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「ストリートファイターIV」 プレーヤーズガイド:第1回(システム解説編)


 今回から、生まれ変わった「ストリートファイター」のプレイガイドをお届けする。まずは「システム解説編」として、前作からの変更点と、新システムの概要をお伝えしたい。シリーズ経験者にも、そうでない方にも、このゲームの魅力をお伝えできれば幸いだ。



前作からの変更点

 現在明らかになっている使用可能キャラクタは、「ストリートファイターII」のデフォルトキャラクタ8キャラと、四天王キャラ4キャラ、新キャラクタ4キャラの合計16キャラ。

キャラクタ数は16キャラ。最近の格闘ゲームでは比較的少ない部類に入るのでは?

 このことからもうかがえる通り、ゲームのシステムはどちらかと言えば前作の「ストリートファイターIII」シリーズよりも、「ストリートファイターII(以下ストII)」シリーズ(主に『スーパーストリートファイターII X』(以下『スパIIX』)のシステムを意識したものになっている。

 システム面の変更点でも、変更したというよりも、「スパIIX」に戻した、という表現の方が適切だと思われるものが多く存在する。

 本項では、新システムを除いた旧作からの変更について、代表的なものを、「ストリートファイターIII 3rd STRIKE(以下III 3rd STRIKE)」から変わらない点と、「スパIIX」に戻された点に分けて紹介したい。

・「スパIIX」に戻された点

ブロッキングの削除

 前作では代表的なシステムであった、ブロッキングが削除された。
 ブロッキング自体は相手の必殺技による体力削りを回避する、空中で相手の技とかちあってしまった時の最後の防御手段とする、割り込み困難な連係技を回避・反撃するなどの用途で使用され、非常に奥の深いシステムであり、前作の駆け引きを支えた核となる重要なシステムであった。
 しかし、少々クセのあるコマンドであったり、ブロッキング後の選択肢の自由度が高すぎるため、ブロッキングを含めた読み合いが非常に複雑であったりすることで、初級プレーヤーの参入障壁となっていたのも否めないだろう。
 このシステムがなくなったことで、起き上がりに必殺技を重ねられた場合の削りを回避する手段は無敵時間のある技を出すしかない、空中では相手の技を回避できないなど、防御側の選択肢がある程度制限され、全体的な駆け引きはより簡素なものになったと感じられた。
 後述の無敵時間の有無などもこのシステムが存在したことで採られていた調整であると思われ、この変更がゲームに与える影響は非常に大きいと言えるだろう。
必殺技の無敵時間延長

 「III 3rd STRIKE」では通常必殺技に無敵時間のないものが多く、あったとしてもEX必殺技であったり、部分的なものであったり、ごく短い時間であるものが多かった。
 これに対して本作では、比較的多くのキャラの通常必殺技に無敵時間が追加されており、無敵時間そのものも長めに設定されている。感覚としては、「スパIIX」とまでは行かないものの、「III 3rd STRIKE」よりは長めだと感じた。
 これにより全体的な駆け引きも、どちらかと言えば「スパIIX」に近い感覚になっている。
 例えば、起き上がりの攻防でも、ダウンしている側は相手の重ね技に対して無敵技を出すことで対応することができ、無敵技を出すか出さないか、という単純な選択肢でも駆け引きが楽しめるようになっている。
ハイジャンプの削除

 これはあまり大きな変更点ではないが、などのコマンドで行なえたハイジャンプは本作では削除された。ただし完全になくなったのではなく、一部のキャラはできるようになっていた。システムとして全キャラが使えるのではなく、一部のキャラのみの特権とされたようだ。

・「III 3rd STRIKE」から継承された点

EX必殺技の継承

 必殺技のコマンド入力時に、複数のボタンを同時に押すことで、ゲージを消費しつつ必殺技のアップグレード版を出すことができるシステムである、EX必殺技のシステムはそのまま継承された。
 EX必殺技の効果は「無敵時間の追加」、「ダメージ増加」、「攻撃回数増加」、「技の発生速度変化」などのものから、技そのものが変化するようなものまでさまざまな効果が確認できた。また、リュウの昇竜拳(+P)ヒット後など、一部通常技では追い討ちできない場面で追い討ちが可能になるような効果も見受けられた。このような効果も今後はっきりしてくるだろう。
投げシステムの継承

