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【連載第262回】 あの、おもちゃを徹底レポート




二足歩行に倒立、空手にエアギター! 脅威の小型ロボット!!
タカラトミー「オムニボット17μアイソボット」

「オムニボット17μアイソボット」
発売 タカラトミー
価格 31,290円
電源 単4型充電式ニッケル水素電池(eneloop)3本使用(本体用、電池/充電器付属)
単3アルカリ電池3本(コントローラ用)
発売日 発売中



 長らくお待たせいたしました。筆者、病気のために長期間のお休みをいただいておりましたが、おかげさまで無事に快気し、「気になるe-Toy遊んでレポート」が今週から復活することになりました。今後とも、以前と変わらぬご愛読をよろしくお願いいたします。

 復活後に取り上げるToy第1弾は、タカラトミーの「オムニボット17μアイソボット」。昨年の10月に発売済みで、すでに出遅れた感はあるのだが、この大傑作Toyを取り上げないわけにはいかない。価格は31,290円。たっぷり遊んだ後の筆者なら、この価格は妥当、もしくは安いとさえ思える。「高いなあ……」と感じていたあなたも、このレポートを読めば、認識を改めるはずだ。

パッケージ。アダルト層を意識したクールでシンプルなデザイン 内容物。「アイソボット」本体は完成品なので、組み立ての必要はない

 「オムニボット17μアイソボット」の身長は16.5cm。世界最小の人型ロボットで、なんとギネス認定されている。デザインは、白を基調にブルーのパーツが使われ、正統派の正義のロボットのように映える。このロボットがどんな活躍を見せてくれるのか、これから詳しくレポートしていきたいと思う。

本体用の単4電池(eneloop)と充電器。本体にならって、白に統一されている 単4電池(eneloop)をセットしたところ。とりはずしたカバーはネジで止める アイソボットを正面からみたところ。白を基調とした正統派の正義のロボのイメージ
アイソボットを横から見たところ。様々なボディランゲージを行なう腕の長さが目立つ アイソボットを後ろから見たところ。正面と比べると無骨なイメージだ 頭部にはモノアイとサーチライトが取り付けられ、アクションに応じて点灯する
プレイのイメージ。コントローラには20個のボタンが用意されている


17個の内蔵モーターが織りなす様々なアクション

 「オムニボット17μアイソボット」の本体の中には、合計で17個ものモーターが内蔵されている。Toyと考えるとしたら、驚異的な数といえるだろう。しかし、「オムニボット17μアイソボット」が織りなす様々なアクションを見るにつけ、あなたも「17個のモーターは必要だ」と納得するだろう。

 電源を入れる前の「オムニボット17μアイソボット」は、関節に力がなく、こんにゃくのようにくにゃくにゃしている。これがひとたび電源を入れると、様変わりするのだから感動的だ。背筋がピンとはり、しっかりと2本足でテーブルや床の上に屹立する。起動と同時にモノアイとサーチライトが点灯し、その様子はしびれるほど格好いい。「アイソボット」は執事がそうするように手を胸にあて、プレーヤー相手にお辞儀をする。そうして、こうしゃべり始めるのだ。

 「こんにちは。命令をどうぞ。現在はリモートコントロールモードです。別のモードで遊ぶ場合は、コントローラを切り替えてください」

電源を入れると、生命が宿ったかのように機敏に動き始める
ムービー再生
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 「オムニボット17μアイソボット」には、合計で4種類のモードが用意されている。リモートコントロールモード、スペシャルアクションモード、ボイスコントロールモード、プログラムモードだ。4種類あるモードのうち、主役はリモートコントロールモードといえるだろう。

 操作は簡単だ。付属している「アクション一覧表」に合わせてコントローラのボタンを押すだけだ。コントローラは2本のジョイスティックと20個ものボタンがあるが、この「アクション一覧表」を見れば押し方がわかるので、「操作は難しいんじゃないか」と怖れる必要はない。

