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スクエニ、AC「ロード オブ ヴァーミリオン」
ロケテストバージョン・ファーストインプレッション

稼動時期 未定



 スクウェア・エニックスとしては、初めてのアーケード用オリジナルタイトルとなるオンライントレーディングカードゲーム「ロード オブ ヴァーミリオン」。12月7日から16日にかけて、東京・秋葉原「HEY」、東京・池袋「池袋ギーゴ」、神奈川・川崎「ナムコランド川崎店」、東京・八王子「AM PIA八王子」の4店舗でロケテストを行なった。

 ロケテスト直前まで、ファンタジーを元にした設定と、RPGのようなシステムを取り入れたカードを使用するゲームとしか情報がなかったこともあり、どのようなゲームなのか興味を持ったユーザーが連日押し寄せていた。どの店舗でも、開店前から数十人の行列ができ、プレイまで2~5時間待ちになるなど、ロケテストが行われた10日間は常時、プレイ待ちのユーザーが絶えることがなかった。編集部でも、1ユーザーとして、10日間ロケテストに参加。1日2~4回のペースでゲームをプレイすることができたので、ロケテストバージョンでのゲーム概要をレポートしよう。

■ スターターパックはなかなかのバランスのよさ

スターターパックには、カードの他に、カードスリーブが6枚と、取扱説明書が入っている。この取扱説明書と、各店舗で配布されていた小冊子を併せて読めば、ゲーム概要は理解できるだろう。NESYSカード、プレーヤーカード、使い魔カードは製品版でも使用可能だが、NESYSカードについてはロケテスト期間中のプレイデータはリセットされ、新規カード扱いになるようだ。
「ロード オブ ヴァーミリオン」を初めてプレイするときは、まず、スターターパック(500円)を購入することになる。スターターパックに入っている「ロード オブ ヴァーミリオン」専用のNESYSカードがなければプレイできないからだ。このNESYSカードに、プレーヤーのレベルや装備、使い魔のレベルなど、あらゆるプレイデータが記録される。なお、スターターパックには、NESYSカードの他に、プレーヤーキャラクタを操作するためのプレーヤーカード、プレーヤーとともに戦う使い魔を操作するための使い魔カードなどが入っている。

 ロケテストバージョンとして売られていたスターターパックには、使い魔カードが4枚入っているため、すぐにパーティを組んで戦えるようになっていた。どのスターターパックでも、使い魔カードの種類は、クラーケン、落武者、サキュバス、マーメイドと同じ。使い勝手の良い使い魔で構成されているので、ゲームのシステムに慣れるという意味ではちょうどいい内容と言えるだろう。

■ ゲームモードは1人用のストーリーモードと2人用のオンライン対戦モード、店内で対戦を行なうローカル対戦モードで構成

 タイトル画面やデモシーンが流れている際に、筐体左側のスロットへNESYSカードを挿入。カードの認証が完了し、プレイ料金を投入すれば、ゲーム開始だ。ここでゲームモードを選択するわけだが、初めてプレイする場合のみ、プレーヤーの名前と性別の登録、そしてチュートリアルモードを選ぶことができる。チュートリアルモードでは、ゲームの基本操作やルール設定などを基本編、応用編に渡って細かくレクチャーしてくれる。そのためか、チュートリアルモードを選ばずにゲームを遊ぶことも可能だったが、ほぼすべてのプレーヤーがチュートリアルモードを選択していた。

 本編のゲームモードは、シナリオに沿ってプレイする1人用のストーリーモード、全国のプレーヤーと対戦する2人用のオンライン対戦モード、同じ店舗内のプレーヤーと対戦する2人用のローカル対戦モードの3種類。ロケテスト時は、稼働台数の少なさ(各店舗4台)や、強力な使い魔カードを手にしていないプレーヤーが大半だったこともあり、ほとんどが1人用のストーリーモードを選択していた。その結果、対戦モードを選んでも相手が存在しないため、なかなかマッチングせず、時間切れでストーリーモードを遊ぶことになったプレーヤーも多々見られた。実際、対戦モードのマッチングが成立するのは、1時間に一度あるかないかという印象だった。

 1人用のストーリーモードは、今回、対イフリート戦と対リヴァイアサン戦の2種類のシナリオが用意され、1プレイにつき1シナリオ(1戦闘)が遊べるようになっていた。この2種類のシナリオをクリアすると、これらのシナリオの難易度をアップさせたハードモードへ挑戦でき、このハードモードをクリアすると、さらに難易度がアップしたベリーハードモードへ挑戦可能。ロケテスト終盤では、このベリーハードモードをクリアするプレーヤーも見受けられた。

■ 装備の設定やパーティ編成など戦闘前の準備は綿密に

戦闘準備の最後は、登録した使い魔の中から、パーティに入れる使い魔を最大3体選んで、パーティエリアに配置する。残りの使い魔はストックエリアで待機させよう。ちなみに、相手の情報が表示されるのは、対戦時のみで、ストーリーモードでは表示されていなかった
 ゲームモードを選択したら、次はプレーヤーの装備を設定する。装備には、武器、頭部装備、胴部装備、盾の4種類がある。

