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【連載第164回】ゲームライフに役立つグッズをレポート
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PS3&PSP、最新Verでリモートプレイが快適に
「MGS4」のちょっと面白いヘッドセット活用ほか、PS3用ヘッドセット比較など |
当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。
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PS3のシステムソフトウェア2.36や、PSPのシステムソフトウェア4.00による変化をチェック! リモートプレイでのPS1タイトルプレイに改善がみられたほか、恒例のPS2/USBコントローラコンバータのチェックも行なった。
そのほか、「METAL GEAR SOLID 4」本編での“ヘッドセットを使った遊び”の紹介や、PS3用のヘッドセット「ロジクール バンテージ USB ヘッドセット」と「ロジクール コードレス バンテージ ヘッドセット」の音質等の比較も行なってみた。
● システムソフトウェアVer2.36でのPS2/USBコンバータの動作結果
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PS1規格ソフトの動作が改善! リモートプレイでPS1ソフトやアーカイブスタイトルを遊んでみると、レスポンスが向上していた |
6月18日、PS3のシステムソフトウェアが2.36に、PSPのシステムソフトウェアが4.00となった。PS3においては、PlayStation規格ソフトウェア(PS1)の動作安定性の向上という1点のみとなっていて小規模だ。
それに対してPSPは4.00という大台に乗るアップデート。XMBの[ネットワーク]の項目に[インターネット検索]を追加しており、このメニューは大手検索エンジンのGoogleと直結している。そのほか、ビデオ再生速度の向上、ワンセグ放送録画の字幕表示対応が行なわれている。そちらについては僚誌AV Watchのこちらの記事をご覧頂きたい。
今回研究所でもPS3とPSPの変化をチェックしてみたが、ゲームプレイにおいて大きな変化として、リモートプレイ時にPS1タイトルをプレイするときのレスポンスが大幅に改善されているのが確認できた。
ただ、この変化は研究所員がPS3のシステムを2.36、PSPのシステムを3.95の状態で試しているときには確認されず、その後にPSP側を4.00にアップデートしたことで確認できた。そのため、どちら側の変化なのか、または両方が最新であることが必要なのかは特定できなかった。
リモートプレイの通信設定は各種を試したが、研究所員は普段から反応速度を「+2」、画質設定を「+2(1024kbps)」というカスタム設定で使用していたため、この設定値で主に検証した。プレイに使用したタイトルは、チュンソフト「街」(PS1)や、ゲームアーカイブス版のSNKプレイモア「サムライスピリッツ剣客指南パック」など。PS3本体でのプレイ時にはそれほどはっきりと変化を感じなかったが、リモートプレイを使ってPSPでプレイしてみると大きく改善しているように感じられた。
特に変化がはっきりとしていたのはチュンソフト「街」のプレイ。サウンドノベルタイトルである街はボタンの押下やSE再生のタイミングなどにあわせて文章が表示されていくが、この描画が格段にスムーズになった。また、ボタンのレスポンスもはっきりと体感できるほどに良くなった。例えるなら以前の状態は「おお、遅延やズレはそれなりに気になるけど問題なくプレイできる。嬉しいなぁ」という感想だったものが、今回の変化だと「とても無線通信越しでプレイしているとは思えない!」という具合になった。一段快適さがアップしている。
ちなみにゲームアーカイブスの「サムライスピリッツ剣客指南パック」でもこの変化は感じられた。「街」ほどにははっきりと大きな変化を感じたというものではないが、操作のレスポンスは向上したと思える。操作レスポンスが問われる格闘ゲームジャンルだが、1人で手軽に遊ぶ分にはもう十分と言えるレスポンスになっている。なお、リモートプレイの状態はPS3とPSP間の電波状況や、通信設定によって左右される。その点は考慮いただきたい。
● PS3 システムソフトウェアVer2.36でのPS2/USBコンバータの動作結果
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本連載恒例のPS2/USBコンバータの動作チェック。今回の変化は少なかった |
システムソフトウェア更新時の恒例として、PS2コントローラをPS3で使用できるようにするPS2/USBコンバータ機器も試してみた。PS3用コントローラコンバータグッズからはサイバーガジェット「CYBER・コントローラアダプタ」、ゲームテック「シンプルツナイデント3」と「ツナイデント3」。PC用品からはサンワサプライ「JY-PSUAD1」とエレコム「JC-PS201USV」をテストした。
今回は基本的に大きな変化は確認されていない。基本的には連載第159回で行なったシステムソフトウェア2.35でのテストに沿った結果になっている。はっきりとした変化があったのは、サンワサプライ「JY-PSUAD1」のPS規格ソフトウェアプレイの動作だ。
