★PCゲームレビュー★
Xbox 360の最高傑作がパワーアップしてPCに登場!!
DirectX 10対応、新エピソードも追加された「完全版」
「Gears of War for Windows」 |
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- ジャンル:オンラインアクションRPG
- 開発元:EPIC Games
- 発売元:Microsoft
- 対応OS:Windows XP/Vista
- 価格:49.99ドル(英語版)
- レーティング:ESRB:M(17歳以上)
- 発売日:11月6日(発売中)
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Xbox 360のキラータイトルとして次世代グラフィックスと血みどろの残虐表現で鮮烈なデビューを飾った「Gears of War」が、ついにWindows対応を果たした。数々の賞を受賞し、現在もXbox 360のTPS/FPSジャンルで最高峰と呼ばれる作品であるだけに、PCで遊べる時を待ち望んでいたユーザーも多いだろう。筆者もその一人で、PC版が発売されるや真っ先に飛びついた次第だ。
本稿ではXbox 360版にない追加要素も楽しめる「Gears of War for Windows」英語版のレビューをお届けしたい。なお、「Gears of War for Windows」日本語版は、今のところ発売の予定はない。また、英語版は、日本語版以上に残虐な表現が含まれているので、スクリーンショットを参照する際は、ご注意いただきたい。
■ ついにPCで楽しめる! 残虐表現てんこ盛りの壮絶タクティカルアクション
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Windows版では、Xbox 360日本語版はおろか、Xbox 360海外版にも増して血の量が増えた。増えすぎて画面が見づらいほどだ
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舞台は美しい惑星セラ、人類は突如として地底より現われた侵略者「ローカスト」の襲撃を受け、凄惨な戦いを繰り広げる。「ローカスト」による圧力に屈する寸前となった人類は、惑星軌道からの粒子ビームによって地上を完全に破壊。数十億の犠牲を出しながら戦況は膠着状態となった。その後、人類を代表するCOG軍は、かつての戦争の英雄マーカス・フェリックスを原隊復帰させ、最後の作戦に乗り出す……。
そんな世界を美麗に映し出す印象的なグラフィックス、内臓まで緻密に描写されたグロテスクな残虐表現。ゴツいプロテクターに身を包んだ気合充分の兄貴達がエイリアンを相手に血みどろの戦いを繰り広げるという、雄臭さ炸裂のタクティカルアクションシューティング、それが「Gears of War」である。
本作はXbox 360の注目タイトルとして2006年11月に登場し、瞬く間にミリオンヒットを達成、無数のアワードを獲得するなど世界中で激賞された作品だ。ゲームシステムとしては3人称視点を採用し、遮蔽物に身を隠す・乗り越えるなど多彩なアクションと同時にFPS的な照準システムを採用、小気味良いガンアクションを楽しむことができる。
次世代ゲームシーンの本命ゲームエンジンであるUnrealEngine3.0のローンチタイトルでもあり、映像表現は秀逸の一言。近距離に迫った敵をチェーンソーで攻撃すれば真っ二つに切り裂かれ、内臓露出の無残な死体になるといった残虐表現もまた印象的だ。これが本作を各国の「大人向け」レーティングに仕立て上げている。ちなみに、Xbox 360日本語版では、Z指定となっているが、あまりに過度の表現であるため、あらかじめ表現が抑えられている。
このXbox 360きっての傑作アクションシューティングゲームがWindows版として再登場したことで、PCゲーマーが心置きなく楽しめるゲームに仕上がった。入力装置としてXbox 360コントローラーだけでなくマウス・キーボードにも対応し、FPSとしても快適なプレイが可能となった点は素直に嬉しい。
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アクションボタンで障害物に身を隠し、壁越しに射撃して敵を仕留める。本作はこういったカバーリングアクションが大事なタクティカルシューティングゲームである
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身をかがめてダッシュ、素早く障害物に張り付き、敵を排除したら乗り越えて前進する。これらのアクションがたった1つのボタンでできるというのが特徴だ
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・綺麗なグラフィックスはさらにグレードアップ。しかも案外動作が軽い
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リアルタイムレンダリングのカットシーンから。テクスチャ解像度が明らかに向上、シャドウも自然になった