 本作の投げコマンドは弱P+弱Kとなっており、失敗すると投げ失敗モーションが発生し、隙ができてしまうのも前作と同様。
 投げ抜け(弱P+弱Kで相手の投げを回避できる)システムもそのまま受け継がれており、細かいところは不明だが、基本的には投げまわりのシステムはそのまま継承されていると考えて問題ないだろう。
 技の硬直中に投げられた場合は、投げ抜けができないことも前作と同様だ。
ダッシュ・バックダッシュの継承

 レバーをと入力することで行なえる、ダッシュ・バックダッシュのシステムは前作からそのまま継承された。
 ただ、この行動自体は新システムであるセービングアタックのキャンセルを行なえる唯一のものであり、前作よりもさらに重要度が増していると言えるだろう。
ターゲットコンボの継承

 通常技を特定の順番で入力することで、前に出した技の硬直をキャンセルし、簡単に連続技にすることができるシステムであるターゲットコンボもそのまま継承されたシステム。代表的なものでは、ケンの立ち中P・立ち強Pなどがあげられる。
 一応ターゲットコンボではない通常技も、組み合わせによっては目押しでタイミングよく出すことで連続技になるが、タイミングは比較的シビアだと感じた。
受身システムの継承

 相手の攻撃を食らった時に、ダウンを回避できる受身のシステムもそのまま継承されている。コマンドはインストカードに載っている「ダウン直前に」の他、2つ以上のボタンを同時押しすることでも可能になっている。

 項目数だけを見ると継承された点の方が多く、「III 3rd STRIKE」に近いように見えるが、「スパIIX」に戻された点はゲームの核であった部分であるため、実際の感覚は「スパIIX」により近いと感じた。

 継承された項目は投げシステムやダッシュ・バックダッシュなど、操作に関する項目が多い。全体的なゲームの雰囲気や駆け引きは「スパIIX」に近く、操作感覚は「III 3rd STRIKE」に近いと言えるのではないだろうか。


新システム紹介

上記既存システムの変更点に加えて、本作から新たに追加された新システムもいくつか存在する。代表的なものを紹介していこう。

・セービングアタック

 本作を特徴付ける、代表的なシステムがこのセービングアタックだと思われる。中P+中Kで出すことができ、技モーションはキャラクタによって異なる。

 この技を一言で言うならば、「相手の攻撃に1発だけ耐えられる打撃技」である。しかしその他にもセービングアタックにはいくつかの特徴があり、これによって本作を特徴付ける重要な役割を担っている。

 各要素について、順を追って説明していきたい。

セービングアタックのモーションはキャラによって異なる。リュウのセービングアタックは正拳突きのようなモーション
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相手の攻撃を1発だけ耐える(セービングする)ことができる

 セービングアタックの持つもっとも特徴的な要素がこれだろう。
 具体的には、相手の攻撃を食らった場合、ダメージは受けるものの、そのままセービングアタックのモーションが継続される。そのため、うまく相手の攻撃に合わせれば、セービングアタックを確実にヒットさせることができる。
 攻撃をセービングできるのは1発だけなので、もう一度攻撃を食らった場合はこちらの攻撃が止まってしまう。耐えた時のダメージは半透明のゲージで表示され、時間とともに回復する。回復はセービング成功後一定時間を経過すると始まる。この時間は数秒程度で、そこまで長いものではないが、回復速度はゆっくりなので、場面によっては非常に長く感じられるかもしれない。
 回復途中に相手の攻撃を食らってしまうと、回復可能な分の体力も全て失われてしまうため、回復途中は相手の攻撃を食らわないよう、より注意する必要があるだろう。
 また、特定の技にはセービングの効果を無効化する属性を持つものも存在する。このような属性はアーマーブレイク属性と呼ばれ、例えばブランカのローリングアタック(タメ+P)などがそれに当たる。これらの技とセービングアタックがかちあうと、ガラスが割れるような特殊なヒットエフェクトが表示され、セービングアタックが潰されてしまう。
 全ての技に対して有効と言うわけではないので、頼りすぎは禁物だ。
ブランカのローリングアタックなど、アーマーブレイク属性を持つ技は、セービングできない
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溜め時間によって性能が変化

