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★オンラインゲームファーストインプレッション★

「魔球」ばかりのゲームではない!
投打のリアルな心理戦がウリのオンライン野球

「魔球魔球」

  • ジャンル:オンライン野球ゲーム
  • 開発元:Anipark
  • 運営元:ゲームポット
  • 利用料金:基本料金無料/アイテム課金(予定)
  • 対応OS:Windows XP/Vista
  • サービス開始日:クローズドβテスト実施(7月24~28日)



 株式会社ゲームポットは3Dのオンライン野球ゲーム「魔球魔球」のクローズドβテスト(以下、CβT)を7月24日から28日まで実施した。

 魔球と聞くと、筆者はファミコンで遊んだとある野球ゲームを思い出す。子供の頃友人の家に遊びに行き、初めての対戦プレイで「消える魔球」、「ストップボール」などの魔球を投げられ、バットは空を切るばかり。「打てるわけないって! その球禁止!」などの文句に対しても、したり顔で魔球を放ち続けていた友人。

 そんな過去の思い出から、“魔球”に対して良いイメージを持っていなかった筆者だが、そういうイメージを払拭してくれたのが「魔球魔球」だ。戦術の一貫として魔球が用意されており、頭脳プレーとしてバッターと正々堂々勝負できる。また、最大3対3の6人戦も用意されているため、実際の野球のようなチームプレイでワイワイ楽しめるのも特徴的だ。

 今回は、魔球なしでも十分楽しめるよう作りこまれたシステムに、ゲームならではの新たな要素“ミラクルカード”(魔球等)による頭脳戦も加わった本作について紹介させていただく。なお、本作はCβTということで、今後はシステムやバランスの調整の可能性もあることを踏まえてご一読いただきたい。



■ 3D表示でピッチャーとバッターの攻防をリアルに再現。心理戦を制して試合に勝て!

中央に表示されている白枠がストライクゾーン。円形の青枠が投球予測コース
ストライクゾーン左上に表示されている枠が打撃ゾーン、相手の投球位置を予想して狙いを絞る
なかなかホームランは出にくいが、積極的に狙って決定的な1打を決めよう
 操作はキーボードのみを使用する。試合は3、6、9回戦から選択できる。試合時間の目安は3回戦で約10分、9回戦で約30分程度。DHの有無と、球場を選択したら試合開始だ。

 試合は、キャッチャー正面に白枠で表示された四角形のストライクゾーンを中心に展開されていく。ピッチャーは、球種とピッチングパワーを決定し、ストライクゾーン周辺に狙いを決めて投球。バッターは上下左右に投球される球に対し、ストライクゾーンを中心に9分割されたゾーンから1カ所を選択し、タイミングよくキーを押してバットを振る。

 打撃ゾーンはピッチャーの投球前にのみ選択可能で、その位置で固定される。狙った打撃ゾーンと違った位置に投球されたとしても、打撃ゾーンを動かすことはできない。しかし、打撃ゾーン外に投球された球に対してバットを振ったとしても当たらないわけではなく、タイミングさえよければヒットも打てるが、内野ゴロやフライになる確率が高くなる。

 初めのうちは、自由に打撃ゾーンを変更できない事が不便に感じるかもしれないが、事前に打撃ゾーンを絞るというこのシステムは本作のメリットだと言える。自由に打撃ゾーンが動かせるゲームの場合、アクション性は高いが、反射神経さえあればある程度の球は打ち返せる。その点、本作では事前に選択した位置から打撃ゾーンが動かせないため、今までの投球パターンから投球位置を予想して打撃ゾーンを決定するという、心理戦によるバッティングとなっている。

 スイングは前述のとおり、ボールに合わせてタイミングよくキーを押す。タイミングと打撃ゾーンが合えば長打も狙える。打撃ゾーンの読みが当たっても、キーを押すタイミングがずれれば凡打や空振りになる。ボールの緩急によるアクションと、コースの投げわけによる心理戦の両方が楽しめるわけだ。

 実際の攻防では、相手ピッチャーはストライクゾーンぎりぎりのラインを狙ってくる事が多い。中央のゾーンを狙っていても凡打になりやすいため、必然的にバッターは相手ピッチャーの投球位置を予想し、中央以外のゾーンに狙いを絞ることとなる。