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Windows版はPCならではの膨大なメモリ環境が利用できるということで、本作のテクスチャはXbox 360に比べてさらに高詳細なものになっている。最上位レベルのビデオカードでプレイすれば、Xbox 360を越えるクオリティのグラフィックスを楽しむことができるのだ。Xbox 360版で解像度不足が感じられたセルフシャドウ表現についても、PC版では表示上の破綻がないレベルで描画することができる。
しかも、その動作は実に軽い。筆者の環境(GeForce 8800GTX、Core2Duo E6420)では、最高レベルのグラフィックセッティングにてほとんどのシーンで常時60fpsを確保。敵が多数登場する複雑なシーンでは若干のfps低下が見られたものの、Xbox 360版の30fps固定(しかも時折さらにドロップする)に比べると遥かに快適でスムーズな映像体験を得ることができた。解像度1,920×1,080ドットというフルHDの解像度で快適そのもののパフォーマンスで遊べるのは、ハイエンドPCを所有するゲーマーにとって何よりの嬉しいポイントだ。現状のミドルレンジ以上のゲームPCならば問題なくプレイが可能だろう。
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本作はこの残酷表現が無ければ始まらない。チェーンソーで敵を両断!1秒ほどかけて真っ二つになる哀れなローカスト。血が出すぎてわかりにくいが、体がパーツに分かれ、内臓が露出するという有様だ
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・Xbox 360版の全DLCに加え新規チャプターを搭載。さらにレベルエディタまで同梱する大盤振る舞い
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リアルタイムレンダリングのカットシーンから。テクスチャ解像度が明らかに向上、シャドウも自然になった
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Windows版の目玉は何と言っても追加コンテンツの存在だ。まず本作のストーリーを追うキャンペーンモードでは、最終エピソードの前半に5つのチャプターが追加されている。ここではXbox 360版で語られることのなかった部分が補完され、主人公達が最後の戦いに望む直前の一幕が披露されているのだ。過去のインタビューなどで開発者自身、Xbox 360版のリリースを間に合わせるため一部のコンテンツを削らなければならなかったという話もあったが、もしこの5つのチャプターがそうであるのならば、まさしくWindows版は「完全版」ということになる。これはファンならば見逃せない注目点だろう。
そしてマルチプレイマップは、Xbox 360版のダウンロードコンテンツとして配布された全ての要素に加え、Windows版オリジナルの「COURTYARD」、「GOLD RUSH」、「SANCTUARY」の3マップが追加され合計19マップとなっている。さらに大盤振る舞いなことに、なんとレベルエディター(Unreal Editor for Gears of War)まで付属しているのだからすごい。このエディターは「Unreal」の時代からのユーザーインターフェイスを踏襲したものになっているため、かつてUnrealEDでレベルエディットしたことのある人なら僅かの修練でレベル作成が可能になることだろう。もちろんこれによるカスタムマップの配布も可能なので、今後ユーザー作成コンテンツの充実が楽しみだ。
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付属する「Unreal Editor for Gears of War」の最新版。従来の「UnreadlED」からユーザーインターフェイスを継承しており、「Unreal」以来のマップ製作経験者ならば入りやすいはずだ
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マルチプレイの追加マップは「COURTYARD」、「GOLD RUSH」、「SANCTUARY」の3種類。もちろんエディットマップの使用も可能だ |
■ やはり快適なマウス+キーボードでのプレイ。PCで追加されたチャプターは高難易度で手応えアリ
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本作のキーボード設定画面。一般的なFPSと同様、柔軟な設定が可能である
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マウスでの操作は、距離のある敵でも素早くピンポイント射撃できるのが利点。あまりに強くてゲームバランスが変わってしまうほどだ
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「Gears of War」の特徴は、何と言っても障害物を使ったカバーリングを初めとする多彩なアクションだ。Windows版はXbox 360版と全く同じゲーム性になっており、Xbox 360コントローラーを接続してプレイすればXbox 360版と全く同じ操作でプレイできる。遮蔽物に身を寄せて隠れる、障害物を乗り越えて前進する、身をかがめてダッシュするといった各アクションをAボタン1個で出来てしまう操作性は、マウス+キーボードというPCゲーマー御用達のデバイス構成でもそのまま可能だ。