 セービングアタックは、ボタンを押しっぱなしにすることで溜めることができる。セービングアタックを溜めると、攻撃判定の発生が遅くなる代わりに、ヒット時の効果が以下3段階に変化する。
段階 ガード ノーマル カウンター セービング
1段階目 可能 通常やられ 崩れ 可能
2段階目 可能 崩れ 崩れ 可能
3段階目 不可能 崩れ 崩れ 不可能
 当然、長く溜めた方が強力な攻撃になる。段階が切り替わるタイミングでは、キャラクタの体が白く光るため、注意して見ていると、どのタイミングで段階が切り替わるかを確認することができるだろう。
キャラクタの体が白く光るたびに効果が切り替わる。この動画で出しているのは2段階目なので、ノーマルヒットでも相手に崩れ状態を誘発できる。段階が切り替わるタイミングを、体で覚えよう。
この動画をWMV形式でダウンロード (ファイルサイズ: 約721KB)

 大まかに分類するならば、1段階目は他の通常技に比べるとやや攻撃判定の発生が遅いものの、攻撃を1発だけ耐えられること、ダッシュでキャンセルすることでガードさせた後も主導権を握れることなどから、様々な場面で通常技に近い感覚で使っていくことができる。攻めの主導権を握ったまま、攻撃のタイミングをずらしたい場合などに有効だ。
 2段階目も1段階目と同じような使用目的で使えるが、こちらはノーマルヒットでも崩れ状態を誘発できることから、ガードしても反撃できない相手の単発技などに狙っていくと、大きなリターンが期待できる。また、3段階目がガード不能なので、これを意識して行動を起こした相手に対して早めに解放し、2段階目を出すことで相手の行動をつぶす、などと言う使い方も有効だ。
 最大まで溜めるとガード不能技になる。これはそのまま、ガードがちな相手のガードを崩す手段として狙っていくのがいいだろう。
 また、1段階目、2段階目は攻撃動作に入った時点でセービング判定が消えてしまうが、3段階目まで溜めると攻撃動作中もセービング判定が残る。相手の飛び込みにうまくあわせると、回避困難な状況も作り出せる。
ダッシュ・バックダッシュでキャンセル可能

 セービングアタック中は、ダッシュ・バックダッシュを入力することでキャンセル可能である。この要素が、セービングアタックの使用用途を大きく拡げている。
 キャンセルタイミングは、溜め中と攻撃判定発生時の2種類。溜め中にキャンセルすれば当然攻撃判定は発生しないが、キャンセル行動であるダッシュ・バックダッシュの硬直は短いので、素早く次の行動に移れる。この時点でのキャンセルは、中P+中Kを押している最中のみキャンセルできるので、あわてないように。
 明確な使いどころとしては、相手の起き上がりに対して3段階目を重ねるようなタイミングで重ねておき、これを警戒した相手が投げに来るように仕向けた後、ダッシュでキャンセルし、打撃技での攻めに切り替える、などが思い浮かぶ。
 攻撃判定発生時のキャンセルに関しては、そのままキャンセルせずに出し切った場合よりも早く動けるので、毎回キャンセルしてしまっても問題ないと思われる。
 こうすることで、ガードされた場合でも攻めが継続できるほか、ヒットして相手が崩れた場合は地上判定の部分に攻撃を当てることができ、よりダメージの高い連続技を決めることができる。
EXセービング

 セービングアタック自体はダッシュ・バックダッシュでキャンセル可能だが、同時にセービングアタックで一部の攻撃をキャンセルすることも可能。これがEXセービングだ。ただしこの場合はスパコンゲージを2目盛り消費することになる。
 EXセービングは通常技以外にも、一部の必殺技をキャンセルできる。これにより、必殺技→EXセービング→(バック)ダッシュと連係させることで、ガードされると反撃を受けてしまう必殺技の隙を減らすことができるほか、通常ではヒット後に追い討ちできない必殺技の硬直時間を削減し、追い討ちを可能にすることもできる。
 ゲージの消費量が多いので常時使っていくことはできないが、ここぞと言う場面で使用すると、非常に大きな効果を発揮する。
投げに弱い

