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「アルタナの神兵」で描かれる戦争“水晶大戦”。大陸全土が戦乱の渦に包まれているこの時代は、エリア争奪戦「カンパニエ」と言う名の紛争が絶えず行なわれている。三国間の領土(リージョン)争い「コンクェスト」、蛮族の侵攻による大規模戦闘「ビシージ」に続く大規模コンペティションシステムだ。公式サイトでは、こちらで基本ルールが解説されている。 連載第2回では、“水晶大戦”の核になっているこの「カンパニエ」を題材に、その楽しさや魅力、ノウハウなどをお伝えしていきたい。「カンパニエ」といっても内容が多岐に渡るため、まずはそのメインと言える「カンパニエバトル」を中心に、「カンパニエops」や「意見具申」について、楽しむための基礎などをまとめてみた。
激しい戦いが繰り広げられる戦場で、飛び交う魔法、駆け回る騎士たち魔道士たち。オープニングムービーで描かれた“水晶大戦”の時代で実現した、「魅力的な大人数バトルを普通のものとして楽しめる世界」。この魅力をお伝えしていこう。なお、筆者はサンドリア王国軍所属のため、三国で共通する内容に関してはサンドリア王国での画像を使っている。
「カンパニエバトル」というのは、過去のヴァナ・ディール世界の全土で勃発する局地的な紛争のこと。連合軍が支配するエリアに獣人血盟軍が押し寄せ、獣人血盟軍が支配するエリアには逆に攻めこんでいく。戦場では多数の獣人と冒険者がぶつかりあい、魔法が飛び交う。戦いの末、華麗な勝利をおさめることもあれば、倒れている冒険者だらけの、惨敗に終わることもある。 ただし、仮に全員が倒されて敗北してしまっても、「アライドタグ」というカンパニエバトル参加を認識する効果を発行してもらうことで、経験値のロストをなくすことができるため、気兼ねなく思う存分に動き回れるわけだ。もちろん報酬もあって、アライドタグを発行されている状態で活躍すると経験値と連合軍戦績というポイントをもらえる。 各地で次々に発生しているので時間の許すかぎり心ゆくまで堪能できるし、戦場間の移動も所属国からのテレポサービスと、戦地から帰還するテレポサービスで、行き帰りどちらも一瞬だ。そして、「カンパニエバトル」を途中で抜けたくなったときでも、戦地で活躍を査定してもらえる。手間に感じられる部分の排除だけでなく、冒険者の都合を融通する面もバッチリというわけだ。 ● 大人数バトルならではの動きが活きる「カンパニエバトル」
戦場では「拠点」と呼ばれる建物を中心にアルタナ連合軍と獣人血盟軍がぶつかりあう。連合軍が支配している場所の場合は「拠点」に獣人の軍勢が押し寄せるのでこれを撃退する。逆に、獣人が支配している場所ではこの立場が逆転し、獣人が守備する「拠点」を攻略する。終了条件については、「アルタナの神兵」以降、少しずつ変更が加えられているが、12月10日時点では、カンパニエバトル対象のモンスターを全て倒すか、1時間が経過すると終了になる。いわば、野外フィールドで行なうビシージのような方式がとられている。 「拠点」を守備する場合は、獣人血盟軍が拠点に到着することで突然戦いが始まる。獣人の大軍が拠点めがけて次々に押し寄せ、それに反応して周囲に待機していた冒険者たちも動き出す。その後は一気に多人数の乱戦になだれ込み、周囲一帯に戦いが広がっていく。 逆に、こちらから「拠点」を攻める場合は、連合軍側が戦闘の口火を切る。うかつに獣人に手を出すと、拠点周辺の獣人が一斉に襲いかかってくる。少しずつ仲間が集まったあたりで、誰かが仕掛けたところから始まっていく。緊張感があって、守備とは別のおもしろさがある。侵攻する場合は、カンパニエバトル対象のモンスターを倒すことと、「拠点」にある「Fortification」を攻撃することで拠点の防衛力を下げることが目的となる。
戦術的には、多数の敵を一度に足止めする行動が重要で、効率よく敵を撃破するためには、吟遊詩人が魔物たちのララバイで多くの敵を眠らせたり、黒魔道士もスリプガなどで敵の動きをコントロールする必要がある。中でも大活躍が期待できるのが召喚士だ。範囲睡眠と闇属性ダメージ効果のあるディアボロスのナイトメア、範囲内の敵の魔法効果を消すフェンリルのルナーロアあたりも有効だ。ここに今後、新ジョブ「学者」の活躍が加わってくることだろう。範囲属性化したバインドやグラビデなどで戦場全体をコントロールしてくれそうだ。
