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会場:Shanghai New International Expo Center
入場料:50元(約800円)
また、7月18日には、中国のパブリッシャーICE Entertainmentとの間で「三國志 Online」に関するパブリッシング契約が発表され、中栄巡遊からサービス中の「大航海時代 Online」と合わせて、コーエーの中国展開タイトルは3タイトルとなり、残すは「信長の野望 Online」のみとなる。
この日は、コーエーのオンラインゲーム開発/運営部門を代表して「真・三國無双 Online」開発プロデューサーの藤重和博氏と「大航海時代 Online」運営プロデューサー渥美貴史氏に中国展開の抱負についてお話を伺った。 ■ 中国では早くも6サーバーが稼働。ワールド別に異なるストーリーが展開
藤重和博氏: 天希さんのブースでは全体を使って「真・三國無双 Online」を打ち出し、まるでコーエーブースのような扱いをしていただけました。お客さんの反応も良く、いろいろな意見をいただけました。 編: 天希さんがパブリッシャーとなった決め手はなんでしたか。 藤重氏: 数多くのパブリッシャーから声をかけていただいたのですが、最終的には元々弊社のコンテンツに非常に愛情を注いでいただいて、大ファンでいてくださった方々だったというのが決め手になりました。「真・三國無双」シリーズや「三國志」シリーズのこともお詳しいですし、弊社に対してものすごくリスペクトして頂いています。プロジェクトを成功させる上で重要なことだと思いました。 編: 「真・三國無双 Online」のサービススケジュールは現在どのようになっているのでしょうか。 藤重氏: 5月6日より中国では正式サービスが行なわれています。 編: 現在何人くらいのユーザーさんが遊んでいらっしゃるのでしょうか。 藤重氏:: 正確な数字は申し上げられないのですが、過去に弊社が出したタイトルの中ではナンバーワンです。さすが中国だなという数字です。抽象的なたとえですが日本で普段我々が思っている感覚より0が1個多いですね。 編: 「真・三國無双 Online」が「真・三國無双BB」としてサービスされていた時にユーザーさんが多くなればシナリオをいくつか平行させようという話がありました。今回中国でびっくりするような人数の方がプレイされているということで、どのような展開方法を採用しているのか興味があります。 藤重氏: ここは現地のパブリッシャーである天希さんといろいろ相談しながらやっていきたいです。現在日本では1つですが中国でのワールドは全部で6つあります。ワールドが分けられていますので日本とのごった返し具合がそれほど大きくは変わらないです。地道にワールドに吸収できる人数を着々と増やしているところです。 また、中国ではサーバーの設置地域を分散させていることもあり、地域を越えてのワールド間の移動はできません。同じ地域内にあるワールド同士であれば移動可能です。あるワールドでは呂布が滅び、あるワールドではどこが滅びといったシナリオの展開の違いはどこにでもおきうると思いますし、ぜひそれを楽しんでもらいたいと思います。 編: 日本ではシナリオが終わるのは7、8か月ペースですが、中国ではワールドによってもリセットされるタイミングが異なるのでしょうか。 藤重氏: 異なります。またシナリオが切り替わるタイミングもばらばらです。ばらばらでシナリオが平行していくのは経験がないだけに面白そうです。 編: 客単価はいくらくらいなのでしょうか。 藤重氏: 詳しくは申し上げられませんが中国のアイテム課金のラインナップでは平均的な数字だと思います。 編: 国別にバージョンアップを変えていくというお話をされていました。中国での特徴的な要素といえばどういったものがあるでしょうか。 藤重氏: 日本で入れたギルドはサービスインの時から入れています。バージョンアップの優先度は大きいところですが、小さな部分では非常に多くの部分で違いがあります。例えば「演習」で、基本の勝利条件設定は「対決」になっています。 編: 日本ではちょうど「Revolution 2」が実装されましたが、現在の中国のバージョンはどのあたりなのでしょうか? 藤重氏: 正確にはいろいろと入れているものが異なるのですが、幹となる部分は「Revolution 1」の前後に近いです。中国で良いものを先に入れて反応がよければ日本のお客さんに還元する。全てを日本先行にするわけではなく、各地での優先順位に従ってコンテンツを実装する。流れはそういう風に考えています。順番をうまく入れ替えて適応していきたいです。 編: 中国で採用しているシナリオは何ですか? 藤重氏: 現在「飛将呂布」が進行しています。しかしこれが終わったからといって必ずしも「官渡の戦い」を持ってくる必要はないかなと思っています。「統一」のルールは変わっていないのですが、次回はパートナーである天希さんと話しながら変えていこうと思います。 編: 中国でも武器の追加はやはり大きなアップデートが節目になるのでしょうか。 藤重氏: 武器はすごく大事な要素なのでそうしたタイミングで出していきます。天希さんからもこうしたタイミングで出してほしいという要望はあります。