 武器は、剣や片手斧などの片手武器、槍や斧などの両手武器の二系統に分けられる。片手武器は、盾が装備できるため、移動速度を損なわずに防御力が強化できる。両手武器は、複数に対して攻撃できるなど、攻撃範囲が広く、片手武器よりも多大なダメージが与えられる。また、武器については攻撃属性が設定されている。戦う相手がプレイ前からわかっているストーリーモードなどでは、相手の弱点になる攻撃属性を持った武器を選ぶことも必要だろう。

 防具系は、同じ防御力でも、重い防具は移動速度が遅くなる分、HPのプラスボーナスが設定されている。逆に、軽い武器はHPのプラスボーナスはないものの、素早い移動が可能だ。

 正面から相手を撃破していくなら、両手武器を持ちつつ、重い防具を装備。フットワークを使って相手を翻弄するなら、片手武器で軽い防具を装備して、移動速度の早さをキープする。プレーヤーの戦い方、それに同行するパーティの使い魔の陣容を含めて検討していきたいところだ。

 プレーヤーの装備が決まったら、プレーヤーカードと、使用する使い魔のカードをプレイスクリーンへ並べて登録を行なう。使い魔カードは9枚まで登録可能だが、使い魔カードの左上に表記されているコストの合計が90以下でなければならない。また、パーティとして戦闘に参加できる使い魔は3体まで。そこで、メインとなる3体でのパーティバランスを考えつつ、残りの枠でその3体に代わるパーティを編成できるようにするか、メインとなる3体をフォローするような使い魔をチョイスするか。その選択はなかなか難しいところで、いろいろと試す機会の少ないロケテスト時は、一部の強力な使い魔カードを手にしたプレーヤー以外は、その選択に試行錯誤していた印象だ。

 装備、使い魔と設定したら、今度はプレーヤーの種族を決める。種族は、超獣、神族、海種、不死、亜人、魔種、機甲と7種類あり、それぞれに弱点となる属性が、炎、闇、雷、光、炎、撃、雷と設定されている。選んだ種族と同じ種族の使い魔は、能力がアップするため、登録した使い魔の種族によってプレーヤーの種族を決めるという流れが大半だった。

■ アルカナストーンを制圧して勝利をめざせ

 ゲームの基本ルールは、フィールド上にある3つの相手のアルカナストーンを制圧すれば勝利となる。これは、ストーリーモードでも対戦モードでも変わらない。制限時間内にアルカナストーンの制圧が完了していない場合は、アルカナストーンをより多く制圧(画面上部にある総アルカナストーンゲージの残量が多い)したほうが勝利を得られる。

 アルカナストーンを制圧するには、敵のアルカナストーンを中心とした制圧範囲(アルカナストーンを取り囲むように描かれたライン)の中に味方パーティを進めると、制圧準備ゲージが表示され、アルカナストーンの制圧が開始される。制圧準備ゲージが満タンになるたびにアルカナストーンゲージが減少し、これを数回繰り返すとアルカナストーンの制圧が完了する。制圧範囲に相手が入ってくると、制圧が妨害されてしまう。そのため、アルカナストーンの近辺で戦闘が発生しやすくなっている。

 ちなみに、アルカナストーンゲージは、制圧行動以外にも、相手のパーティを全滅させたり、使い魔の特殊技(アンデッドスカラベのアルカナ浸食やスフィンクスのアルカナ・ダウンなど)を使ったりすると、減少させられる。相手のパーティの全滅をくり返すだけでも勝利に近づいていくということだ。逆に、自分のパーティが壊滅させられそうなときは、全滅だけは避け、生存しているユニットを自分のストックプレイスへ逃げ込ませたい。

 なお、パーティが全滅すると、ユニットはストックプレイスに戻される。ストックプレイスにいるときは、出撃中の使い魔とストックエリアにいる使い魔を入れ替えることができる。倒された使い魔は、ストックエリアでの回復が完了しないと復活できないので、回復に時間がかかる場合は、使い魔を入れ替えて再出撃したい。

 ちなみに、全滅していないときでも、ストックプレイスにパーティを入れておけばHPを回復させることができる。相手のパーティを全滅させた後など、行動に余裕があるときは、ストックプレイスに立ち寄ることも検討しよう。

■ 戦闘はオート、攻撃範囲に相手が入るように操作しよう

 プレイスクリーンに配置したパーティの移動は、筐体の左側にあるレバーを使用する。レバーを倒した方向へ、パーティ全体が移動を行なう。プレーヤーや使い魔を個別に動かしたいときは、カードを動かすわけだが、この場合、移動範囲は画面内に限定される。そのため、使い魔単体を別働隊のように行動させることはできない。