 「アクション一覧表」には、リモートコントロールモード、スペシャルアクションモード、ボイスコントロールモードの3種類のアクションが掲載されているが、その数はなんと177種類もあるのだ。読者の皆様も、ぜひ驚いていただきたい。177! これはたっぷりと遊べそうだ。

 ここからはムービーを交えて、177種類のアクションの中から、代表的なものを紹介していく。177種類すべてをお見せしたいのは山々だが、それではこれから遊ぶ人の楽しみを奪ってしまうため、特徴的なものにとどめたい。


演武や感情、腕立て伏せなど多様なアクションを見せるリモートコントロールモード

 リモートコントロールモードから、まずは「前進」。「オムニボット17μアイソボット」が片足を交互に上げながら、いとも簡単に前進する。筆者は長年ロボット型Toyをウォッチしてきたが、ここまでスムースな二足歩行の前進は初めてだ。この動きだけで、「オムニボット17μアイソボット」が傑作だということを予感させる。

 次は「右左パンチ」だ。「シャキーン」、「シャキーン」という鋭い効果音と共に、右腕、そして左腕を前に出す。ヒーローのロボットが決め技を出しているかのようだ。

 「両手チョップ」は、「右左パンチ」のバリエーションといえる。両腕を高く持ち上げて、「ドリャー」という掛け声と共に、一気に振り下ろす。

スムースな二足歩行。ほんの3~4年前まではこの価格帯では不可能だった技術だ
ムービー再生
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「アイソボット」は、動作に合わせて様々な効果音を出す。これも楽しみのひとつ
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左チョップ、右チョップ、両手アッパーチョップなどのバリエーションもある
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 「往復ビンタ」には笑ってしまった。「オムニボット17μアイソボット」が「アタタタタタ」と奇声を上げて、右手を伸ばし、二の腕を左右に大きく振る。二の腕が振られるたびに「バシッ」、「バシッ」と効果音が鳴る。もし、「オムニボット17μアイソボット」が等身大だとしたら、さぞかし痛そうだと思えるアクションだ。

 腕のアクションの次は、足のアクションを楽しんでみよう。「左右キック」は、「オムニボット17μアイソボット」が両腕を高く上げ、「セイヤッ」、「セイヤッ」という野太い掛け声と共に、左足、右足と順番に前に蹴り上げる。ここで驚かされるのが、「オムニボット17μアイソボット」のバランス感覚だ。蹴り上げた片方の足は完全に宙に浮いており、体を支えているのはもう1本の足だけだ。それなのに体はまるで揺れず、力強い蹴りを見せてくれる。これは並大抵の技術ではない。

 「開脚すわり」も「オムニボット17μアイソボット」だけの驚異的なアクションだ。バレリーナのように両足を左右に割って、股間をペタンと地面に着ける。そうして、そこから再び立ち上がるのだ。

往復ビンタの前に、「アタタタタタ」と奇声を上げる。なぜ?
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写真でも伝わると思うが、バランスをとり完全に片足で全身を支えている。こんなことができるなんて!
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いわゆる股割り。関節の柔軟性を証明する写真だ
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 ここからは、アクションの中でも日常的なアクションを披露したい。「会う」では「オムニボット17μアイソボット」は腰を折り曲げ、「おはようございます」と言う。「別れる」では、右腕を高く掲げて「さようなら」と言う。この「さようなら」という発音が妙にさみしく胸を締め付けられる思いがするのは筆者だけだろうか。