 筆者の場合は、2ストライクまで中央以外のゾーンに狙いを絞って長打を狙う。2ストライク目からは空振りを避けるため、中央にゾーンを戻して打っていた。1、2ストライクまではピッチャーとの心理戦、2ストライク目からはボール球とストライクを見分けたうえでのタイミング勝負、という感じで2種類のバッティングが楽しめる。

 ピッチャーの場合は、相手がどこのゾーンを狙い打ちしているかを予想して、打撃ゾーンとは逆サイドに投球する事になる。ボール球を振らせるか、遅めの球でタイミングをずらして空振りさせるか。「さっきはフォークで決めたから、今度は内角高めで誘ってみよう」などの緻密な配球を考えられるという点では、実際の野球とほとんど同じで、同じ球種ばかりを狙って勝つ事は非常に難しい。

 相手の狙い場所を読み、癖を把握し、心理戦を制したものが勝負に勝つ。対戦相手毎に毎回新鮮な気持ちで勝負でき、長時間プレイしても飽きない、そういったプレイをできるのが本作の醍醐味だ。

【スクリーンショット】
三振時のバッターの悔しそうな表情と、ピッチャーの勝ち誇った表情が対照的だ
クリーンヒットをすると大きなエフェクトが表示される。ホームラン時はピッチャーががっくりとうなだれ、バッターは喜びながらフィールドを駆けていく
盗塁をしたり、ファインプレーをしたり。エラーをした場合は、右下に無様な姿が表示されてしまう




■ 分身魔球でバッターを封じ、キャッチャーを混乱させて盗塁もできる

5人のピッチャーから一斉に放たれる5球のストレート。タイミングが合えば打てないこともない
バッターがカードを使用すると、ピッチャーは打たれないよう願うしかない
曇りが有利なバッターが、曇りの苦手なピッチャーに対してカードを使用した瞬間。能力差は一気に広がる
逆にピッチャー側から天気を変更するカード「クラウディボール」も使用できる
 本作は一般の野球ゲームとは違い、ミラクルカードを駆使したド派手なピッチングやバッティング、戦略性の高い試合展開が特徴的なゲームとなっている。ミラクルカードには、魔球、技能、戦術の3種類が用意されており、それぞれ攻撃用、守備用に分かれている。試合中に使用できるミラクルカードは4枚。イニング終了後にはヒットや三振などの計算がなされ、成績が良ければミラクルカードが補充されることもある。ここぞという時にしか使用できない数ではあるが、その分ミラクルカードの効果は絶大だ。

 ミラクルカードを使用するタイミングは、ピッチャーの投球モーション前のみで、投球後に使用はできない。ピッチング時には魔球カードを使用すると、魔球が投げられる。例えば、魔球カード「イリュージョン」を使用するとピッチャーから青いオーラが出現し、5人に分身する。その後、観客も守備陣も消え去り、5人のピッチャーからストライクゾーンめがけて一斉に投球される。通常の投球とは違い、魔球の演出終了後に唐突に放たれるため、タイミングが非常にあわせにくくなる。ただ、絶対に打ち返せないというわけではない。

 対するバッターは魔打カードが使用できる。例えば「ファルコンショットマスター」は、打球が45度の角度で飛んでいくというもので、理想的な角度で長打やホームランが狙える。全般的に魔打カードは長打が期待でき、ホームランも狙えるカードだが、バットを振った振らないに限らず、1回投球されると効果が消えてしまう。ボール球の時に使用しないよう、ピッチャーがストライクを投げてくると思った際に使うといいだろう。

 技能カードは選手の能力値を底上げするカードで、効果は試合の間持続する。個人用と全体用のカードがあり、球を投げる「スローイング」を強化したり、バッティング時の「パワー」などが強化できる。試合後半で使用するより、試合開始直後に使用されることが多いカードだ。

 そして使いどころが重要なのが戦術カードだ。使いどころを間違えなければ、非常に有効なカードとなる。例えば「ストールンベース」は、走者が塁に出ている場合に使用すると相手のキャッチャーが混乱し、必ず盗塁が成功するというもの。CβT時点では打者が3塁にいる場合でも使用できたため、カードを使用して楽々と1点を獲得できた。多少卑怯な気もするが、きっちり使って得点していきたい。