今は「Revolution 2」や「Revolution 1」といったパッケージの中身を完全に同じものという固め方ではなくて地域ごとに変えていこうとしています。マイルストーンのあるコンテンツの中で日本が先のものと中国が先のものという形でフレキシブルに対応したいです。 編: 中国と日本で、武器の好みに違いは見られますか? 藤重氏: 対人だったらこれ、拠点を使ったらこれ、といった変化はありますが、遊んでいく中でそれほど変化があるとは感じないです。実際に中国のネットカフェから「真・三國無双Online」を遊んでみましたが、街の中でシャウトが非常に多かったです。「3人特務いきませんかー」、「義を稼ぐのに一緒に激突回りませんかー」といった呼びかけが非常に多いです。コミュニケーションに積極的なユーザーさんが多いと伺っていましたが実際多かったです。 編: 「真・三國無双5」では馬でジャンプしたり水面を泳ぐといった要素が導入されていますが、「真・三國無双 Online」の“Revolution”では革新的なものをどういった要素に見出していくのでしょうか。 藤重氏: 用語の定義の問題だと思います。「真・三國無双5」の場合は4から5になってタイトルそのものが変わっています。もし、今後「真・三國無双Online 2」というものを作るとするならばそうした変化は必要だと思います。拡張パックを作るとするならばお客さんに変化を感じていただけるものを作りたいですね。 渥美氏: オンラインゲームの作り手、運営サイドとしてオンラインゲームユーザーさんは意外と保守的な面も持っているとは感じます。大きな変更をしすぎてしまうと受け入れられないということも出てきてしまいます。
藤重氏: 馬でジャンプしたり、がけをよじ登るといったゲーム性が大きく変わるようなことをいつものアップデートの中で入れたときに良い反応が出るかもしれませんが、ものすごく拒絶反応が出るかもしれない。タイミングが本当に重要だと思います。
■ 「三國志 Online」は中国展開が決定! 海外のニーズを積極的に取り込む
渥美氏: 次は「三國志 Online」です。本日ICE Entertainmentさんとパブリッシング契約を締結した旨を発表させていただきました。私が今回中国に来た目的も、ChinaJoyを視察することに加え、今後の「三國志 Online」の展開について話し合うということもその1つでした。具体的な時期はお伝えすることができないのですがようやく「三國志 Online」の中国展開が始動いたしました。 編: サービス時期は未定とのことですが中国でサービスする上でのローカライズやカルチャライズの作業については進んでいるのでしょうか。 渥美氏: 具体的に着手しています。ご存知のように中国では版号申請が必要です。そちらに向けた準備が8、9割方終わっているという状況です。版号申請は正式なパートナーが決まってからでないと申請することができません。今後についてはお話できる時期が来ましたらさせていただきます。 編: ICE Entertainmentさんからは「三國志 Online」に対する要望などは来ていないのでしょうか。 渥美氏: いろいろあります。馬に乗りたいといったこともありましたし、変わったところではその場でジャンプしたいといったものもありました。細かいことから大きなことまでありますね。日本のバージョンでサービスインした当初と比べて戦闘テンポにあたる部分についてはブラッシュアップしてほしいという要望を受けていますので現在検証を行なっている最中です。 これらは確かにICE Entertainmentさんからのご意見ではありますが、もたらされた改善点というのは日本のお客様にも有効な改善点と言えます。ですから日本のお客様にも是非期待していてもらいたいです。中国でサービスが行なわれるから日本のサービスがおろそかになるわけではなくてさまざまなメリットがもたらされると思います。 藤重氏: 他のタイトルでもそうですが、海外に展開していくとそれだけお客さんも増えますので、よりたくさんのお客さんからいろいろなニーズを受けることができます。中国展開を果たしたことによって日本のお客様にもいろいろと良いことがあると思います。 編: 「信長の野望 Online」について中国でのサービスは現在どのようになっていますか。 渥美氏: 中国の方でサービスが再開できるような形で鋭意準備している状態でして、準備が出来次第アナウンスができると思います。 編: 中国でのパブリッシャーは? 渥美氏: まだ申し上げられないです。例えばこのバージョンで出すのでローカライズがどう必要になるかなど弊社側の作業は進んでいます。いきなり1週間でサービスできるかといえばいやちょっととなってしまいますが、基本的には問題ない状況です。しかるべきタイミングでお話できると思います。 藤重氏: ユーザーさんもかなり待っていらっしゃいますね。待ち焦がれる方たちの掲示板のようなものがあって、そうしたものを見ますとなるべく早くと考えています。 編: ユーザーさんのデータの引継ぎはどのようになるのでしょうか。 藤重氏: 引継ぎもそうですが引き継げなかった部分に関する対応も含めて準備しているところです。できる限りお客さんに最善の形でやりたいなとは思っています。データも壊れ物なので何かを断言できるということはできないです。
■ 正式サービス中の「大航海時代 Online」は現状9か月遅れでシナリオが進行!!
