★Xbox 360/PCゲームレビュー★
極寒の世界に熱いマルチプレイ
クロスプラットフォーム対戦に対応
「ロスト プラネット コロニーズ」 |
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- ジャンル:アクションシューティング
- 開発元:カプコン
- 発売元:カプコン
- 価格:5,990円(税込)
- プラットフォーム:Xbox 360 / Windows XP / Windows Vista
- 発売日:発売中(Xbox 360:5月29日/PC:6月5日)
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極寒の惑星を舞台に熱戦が描かれるアクションシューティングゲーム「ロスト プラネット エクストリーム コンディション」に続編が登場した。その本作「ロスト プラネット コロニーズ」(以下「コロニーズ」)は、やりこみ要素やマルチプレイゲームの機能を大幅に拡張した1本だ。
初代「ロスト プラネット エクストリーム コンディション」(以下「ロスト プラネット」)は、Xbox 360向けに2006年12月に発売され、最新シェーダー機能を縦横無尽に駆使したグラフィックスと、アクションとFPSを融合させたゲーム性が話題となった作品だ。カプコンの誇るゲームエンジン「MTフレームワーク」によって開発されたタイトルとして、技術、ゲーム性の両面で高く評価され、世界全体でダブルミリオンに迫るヒットを記録した。
最新作「コロニーズ」は、初代「ロスト プラネット」の全ゲーム要素をそのまま引き継ぎつつ、シングルプレイ、マルチプレイ両面で新しいゲーム要素を付け加えた構成を取っており、純粋な続編というよりはパワーアップ版という趣である。Xbox 360版とPC版が1週違いのほぼ同時発売となり、PC版ユーザーの念願であったクロスプラットフォーム対戦もサポート。マルチプレイの楽しみがハードの壁を越えて広がっていく。
■ 初代作の全ゲーム要素を継承し、やりこみ要素を充実。 シングルプレイ向けに「スコアアタック」、「トライアルバトル」の2モードを追加
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「コロニーズ」は前作の全ゲーム要素を継承し、追加ゲームモードでパワーアップした内容になっている |
まずシングルプレイ面のパワーアップについて見てみよう。「コロニーズ」には、初代「ロスト プラネット」の全ゲーム要素が引き継がれており、基本的にメインのゲームモードと位置づけられていたシングル用のストーリーモードがそっくりそのまま入っているほか、基本的なゲームシステムの面においても同じである。このためゲームの基礎的な情報については前作についての弊誌レビュー(Xbox 360版 / PC版)をご覧いただくと良いだろう。
そして「コロニーズ」では、初代「ロスト プラネット」が持っていたゲーム性をさらに楽しむため、新要素を大幅に追加している。まずシングルプレイモードでは、従来の通常プレイモードに加えて、新たに「スコアアタックモード」と「トライアルバトルモード」を搭載。いずれも、ストーリーモードをやり込んだプレーヤー向けのチャレンジを提供する「やりこみ」重視のモードだ。
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スコアアタックでは「コンボ」を繋ぎ、ステージ内で最高得点を目指す |
「スコアアタックモード」では、ストーリーモード全11ミッションからひとつを選び、ミッションクリアまでのスコアをオンラインランキングで競う。このゲームモードでは、ゲーム中にある破壊可能な全てのオブジェクトが得点源となり、間をおかず連続してオブジェクトを破壊した場合は「コンボ」が蓄積されていき、獲得点数が倍々に増えていくという仕組みが導入されている。
このため「スコアアタックモード」で高得点を記録するためには、まずステージの構成を把握した上で、どこに破壊可能なオブジェクトがあるかを知り尽くす必要がある。そして「コンボ」を途切れさせないように、武器の交換やリロードをタイミング良く行ないつつ、計画的に正確なプレイを進めていくわけだ。1個で5点しか入らないオブジェクトでも、コンボが100を超えると数万点の得点源へと変貌する。これをいかに続け、ハイスコアを記録するか。本当にストイックなゲーム性だ。
筆者も挑戦してみたが、これが非常に奥が深い。大型のクリーチャーを相手にするとき、例えばカマキリ型のAK(エイクリッド)は腕の部分がダメージによってちぎれるため、腕2本と本体の破壊で3コンボを得ることが可能だが、精密かつ確実な射撃が必須である。狙いすぎてダメージを受けてよろめいたり、倒れたりすれば、その時点でコンボが途切れてしまうこともあるので、レースゲームのように1秒たりとも気が抜けない。クリアスコアはオンラインランキングに記録され、世界での順位が確認できる。上位陣は凄まじいばかりの得点で、世界の大きさを痛感するばかりだ。