「会う」だけで7種類のバリエーションがある。好みのあいさつを見つける楽しみがある
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片や「別れる」は4種類のバリエーション。どれもさみしく感じる
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 「感謝」は、両腕を前に垂らして、腰を曲げ、「ありがとうございます」と発声する。腰の曲げ方に芸があり、「会う」の「おはようございます」と比べると、倒す角度が低く、会釈程度になっている。芸が細かいなあ、と感心させられる動作だ。「ラブ」は興味深かった。ロボットがどのような言葉で、愛を告白するのか興味シンシンだったのだ。結果は、超ストレート。相手に見えない花束を手渡すようなアクションをして、シンプルに「好きです」と告げる。心が和むアクションといえよう。「お祝い」は両腕を高々とVの字に上げ、大きく振る動作だ。体全体でお祝いを表現しているといえよう。

「感謝」。両手を前にそろえ、行儀良くして挨拶をする
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愛の告白。高々と差し出した右手に見えない花束が見えるよう
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両腕で見事なV字を描いて、お祝いをする
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 「オムニボット17μアイソボット」は、感情表現も披露する。「怒る」は「コラッ」と言い放ち、相手の頭を小突くようにして、腕を差し出す。「泣く」は、ひときわ大きな声で「ビエーン」、「ビエーン」と泣き声を上げ、両腕で顔を覆う。まるで幼児が泣きじゃくるような、見事な泣きっぷりだ。

怒っているところ。激しい怒りでなく、軽くたしなめる程度の怒りかただ
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「怒る」に反して「泣く」は派手。両腕で顔を覆い、大声を上げて泣く
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 ここからは、リモートコントロールモードのクライマックスといえる2つの動作を紹介したい。「腕立て伏せ」は、テーブルの上に腹ばいになったあと、腕を折り曲げ、腕立て伏せを行なう。腕立て伏せを終えたあとは、もう一度立ち上がる。今回用意した数あるムービーの中で、ぜひ見ていただきたい一本だ。

 「逆立ち」も「腕立て伏せ」に負けず劣らず、見事なアクションだ。直立状態から床に腹ばいになり、「はいっ」という掛け声と共に頭だけで倒立する姿は、まるで達者な芸を見ているようだ。

腕立て伏せ。数あるアクションの中でも感嘆すべき動作だ
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逆立ち。写真では倒れているようにも見えるが、見事に倒立している。ムービーを参照してほしい
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スペシャルアクションモードは、ユーモアあふれるアクションを見せる

 スペシャルアクションモードは、ひと言で言えば、「オムニボット17μアイソボット」の派手なアクションを楽しむためのモードだ。アクション一覧表には「前転」、「体操」、「トロピカルダンス」など、興味深そうな動作がズラリと並ぶ。その中で紹介するのは「音楽(エアギター)」、「応援(応援団)」、「動物のモノマネ(ネコ)」、「巨大ロボ」、「格闘技(空手)」の5種類。

 「音楽(エアギター)」は、見えないギター(エアギター)を両腕で持ち、「ビーン」、「ビーン」と弦の張り具合を確かめたかと思うと、カウントに乗って体内から激しいロックの音楽が鳴り響く。「オムニボット17μアイソボット」は、その音楽に合わせ、ギターを弾くように手を動かし、さらにはステップまで踏むのだ! カッコイイ! と思わず声を上げたくなるアクションだ。

 「応援(応援団)」は、「フレーフレー、が・ん・ば・れ、フレフレがんばれ」という掛け声と共に腕を柔軟にしならせる。これぞ応援団というアクションを見せてくれる。

 「動物のモノマネ(ネコ)」は、「オムニボット17μアイソボット」が四つんばいになって、「フニャー」と鳴く。人型の体型のためか、多少の無理はあるが、片手で顔を洗うなど猫独特の動作をして芸が細かい。

両腕と腰、そしてステップを駆使して、ロックンロールを奏でる
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柔軟に腕をしならせた動きは応援団の動作そのもの。拍手の音も鳴り響く
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猫のモノマネ。これは左で顔をあらっているところ。ほかには犬やゴリラの物真似もする
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 「巨大ロボット」は、あたかも「オムニボット17μアイソボット」が巨大ロボットになって、地上を闊歩する姿を表現する。歩くたびに地響きがなり、巨大さを演出。途中で、地上に向かって攻撃の動作をするところを見ると、侵略型のロボットを演じているのかと思える。