キーボードを使う場合、コントローラーではAボタンに割り当てられているカバーリングなどのアクションはデフォルトでスペースバーに割り当てられている。このほか、移動はWSAD、リロードはR、アイテム使用はE、近接攻撃はFという按配で、一般的なPC用FPSとそう変わらない感覚でプレイできる。このキーコンフィグはユーザーの好みで変更可能だ。筆者の場合は移動をEDSFに割り当て、周辺コマンドを調整した上で近接攻撃をマウス中央ボタンに割り当てた。
マウス+キーボードでプレイする本作は、まさしく快適そのものだ。一般的なPCのFPSと同じく思い通りの操作ができる。カバーリングなどのアクションもスペースバーひとつで実行可能で、その他のアクションを含めて、最近の複雑化したFPSタイトルに比べてずっとシンプルな操作系ゆえに簡単に習得可能だ。
そして、やはりマウスで素早い照準ができるのが最大の嬉しいポイント。筆者は本作のXbox 360版でシングルプレイモードをクリアし、マルチプレイもプレイした経験があるが、最後まで障害となって立ちはだかったのは、アナログスティックによる照準操作が思い通りにいかないことだった。少なくとも筆者にとっては、思い通りに動かせないゲームはどうしてもストレスになってしまう。こういったPCゲームユーザーは筆者のほかにも多数居るのではないだろうか。
PCでのFPS経験がそれなりにあるユーザーならば、Windows版でマウスを使うことで、キャンペーンモードでがNPCチームキャラクタより素早く沢山の敵を倒すことができる。特に照準の素早さのためショットガンの威力が著しく、近距離で複数の敵に囲まれても余裕の対処が可能だ。そしてマルチプレイではスナイパーライフルが凶悪なほどの威力を発揮する。このあたり、マウスが使用できるということでXbox 360版とは明らかにゲームバランスが変化しているのだ。
それを吉と見るか凶と見るかは立場によって異なるかもしれないが、少なくとも「好みのデバイスで思い通りにプレイできる」ことは、ゲームタイトルとして確実なプラスだ。もちろん本作ではXbox 360コントローラーを接続して、Xbox 360版と全く同じ感覚でプレイすることもできる。マルチプレイではマウス派のプレーヤーが非常に多いので、彼らと対決してみるのも面白い経験になることだろう。この自由度がPCゲームとして重要なポイントとなっているのだ。
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序盤の山場で登場する強敵「ベルセルク」。マウス操作ではかなり余裕を持って対処できる
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スナイパーライフルが強力だ。遠距離から次々にヘッドショットで敵を片付けていく |
近距離のショットガンは凶悪な威力。敵が一撃でバラバラの肉片と化す |
・気になる追加チャプターはかなりの手応え。あの巨大キャラクタとの決戦もあり!
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本作のキーボード設定画面。一般的なFPSと同様、柔軟な設定が可能である
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本作のメインコンテンツは、「ローカスト」との壮絶な戦いを描くキャンペーンモードだ。Windows版で追加された5つのチャプターはキャンペーン最終章の前半を構成する内容だ。ちなみにXbox 360版をプレイしたユーザーのために、キャンペーンゲームのスタート地点として、この追加チャプターがいきなりプレイできるようになっている。
この追加チャプターは、PC向けコンテンツということもあってかなり難しいバランスに仕上がっている。ローカスト軍の攻撃は熾烈で、敵の数が多いため弾薬不足に陥りやすい。マップ構造としては脇道のルートが多く用意されており、同じ場面でも有利に展開できるルートと、厳しい戦いが強いられるルートが選択できる。
5つの連続するチャプターの後半には、シナリオ第4章のラストで登場した巨大モンスターとの戦いが待っている。一方的に押し捲られ、身を潜めた建物も崩壊させられるという劇的な展開は、本作屈指の凝り様だ。Xbox 360版をプレイしたユーザーにも相応の手応えが感じられる内容といえるだろう。
これらのチャプターが追加されたことで、Xbox 360版ではややボリューム不足と言われることもあった本作のキャンペーンモードのボリュームはかなり増強されている。本作を「Gears of War」の完全版と呼んでも差し支えない出来である。Xbox 360版で惚れ込んだファンにはぜひともプレイして欲しいところだ。
【DirectX 10モード】 |
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Windows版で新たにサポートされたDirectX 10モードについても触れておこう。左の写真はDirectX 9モードで、右はDirectX 10モード。DirectX 10モードではAA(アンチエイリアス)が利き、エッジがなめらかになっている
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■ ネットワーク機能はLIVE対応ながらクロスプラットフォーム対戦は不可。ユーザー数の増加に期待