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いかに途切れずに敵を倒し続けるかが難しい。マップ上に多数存在する破壊可能オブジェクトで間をつなぐテクニックも重要だ。そして、トップスコアプレーヤーたちの成績は想像を絶するレベルで、見た瞬間に思わずヘンな笑いが漏れた |
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ボス戦を連続して戦う「トライアルバトルモード」。クリアは当然という腕前から勝負が始まるストイックな内容だ |
もうひとつのシングルプレイ用新ゲームモードは「トライアルバトルモード」。オンラインランキングでスコアを競う点では同じだが、こちらはストーリーモードの個性的なボス戦にフォーカスしたゲームモードだ。これは全5戦で展開されるボス戦の連続で、各戦闘のクリアタイムによって戦闘相手が分岐するツリー状の仕組みで全ボスが登場。
各戦闘をクリアした時点でのプレーヤーのサーマルエナジー(T-ENG)と装備は持ち越されるため、ギリギリで敵を撃破した場合、次のステージでピンチに陥る。死亡すればその時点でゲームオーバーとなり得点が低くなるので、好成績を記録するためには、まず全てのボスを楽勝で倒せるまでのやり込みが必要だ。より短時間で全ボスを攻略するほど得点が高まるため、こちらも一瞬の油断が命取りとなるストイックなゲーム性となっている。
こちらもオンラインランキングが記録されるのだが、やはり世界の壁は高く、筆者の現時点の実力では上位数割に食い込むことすらかなわなかった。いずれのゲームモードでもトップ集団を構成するプレーヤー達は限界を超えたスコアを記録しており、例えばステージ1のスコアアタックでは999,999,999点のカウントストップがズラリ。本作のやりこまれようを実感すると同時に、まだまだ上を目指すぞというやりがいを感じた。
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序盤はサクサクいけるが、難所となるのが第3ステージの「ミドリメ」。ここで数分をロスし、ダメージを大量にもらうと次が大変だ。いかに効率よくボスを撃退していくか、テクニックが問われる |
■ 大幅拡張されたマルチプレイモードは7種類の新ルールが目玉。
クロスプラットフォーム対応でハードの壁を越えた熱戦が展開する。実力の差は出るか?
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Xbox 360もPCも、同じ「LIVE」上でマルチプレイを楽しめる。ゲームルールの大幅追加でさらに楽しめる作品になった |
シングルプレイのやりこみに磨きがかかった「コロニーズ」だが、やはり本作でメインに据えられているのはマルチプレイモードである。マルチプレイモードでは前作の全要素・全ルールに加え、新たに7種類のゲームルールが追加された。「カウンターポスト」、「ポイントサバイバル」、「VSデストロイ」、「エイクリッドエッグ戦」、「カウンターエッグ」、「エイクリッドハンティング」である。
追加ルールの多くがチーム戦に特化している点は昨今のFPSトレンドに対応したものとも言えるが、そこで「ロスト プラネット」ならではの味付けがされている点も見逃せない。まずは新ルールの概要をご紹介しよう。
・カウンターポスト
マップ上に1つだけ存在する「データポスト」の占拠時間を競う。
デフォルトでは合計3分間占拠したチームがラウンド勝利。
・ポイントサバイバル
相手チームメンバーを倒すとポイントを獲得する。
ゲーム終了時点でより多くのポイントを獲得したチームが勝利する。
・VSデストロイ
各チームに1機づつの高性能VSがあり、相手チームのVSを破壊すれば勝利。
VSを担当するプレーヤーは破壊されないことが第1目標。
・エイクリッドエッグ戦
相手陣内にある「AKの卵」を奪い自陣に持ち帰るというCTFライクなルール。
卵を運ぶプレーヤーは動きが遅くなり、攻撃ができないため護衛が必要。
・カウンターエッグ
チーム戦、個人戦両対応。マップ上に1個だけある「卵」の保持時間を競う。
チーム戦では合計3分間保持すればラウンドに勝利できる。
・エイクリッドハンティング
「人間チーム」と「巨大AKチーム」に分かれて「戦力ポイント」を競う。
巨大AKは凄まじい強さだが人数は少なめ。対する人間チームの立ち回りが鍵を握る。
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マップに1個しかない「データポスト」を巡って戦う「カウンターポスト」。戦力が集中して面白い |