 今までに挙げた項目は主にセービングアタックの長所になる。これだけを見ると、強すぎる行動のように思えるが、当然弱点も存在する。それが、投げに弱い点だ。
 相手にセービングアタックを多用された場合、1発しか耐えられない点をついて、弱攻撃を連打するのも間違いではない。しかし、それでは間に合わない場面も存在するだろう。そんな時、もっとも簡単かつ確実に対応できるのが、投げであると感じた。
 現状では詳細が不明なので、どこまでこの特徴がシステムに組み込まれているかははっきりしないが、非常に早い攻撃であること、セービングが不可能であること、セービングアタック中に投げられた場合は投げ抜けが不可能なことなどを考えれば、セービングアタックを読んだら投げる、と覚えておくだけでもだいぶ対処は楽になるだろう。
アーマーブレイク技の存在

 先ほど軽く触れたが、弱点としてはもうひとつ、アーマーブレイク技の存在があげられる。
 全キャラクタにひとつは設定されており、具体的にはブランカのローリングアタックや、リュウ・ケンの竜巻旋風脚(+K)、春麗のスピニングバードキック(タメ+K)などがこれにあたる。これらの技はセービングの効果を無視してヒットさせることができる。
 必殺技になるのでとっさに出すのは難しいが、技によっては無敵時間も存在するので他の選択肢に対しても汎用性が高く、また、これらの技をセービングアタック中に当てた場合はカウンターヒットになるので、狙ってみる価値はあるだろう。
動作中は移動ができない

 最後に当たり前のことだがもうひとつ。セービングアタック動作中は、(バック)ダッシュでキャンセルする以外は動きが取れない。ステージ中央などで使う場合、バックジャンプなどで間合いを取られてしまうとただの隙になってしまうので、状況に合わせてキャンセルするか否か、セービングアタックを見せたときの相手の反応を見て、対処を考えて使っていきたい。

 以上が現在わかっているセービングアタックの特徴だ。

 セービングアタックのキャンセルに使うダッシュは硬直が短く、展開が早いのでコマンド入力は難しくなるが、これらの行動を使いこなせるようになると非常に「『ストIV』らしい」動きができるようになるので、ぜひともマスターしておきたい。

・カウンターヒット

 相手の攻撃に対して、攻撃判定発生前にこちらの攻撃を当てると、カウンターヒットとなり、一部の攻撃のヒット効果が変化する。詳しい計算式は現段階では不明だが、ダメージも増加しているようだ。

 特に、セービングアタックの1段階目がカウンターヒットした場合は、崩れ状態を誘発し、連続技を決めることができるので、非常に重要だ。

セービングアタック1段階目がカウンターヒットすると、相手に崩れ状態を誘発できる。連続技を決めるチャンスだ!
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・スパコンゲージとリベンジゲージ

 スーパーコンボ(以下スパコン)ゲージは前作そのままの機能で継承されている。原則攻撃をヒットorガードさせることで徐々にたまっていくが、必殺技の場合は空振りでも増加する。

 最大4目盛りまでためることができ、EX必殺技で1目盛り、EXセービングで2目盛り、スーパーコンボで4目盛りを消費する。

 リベンジゲージは今作から新たに追加された新システムで、ダメージを受けることで徐々にたまっていく。相手の攻撃をセービングした場合でもダメージを受けたとみなされ、ゲージが増加する。相手の飛び道具系の必殺技にセービングを狙うなどすれば、効率よくリベンジゲージをためることができるわけだ。

 このリベンジゲージが50%以上蓄積されると、ウルトラコンボが使用できるようになる。こちらはスパコンゲージと違い、発動可能な50%の部分以外に目盛りが存在せず、ウルトラコンボ発動時点で全消費される。その時点でたまっていたリベンジゲージの量によって、ウルトラコンボのダメージは変化する。