 「格闘技(空手)」は、「ハッ」という息使いと共に、空手の型を披露する。横蹴り、前蹴り、突きなど、空手の基本的な動作がくり広げられる。

効果音で巨大ロボを演出。地面に光線を出しているような怪しげな動作をとる
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空手の型を披露中。太極拳の型も演じられる
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ボイスコントロールモード

「ロミオとジュリエット」をひとり二役で演じる。なんという芸達者!
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 ボイスコントロールモードは、コントローラを使わず、プレーヤーの声で「オムニボット17μアイソボット」に命令を下し、操作をするモードだ。マニュアルには「音声認識は、現在の技術レベルをもっても100%認識できるものではありません。いまだ発展途上の技術です」との注意書きがなされていたが、筆者の場合は環境が静かだったこともあるだろうが、100%の認識率で、その精度の高さに感嘆させられた。

 「アクション、スタート!」は、スペシャルアクションモードをランダムに実行する他、2つのシークレットアクションのいずれかを実行する。筆者が実行してみると幸運にも「オムニボット17μアイソボット」が「ロミオとジュリエット」を演じるところを見られた。読者の皆さんも、ムービーで「オムニボット17μアイソボット」の芸達者ぶりをご覧いただきたい。

 「こんにちは」は、3種類のリアクションをランダムで返してくるアクションだ。「こんにちは」と声をかけると、手をW字に挙げ、「こんにちは、何か用事はありますか。私はできるかぎりのことを行ないます」というリアクションを返してきた。「あぶない」は、「オムニボット17μアイソボット」に危険を知らせる。危険を察知した「オムニボット17μアイソボット」は、地面に伏せ、危機を回避しようとした。

「こんにちは」と話しかけると、3パターンのうちのひとつのリアクションを返す
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必死に危険を回避しているところ。意外と気が小さいのか……?
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宇宙飛行士の真似をして、無重力空間を移動する演技をする。無線の声も響き、これまた芸が細かい
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 「なにかおもしろいことして」は、リモートコントロールモードの「おもしろアクション1~3」をランダムに実行する他、3つのシークレットアクションを実行する。

 「なにかおもしろいことして!」と筆者が言うと、「オムニボット17μアイソボット」は「う~ん」と考えたあと、「じゃあ! 宇宙飛行士の真似をやります」と言い、宇宙服を着て、無重力空間を歩くかのようにゆったりとした歩きを披露した。


プログラムモード

 プログラムモードは「オムニボット17μアイソボット」のアクションパターンを入力するモードで、リモートコントロールモードとスペシャルアクションモードのアクションの組み合わせにより、より複雑なアクションパターンをプログラムすることができる。アクションパターンはM1~M3ボタンまで、それぞれ1パターンずつ登録することが可能で、ひとつのMボタンに最大80アクション、合計240のアクションをメモリすることができる。操作は簡単で、アクションのパターンを次々に登録していく感じだ。

プログラムモードを起動したところ。右側の空白の空間に動作を入力する プログラムをひとつ入力。3、Pとボタンを押して、左裏拳を入力した

 「オムニボット17μアイソボット」にすっかりハマって堪能した1週間だったが、冒頭でも述べたように、大傑作Toyだと心から思う。これを超えるToyが登場するのは、時間を待たねばならないだろう。ちなみに、3月29日には、「アイソボット」のブラックバージョンが発売される。赤外線バンドA/Bの切り替えで、ホワイトVSブラックの2体対戦バトルも楽しめる、要注目のToyだ。

(C) TOMY


□タカラトミーのホームページ
http://www.takaratomy.co.jp/
□「i-SOBOT (アイソボット)」のページ
http://www.isobotrobot.com/


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(2008年3月27日)

[Reported by 元宮秀介]



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