そんな連合軍部隊の中でも特に注目なのが、ときおり登場する英雄的な力量を持った将たちの存在。特殊な装備を身につけ、性格が伺える独自のセリフを発しながら、とてつもない活躍を見せる。例えばサンドリア王国軍では「辺境騎士団長ヴィルゴ卿」の姿が南ロンフォールで頻繁にみられる。バーミリオクロークを着て、片手棍とイージスの盾を持つ。連続的に繰り出すシールドバッシュで2,000近いダメージ、ヘキサストライクを撃てば5,000を越えるダメージと、最初に見たときには笑ってしまいそうなほど強烈な攻撃を繰り出す。 そのほかにも、冒頭の画像でも紹介している、槍を持ち「神速のアンゴン」という独自の投槍攻撃をする「王国騎士団長クスロー卿」、二刀流で強烈な攻撃を繰り出し続けるバストゥークの「第一共和軍団長マクシミリアン」、ウィンダスにはカーディアン部隊を統制して応戦する「ゾンパジッパ閣下」や、召喚したエレメンタルたちとともに古代魔法を浴びせかける「カイルパイル閣下」などいずれも個性的。紹介している以外にも各国に代表的なキャラクタが10人ずつがいる。レリック装備などの伝説的な武器を所持している英雄も多く、彼らの姿を探してみるのも面白い。 ただし、連合軍の各部隊や部隊長たちは必ずいるというわけではないようで、最初からいるときもあれば、終わりまでいないときもあるし、途中から参戦してきたという場合もあった。獣人血盟軍の戦力は強大で、特に、オーク神、クゥダフ神、ヤグード神と俗に呼ばれるモンスターがいるときなどは冒険者の軍だけだと圧倒的に劣勢に立たされる。そうしたとき、あとから援軍のNPC部隊が到着して戦況がひっくり返ったこともあった。不確定な要素で、強力な味方として戦場をドラマティックにしてくれる。 ● 「カンパニエバトル」で知っておきたい基礎の基礎
過去世界を移動中に偶然カンパニエバトルに遭遇することもあるが、連続して参戦するつもりなら、所属国のテレポサービスを利用してカンパニエバトルが発生したエリアへ直接移動するのが便利だ。連合軍戦績と引き替えに訪れたことのあるエリアへと一瞬でワープしてくれる。このときの戦績消費量は三国からの距離をベースに、エリアを支配しているのが自国か他国か獣人血盟軍かでさらに増減するが、最も低い場合で20ポイント、最も多い場合でも90ポイントと、それほど高額ではない。 また、各エリアから所属国に帰還する場合も、現地の「カンパニエ審理官」が戦績消費と引き替えにテレポで送ってくれる。こちらの消費戦績量も支配勢力や距離で変化するが、低い場合で10、多くても50と気軽に利用できる設定だ。カンパニエバトルに効率よく参戦したいときは、リージョンマップで確認後テレポで出撃し、終わればテレポで帰還する。所属国を経由して次々に転戦していくようなプレイスタイルが一般的だ。 現地に到着したら、まっさきに「カンパニエ審理官」から「アライドタグ」を発行してもらおう。「アライドタグ」が発行されている状態で、カンパニエバトルで活躍することで経験値と連合軍戦績をもらえるという仕組み。さらにバトル中に倒されても経験値のロストがなくなる。デメリットとして、敵を倒しても通常の経験値やドロップアイテムは得られず、スキルアップもない。 この「カンパニエ審理官」がいる場所や「拠点」の場所は、連合軍支配なのか獣人血盟軍支配なのかでそれぞれ場所が異なる。戦績テレポで移動してもらった場所から近い位置にいるが、戦地によって居場所が異なるので、あらかじめ場所を確認してマーカーをつけておくと便利だ。ちなみに自軍支配地域の場合は、「アライドタグ」を発行後に「カンパニエ審理官」と話すと、戦績と引き替えにテンポラリアイテムを入手できる。引き替えるかどうかは任意だが、負けられない一戦などの場合に、活用するといいだろう。
カンパニエバトルが終了すると、活躍の度合いに応じて経験値と連合軍戦績が得られる。筆者の場合、レベル75ジョブで最初から最後まで積極的に攻撃参加して500前後の経験値と300ほどの連合軍戦績をもらえた。経験値や連合軍戦績は、後述の「勲章の授与」でより得やすくなるようだ。