体力が満タンの相手に、リュウの滅波動拳を当ててみた。左が発動可能になってすぐのダメージ。右が100%まで溜めた後のダメージ。100%の方がダメージが高くなっているのがわかるだろうか

 スパコンゲージとリベンジゲージの最大の違いは、ラウンド間で持ち越しされるかされないか、と言う点。スパコンゲージはラウンドをまたいで持ち越されるが、リベンジゲージは毎ラウンド0からスタートになる。場面にもよるが、連続技の締めに使う場合などは、用途の多いスパコンゲージよりもリベンジゲージを優先して使っていく方が良いのではないだろうか。

その他、スーパーキャンセルがかかるのもスーパーコンボのみ。ウルトラコンボとスーパーコンボは見た目が似ていても、性能は少しずつ違っている。
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「ストII」世代の「ストIV」入門

 ここまで本稿では、シリーズ作品の慣例に則り、前作からの変更点に注目して記事を進めてきた。しかし本作に関しては、長い歴史を持つ「ストリートファイター」シリーズだけに、必ずしも前作のプレーヤーがメインのプレーヤー層であるとは限らないだろう。

そこで本項では、「ストII」シリーズのユーザーに対して、本作をプレイする上での心構えに関して少しだけ触れておきたい。

・コマンド入力について

 本作では、「ストII」シリーズになかった操作がいくつか追加されている。これらのうちで、少々クセのあるものの入力のコツについて触れておきたい。

スーパーキャンセルの簡易入力

 本作のスーパーコンボの特性に、スーパーキャンセル機能というものがある。これは、本来キャンセルできない技でも、スーパーコンボでならばキャンセル可能になる場合がある、と言うもの。例えばリュウの波動拳(+P)は通常キャンセルできないが、スーパーコンボの真空波動拳(+P)でならばキャンセル可能であり、これにより連続技のバリエーションが大きく増えている。
これらの入力を行なう際、+P +Pなどと普通に入力しても構わないが、これだとかなりレバー操作が忙しくなってしまう。そこで、+P +Pと言う簡易入力を用いる。スーパーコンボの入力受付時間は全体的に長めに設定されているため、波動拳を出すために使用したの入力も生きており、実際には+P +Pだけで波動拳~真空波動拳の連続技は成立する。
同様に、ガイルでサマーソルトキック(タメ+K)~ダブルサマーソルトキック(タメ+K)のスーパーキャンセルを行なう場合は、そもそもダブルサマーソルトキックの入力がタメ+Kで可能なことも踏まえ、タメ+K +Kなどの入力で可能。これらの入力ができるかできないかによって、連続技の火力がまるで違ってくるので、CPU戦などで練習しておこう。
受身

 受身は前述した通り、の入力のほか、2個以上のボタン同時押しでも可能。本作の同時押しは少し猶予が設けてあり、完全な同時押しでなくとも受け付けてくれる。
 これを利用して、受身を取るときは完全な同時押しではなく、ボタン3つ程度を少しずつずらして入力するのがお勧め。例えば筆者は強P中P弱Pの順にボタンをずらして入力している。強Pを入力した時点では受身は発生しないが、中Pを入力した段階で強P+中Pと判定され、受身の受付時間内であれば受身が発生する。ここで少し早すぎた場合でも、続いて弱Pが入力された時点で弱P+中Pの同時押しと認識され、もう一度受身の判定がされる。
 このように、少しタイミングがずれてしまったときでも、安定して受身を取ることができる。ボタンの数を3つではなく、4つ、5つと増やせば同様の理屈でさらに安定度は増すが、受身の受付自体がそこまでシビアなものではないので、3つか、多くて4つ程度を入力しておけばまず失敗しないようにはなるだろう。

・立ち回りについて

 立ち回りに関しては、ベースとなる部分は「ストII」シリーズと同様で問題ないと感じた。その上で、多少感覚が変わっているかな、と感じている部分のみに絞って解説しておきたい。