新ルールのうち、実際によく遊ばれている人気の種目は「カウンターポスト」、「カウンターエッグ」、「エイクリッドハンティング」の3種で、いずれもチーム戦に特化したゲームルールである。
「カウンターポスト」はマップ上に1個だけ配置された「データポスト」の占拠時間を競い、「カウンターエッグ」では同じく1個だけ存在する「エイクリッドの卵」の保持時間を競う。両方ともキーとなる要素が「マップ中に1個」であるため、戦いが1点に集中し、濃密なチーム対戦を楽しむことができるのが人気の秘密だろう。
そして、前作からのファンが多い「コロニーズ」ではプレーヤーのボイスチャット使用率も高く、充実した連係プレイを楽しめた。「コロニーズ」を評する上では、この「多くのプレーヤーが既に熟練している」という点も考慮する必要があるだろう。前作のリリースからおよそ1年半、プレーヤーのスキルは高く、ゲームルールを理解しており、チームプレイに難なく順応する。だから、追加されたルールを発売直後からハイレベルに楽しめるわけだ。
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チーム戦の基本は連携とタイミングだ。ボイスチャットを使って合図しながらプレイすると一層楽しみが増す。「カウンターエッグ」では卵を持ったプレーヤーをしっかり守ろう |
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ぶっ飛んだルールの「エイクリッドハンティング」。皆でワイワイ楽しみたい |
本作で人気のあるルールのうち、最後の「エイクリッドハンティング」だけは特殊だ。これは大勢の人間チームと少数の巨大AK(エイクリッド)チームが激突するという、ぶっ飛んだゲームルールである。
巨大AKは、ストーリーモードでは大ボスクラスの存在で、移動力、攻撃力ともに人間とは比べものにならないスペックを誇る。これを人間が操作すれば、当然のこと「手強い」程度では済まない、強烈な戦いとなるわけだ。
「エイクリッドハンティング」の巨大AK担当プレーヤーは、当然ながら上手に立ち回れば大量の敵をなぎ倒し、ハイスコアを記録できる。しかし弱点もあり、狭い場所で小回りが効かなかったり、攻撃を繰り出すスピードが遅いため、障害物をうまく使う人間プレーヤーに手こずることもあって、一筋縄ではいかない。さらに巨大AKとして1回でも倒されれば「戦力ポイント」が大きく失われるため、責任重大だ。
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巨大AK相手にどう戦うか、ひとつの答えは地の利を生かすことだ。案外1度も死なずに活躍できることもあるが、弾薬欠乏が頭痛のタネ |
一方、人間チームは「いかにして生き延び続けるか」が重要課題となる。慣れないうちは巨大AKにつっこんでなぎ倒されあっという間にチームが敗北してしまうものだが、近距離戦を避け障害物を使って戦えば、実にいい勝負ができる。インテリジェントに戦いつつも、リスクを冒してグレネードランチャーやロケットランチャーといった強力な武器を獲得し、巨大AKに痛烈な一撃を加えるのがまさに醍醐味。このスリリングさはやってみないとわからないレベルだ。
AKチームが圧倒的有利に見えるこのゲームモードも、実際ふたを開けてみれば人間チームの勝率もまずまずで、ゲームバランスはしっかり取れているのが面白い。ただし、そのためには参加プレーヤーがゲームのルールを理解し、勝利するために必要なことを行なえるということが前提だ。不慣れなプレーヤーが多いと一瞬で勝負が決まる大味な展開になりがちで、不完全燃焼に終わるゲームも少なくない。
だが、「エイクリッドハンティング」の楽しさは、ストイックな勝負というよりも、“巨大なAKを相手に戦う”、“巨大なAKとして戦う”というゲーム性そのものにある。人間側は巨大な敵を相手に縦横無尽に立ち回ってスリルたっぷりのプレイを楽しみ、AK側は一撃で複数の敵をなぎ払うダイナミックなプレイを楽しむ。勝ち負けは別にして、このプロセス自体が楽しく、ついつい繰り返しプレイしてしまう。この理由で、「エイクリッドハンティング」は本当に良いゲームモードだ。
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AK側をやるにしても、人間側をやるにしても、ルール上「戦力ゲージ」を巡る戦いであるということは念頭に置いておこう。人間側がデータポストを起動するとそれだけで戦力ゲージが人間側に傾くため、AKは積極的に阻止行動に出なければならないのだ |
■ ついに実現したマルチプラットフォーム対戦 そこで明らかになる、「ロスト プラネット」ならではの強靱なゲーム性