渥美氏: 昨年11月の段階でパートナーである中栄巡遊さんから1個目の拡張パックの「La Frontera(ラ・フロンテーラ)」から始まる形でサービスが始まっています。チャプター制を採用しておりまして、チャプター 1、2、3とアップデートが行なわれ、先日7月1日に「クルス・デル・スール」が実装されました。 「大航海時代 Online」は今、非常にアクセス数が伸びていまして、「真・三國無双Online」に比べると及ばないのですが、安定的に収益を上げており、ユーザー数を伸ばしています。7月23日に日本では「インカ」という名前で「クルス・デル・スール」の4個目のチャプターが登場しました。現在1チャプターあたり約3カ月ずつのスパンでアップデートされていますので、チャプター1が出た中国とチャプター4が出た日本ということでチャプター3個分にあたる9カ月分くらいのビハインドになっています。「ラ・フロンテーラ」が出たときに比べるとアップデートの間隔はかなり短くなっています。中国のサービスがだんだん追いついてきています。 編: 日中のアップデート差はどのあたりまで縮めるつもりですか? 渥美氏: 他の地域でもそうなのですが大体3か月までは縮められますので、縮めようと思えばそこまで縮めることはできると思います。ただいっぺんに出せば良いというわけではありませんので、お客さんのコンテンツの消費スピードにうまく合わせる形で日本のものとなるべく合うというのが理想です。 編: サービスをされてみて日本のユーザーさんとの遊び方の違いはないでしょうか。 渥美氏: 本質的なところは変わらないです。楽しんでもらうという意味でも似ていると思いますね。勢力では中国の方にはイスパニアが人気です。強い勢力を好まれるユーザーさんが日本と比べると多いのかなと感じています。日本は判官びいき的なところがあります。 編: 「大航海時代 Online」ビジネスモデルを教えてください。 渥美氏: 月額制と時間単位の従量課金です。月額のプランが48元で、その他に30元と15元のプランがあります。価格に関しては一般的なラインです。ユーザー数はパートナーさんがいらっしゃいますので申し上げられないです。 編: 中国市場における抱負とユーザーさんへのメッセージをお願いいたします。 藤重氏: 中国では「真・三國無双 Online」をこれからさらにどう伸ばしていくかということをパートナーさんと協力しながらいろいろと進めていきたいなと思っています。この夏からもプロモーションを考えていらっしゃいますので、それに協力していくというのが私たちのスタンスです。日本の方は「Revolution 2」が実装され、ユーザーさんには受け入れられているという印象を持っています。さらに次の「Revolution 3」につなげていきたいです。「信長の野望 Online」や「大航海時代 Online」、「三國志 Online」に関してもお客さんに喜んでいただけるコンテンツを作っていきますので、ChinaJoyでそうした気持ちを改めて思い直しました。日本に帰っても努力したいです。 渥美氏: 中国市場は「三國志 Online」ですね。これのローンチをいかにスムーズにさせるかというのが1番の目標です。日本のサービスも「三國志 Online」、「大航海時代 Online」、「真・三國無双 Online」、「信長の野望 Online」4タイトルとも鋭意進めていきます。またいろいろ新しい発表が出てくると思いますので期待していてください。 編: ありがとうございました。
□China Digital Entertainment Expoのホームページ (2008年7月23日) [Reported by 三浦尋一]
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