起き上がりの投げ無敵時間が少ない

 本作では、ダウンから起き上がる側に投げに対する無敵時間がほとんどないと感じられた。通常投げならば投げ抜けをすれば事足りるのだが、投げ必殺技になってくると投げ抜けもできないので、きっちり重ねてくるプレーヤーが相手だとかなり厳しい。
 起き上がるときに、レバー上方向を入れっぱなしにし、ジャンプを入力していれば投げられることはないので、投げを読んだら垂直ジャンプで相手の投げを空振りさせ、ジャンプ攻撃からの連続技を決めるのが常套手段だ。無敵技をリバーサルで出すことでも切り返すことはできるので、キャラと状況によってはこちらも使っていこう。
起き上がりに投げ必殺技をうまく重ねられると回避が非常に難しい。油断していると簡単に投げられてしまう
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セービングアタックは必須ではない

 新システムであるセービングアタックは、使わないと対戦が成り立たないようなものではない。もちろん使いこなせた方が大きなアドバンテージになることは間違いないのだが、少し複雑なシステムでもあるため、とりあえずは使わずに対戦してみても構わないだろう。
 ただし、自分が使わなくとも相手は使ってくる。そんな場合は、投げとアーマーブレイク効果のある技で対抗していくといいだろう。
投げコマンドは弱P+弱K

 セービングアタックを使わなくともなんとかなるが、投げが使えないのではさすがに立ち回りがかなり苦しくなる。覚えておいて欲しいのは、投げのコマンドはレバー左or右+中or強ボタンではなく、弱P+弱Kであると言うこと。
 コマンドが違って失敗モーションもあるのでリスクは高くなっているものの、技の持つ役割は変わらないので、「ストII」シリーズと同じ感覚で使っていって問題ないだろう。投げ抜けも同様のコマンド(弱P+弱K)であることも覚えておきたい。
スーパーコンボはちょっと弱めと考えておこう

 キャラクタによっても違うが、「スパIIX」と比べて、スーパーコンボはかなり弱くなっている。ダメージ、無敵時間など全体的に短めだと感じた。
 どちらかと言えば、これもキャラクタによって違いがあるが、ウルトラコンボの方が「スパIIX」でのスーパーコンボにより近いと言えるだろう。ウルトラコンボは特に意識しなくとも、1ラウンドに1回程度は使用できるので、使いどころを考えて使っていこう。スパコンゲージはEX必殺技に使っていくのが筆者的にお勧め。
「飛ばして落とす」戦術が基本

 飛び道具系の必殺技を持つキャラは従来と同じく飛び道具をガードさせてプレッシャーを与え、相手がジャンプしてきたところを対空技で迎撃してダメージを取る、いわゆる“飛ばして落とす”戦術が有効である。飛び道具系の必殺技を持たないキャラは、まずこれをどう崩すかが課題になる。
 この辺りは「ストII」シリーズとまったく一緒である。飛び道具はセービングされるとリベンジゲージをためられてしまうが、短い間隔で出し続けていれば体力の回復が間に合わないので、直接攻め込まれないように注意していればそれほど気にすることはないだろう。
 ただ、ウルトラコンボの一部は飛び道具系の必殺技をくぐり抜けて攻撃できるので、常に相手のリベンジゲージを意識し、ウルトラコンボ発動可能になったら、警戒を怠らないように注意しよう。

 誤解を恐れずにものすごく大雑把に言ってしまえば、「ストII」シリーズからの変更点はこのぐらいである。あとはダッシュが存在することや、カウンターヒットが存在することなど、細かい部分は色々変わっているものの、意識せずとも対戦にはさほど影響を与えないので、はじめはあまり考えすぎず、好きなようにプレイしてみたらいいのではないだろうか。

 「ストII」シリーズで有効であった、“飛ばして落とす”戦術は本作でもかなり有効である。

 セービングアタックはどちらかと言えば付加的な要素なので、最初は無理に使おうとしなくとも、基本をしっかり抑えておく方が重要だと感じた。


ビギナーモードで練習しよう

 ここまでゲーム内容についてのみ解説を行なってきたが、ここでシングルプレイでのゲームモードについても少し触れておきたい。

 店舗の設定にもよるが、本作でゲーム開始時に選択できるゲームモードは通常以下の3種。

シングルプレイのゲームモードはこの3種類から選択可能。初プレイでは迷わずビギナーモードを選択するのがお勧め
アーケードモード

通常のシングルモード。このモードを選択してゲームを開始すると、店内に乱入待ち状態のプレーヤーがいた場合に、即座に乱入と言うことになり、対人戦が開始される。
ビギナーモード