 プレーヤーや使い魔の向きは、カードを回転させて変更する。カードの上側が、ユニットの正面となるわけだ。正面方向に攻撃範囲(画面で青く表示された範囲)が設定されているので、この攻撃範囲の中に相手が入るようにカードを動かせば、攻撃が開始される。なお、相手の攻撃範囲(画面で赤く表示された範囲)の中に自分のユニットが入っていると、攻撃を受け、ダメージを負ってしまう。レバーでユニットを移動させて相手の攻撃範囲から退避しつつ、それと同時にカードの向きを変えて常に自分の攻撃範囲内に相手を捉えて攻撃する、といった操作は習得しておきたい。

 通常の攻撃手段とは別に、プレーヤーはオーバーキルと呼ばれる攻撃系の必殺技を、使い魔は使い魔固有の特殊技(使い魔によって攻撃系、補助系、特殊系など多種多様)を、それぞれ設定されたゲージがたまることで使用できる。ゲージがたまっているとき、オーバーキルであればプレーヤーカードを、特殊技であれば使用する使い魔のカードを、それぞれこすって選び(選ぶと画面内に使用範囲が黄色で表示される)、赤色の決定ボタンを押せばいい。

 戦闘を大きく左右するオーバーキルや特殊技だが、今回のロケテストでは、先に畳み掛けるように入力したほうが有利になる傾向が目立った。すばやく入力することはもちろんのこと、効果範囲や、使用する順番(攻撃力をアップする特殊技を使ってからオーバーキルを使ったり、特定の弱点属性を与える特殊技を使ってからその属性を持つ特殊技で攻撃するなど)を把握しておくのも重要だろう。

 ただ、片手で複数のカードを操作しているプレーヤーに見られたのが、操作しやすいようにカードを隣接させていると、特殊技を使用しようとカードをこすった際に隣接した別のカードが動いてしまい、その隣接したカードの特殊技が発動してしまうケースが見られた。カードの間隔やこすり方にも注意が必要だ。

 また、他の攻撃要素として、プレーヤーが使い魔に憑依するサクリファイスというものがある。画面左上にサクリファイス表示されているとき、サクリファイスを行なう使い魔カードをこすって選び、青色のサクリファイスボタンを押すと、使い魔が巨大化してパワーアップするのだ。攻撃的に組み込むことができれば、戦闘を有利に進められそうだが、今回のロケテストでは、使い魔のHPが少なくなってきたとき、延命のために使用するというケースが目立った。

画面内が混戦模様になりがちな戦闘場面。攻撃範囲の確認はメインの画面で、特殊技の効果範囲は画面右中央の詳細マップで、それぞれ確認するなど、情報を整理しながら戦いたい 特殊技の演出は、長くもなく、短くもなく。ゲームのテンポを損なうことなく盛り上げてくれる。使い魔ごとに演出が違うので、いろいろ見てみたい気にさせてくれるだろう


■ 戦闘終了後に経験値や新しい装備品が支給

 戦闘が終わると、プレーヤーや戦闘に参加した使い魔へ経験値が支給される。自分のアルカナストーンの状態や、倒された回数など、戦闘の内容によって支給される経験値が変わってくるので、戦闘の進め方にも配慮が必要だ。経験値をためるとレベルアップし、攻撃力や防御力がアップするのだが、今回のバージョンでは、使い魔のレベルアップのしにくさが気になった。いろいろ入れ替えて試すことができるよう、序盤はレベルアップしやすいようになっているとうれしいのだが……。

 経験値の支給が終わると、今度は新しい装備品が支給される。今回のバージョンでは、一度の戦闘で1~2個が支給され、プレーヤーのレベルによって、より強力な装備品が支給されている印象だった。

 装備品は、各種類につき5個まで所有できるため、それ以上支給されると、支給時に選別しなければならない。同じ装備でも、効果が違うものがあるため、この選別作業はかなり悩まされた。できればもう少し所有できるようになるか、比較しやすいようにステータスが一括表示されているとわかりやすかったと思う。

■ 基本操作やゲームの流れは把握、詳細はこれからか?

 最初に感じた操作の複雑さが、チュートリアルモードを行なうことで、ほとんどのプレーヤーに理解されていた印象だ。今回のロケテストの目的が、基本操作やゲームの流れをユーザーへ提示して理解してもらうということであれば、成功なのは間違いない。

 あとは気になるゲームのバランス。今回は、パーティの傾向が、強力なカードで攻撃主体で構成するか、移動速度4の使い魔で相手を翻弄してアルカナストーンの制圧を優先させるかのどちらかになりがちだったので、今後カードが揃うことで、もっと幅広い構成が見られるよう、期待したいところだ。

※画面は開発中のものです。
(C)2007 SQUARE ENIX CO.,LTD. All Rights Reserved.

□スクウェア・エニックスのホームページ
http://www.square-enix.co.jp/
□「ロード オブ ヴァーミリオン」のページ
http://www.square-enix.co.jp/lov/
□関連情報
【12月7日】スクエニ、AC「ロード オブ ヴァーミリオン」
「池袋ギーゴ」ロケテスト初日の模様をレポート
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071207/lov.htm
【11月22日】スクエニ、AC「ロード オブ ヴァーミリオン」
AC用初となるオリジナルタイトルを投下
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071122/lov.htm

(2007年12月27日)

[Reported by 梶原製作所]



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