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【連載第28回】韓国最新オンラインゲームレポート

CJ Internet/ゲームポット、「魔球魔球」の日本展開を発表
1984年から2007年の実在選手たちが登場する超能力野球ゲーム!!

4月23日発表



 韓国CJ Internetは、子会社Aniparkが開発し、自社のゲームポータルサイトNetmarbleでサービスしているオンライン野球ゲーム「魔球魔球」の日本展開について、4月23日、ゲームポットとのパブリッシング契約が締結されたことを明らかにした。

4月23日、CJ Internetとゲームポットの「魔球魔球」日本サービス契約が行なわれた。写真は左からゲームポット代表取締役社長植田修平氏、Anipark代表取締役社長キム・ホンギュ氏、CJ Internet代表取締役社長ジョン・ヨンジョン氏
 「魔球魔球」は韓国の実在のプロ野球選手たちが2Dの2頭身キャラクタで登場するカジュアルなオンライン野球ゲームだ。マルチプレイでは最大6人のチーム戦が可能で、インターフェイスはキーボードのみ使用する。

 プロ野球選手たちが「魔球」や「魔打」と呼ばれるSFチックでド派手な投球や打撃の応酬を繰り広げるのが本作の最大特徴だ。現在の韓国のサービスでは、韓国プロ野球リーグKBOの1984年から2007年までの各年度で登録された選手達のほか、アメリカ大リーグの各チームの選手を使用することができる。

 韓国では2006年6月から正式サービスが展開されて、ビジネスモデルはアイテム課金だ。非公式資料だが、韓国では同時接続25,000人以上、月間売り上げ30億ウォンを超える好調なタイトルだ。台湾でも既にサービスインしており、間もなくアメリカでも展開するという。

 日本展開に際してゲームポットは、社団法人日本野球機構承認、NPB BIS プロ野球公式記録使用のライセンスを獲得し、日本のプロ野球12球団に在籍する選手たちが使用可能になるという。サービス日程やビジネスモデルなど、具体的な展開方法についてはこれから決めていくとしている。本稿では韓国語版「魔球魔球」をベースに、本作の内容を簡単にご紹介したい。


■ 1984年から2007年までの往年~現役の選手たちが登場。好きな選手カードを集めチームを作ろう!

ゲーム内では2Dのコミカルな2頭身の選手たちが登場する。コナミ「パワフルプロ野球」シリーズを彷彿とさせるキャラクタデザインで、体系や顔立ちなどが思いっきりデフォルメされている
 「魔球魔球」は、選手やアクセサリーなどプレーヤーの持つすべてのアイテムがカードに置き換えられている。カードゲームでデッキを作るような感覚でチームを編成できるほか、ユーザー間で取り引きすることができる。登場する選手カードの数は16,000枚以上と膨大なバリエーションが用意されている。

 ゲームを始める際にプレーヤーはチームとチーム名を選択する。チームは韓国のKBOで登場する8カ所の球団とアメリカMLBのアメリカンリーグとナショナルリーグで登場する30カ所の球団があり、作成時に各球団の1軍選手で構成された基本的な選手カード25枚が提供される。プレーヤーはこの25枚をベースにゲームをプレイし、試合ごとに獲得できるゲームマネー「ガニー」をショップで使用することでカードを集め、チームや戦術を組み立てていく。

 選手カードはショップのカードパックやユーザー間の取り引きで入手することが可能だ。ショップで買えるカードパックは3人、10人、30人といった単位でセットが用意され、その人数分の選手カードをランダムで獲得することができる。

 選手カードは選手の能力値によって「エリート」、「レア」、「スペシャル」、「ノーマル」の順に等級がつけられており、能力値の高い選手カードほど入手し難い。取り引きでも等級によって値段の差がハッキリしており、「エリート」クラスのカードは非常にレアなものとなっている。

 登場する選手は1984年から2007年まで登場したKBOの選手全員と2007年のMLBの選手全員が登場する。韓国球界に在籍した選手の場合、同じ選手でも年代によって能力値が異なっており、好きな年代当時の選手をプレイすることができる。

 プレイ可能な選手層は、現役選手に留まらず、幅広い年代の選手をカバーしたことで、野球ファンには顔なじみの選手のオンパレードだ。日本でも知名度が高い選手だと、今はサムスンの監督である旧中日ドラゴンズのソン・ドンヨル投手や読売ジャイアンツのイ・スンヨプ選手の“韓国時代の選手カード”を得ることが可能だ。