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本作のマルチプレイメニュー。Xbox 360版と同様にプレーヤーマッチおよびランクマッチをサポートするほか、Windows版ではリストプレイ機能が追加された。選択するとサーバーブラウザ画面となる
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LIVE対応ということで、おなじみの「実績」もある。Windows版では新たな実績がいくつも追加されている
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前節でマルチプレイのゲームバランスについて触れた。マウス対応によりゲームバランスが変化したこともあってか、残念ながら本作はXbox 360ユーザーとのクロスプラットフォーム対戦には対応していない。このためWindows版ユーザー同士の対戦のみサポートされるという形になっている。これもまた残念なことに、本作はPC系FPSでは標準的とされるDedicated Serverをサポートしない。Xbox 360版と同様に、ゲームクライアントを介した専用のゲームホストに接続してのプレイとなる。
そして本作は、対戦のプラットフォームとして「Games for Windows - LIVE」を採用し、Windows XPでLIVEを公式にサポートする初のゲームタイトルとなった。LIVE対応の既存PCタイトル「Halo 2 for Windows Vista」や「Shadowrun」と同様に、無料のシルバーメンバーシップでマルチプレイホスト作成/参加を行なうことが可能だ。ただ、このLIVEについては、筆者の環境ではWindows Vista環境では正常にLIVEへ接続することができたものの、Windows XP上ではなぜか接続することができないというトラブルに見舞われた。
EPIC Gamesの公式フォーラムをチェックしてみた限りでは、同様のトラブルに悩まされているユーザーが少なからずいるようだ。原因は定かではないものの、ネットワークカードを差し替えたら接続できたという報告が数件あり、断定はできないがハードウェアの相性に起因する問題なのかもしれない。本作の仕様上、LIVEに接続しない限りオンライン対戦は不可、シングルプレイの実績解除も不可ということになるため、是非とも改善してほしい点だ。
・ぜひ体験したいCO-OPモードと、PCオリジナルの対戦ルール「King of Hill」を搭載
マルチプレイでは、キャンペーンゲームを複数プレーヤーで協力して進んでいくCO-OPモードと、各種ルールで対決するVERSUSモードの二種類が用意されている。VERSUSモードでは、Xbox 360版のパッチで追加されたゲームモードに加え、PCオリジナルのルールも加えた5種類のルールが使用可能だ。
WARZONE: 人類チーム対ローカストチームによる復活無しのデスマッチ
EXECUTION: 敵に倒されると「ノックダウン」状態となり、止めを刺される前なら復活可能なデスマッチ
ASSASSINATION: 相手チームリーダーを倒せば勝利。倒したプレーヤーは次ラウンドでリーダーになる
ANNEX: マップ上複数の重要地点を占領してポイント獲得。先に規定ポイントへ達したチームが勝利する
KING OF THE HILL: Windows版オリジナルルール。1箇所の重要地点を確保した時間を競う
現在のところ、マルチプレイを楽しんでいるユーザーの数はそれほど多くない。主に遊ばれているルールはWARZONEもしくはEXECUTIONで、オーソドックスなデスマッチが好まれているというのが実態のようだ。残念ながら筆者はWindows版オリジナルのKING OF THE HILLモードをまだ体験できていない。もう少しプレーヤーが増えて沢山のゲームホストが選べるようになれば、より色々なゲームモードを楽しめるようになると思うが、現状では自分でホストを立ててみても集まりが悪く、少々厳しい状況だ。
また、本作では対戦だけでなく、キャンペーンモードをプレーヤー同士で協力しながら進んでいくCO-OPモードがサポートされているのも強みのひとつだ。このモードで面白いのは、シングルプレイゲーム的な仕掛けがネットワークプレイでも働くということ。例えば暗闇に入るとコウモリの集団に襲われ即死するステージでは、一方のプレーヤーがサーチライトを使って他方のプレーヤーを照らし、前進するのを援護するというシーンがある。主人公マーカス・フェリックスや戦友のドムになりきってローカストとの戦いを楽しめるというわけだ。一度は体験しておきたいものである。
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マルチプレイのワンシーン。味方と一斉にスタートしたら、敵のカバーリング場所をチェックしよう。スナイパーライフルに頼りがちな人は近距離への警戒が甘いので、接近してショットガンで粉砕。相手の裏をかいてハイスコアをマークしたい
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■ Xbox 360では最高傑作と激賞された本作は、PCでどう評価されるべきか?
