメント参加者だけで多くのユーザーが集まり会場はごった返していた。

 対戦方式は3対3のデスマッチ方式で行なわれ、倉庫をモチーフにしたマップ「ウェアハウス」で、制限時間10分の60キル先取制で行なわれた。訪れたユーザーは主に10代後半が中心で、キャラクタの経験値も高く、かなりコアにプレイしているユーザーが多かった。IT-CAT仙台店では、車がないと来場できないような郊外店であるため、主に近所の中高生が中心となってユーザーが集まった。

 「ウェアハウス」は非対称のマップで、入り口が開けている青側が若干有利なマップだ。マップ全体に配置されたコンテナを盾に中距離戦がメインとなる。一般的に「サドンアタック」のクラン戦は5対5で行なわれるが、今回は3対3であったため、上位クランのメンバーがばらばらになる形で参加し、非常に白熱した試合が繰り広げられたのが面白かった。

 筆者も仲間を集めてチーム「BIGLAN」として参加した。コツコツと3対3の試合を練習し、この日のために備えてきた。今回筆者のチームがとった戦略は、3人ともアサルトライフルを選択し、マップを左右・中央の3ゾーンに分けて3人で分担して敵を見張るというもの。後ろを取られる穴をなくすという趣旨だった。

 試合が始まってみればどうだろう。ゾーンで守りを固める「BIGLAN」に対し、対戦相手の「S.H.Y.」は1人が後方から見張り、残りの2人が2マンセルで移動し撃破を狙う戦略にこっぴどくやられてしまった。射撃のウデではまだまだ負けていないと感じるのだがいかんせん火力を束にされるとかなわない。また、「BIGLAN」最若手として期待していたtaxが動けない。練習試合では1番の戦力だったのだが、本番に弱かった。

 キル数の少ない序盤こそ一進一退の攻防だったが、火力を束ねられていくうちに各個撃破が目立っていく。筆者は連射力の高い「FAMAS」を選択して気合十分であったが、人数が少ない時ほど銃撃に「厚み」を持たせることが大事だった。結局試合時間を消化しきることなく60キルを取られて惨敗。悔しい!

 イベント全体を通じて1対1の状況を極力避けて、多対1の環境を作って積極的に動いていく戦略を取ったチームが強かった。どのチームもあまり3on3では遊ばないせいか、戦略的な意味での試合進行が手さぐりのチームが多かった。勝ち上がっていくにつれてだんだんと「セオリー」が確立され、メキメキと強くなっていった選手達が非常に面白かった。

 決勝戦まで使われた「動き」の面での戦略は、ゾーンや2マンセルなどある程度リードができるまでそれぞれの戦法で戦い、一定のリードができた時点でリスポーン地点脇からつながる「ダクト」と呼ばれる狭い通機構に引きこもって時間いっぱいまで粘るというものだ。

 将棋でいう「穴熊」の要領で引きこもるのだが、一直線にキャラクタが並んでいるため、突破されると1人一気にひっくり返されてしまう。決勝戦で対戦したのは、「e-Stars 2008」で日本代表として韓国で戦ったクラン「痛かったら言って」チームと、同じく日本代表の「Nabd」を母体とする「キミたちがいてボクがいる」の両チームだ。

 この試合では、終了1分前になってからわずかなリードを頼みに「ダクト」に引き篭った「痛かったら言って」に対して、「キミたちがいてボクがいる」が残り15秒ほどでダクトの3人を一掃し、逆転に成功した。そのまま自陣のダクト付近まで逃げ帰ったところで制限時間いっぱいとなり「キミたちがいてボクがいる」の勝利が確定した。

 IT-CAT泉店との試合では、決勝に残った上位2チームとの間で行なわれた。総当たりのリーグ戦ではCybac中野サンプラザ店から参加した、「キミがいてボクたちがいる」が他を寄せ付けず3連勝で圧勝した。個人技で前線を思い切りあげて押し切るパワフルな試合展開が特徴だった。

 彼らが唯一60キルを奪えなかったのは老練な「穴熊」作戦を積極的に利用した「痛かったら言って」チームだけで、パワフルな試合運びが光った。IT-CAT泉店の「コロナッチョ」との戦いでは、前線を押し上げて中央を抑えていることで、3人が常に1人~2人を相手にするという状況をつくっていた。「機動六課」は、「痛かったら言って」の力勝負で土をつけ、総合で2位に食い込んだ。

 残念ながら決勝リーグでは全敗だったチーム「コロナッチョ」も含め、仙台のユーザーからは、日本代表に選出された「Nabd」と「痛かったら言って」の両クランと対戦できたことは非常に嬉しかったという。

 試合状況が双方で非常にわかりにくかったのが今回もっとも改善すべき点で、空いているパソコンで仙台にいる参加者達と遊べる機会や、Webカメラなどで両会場の様子がわかる仕組みがほしかった。