 戦術カードには試合中の天気を変えるカードもある。本作では選手全員に有利な天気が設定されており、試合中の天気が選手にマッチしていれば、全ての能力が10%アップする。天気は、晴れ、曇り、雨、雪、そしてドーム型球場の場合の無属性の5種類。しかし、晴れの選手には曇り、といった不利な天気も設定されており、全ての能力が10%ダウンしてしまう。このため、相手の投手が有利な天気で戦っていた場合は、戦術カードで不利な天気に変えるといったカードの使い方もできる。

 たかが10%と思われるかもしれないが、大抵の選手の能力は65から80の間になっていたため、天気による選手への影響は大きい。あまり有効的に戦術カードを使っているプレーヤーを見かけなかったが、勝つためには重要なシステムだと感じられた。

 ピッチャー、バッターの両者が同じタイミングでカードを使用した場合は、どちらか片方の効果だけが発動する。カードの勝敗はじゃんけんで行なわれ、カードの左上のグー、チョキ、パーの3種類のマークにより決定される。

 あいこの場合は、なぜか片方だけ使用されていた。どういう条件で決まるのかは判別できなかったが、韓国版の「魔球魔球」によると、カード自体に3段階の強さが決められているそうで、強弱によりどちらか一方のみ使用され、両方の強さが互角ならば両カードとも使用できないという。

 魔球は、ノーストライクや1ストライク時にはあまり使われず、2ストライク目に魔球を使用してバッターを打ちとる、という使い方が多い。そのため、相手ピッチャーが魔球を投げる瞬間もわかりやすい。そういった場合は魔打カードをぶつけ、魔球を阻止して逆にホームランを打つといった相手の裏をかいたプレイも可能で、体中にビリビリと刺激が走るような快感が味わえる。

【スクリーンショット】
魔球には様々な種類があり、演出も魔球毎に異なっている
バッターも「魔打」を使用してピッチャーを脅かす。派手な演出はないが、1打が非常に強力
魔打を使用し、ピッチャーの配球位置に狙いを定めてホームラン。ミラクルカードでホームランも容易に打てる




■ 実際の野球のようなリアルなチームプレイが体感できる「チームバトル」

 本作には野球ゲームとしては異色の最大3対3の6人で戦う「チームバトル」が用意されている。守備を分担して守るわけではなく、1イニング毎に守備を交代するか、自責点毎に守備を交代するかが選択できる。打撃時は、1打席毎にプレーヤーが入れ替わり、走者には1P、2P、3Pといったようにマークがつけられ、出塁したプレーヤーが操作する。

 前のプレーヤーが出塁している場合、次のプレーヤーはヒットを狙ったり、進塁させるためにバントをしたりするのだが、緊張しているためタイミングが上手く合わず、ダブルプレイになってしまう場面を多々見かけた。しかし、その後のチャットでの「どんまい」などの暖かい掛け声がかけられたりする。通常の野球ゲームの大半は個人戦のため、実際の野球のようにはチームプレイを感じる瞬間はほとんどないが、「ナイスピッチング」、「ナイスバッティング」などの掛け声がかかることも多く、楽しくプレイできた。

 今回のCβTでは、「ミスターKのドキ★ドキテスター100人斬り」というイベントが開催された。GMの“ミスターK”がプレーヤーと対戦し、24日から28日までの間に100勝達成を目指した。初日と2日目はシングルバトルで行なわれ、26日以降はGM“トンネルマン”と2人のタッグによるチームバトル、最終日となった28日にはGM“ミスターY”を加えた3対3のチームバトルが行なわれた。

 やはりGM達もチームバトルが面白かったようで、最終日にはプレーヤー達よりもチャットでの発言数が多かった。GM曰く「夜だからハイテンションなんです」、「チャットは楽しいです」などと発言してはいたが、仕事としてプレイしていたGM達も楽しんでいるのがわかり、プレーヤーも1投1打、ワイワイ騒ぎながらプレイしていた。

 イベントは結果的に、61勝56敗ということで100勝達成には至らなかったため、後日“とんでもないこと”が発表されるという。興味のある方は公式サイトをチェックしておくといいだろう。

【スクリーンショット】
イベント最終日のGMとの熱い戦い。会話も盛り上がり、白熱した戦いが繰り広げられていた




■ 現役選手の過去10年間分のデータも収録。豊富な選手で全盛期のチーム編成も可能

ノーマルカードの川崎宗則
スペシャルカードの川崎宗則。能力が軒並み向上している
 本作は、社団法人日本野球機構承認、NPBBISプロ野球公式記録使用のライセンスを取得しているため、プロ野球12球団に在籍する選手の実名や、実際の試合データ(打率等)が使用されている。選手はカードになっており、実名と能力が記されている。試合で使用することで打数、打率などの15項目に及ぶ詳細な成績がカードに記録されていく。