「JY-PSUAD1」は前回のテストプレイだとデジタル/アナログモードどちらでもプレイできず、動作しないという状態になっていた。これが今回はアナログモードでのみ操作できるようになっていた。
なお、PS2/USBコンバータによるアナログボタンの感度も、前回のテスト同様にPS2ソフト「ブラボーミュージック」のボタン強弱の確認機能で行なった。だがこちらは変化はなかった。前回結果同様に、「CYBER・コントローラアダプタ」と「ツナイデント3」が、1~100%の押し込みをリニアに認識。その他の3製品は50%、80%、100%の3段階で押し込みを認識する。
システムソフトウェア2.36でのPS2/USBコンバータの動作結果は、以下の表のようになった。
・サイバーガジェット「CYBER・コントローラアダプタ」
システムソフトウェアVer2.36における「CYBER・コントローラアダプタ」の動作
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PS3ホームメニュー
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○ アナログモードで動作 |
PS3規格ソフトウェア
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○or△ アナログモードで動作 振動あり |
PS2規格ソフトウェア
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△ アナログモードで動作 振動あり ボタン連打時に遅延あり |
PS規格ソフトウェア
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○ アナログモードで動作 |
○……動作、△……動作すれども何らかの違いがある、×……動作しない
※モード切替ボタンはPSボタンとして動作(モード切替ボタンの動作に遅延あり)
・ゲームテック「シンプルツナイデント3」
システムソフトウェアVer2.36における「シンプルツナイデント3」の動作
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PS3ホームメニュー
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○ デジタル/アナログ両方問題なし |
PS3規格ソフトウェア
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○ デジタル/アナログ両方問題なし 振動なし |
PS2規格ソフトウェア
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○ アナログモードで動作、振動あり |
PS規格ソフトウェア
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○ デジタル/アナログ両方問題なし 振動なし |
○……動作、△……動作すれども何らかの違いがある、×……動作しない
・ゲームテック「ツナイデント3」
システムソフトウェアVer2.35における「ツナイデント3」の動作
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PS3ホームメニュー
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○ デジタル/アナログ両方問題なし |
PS3規格ソフトウェア
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○ アナログモードで動作 振動なし |
PS2規格ソフトウェア
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○ アナログモードで動作 振動なし |
PS規格ソフトウェア
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○ アナログモードで動作 |
○……動作、△……動作すれども何らかの違いがある、×……動作しない
※モード切替ボタンはPSボタンとして動作
・サンワサプライ「JY-PSUAD1」
システムソフトウェアVer2.35における「JY-PSUAD1」の動作
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PS3ホームメニュー
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○ デジタル/アナログ両方問題なし |
PS3規格ソフトウェア
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△ 振動なし、タイトルによっては動作しない |
PS2規格ソフトウェア
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○ アナログモードで動作 振動あり |
PS規格ソフトウェア
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○ アナログモードで動作 |
○……動作、△……動作すれども何らかの違いがある、×……動作しない
・エレコム「JC-PS201USV」
システムソフトウェアVer2.35における「JC-PS201USV」の動作
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PS3ホームメニュー