指令内容には、「侵攻支援」や「防衛支援」のように、「カンパニエバトル」で貢献するというものもあれば、指定されたアイテムを調達してくるというような、戦闘がなくて低レベルの冒険者が一人でできるものもある。達成すると、指令の難易度に応じて経験値と連合軍戦績を得られる。 受領できる指令の種類は、初期状態では1ジャンルあたり1つだったが、連合軍より「勲章」を授与されることでバリエーションが増えていく。「勲章の授与」については詳しく後述するが、カンパニエopsの達成数も評価のポイントになっていると思われる。最初は簡単な指令ばかりだが、遊びこむことで報酬が大きく、やりごたえのあるものが増えていくのだろう。 「カンパニエops」独自のポイントとして、複数人数が参加できるものは、誰か1人が指令を受けていれば他のメンバーも参加できる。達成時には指令を受けていない人にも経験値が与えられる。1人あたりの報酬量が減ることはなく、最大量が全員に与えられるので、できるかぎり仲間と一緒に遊ぶのがお得だ。ただし、指令を受けていない状態で報酬を得ても、メニューのミッションにある「カンパニエops」のコンプリートリストには載らないので、コンプリートしたい場合は各自が指令を受けておく必要がある。 アサルト作戦を友達と一緒に遊ぶ場合だと、メンバーの傭兵階級によって受けられる作戦が限定され、階級が下の人にあわせることになったが、「カンパニエops」の場合は、階級に縛られずに一緒に楽しめる。一緒に遊ぶ面での利便性とメリットが保たれている印象だ。
続いては、「意見具申」。こちらは、所属国の作戦方針や支持する将などに自分の意見を反映できるというものだ。簡単に言えばアンケートのようなものだろうか。1週間単位で集計され、次週の方針に影響を与える。
ただ、これが実際にどのような変化を及ぼすのかは、まだわからない部分が多い。憶測になってくるが、筆者の所属国では「カンパニエops」の「諜報工作」が項目はあるものの指令がリストからなくなっていた。前週の「意見具申」で支持が少なかった作戦方針に「諜報工作」が通じるため、受けられなくなっていたのかもしれない。逆に支持の集まった作戦方針に関連する「カンパニエops」は、達成すると連合軍の評価が高まるなどの影響がありそうだ。支持する将に関しても憶測だが、出現率が高まるなどの影響があるのではないかと思われる。
● 「カンパニエ」への第一歩は「王国軍」、「共和国軍」、「連邦軍」いずれかへの所属から
連載第1回にてジュノ周辺にある「基地」、そして過去の「三国」へと至る冒険を紹介したが、これは同時にアルタナ連合軍に所属するための冒険でもある。王国軍に所属する場合は、ガルレージュ要塞[S]で「王立騎士団入団試験」のクエストを受ける。同様に、共和国軍ならエルディーム古墳[S]の「第四共和軍団入団試験」、連邦軍ならクロウラーの巣[S]で「コブラ傭兵団入団試験」を受け、それぞれの国を目指す。所属したい国でクエストを完了すれば、晴れてアルタナ連合軍の一員だ。なお、所属できるのは1国のみで、他国に所属を移す場合は移籍という扱いになる。あくまで、“連合軍に加盟する1国に所属する”という扱いだ。 連合軍に所属することで「カンパニエバトル」や「カンパニエops」といった各種カンパニエ関連に参加できるようになり、「連合軍戦績」を得られるようになる。また、軍所属者向けの様々なサービスも利用可能になる。“水晶大戦”の醍醐味はアルタナ連合軍に所属してからはじまるわけだ。 ● シグネット、サンクションの良さを全て持つ「シギル」 アルタナ連合軍に所属すると、連合軍士官から「シギル」という、これまでのシグネットやサンクションに近い効果をつけてもらえるようになる。このシギルは非常に高性能で、まずシグネットにもある「ヒーリングHPへのボーナス」、「ヒーリング時のTP減少無しのボーナス」、「少人数パーティ時の経験値へのボーナス」、自分と同じくらいの強さ以下のモンスターをオートアタック対象にしたときの、「攻撃に対する防御力と回避率へのボーナス」が得られる。標準でシグネットと同等というわけだ。 さらに連合軍戦績を消費することで、「潜在効果:リジェネ(50点消費)」、「潜在効果:リフレシュ(50点消費)」、「食事効果時間延長(50点消費)」を追加することもできる。こちらはサンクションにもあった仕様だが、シギルの場合はこれらを組み合わせることも可能だ。150点を消費して、全ての追加効果をプラスできる。