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LIVE対応となりXbox 360と共通の「実績」も搭載されたPC版。ハードの壁は低いほうがゲームは楽しいはず |
「コロニーズ」のもうひとつの目玉は、まちがいなく、Xbox 360とPC間のクロスプラットフォーム対戦を実現したことだ。Games for Windows - LIVE に対応しクロスプラットフォーム対戦が可能となったタイトルとしては、本作が「Shadowrun」に次ぐ2本目のタイトルであり、本当に貴重な存在である。
ちなみに、前作「ロスト プラネット」では、PC版のオンライン要素はValveのSteamに対応しており、Xbox 360のLIVEとの相互接続は不可能だった。このためPC版ユーザーは対戦機会が非常に限られることとなり、ゲームの魅力を十分に味わえなかった経緯がある。クロスプラットフォーム対戦は、PC版ユーザーにとっては悲願であったと言っていい。
FPS的なゲーム性を持つタイトルがクロスプラットフォーム対戦に対応すると、必ず気になるのが「PC版のアドバンテージ」であろう。本作は3人称視点のゲームであるが、基本のシューティング要素はFPS寄りの操作性であり、実際に、コントローラで操作するよりも、マウスで操作するほうが照準精度・スピードの限界が高まる傾向がある。また、ゲーム仕様のPCではXbox 360より高速なフレームレートで動作するため、一見しての優位は大きい。
全ユーザーにとっての問題は、そのアドバンテージがゲーム性に悪影響を与えるほどのインパクトを持つかどうかといえるだろう。Xbox 360とPC間の対戦に初対応した「Shadowrun」では、ゲームの仕様として強烈なオートエイム(自動照準)機能を導入したり、弾幕を張るタイプの武器や近接攻撃武器の能力を重視するなどの方法で、マウスとコントローラの差をうまく消していた。
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Xbox 360版と比べて、極端に有利になるということはない。ルール理解と立ち回りのテクニックこそが大事だ |
その点は「コロニーズ」でも、ほどほどのオートエイム機能が付いており、照準点近くの対象物であれば正確に狙わなくても弾が命中するしくみがあるため、ある程度は均質化されている。また、それ以上に大きいのが、しゃがみ+ジャンプで発動するドッジング(かわし)の動き、フックを飛ばして高所に飛び移る動きなど、多彩なアクション要素の存在だ。
一般的にFPSの撃ち合いでは、照準の精度とスピードもさることながら、有利な状況を得るための立ち回りが非常に重要である。本作に限ると、上記のように狙って撃つ以外の部分で多くの選択肢があり、いくらでも相手の裏をかける。また本作は武器による攻撃力の差が非常に顕著であり、より強い武器を持つプレーヤーが圧倒的に有利となる。つまり、最後の照準うんぬんよりも、そこに至るまでの戦略戦術が勝負の決定要因として非常に大きいのだ。このため、本作のPC版と360版ユーザーの間で、決定的な差は生まれにくいのである。
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スナイパーライフルはマウスが圧倒的に便利だ。こればかりはプラットフォーム特性として飲み込んでおきたい |
唯一、マウス操作で圧倒的となるのが「スナイパーライフル」だ。こればかりは自動照準がなく、照準点に相手を合わせて撃てばワンショットワンキルが可能なため、コントローラとマウスの差が顕著に出る。PCでそこそこのFPSプレーヤーならスナイパー1本で連続10キルも夢ではない。一方で、沢山の操作キーを使う「VS」搭乗時の戦いでは、明らかにコントローラ側に分がある。片手操作のキーボードでは移動で3本の指が占有されるが、コントローラでは親指だけで移動操作ができ、各ボタンへのアクセスがより効率的だからだ。これは非常に面白い対照をなしていると言えるだろう。
まあ、そういった勝負事についてはどうあれ、PC版ユーザーにとって、Xbox 360ユーザー全体を相手に活気のあるマルチプレイを楽しめるということは非常に嬉しい事実だ。またXbox 360ユーザーにとっても、操作スタイルが異なる手強い敵が出現したという事実は、プレイにひと味加える意味で良い体験となるだろう。
両方のプラットフォームでプレイした筆者は、自分の好みに従ってPCをメインのプラットフォームとしたが、ユーザー各自のプレイ環境に基づいて適切なハードを選択できるというのはクロスプラットフォーム対応タイトルの素晴らしいところである。是非、他のゲームソフトメーカーにも実現してもらいたいと思う。