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○ デジタル/アナログ両方問題なし |
PS3規格ソフトウェア
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△ 振動なし、タイトルによっては動作しない |
PS2規格ソフトウェア
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○ アナログモードで動作 振動あり |
PS規格ソフトウェア
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○ アナログ/デジタル両モードで動作 |
○……動作、△……動作すれども何らかの違いがある、×……動作しない
“PS3システムソフトウェア2.36での各コンバータのアナログボタン感度”
・「CYBER・コントローラアダプタ」:1%~100%までをリニアに認識
・「シンプルツナイデント3」:50%、80%、100%の3段階で認識
・「ツナイデント3」:1%~100%までをリニアに認識
・「JY-PSUAD1」:50%、80%、100%の3段階で認識
・「JC-PS201USV」:50%、80%、100%の3段階で認識
● 「METAL GEAR SOLID 4」の、ヘッドセットを使った遊び
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「METAL GEAR SOLID 4」のオプション画面より。「受信無線の音声出力先」を変更するとヘッドセットからリアルタイム受信の音声が出力されるようになる |
PS3のビッグタイトル、KONAMIの「METAL GEAR SOLID 4」がリリースされた。すでに楽しんでいる方も多いと思うが、今回は「METAL GEAR SOLID 4」のちょっと面白い“ヘッドセット”のギミックを紹介したい。
PS3にヘッドセットを使うといえば、オンラインゲームでのボイスチャットに使うことがほとんどだが、「METAL GEAR SOLID 4」では、本編プレイ中にも、外部出力機器であるヘッドセットを活用できる。オプション画面にある「受信無線の音声出力先」という項目がそれで、プレイ中の無線通信する場面の音声出力を変更できる。
この項目は初期状態では「標準機器」になっていて、主に接続しているテレビのスピーカーから音声が出力される。これを「外部機器(USB/Bluetooth機器)」に変更すると、接続しているヘッドセットの耳元から無線通信の音声が出力されるようになる。
この音声の外部出力はリアルタイム受信の音声だけに限られている。リアルタイム受信とは、スネークを操作している場面のとき、画面の切り替えなしでヒントやアドバイス的な音声が挿入されるものを指す。画面が切り替わってからの無線通信はヘッドセット出力されないのが少し残念なところなのだが、これはかなり臨場感がある。
他のBGMやSEが全てテレビから出力されているなか、ジジっというノイズが聞こえたかと思うと、オタコンの声が自分が耳につけているヘッドセットに聞こえてくる。「METAL GEAR SOLID 4」では「METAL GEAR ONLINE」も遊べるので、そちらでヘッドセットを活用している方は多いと思う。ぜひ「MGS4」でも試してみて欲しい。
“ゲームの音声をUSB/Bluetooth機器に出力できる”という機能そのものにも注目したい。外部接続機器のヘッドセットでボイスチャットができるというのはもう昨今としては常識としても、ゲームデータの音声を出力できるというのはちょっと面白い機能だ。「METAL GEAR SOLID 4」のように通信をするシチュエーションで活用したり、ゲーム中の特別な音や音声だけをヘッドセット出力にまわせたりなど、アイデア次第で面白いギミックになりそうだ。
● ロジクール「バンテージヘッドセット」Bluetooth/USBの2種を比較
・「ロジクール バンテージ USB ヘッドセット」
メーカー:ロジクール
価格:3,980円
接続:USB
必要システム :PLAYSTATION3 システムソフトウエアバージョン1.00以上
本体サイズ:W164mm×D48mm×H175mm
本体重量:99g
・「ロジクール コードレス バンテージ ヘッドセット」
メーカー:ロジクール
価格:9,980円
接続:Bluetooth v2.0 EDR
必要システム :PLAYSTATION3システムソフトウエアバージョン1.60以上
本体サイズ:W200mm×D125mm×H75mm
本体重量:60g
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オーソドックスな形状のUSBヘッドセット。交換用のイヤーパッドが2種類ついている(購入時に装着されているものを含むと3種類) |
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左は「バンテージ USB ヘッドセット」、右は「コードレスバンテージヘッドセット」。「コードレスバンテージヘッドセット」はネックバンドタイプであったりと、単純に有線/無線だけの違いだけではない |
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「バンテージ USB ヘッドセット」のマイクは先端側の2cm弱だけが曲げられる素材になっている。装着時は少し口に近すぎるなと感じた。口の位置より上下にずらすといい感じだ |