【IT-CAT泉店】
IT-CAT泉店。IT-CAT泉店でも多くのユーザーが集まった。仙台地区のネットカフェは東京や大阪地区を上回り、「サドンアタック」での接続数が非常に高い地域の1つだ。今回のイベントが行なわれる以前から、店舗レベルで行なわれている対戦イベントにより固定客を確実に掴んでいる。アーケードゲームのようなお店ごとのコミュニティがしっかり根付いている実例といえるだろう

【Cybac中野サンプラザ店】
Cybac中野サンプラザ店。これまではカフェスペースをイベントエリアとして開放される展開が多かったが、店舗主催イベントということで、コミュニティスペースのオープンエリアを利用して対戦台とした。パソコンの起動に困難が生じるなど、ロケーションは最高なだけに店舗環境の向上に期待したい


■ 意外と良好だった3対3のクラン戦。課題は観戦まわり

筆者が参加したチーム「BIGLAN」。三浦(筆者)、tax、kintaの3人で先週からコツコツと練習して挑んだが、エースのtaxの動きにキレがなく撃ち負けてしまう。本当に残念だ。さらに練習しなくては……
「BIGLAN」と対戦したチーム「S.H.Y.」の3人。非常に若く、そしてうまい。筆者の年を痛感してしまった
 この日行なわれた店舗間での対戦イベントは、ネットカフェのPOSシステムやコンテンツのディストリビュートを行なっている株式会社テクノブラッドの企画による。今回のイベントを皮切りに、同社の取り扱うコンテンツを用いた対戦イベントを各地のネットカフェで行ない、店舗への固定ユーザーの取り込みを狙いたい考えだ。大会へのエントリーはネットカフェ運営店舗への入会手続きもかねており、店舗側にもイベントを通じて利用者を増やせるというメリットがある。

 残念だったことはトーナメントの進行で、午後2時からトーナメントをスタートし、5時から6時ころにはイベントが終わる手はずであった。しかし、Cybac中野サンプラザ店の店舗環境が悪く、コミュニティスペース全台のパソコンで「サドンアタック」を起動するとブレーカーが落ちてしまうというトラブルに見舞われ、2時間近く開始がずれ込んでしまった。

 その後使用するパソコン台数を半分に減らしてかろうじて始めることができたが、仙台のユーザーとの対戦が行なわれるころには午後8時を過ぎており、途中から一般使用のためにイベントエリアを半分にされるなど、数時間待つことになったIT-CAT泉店の参加者を始め参加したユーザーにはつらい環境を強いる結果になってしまった。

 それでもユーザーが最後まで残ってイベント終了後に「オフ会」を行なうなど、今後の広がりに期待感を持たせるイベントだった。ネットカフェにとってもオンラインゲームというレイヤーから、さらにオンラインゲームの個々のコンテンツを軸にネットカフェがイベントを行なっていく事例として、今後の展開に期待したいところだ。

 それから、気軽に遊べるという点では3対3という設定は非常に参加しやすかったと思う。クラン戦は5対5が一般的だが、対戦相手を探すことも、練習場所を上でも難しい。

 今回のイベントが3対3で企画された理由は、参加しやすさと店舗のスペース的な問題というきわめて現実的な問題から端を発したレギュレーションであったが、結果として非常に良かったと思う。大人数で訪れても適当に分かれたり、1人できたユーザーと組んだりとフレキシブルな対応が可能だった。日本でのオフラインイベントのチーム戦のトレンドは3対3にしても良いと思うくらい、実情にあった選択だったと思う。今後は、環境にあった参加体制を整えてもらいたいと感じた次第だ。

トーナメント表。予想より多くのチームが集まったため手作り感いっぱいになってしまった。ネットカフェに集まってゲームをプレイする文化を少しずつ広めたいところだ 「この先、戦場です」の案内。コミュニティスペースでは仲間と集まってプレイできる環境がそろっている。筆者自身にもあてはまるが、イベント中は本当に騒がしいのでエキサイトのしすぎには注意だ エントリー時にはCybacへの入会もかねている。イベントをフックにして新規ユーザーの獲得につなげたい考えだ

□ゲームヤロウのホームページ
http://redbanana.jp/
□「サドンアタック」のページ
http://suddenattack.redbanana.jp/
□関連情報
【8月5日】「e-Stars Seoul 2008」アジアチャンピオンシップ決勝戦レポート
日本勢活躍!「フリスタ!」準優勝、「サドンアタック」4位!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080805/korea_38.htm
【4月18日】ゲームヤロウ、WIN「サドンアタック」
世界大会「サドンアタック Asia Championship」開催ほか
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080418/sa.htm
【4月10日】ゲームヤロウ、WIN「サドンアタック」
1周年記念パッケージを発売
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080410/sa.htm
【1月23日】ゲームヤロウ、WIN「サドンアタック」
第2の正規兵サーバー「Silent Fox 2」を増設ほか
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080123/sa.htm
【2007年12月26日】オンラインゲームレビュー「サドンアタック」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071226/sa.htm

(2008年9月1日)

[Reported by 三浦尋一]



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