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筆者が結構お気に入りなのが「VSデストロイ」。相手チームのVSさえ破壊すれば勝ちとなるので、思い切ったプレイに走りやすい。ただしVS役に当たれば責任重大、チームメンバーのためにしぶとく生き残ろう |
■ PC版の強み、Windows VistaにおけるDirectX 10モードを検証
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高品位なグラフィックで楽しめるDirectX 10モードはPC版ならではのメリットだ |
最後に、PC版の強みであるグラフィックス面について触れておきたい。前作「ロスト プラネット」はDirectX 10に対応する数少ない国産タイトルであったし、その直系である「コロニーズ」もこの特徴を受け継いでいる。DirectX 10はまだまだ対応タイトルが少なく、その価値を決める上で本作の存在は大きい。
ちなみに、弊誌で前作のPC版レビューをお届けした際、DirectX 10モード利用時のフレームレートが、DirectX 9モード時に比べて著しく低下してしまうとご報告した。このパフォーマンス問題については、ゲーム側のパッチ導入とグラフィックドライバのバージョンアップの両面で大幅な向上が達成されているため、現時点では全く異なる評価となる。この場で改めてDirectX 9モードとDirectX 10モードにおけるパフォーマンス計測結果を紹介したい。
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PC版はテクスチャ解像度やシャドウなど様々な項目がスケーラブルになっている |
まずXbox 360と、PCのDirectX 9とDirectX 10における映像品質上の違いを簡単にまとめておきたい。PC版共通要素としては、アンビエント・オクルージョン・マッピング(暗部の暗さを強調する環境光遮蔽マップ)がステージ全体に適用されているほか、テクスチャ全般がより高品位なものとなり、画面解像度、フレームレートが可変となっている。さらにDirectX 10モードでは、モーションブラー、ファー(繊毛)の表現が頂点シェーダーを使った最新のものとなり、映像品質がさらに向上している。
このようにレンダリング方式に違いがあるため、DirectX 9モードとDirectX 10モードの単純なパフォーマンス比較は、厳密にはアンフェアである。ただし事実上のプレイ感覚としては両者に大きなクオリティ上の違いはないため、プレーヤーの心理としては「より高速に動作するモードでプレイしたい」というのが正直なところであろう。そこで、今回の計測ではDirectX 9、DirectX 10のそれぞれで、グラフィックオプションがデフォルトの状況と、望みうる最高の品質に設定した状況とでフレームレートを計測した。
テスト環境は、Core 2 Duo E6420(3.3GHz)に、GeForce 8800 GTXが1枚というマシンである。DirectX 9モードの測定はWindows XP上にて、DirectX 10モードの計測はWindows Vista 64bit版にて行なった。また、計測にあたってはインゲームと、本作のメニューから起動できる「パフォーマンステスト」の両方で数値を取得した。解像度はいずれも1,280×720である。
【インゲームのフレームレート】
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DirectX 9 |
DirectX 10 |
標 準 設 定 |
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最 高 設 定 |
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ゲーム内での計測値については画面左上の数値を参照。DirectX 9、DirectX 10の間に大きな差は認められないが、ややDirectX 10のほうが高い。DirectX 10に最適化されたレンダリングパイプラインの効果が見事に出たと言えるかもしれない |
【パフォーマンステスト】
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DirectX 9 |
DirectX 10 |
標 準 設 定 |
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最 高 設 定 |