今回はヘッドセットの話題が出たおまけとして、ロジクールより発売されているBluetoothタイプの無線ヘッドセット「コードレスバンテージヘッドセット」と、USBタイプの有線ヘッドセット「バンテージ USB ヘッドセット」の2種類を使い比べてみた。
まずBluetooth接続の「コードレスバンテージヘッドセット」だが、こちらはBluetooth v2.0 EDRで通信するワイヤレスであることが最大のポイント。価格は9,980円と割高だが、バッテリーを内蔵し、最大約720分の連続使用が可能。そのバッテリーの充電も付属のACアダプタ以外に、SIXAXISやDUALSHOCK3の充電に使うUSBケーブルで行なえる。こちらは連載第149回で紹介しているので詳しくはそちらをご覧頂きたい。
続いて、USB接続の「ロジクール バンテージ USB ヘッドセット」を見ていこう。こちらは写真のとおり、外観もオーソドックスなUSBタイプの有線ヘッドセットだ。イヤーパッドが交換できるようになっていて、最初から取り付けられているものを含めて、薄手のスポンジ、厚みのあるベルベット、そして合成合皮と3タイプのイヤーパッドを使える。全体的な素材感はやはり「コードレスバンテージヘッドセット」と比べると劣る。
ケーブルの長さは3.22mと非常に長めで、PS3の設置場所にもよるが、大画面TVに対してその近くにPS3を設置していたとして、適切な距離を取るには十分な長さ。マイク部分は根本が300度ほど上方向に回転するようになっており、左右どちらの耳にセットしても使える。また、マイク側の先端2cmあまりが曲げられるようになっているが、通常セットすると口にかなり近い位置になる。息などを拾いすぎないよう、少し口から距離を置くぐらいにするのが良さそうだ。
ちなみに回転機構は無段式で、堅めのフィーリングになっているので、途中で固定することもできなくはない。ただ、この部分の強度はあまり感じられないので、ぐるぐる回したりしていると壊してしまう可能性も感じる。
特別な特徴のないオーソドックスなUSBヘッドセットと考えると、3,980円という価格はPC用製品も含めれば中の上ぐらいの価格かとは思う。交換用イヤーパッドの質がなかなかによいところや、PS3に使うことが保証されている点がポイントだろう。今後のシステムソフトウェアの更新にも安心感のある製品だ。
実際にBluetooth接続の「コードレスバンテージヘッドセット」と、USB接続の「ロジクール バンテージ USB ヘッドセット」の両方の音質を比べてみた。自分の声が聞こえてくる状態にした音声機器設定画面で使い比べてみると、まず「ロジクール バンテージ USB ヘッドセット」のほうが高い音がクリアに聞こえる。それに対して「コードレスバンテージヘッドセット」は低音が重視されているような音で、悪く言うとくぐもった聞こえ方をする。
マイク感度はどちらも「5」で試してみたが、「ロジクール バンテージ USB ヘッドセット」のほうが全体的に感度が高く、一段ボリュームレベルが大きいようだ。自分の声の拾いよう、そして聞こえようのどちらも大きくはっきりと聞こえる。このあたりは本体の機構の違いなのか、BluetoothとUSBの通信方式の違いなのかはわからない。ただしそのぶん、「ロジクール バンテージ USB ヘッドセット」のほうが、より周囲の音を拾いがちだ。近くにあったテーブルを指で軽くトンとするだけでも拾ってくる。
安定性、価格、コストパフォーマンスなどを総合して考えると、やはり「ロジクール バンテージ USB ヘッドセット」のほうが無難な選択ではある。ただ、その差はあまりなく、安価に音質と安定性の高いボイスチャット環境を整えたいならUSB、Bluetooth接続のメリットを活かせるPS3以外の機器を所有していたり、コントローラといっしょにワイヤレスの環境を整えたいという魅力は譲れないなど、自分にとっての魅力を感じるなら「コードレスバンテージヘッドセット」というところだ。
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「バンテージ USB ヘッドセット」は基本的には無難な作りのUSBヘッドセットだが、可動部分も多く、音質もクリアでなかなかのもの。下段の写真は交換用イヤーパッドの装着例。マイクの風防とイヤーパッドは消耗や汚れの激しい部分だけに交換用品が付属しているのは嬉しい。スポンジはまぁ普通だが、合成合皮とベルベットのイヤーパッドは質感もよかった |
当研究所では、みなさんに取り上げてほしいネタなどを随時募集する。ドシドシと編集部までメールを送って下さい (編集部)→ game-watch@impress.co.jp ←
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□プレイステーションのホームページ
http://www.jp.playstation.com/
□ ロジクールのホームページ
http://www.logicool.co.jp/
□コナミデジタルエンタテインメントのホームページ
http://www.konami.co.jp/
□「METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS」のページ
http://www.konami.jp/mgs4/
(2008年6月25日)
[Reported by ゲーム環境向上委員会]
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