● 過去世界ではギルよりも重要? 各種サービスで扱う「連合軍戦績」 「連合軍戦績」はシギルの効果追加や戦績品交換、三国からの各エリアへのテレポサービス、逆に各エリアから所属軍の本拠地(街)へ移動するサービスなどの利用時に消費する。特徴として、シグネットやサンクションのように、効果を得ているときにモンスターを倒しても連合軍戦績は手に入らない。連合軍戦績は、カンパニエバトルやカンパニエopsの報酬で入手する。 「アルタナの神兵」の世界全体に感じることだが、テレポサービスをはじめ、そのほぼ全てに連合軍戦績が使われる。つまり、ギルを求められるシーンがほとんど見られないのだ(一部、ゴブリンの商人による薬品販売などがあるが)。世界観としてギルを扱う商売的なやりとりをするような時代でないこともあると思うが、行動で確実に得られる戦績でプレイがまわっていく。戦績自体はとても稼ぎやすいので、気兼ねなくプレイに没頭できる。
● 連合軍における地位を示す、「勲章」の授与と剥奪
勲章には階級があるほか、いくつか種類もある。この勲章の授与は各国にいる叙勲審査官が判断するのだが、「どうすれば昇格するのか?」は今のところ不明な部分が多い。公式的には「カンパニエバトルでの個人の働き」、「カンパニエopsのコンプリート状況(他のPCがオファーを受けたカンパニエopsへの参加を含む)」とされているので、基本は「カンパニエバトル」と「カンパニエops」をたくさんこなすことだ。 そして重要なのは、授与された勲章を“剥奪”されることもあるということ。叙勲審査は、「入隊・移籍、または最後の叙勲審査から5日(地球時間)」で審査してもらえる。このとき、評価次第で新しい勲章が授与されて階級が上がるときもあれば、現状維持や勲章の剥奪をされることもありうる。現状維持以上の評価を持ち続けるには活躍し続けることが求められる。 なお、授与された勲章は30日(地球時間)で有効期限が切れ、「カンパニエの各種のサービスを受けられなくなる」とされている。本稿執筆時点ではまだ「アルタナの神兵」のサービス開始から30日が経っていないので、剥奪については未確認だが、どのみちカンパニエを万全の体制で楽しむには、審査を受けて更新する必要があるだろう。 最後に、勲章の種類や階級に応じてどんなことが可能になるか。まず、「意見具申」における発言力が強まる。次に、「カンパニエops」でより高度な作戦が受領できるようになる。「アトルガンの秘宝」であったアサルト作戦が、傭兵階級が上がることで種類が増えるのと同じ感覚だ。また、「連合軍戦績」で交換してもらえるアイテムは「連合従軍章受勲者用」というラインナップが別に用意されている。アイテムの種類は授与された勲章によって増えるだろう。
そのほかにも、シギルの効果時間が長くなったり、戦績で追加したシギルの潜在能力性能がアップしたり、カンパニエバトルの報酬がより得やすくなるなど、さまざまなメリットがあるようだ。勲章の授与が過去世界での冒険において有用なことは間違いない。
「カンパニエバトル」は水晶大戦という戦争時代のメインを張るコンテンツとして常に存在するものだ。特別なものではなく、過去世界で普通に楽しめる日常的なものだ。参加の敷居はビシージ同等と低めで、手間もかからない。プレイの止めどきも自分で決められるなど、ビシージを踏まえた改善もあり至れり尽くせりだ。 大人数バトルはオンラインゲームならではのライブ感に満ちていて、壮観で、なにより“楽しい”。これをメインの遊びとして存分に味わえるのは大きな魅力だろう。「カンパニエバトル」を連続的にプレイしていると、これまでの「FF XI」とはまったく違う遊びかたが、世界丸ごとで実現されていることを強く実感し、嬉しく感じる。 気になった点としては、「カンパニエバトル」はまだ動き始めたばかりということもあってか、戦場における役割によって戦功に大きな差が出るなど細かい部分が未調整な印象が強い。これに関しては早々に整えられていくことを期待するとともに、連合軍の新NPC部隊参戦や、獣人血盟軍側の新モンスター登場など、新しい要素の追加で魅力を増していく展開も期待していきたい。今はまだ基礎的な要素で動いていることと思うので、今後どのように進化していくか楽しみだ。
今回は「カンパニエバトル」を中心に基礎的な要素と魅力をまとめたが、連合軍に所属しない英雄が参戦する「スカウト」が動きだし、「カンパニエops」もアサルト作戦のように様々なバリエーションが登場することと思う。「カンパニエ」に関しては今回だけでなく、今後もより詳しくお伝えしていきたいと思う。
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□スクウェア・エニックスのホームページ (2007年12月13日) [Reported by 山村智美 / Pomm]
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