 ポイントなのは、同じ年代の同じ選手カードでも、レアリティによって複数の種類が存在するところだ。つまり、2007年のボストンレッドソックスの松坂選手のカードでも「ノーマル」カードのほかに、それより能力値の高い「スペシャル」カードもあると言うことだ。作成時に提供される基本的な選手カードは1軍と言っても「ノーマル」カードのみ提供されるため、一軍スタメンを揃えてもそれほど精強なチームではないわけだ。

 CJ Internetによると日本展開に際してはプロ野球12球団の日本選手の使用が可能になるという。実装される年代や選手や球団など現状のところすべて未定だが、日本でも同様のプレイが実現できるとすると、幅広いユーザーに向けて強くアピールできそうだ。

カードパックは選手のポジションごと分かれて購入することも可能だ。狙いの選手を獲得する確率が上がるだろう 取り引きはマーケット方式のみサポートする。さらに取り引きが可能なのは選手カードのみだ

ゲーム開始時にベースとなるカードが用意され、選手カードを集めながら自分のチームを作っていくことになる

選手カードによってはレベルアップさせることも可能だ。レベルアップすると能力値が上がる。この他、天気によって能力値が変化し、晴れのときに強い選手と雨のとき強い選手などが存在する ホームページでは自分で仮想のチームを作成する機能もある


■ 実在する選手たちが魔球を投げる?! バラエティ豊かなゲームプレイ

スペルカードは1つしか発動されない。さらに対戦相手の使用可能なスペルカードはお互いに見えるため、相手の戦略を読み取ることも重要だ
 さて、「魔球魔球」では、実際の試合でもカードを使う展開になる。まず、試合前にあらかじめ「スペルカード」という特殊効果を備えたカードを20枚ほどセットしておき、試合中に適宜使用することができる。スペルカードによって魔球を投げたり、魔打でのバッティングが可能だ。スペルカードは「魔」カード、「技」カード、「戦」カードという3つでわかれており、いずれもバッター側の攻撃用とピッチャー側の守備用が用意されている。

 「魔」カードは魔球や魔打など、実際ではあり得ないような特殊投球や打撃のできるカードだ。5つに見えるボールを投げる「イリュージョン」、時速170キロの超高速球を投げる「キャノンショット」、攻撃側では打球の角度を45度に固定してバッティングすることができる「ホークショットマスター」などのカードが用意されている。

 「技」カードは能力値を上昇してくれる効果があるカードだ。バッターのパワーを一時増加させたり、ピッチャーの制球力を一時増加させたりすることができる。最後に「戦」カードは状況を変えるカードだ。登板したピッチャーのもっとも得意な天気に変えることができたり、風の向きや速度を変えたりすることができる。これらのスペルカードは1度限りの消費アイテムとなっているが、1イニングごとに数枚ずつランダムでカードが追加される。

 なお、スペルカードは、両プレーヤーのものが同時に発動されることはない。同時に使用された場合は「魔」は「戦」に勝ち、「戦」は「技」に勝ち、「技」は「魔」に勝つ三すくみの関係でいずれか一方のカードの効果のみが発動する。同じ種類が被ってしまった場合は、カードの強さ(上、中、下の3段階)によって決まり、それも同じになった場合は不発の状態でお互いがカードを消耗する。

 「魔球魔球」はトレーディングカードゲームのようなシステムをうまく絡ませることで、魔球や魔打の使用にも戦略性を持たせることに成功しており、本作のゲーム面での盛り上がりに大きく寄与しているといえるだろう。マリナーズのイチロー選手やヤンキースの松井選手は韓国サーバーで既に実装されており、彼らに魔打を打ちまくらせるなどバラエティに富んだプレイが期待できる。

派手なエフェクトで魔球が炸裂!!

魔打でホームランを狙おう!!

手持ちのスペルカードは常に見えているというところがポイント。そこで生まれる駆け引きもおもしろい


■ キーボードでプレイするシンプルなインターフェイス。ゲームパットの使用が日本市場参入へのカギか?

 本作はキーボードのみでプレイすることができる。カーソルキーとQ、W、E、R、A、S、D、Fなどのキーを主に使用し、バッター、ピッチャー、守備などによってそれぞれ使用するキーが異なる。

 バッターの場合はA、S、D、F、Wを使用する。Aはアッパースイング、Sはレベルスイング、Dはダウンスイング、Fはバントとなっており、狙いの打法で打つことができる。Wはパワーショットで、使用するとヒット範囲は狭くなるがより強いヒットをすることができる。

 本作のバッティングでは、ボールの狙いを定めるところはあまり重要ではなく、カーソルキーで打撃範囲を大まかに決めてタイミングだけ合わせれば比較的簡単に打ち返すことができる。とてもシンプルな操作でバッティングできる反面、状況に合った打ち方が必要とされる。