内容は通常のシングルモードと同様だが、このモードを選択した場合、3ステージ目までは乱入待ち状態のプレーヤーがいても乱入にならず、シングルモードをプレイすることができる。
トライアルモード

1本先取のシングルモードで、勝利するとスパコンゲージを持ち越したまま次のステージに進む。全12ステージをクリアする時間を競うモード。このモードでは乱入することもされることもない。

 対人戦を行ないたいプレーヤーは、通常アーケードモードを選択することになると思うが、まだキャラクタの操作に慣れていない場合などにはビギナーモードを選択すると、3ステージ目まではシングルモードで練習できる。特に初めてプレイする場合などは、右も左もわからない状態であるはずなので、非常にありがたいモードだ。トライアルモードも対人戦にはならないが、1本先取なので練習にはやや不向きだと感じた。やはり練習したい場合はビギナーモードを選択するのがいいだろう。

 本作は基板同士がLANでネットワーク接続されており、同一店舗内であれば対面の筐体でなくともマッチングされ、対人戦が行なわれる。従って誰かがシングルモードをプレイしているからと言って、対人戦の邪魔になると言うこともない。遠慮しないで好きなモードを選択しよう。


最後に

 ここまで本作の特徴について、一通り紹介を行なってきたが、いかがだっただろうか。

 本文中では軽くしか触れていないが、本作の大きな特徴として、LANを使ったネットワークでのマッチングシステムがある。これは、各基板が独立して動作しており、同一店舗内に乱入可能な相手がいた場合は、筐体の位置に関係なくそのプレーヤーとマッチングされ、対戦ができるというもの。

 マッチングされるのが同一店舗内のみであることは少々残念だが、それだけでも実際のプレイ風景は大きく変わるのではないだろうか。特定の相手とのみ対戦したい場合などには困るのかも知れないが、筆者は後ろで見ているよりはプレイしていたいと思うタイプなので、待ち時間が短くなるこのシステムはありがたい。

 実際にこのシステムがプレーヤー達に受け入れられていくのかどうかなども、興味深いところだ。

 ゲームシステム面では、前作に比べ、今作は大きく「ストII」シリーズに歩み寄った部分が目立つ。これはやはり、「ストIII」シリーズではシステムの変化が大きすぎ、ついていけなくなったユーザーを再度呼び戻す、と言う意図が強く働いてのことであろう。

 筆者も「ストII」から格闘ゲームにのめりこんでいった、いわゆる「ストII」世代であるため、今作のターゲットとなるユーザーの1人であると思う。だからと言って、そんなに簡単には乗せられてたまるか!と言う反発心のようなものも持っており、いざプレイするまでは疑心暗鬼であった。

 しかし、そんな小さな反発心も、たった1度のプレイで吹き飛んだ。そこには、ガイルがいた。ナッシュではなく、まぎれもないガイルだ。強力なサマーソルトキックを持ち、弱ソニックを撃ちながら、ニーバズーカ(or+弱K)でちょこちょこと接近する。そんなガイルが本当に戻ってきた。もうそれだけで、筆者がこのゲームをやらない理由がどこにもないのである。

 ガイルがいて、ザンギエフがいて、ダルシムもいる。しかも彼らの技は、ほとんど衰えていない。そんな新作格闘ゲームがプレイできる日が来るとは、夢にも思っていなかった。

 しかし、今それが、目の前にある。これはもう、プレイするしかないだろう。

 筆者と同じ気持ちを持っていたひとりでも多くのプレーヤーに、ぜひともこのゲームをプレイし、同じ感動を味わってもらいたい。そしてその際には、本稿が少しでもお役に立てれば、幸いである。

 今回はシステム解説編として、新システムの解説を行なってきたが、次回はより実戦向きの内容を取り扱って行きたいと考えている。近日公開予定なので、それまでもう少々お待ちいただきたい。


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(2008年8月11日)

[Reported by 米澤大祐]



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