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【貯金伝説 バンククエスト】
価格:3,990円
「バンククエスト」はゲーム付き貯金箱なのだが、最大の特徴は“貯金”と“ゲーム”がシステム的に繋がっているという 点。収録されているゲームは100階の塔を登っていくオーソドックスなRPGなのだが、ゲームの中でモンスターを倒してもお金を落とす事はない。ではどうやって武器や防具、アイテムを揃えていくのかというと、プレーヤーが貯金したお金がカウントされ、そのお金を使って買い物をして装備を固めていくこととなる。 小さな液晶しかないRPGと高を括るとクリアすることはできないかもしれない。前述の通りステージは100階まであり、登場モンスターは200種類、武器・防具を含めたアイテム数は180種類にも登る。液晶はモノクロであるため、コンシューマRPGでよくある色違いのキャラクタを作ることはできない。ある意味ファミコン以上の制約の下、制作されていると言える。そんな中、登場モンスターは機械系、スライム系などいくつかの属性に分けられ、グラフィックス的にも描き分けられているという。 ゲームの流れとしては、塔の1階からスタートし最上階の100階を目指す。各階にはモンスターがおり、プレーヤーは魔物を捜すコマンドを実行しみつかればバトルに発展。各階に設定された規定の数のモンスターを倒すとひとつ上の階に進むことができる。さらに10階ごとにボスモンスターが登場。これらのボスモンスターにはそれぞれ5種類の属性の中のいずれかが設定されており、たとえば「斧系の武器が有利である」といった攻略要素も用意されている。 こういった攻略要素も用意されている意外に本格的なRPGに仕上げられているのだが、きちんとヒントをくれるキャラクタもいる。塔の外にある町の酒場には綺麗な (ドット絵の) お姉さんがいて「いらっしゃい (ハートマーク) ぼうや」とプレーヤーを向かい入れ、情報を売ってくれる……そう、もちろんこの情報もプレーヤーが貯金したお金で買うことになるわけだ。 お助けアイテムも潤沢に用意されており、たとえば10階を一気に飛ばして上の階に連れて行ってくれる気球や、無傷で麓の町まで戻してくれるアイテムなども存在する。魔法は使うことはできないが、アイテムの中に「奥義の書」が用意されていて、これが強力なアイテムでボス戦などで重宝することになりそうだ。最も高い武器のお値段は残念ながら教えてもらえなかったが、武器や防具はゲームを進めるごとに高価で優秀な武器が町の商店に列ぶようになるので、順番に購入して装備し徐々に育てていくことができる。 いくら本格的なRPGといえども、貯金箱についているゲーム。付きっきりでプレイするわけにも行かない。そういった人のためにオートバトル機能も付いている。この機能を使えば、一定時間ごとに勇者が勝手にモンスターを捜し、バトルに突入すれば戦ってくれる。もちろん複雑なことはできないので、ただ戦うだけでアイテムなどを使った高度なゲームプレイは望めないし、いつの間にか負けてしまい町に戻されてしまうこともあるだろう。ちなみに負ければ、勇者は気絶してしまい塔から追い出され外の町に戻されてしまう。ペナルティとしては経験値が減ってしまう。 かなりバランス調整が行なわれており、100円、200円しか貯金しなくても経験値を目一杯上げればクリアすることは可能だという。同製品を担当する大沢孝氏は「時間のない大人の人は貯金をして金満プレイに徹してもらえれば」とアドバイス。ちなみにお金を貯金せずにやりっぱなしであれば10時間ほどでクリアできるという。 読者の方はひとつ疑問をお持ちのことだろう。「途中でお金を出してしまうとどうなるのか?」という点だ。「貯金伝説 バンククエスト」ではお金を引き出した時点でゲームにリセットがかかる仕組みになっている。タカラトミーの高橋氏はこの仕様を指し「ゲームの最大の敵は、最上階にいる最後のボスである“大魔王ワルダラー”ではなく“弱い自分の心”なんです」と語り記者陣の笑いを誘った。 「バンククエスト」を制作するに至った経緯を大沢氏に伺ったところ「我々は全員『ドラゴンクエスト』世代であり、いつか男の子向けの商品を開発したいと考えてました。そんな中、『モンスターを倒したとき、なぜお金を落としていくんだ?』といった話題が出た。もしお金が手に入らなければどうすれば良いんだろう……と考えていくうちにこの企画に結びついた」と明かしてくれた。 同氏によれば「少ないお金でどこまで進めるかが腕の見せ所」だという。階数と金額がわかるパスワードがどこでも表示できるなど、少ない金額で最上階を目指すのがこのゲームの醍醐味となっている。そのためのやり込み要素は用意されており、1度クリアすると終了ではなく、長く繰り返してチャレンジできるゲームに仕上げられている。 秋葉原にあるメイドカフェ・メイド喫茶「ミアカフェ」とタイアップが予定されており、8月7日から10日までイベントが予定されている。この期間に同店を訪れると「お帰りなさいませ! 勇者様」と言ってもらえるとか。このほかにも量販店店頭などでイベントなどが行なわれる予定だという。
「リアルなマネーでバーチャルな武器を買う」というここでしか遊べない面白いアイディアのゲームと言えるだろう。ぜひとも注目していただきたい。
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□タカラトミーのホームページ (2008年8月4日) [Reported by 船津稔]
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