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前後2エリアで計測が行なわれる「パフォーマンステスト」。画面左下の2行目「AREA1」と「AREA2」が最終平均値である。標準設定と最高設定では10FPS程度の差が見て取れる。またDirectX 10では、DirectX 9に比べ若干数値が下がっているが、シーンにモーションブラーが多く含まれる影響と見られる。DirectX 10で文字テクスチャがくすんで見えるのが気になるが、環境依存など原因は不明 |
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DirectX 10モードではファー表現も綺麗だ。パフォーマンスも良いため、環境が許せば積極的に利用したい |
計測結果はご覧の通り、前回のPC版レビューの時点とは大きく状況が異なる結果となった。DirectX 10モードのパフォーマンスは大幅に向上し、インゲームシーンではDirectX 9モード時をわずかに超えるFPSを叩きだしている。パフォーマンステストシーンでDirectX 10モードの数値が悪いのは、モーションブラーで高品位なレンダリングを行なうために多くのパワーを使っているためと思われる。それを勘案しても、ゲーム中のパフォーマンス的には少なくともプレイ上体感できる差はなく、DirectX 10モードは充分に実用射程圏に入ったといえるだろう。
というわけで、Windows Vistaインストール済みのPCとハイエンドビデオカードをお持ちなら、是非DirectX 10モードでのプレイをオススメしたい。DirectX 10モードでは、特にモーションブラー効果のクオリティ向上が顕著で、激しい動きが大写しになるシーンでブラー部分と背景の境界が目立たず、さらにゲームを楽しむことができるからだ。
DirectX 10に対応したゲームについて、これまで度々ご紹介する機会があったが「Crysis」も「World In Conflict」も、見た目上の大きな違いが無いにも関わらず、フレームレートが著しく損なわれるという例が主であった。対する今回の「コロニーズ」はしっかりとパフォーマンスの維持・向上を果たしており、DirectX 10対応ゲームとして最善の実装例のひとつとなった。DirectX 10のメリットをユーザーに伝える意味において、本作の存在は単に1本のゲームタイトル以上の価値がありそうだ。カプコンの今後のタイトルにも大いに期待を寄せたい。
【スクリーンショット】
Character Wayne by (C)Lee Byung Hun/BH Entertainment CO., LTD,
(C)CAPCOM CO., LTD. 2008 ALL RIGHTS RESERVED.
□カプコンのホームページ
http://www.capcom.co.jp/
□「ロスト プラネット: コロニーズ」製品紹介ページ
http://www.capcom.co.jp/lostplanet/colonies/
□関連情報
【6月10日】KOUZIRO、「ロスト プラネット コロニーズ」推奨PC発売
最新ビデオカードを搭載したミドルタワーモデル
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080610/lpc.htm
【6月5日】カプコン、Xbox 360/WIN「ロスト プラネット コロニーズ」
「実績」と「ゲーマースコア」の一覧を公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080605/lpc.htm
【5月29日】カプコン、Xbox 360「ロスト プラネット コロニーズ」
オンライン専用追加キャラクタの情報を公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080529/lp.htm
【5月23日】カプコン、「ロスト プラネット コロニーズ」先行体験会を開催
オンラインバトルを大拡張、クロスプラットフォーム対戦も実現!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080523/lp.htm
【5月16日】カプコン、Xbox 360/WIN「ロスト プラネット コロニーズ」
オンラインバトルの新ルールを公開。「カウンターポスト」ほか
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080516/lp.htm
【5月9日】カプコン、Xbox 360/WIN「ロスト プラネット コロニーズ」
新しいキャンペーンモードなどの情報を公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080509/lpc.htm
(2008年6月13日)
[Reported by 佐藤カフジ]
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