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障害物に隠れたままブラインド・ショット! 命中率は低いがダメージを受けずに攻撃できる上、見栄えのいい戦い方だ
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ゲームプレイについて見ると、改めて言うまでもないが「Gears of War」は非常によくできたゲームだ。障害物を利用したアクションは、純粋なFPSに比べて多彩な動作が可能だ。武器はハンドガン2種、アサルトライフル2種、ショットガン、スナイパーライフル、ボウガン、ロケットランチャーと各種取り揃えており、状況に応じて近接攻撃やハンドグレネードで局面打開を図ることもできる。何より肩越しのカメラ視点で展開するアクションは見ごたえがあり、格好よさに溢れている。
しかし、PC向けのFPSとして見た場合、問題点が無いわけではない。本作は近年のPCにおけるFPSタイトルと比べると、ゲームプレイの内容がシンプルすぎるのだ。主にソロでプレイすることになるキャンペーンゲームは、ほとんどのシーンで障害物を挟んでローカストと撃ち合うばかりで終始する。中盤では乗り物を運転しながら敵を迎撃するというシーンもあるが、お世辞にも良くできているとは言えず、にぎやかしのレベルに終わっているのが残念だ。その他、本作は現代的なシングルプレイFPSとして必要な各種の「仕掛け」が貧弱で、キャンペーンモードはやや単調すぎる印象があるのが正直なところである。
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いくつかの局面ではルートを選択できる。同じステージを別の角度でプレイできる仕掛けだ
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前進する味方をサーチライトで照らして援護する。こうした仕掛けがもっとあればよいのだが……
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夜のハイウェイをビークルで疾走。ゲーム的にはちょっと消化不足を感じるシーン
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敢えて不満を言えば、平面的なマップでの戦いがやや多すぎる印象。PCゲーム基準ではもっと立体的な構造があってもよかった
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もうひとつの不満点として、本作をマウス操作で楽しもうとすると、各種の物足りなさが感じられてくる点を挙げたい。例えば射撃について、本作には通常視点で照準点がない。このため射撃の際には常に移動速度を犠牲にしてズームボタンを押し続けるということになり、スピード感が犠牲になっている。カバーリングアクションの多彩さに反比例して、立体的な戦いが皆無であることも弱点のひとつだ。
こういった不満は、本作があくまでもXbox 360コントローラー向けにデザインされているために出てくるものだ。本作をアナログスティックでプレイする限りは、照準能力の限界をタクティカルなアクションで補うという絶妙なゲームバランスが成立している。しかし50メートル先の敵を一瞬でヘッドショットできるようなデバイスでプレイすればこのバランスが崩壊してしまい、ゲームプレイの魅力が薄れてしまう。
本作がXbox 360において偉大な成功を収めた要因のひとつは、Xbox 360コントローラーに最適なゲーム性を示して見せたことだろう。本作がPCに移植されても最高のゲームであり続けるためには、プラットフォーム特性に合わせたゲーム性の変更が必要だった。これについては、今後マルチプラットフォーム展開をおこなうゲームにおいて、普遍的なテーマになってくるかもしれない。
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今更ながらこれだけのグラフィックスが1年前にゲーム機で実現していた事実は賞賛に値する。Windows版となった今でも、FPS界の偉大なマイルストーンのひとつとして一度はプレイしておきたいタイトルである
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(C) 2007 Microsoft Corporation. All Rights Reserved
【Gears of War for Windows】
- CPU:Pentium 4 2.4GHz以上/AMD Athlon 2GHz相当以上
- メインメモリ:1GB以上
- HDD:12GB以上の空き容量
- ビデオカード:NVIDIA GeForce 6600相当以上 / ATI Radeon X700相当以上
- DirectX:DirectX 9.0C以上
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□「Gears of War for Windows」のページ
http://gearsofwar.com/GearsPC/
□関連情報
【4月10日】マイクロソフト、Xbox 360「Gears of War」
新対戦モード「Annex」を含むタイトルアップデートを開始
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070410/gow.htm
【3月16日】Xbox 360ゲームレビュー「Gears of War」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070316/gow.htm
【3月11日】【GDC2007】ゲーム制作のアイデア、シナリオ制作のアプローチから見る「GEARS OF WAR」
北米ファンに賞賛されたゲームはいかにして生まれたか
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070311/gow.htm
(2007年11月26日)
[Reported by 佐藤“KAF”耕司]
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