 ピッチャーはカーソルキーで投球位置と球種によって分けられたW、E、R、A、S、D、F、Z、Cキーを押し続けることによって、球種とスピード決めて投げることができる。スライダー、直球、カーブ、ドロップ、フォークボールなどの球種があり、投げるたびに段々とピッチャーは疲れて球威が落ちていく。ある程度ボールを投げたら交代させるのがセオリーだ。

 守備の場合はカーソルキーで移動、Qで操作ターゲットの変更、Wでダッシュ、Aはスライディングで、キャッチしてからは→は1塁、↑は2塁、←は3塁、↓は本塁で方向を決め、Sで送球することができる。

 一見、使用するキーこそ多く感じられるものの、各状況によって比較的シンプルに使い分けることができる。韓国のサービスではキーの変更は不可能で、ゲームパットも非対応だ。日本展開の際に改善されるかは不明だが、ゲームパットを使用するユーザーの多い日本において、そうした配慮は必要になるだろう。

カーソルキーで9つの打撃範囲を選択できる。狙いを上手く読み取ることで、ボール球でもホームランに繋げることができる

ピッチャーが疲れてくるとスピードパラメータが少なくなっていく。バーが赤い部分に入ってしまうと制球が乱れてしまう


■ 正面勝負モード、ホームランレースモードなど7つのゲームモードを実装し、3対3のチームプレイも可能

ゲームを終了する報酬としてカードとガニーが貰える。獲得できるカードはどれも一般的なものだ。「エリート」などの高級カードはカードパックかユーザー同士の取引でしか入手できない
シングルプレイモードではレベルごとにリーグが用意されている。低い難易度ほど古い年代の球団が相手となる
 本作は一般モード、スペルモード、ノースペルモード、正面勝負モード、フルカウントモード、ホームランレースモード、シングルプレイモードと7つが用意されている。各モードの仕様は下記の通りである。

・一般モード
基本となるゲームモードであり、購入したスペルカードをセットして試合を行なうモード。予めセットしておいたスペルカードは、各回ごとランダムに1枚ずつ、最大4つまで使用できるようにセットしたスペルカードが追加される。

・スペルモード
購入したアイテムの使用するのではなく、イニングごとに4枚のスペルカードがランダムに提供されて試合を行なうモード。

・ノースペルモード
スペルカードが一切使用できないオーソドックスな野球ゲームを楽しめるモード。

・正面勝負モード
ピッチャーは球種の選択はできるが、ストライクゾーン内のみに投げることができるモード。初心者用のモードでもある。

・フルカウントモード
このモードでは毎回2ストライク3ボールの状態で、ピッチャーの体力が消耗しない。早い展開が目的でのモードである。

・ホームランレースモード
バッターのみのプレイでホームランの数を競い合うモード。30人同時プレイが可能だ。

・シングルプレイモード
コンピュータと試合するモードで、基本ルールはノースペルモード。入門レベル、草野球レベル、アマチュアレベル、プロ2軍、プロレベル、オールスターレベル、エリートレベルと難易度が分かれており、それぞれミニリーグを楽しむことができる。

 ゲーム設定では3イニング、6イニング、9イニングなど試合の回数も決めることができる。シングルプレイモードを除くオンラインモードは、1対1の対戦だけでなく、2対2、3対3のチーム戦も可能だ。本作のチーム戦の場合、3人がそれぞれ自分のチームの9人のメンバーを出して、打者が変わるたびに交代交代で自分のチームの打順の選手でプレイする。つまり最初のバッターはプレーヤー1、次のバッターはプレーヤー2、次はプレーヤー3、3番バッターが出塁するとプレーヤー1の4番バッターと続く。バッターが交代するたびプレーヤーも交代するわけだ。投手の場合は、相手チームに点数されると交代となる。次々に選手のユニフォームが変化するためオールスター戦のようで面白い。

 「魔球魔球」は本格的な野球のデータを使用しながら、魔球などSF要素も入れたバラエティ豊かなオンライン野球ゲームだ。筆者の楽しみは昔の野球選手を自分の球団に入れてドリームチームを作ることで、この楽しさが日本でも引き継がれるかどうかに注目したい。ゲームポットからの新情報の発表に期待したいところだ。

(C) CJ Internet, Corp. All Rights Reserved.

□CJ Internetのホームページ(韓国語)
http://www.cjinternet.com/
□「魔球魔球」のホームページ(韓国語)
http://ma9.netmarble.net/

(2008年4月30日)

[Reported by Dong Soo “Luie” Han / 三浦尋一]



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