 ゲーム開始時にプロ野球チームを選択すると「Basic選手カード」が入手できる。これらのカードはトレードや削除はできず、能力も平均的なカードとなっている。プレーヤーはそれらの選手に加え、試合することで得られるゲーム内通貨「エニー」を使用して新たな選手を補強していく。購入したカードには「ノーマル」、「スペシャル」、「レア」、「エリート」の4種類のランクがあり、ランクにより同じ選手でも性能が異なっている。

 ノーマルは、平均能力値が65以下の選手。スペシャルは、平均能力値が65以上の選手。レアは、平均能力値が75以上の選手。エリートは、ポジションで最高の能力値を持っている選手だという。例えば、Basic選手カードの川崎宗則はパワー60、ミート71、スピード69、スローイング73、守備力73となっているが、スペシャルカードの川崎宗則はパワー63、ミート77、スピード73、スローイング79、守備力75で、全ての能力が向上している。入手確率は低いが、最もレアリティの高いエリートカードだけで最強のチーム編成もできる。

 さらに、現役選手の過去10年間分のデータ収録されており、全盛期に優勝したプロ野球選手を集めてチーム編成もできるし、ホームランバッターを揃えたドリームチームも編成できる。また、今季のプロ野球シーズン終了後には、2008年のデータを反映させた選手カードがゲーム内に登場するという。これらの豊富な選手から好きなカードを集め、自分なりのチームを編成する楽しみも味わえるのだ。

 ただ、選手のデータは調整段階とのことで、右打ちのバッターが左打ちだったり、選手の能力が再現されていない点もあった。これらについてはCβT参加者からアンケートを募集し、今後の開発に活かしていくという。 

【スクリーンショット】
トレードには色々な選手が登録されていた、画像右はCβT最終日までに揃えた筆者のチーム




 今後は、最大30人で争える「ホームラン競争」、常に2アウト、2ストライク、3ボールから始まる「フルカウントモード」などの実装も予定されており、「シングルプレイモード」も含め、7種類のモードが楽しめるという。CβTということで未実装の要素も多かったが、魔球を使用したチームバトルだけでも1つの作品と呼べる仕上がり具合だと感じた。これだけでも十分遊べるうえ、さらに未実装要素を追加することで、ボリュームもかなりのものになりそうだ。

 オンラインゲームということで、対戦相手によっては多少の回線によるラグを感じることはあったが、大半の試合はスムーズに気持ちよくプレイできた。バッターとピッチャーの心理戦がリアルに表現されていた事に関心させられ、ピッチャーで緻密な配球を組み立てていく攻防も面白かった。スポーツゲームをお探しのプレーヤーには是非とも「魔球魔球」をプレイしてもらいたいと思う。

(C)CJ Internet Corp. All rights reserved. Published By Gamepot Inc.
(社)日本野球機構承認 NPB BIS プロ野球公式記録使用



【必須環境】(クローズドβテスト時)
  • OS:Windows XP/Vista
  • CPU:Pentium III 1.4GHz以上(VistaはPentium 4以上)
  • メインメモリ:512MB以上(Vistaは1GB以上)
  • ビデオカード:NVIDIA GeForce3 Ti以上(VistaはGeForce 5600以上)
  • HDD:1GB以上の空き容量
  • DirectX:DirectX 9.0以上(VistaはDirectX 10以上)


□ゲームポットのホームページ
http://www.gamepot.co.jp/
□「魔球魔球」のページ
http://www.m9m9.jp/
□関連情報
【7月15日】ゲームポット、WIN「魔球魔球」
クローズドβテストを7月24日より実施
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080715/makyu.htm
【4月30日】CJ Internet/ゲームポット、「魔球魔球」の日本展開を発表
1984年から2007年の実在選手たちが登場する超能力野球ゲーム!!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080430/korea_28.htm
【4月23日】ゲームポット、韓国・台湾で人気のオンライン野球ゲーム
WIN「魔球魔球」の日本国内での独占配信権を取得
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080423/makyu.htm

(2008年8月5日)

[Reported by 日高文典]



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