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Goodplayer.jp、「Eスポーツスタジアム ステージ2」を開催
「旋光の輪舞」、「Warcraft III」、「WARSOW」の日本一を決定

10月27日、28日開催

会場:カフェソラーレ・リナックスカフェ秋葉原店

 Goodplayer.jpは、Eスポーツイベント「Eスポーツスタジアム ステージ2」を10月27日から2日間にかけて開催した。会場は8月に行なわれた前大会「ステージ1」と同じ東京・秋葉原にあるカフェソラーレ・リナックスカフェ秋葉原店。初日には悪天候のため客足が心配されたものの、大会が盛り上がる時間帯には店内を埋めつくすほどの観衆が集まった。


■ 今回も一番人気は「旋光の輪舞」。「WARSOW」、「WarCraft III」でも熱戦が展開

熱戦を見守る会場内の様子。店内は手狭ながら、複数のモニターにより誰もが試合を観戦できる環境が整えられていた
今回もメイン進行役を担当したGoodplayer.jp代表の犬飼博氏。早口でまくし立てる独特の話し振りで会場の雰囲気を盛り上げる
 前回に引き続き2日間にわたって行なわれた本大会では、「旋光の輪舞 Rev.X」、「Warcraft III」、「WARSOW」の3種目で決勝トーナメントが行なわれた。出場したのはオンライン予選を勝ち抜いてきた選りすぐりの選手達で、やはり前大会で活躍した顔ぶれが中心。「旋光の輪舞」では前大会覇者のZiji ver202選手、「WARSOW」では同じく前大会で優勝をものにしたfumio選手が、それぞれ連覇をかけて本戦を戦う。「WarCraft III」では大会初出場ながらオンラインでは猛者というSaito.選手に注目が集まった。

 今回も会場内には複数台のモニターが設置され、リアルタイムで展開している試合内容を会場のどこにいても観戦できる構造を実現。決して広いとは言えない会場でありながらも、大勢の観衆が試合展開に一喜一憂し、スーパープレイが披露されるや会場には大きな歓声が上がる。イベント進行を担当したGoodPlayer.jpの犬飼博氏の熱っぽい実況も健在で、会場の雰囲気を大いに盛り上げていた。もちろん、選手たちが実際にプレイしている姿を直接見ることができるのもオフラインイベントの醍醐味ということで、選手専用のゾーンは観衆から直接見える位置。見事な手さばきでゲームを操作する様子を間近に見ることができた。

 Eスポーツを一般の人々にも楽しんでもらいたいと、オープンな形でイベント運営を続ける「Eスポーツスタジアム」。会場では前回から引き続き抽選で豪華賞品の当たる抽選会を実施し、会場入り口ではイベントの目玉として追加の抽選券をもらえる「借り物競争」を随時開催していた。借り物のお題は「トレーディングカード」から「ツンデレのメイドさん」など、秋葉原の土地柄に密着した一筋縄ではいかない内容。賞品の抽選確率を上げようと、一見無理そうに見えるお題も見事達成してみせる一般参加者が相次ぎ、試合の外でも独特の盛り上がりを見せていたことが印象的だ。

対戦に打ち込む各種目の選手たち。このようにトッププレーヤーたちの手さばきを間近で見れる機会はEスポーツイベントならではの醍醐味だ

会場にはケイブのアーケードゲーム「ケツイ」のスペシャルバージョンを設置。次回大会では試験的に採用するとのことだ。このほかEスポーツの雰囲気をもつファミコンの「ハイパーオリンピック」や、「ロード・オブ・ザ・リング」の試遊台、「Age of Eimpire III: アジアの覇王」の体験コーナーなど一般参加者のためのコーナーが充実

初日、決勝トーナメントのほかにマイクロソフト提供の「Age of Empire III: アジアの覇王」を使ったエキシビジョンマッチが催された。対決する2名の選手は日本トッププレーヤーであるFird選手とNekokan選手。未発売の「アジアの覇王」は両名とも英語デモ版しかプレイしていないとのことだが、新しいゲームシステムに即応して戦う様子をみることができた


■ 「旋光の輪舞」は前大会覇者が圧倒的存在感を誇示。「WARSOW」決勝は前大会と同じ組み合わせの因縁対決が展開

 今回の大会では種目が「ステージ1」からそのまま継承されたということもあり、各競技はそれぞれにハイレベルな内容で戦われた。その中でも注目が集まったのは、やはりファン層の厚い「旋光の輪舞 Rev.X」だ。

・ゲームの持つ戦略性さえもねじ伏せる本物の実力? 「旋光の輪舞 Rev.X」はZiji ver202選手が無敗で連覇

「旋光の輪舞 Rev.X」の対戦画面。互いに弾幕を張りながら戦う対戦シューティングゲームだ
トーナメント表。不利といわれる「ファビアン」というキャラを使って勝ち上がったpitapon選手の奮闘が印象に残った
 アーケード版の登場から2年半。現在ではXbox 360版によるオンライン対戦でも熱い勝負が繰り広げられている「旋光の輪舞 Rev.X」。決勝トーナメントでは、敗北した選手が敗者側のトーナメントに移行し、そこで勝ち上がれば復活優勝を果たせるというダブルエルミネーションルールが採用された。この方式では各選手は2度負けるまでトーナメントに留まることができるため「事故」のような負け方をしても再起を図ることができ、結果として実力どおりの順位が出やすい。

 最終的に決勝戦に望んだのは、ここまで無敗で勝者側トーナメントを勝ち進んできたZiji ver202選手と、一度は敗れたものの敗者側トーナメントを制したROUGETSU選手。使用キャラはどちらも強キャラと言われる「ペク・チャンポA」で、前大会と同じく同キャラによる決勝戦となった。

 「旋光の輪舞」は、弾幕シューティングの基本を持ちながらも対戦内容としては格闘ゲームに近い戦略性を持つタイトル。攻撃をヒットさせることで溜まっていくゲージや、体力回復や一発逆転を狙えるBOSSモードを如何に使うかが試合の組み立てとして重要だ。ところが決勝戦では、BOSSモードをほとんど使わないままラウンドが進行。互いに深い読み合いがあっての結果だろうが、Ziji ver202選手がROUGETSU選手を通常攻撃で仕留め、異例なほどの素早い決着。弾幕を避けて起死回生を狙おうとするROUGETSU選手を、正確な攻撃で一気に畳み掛けた格好だ。

 これでZiji ver202選手は前大会から引き続き、1敗もすることなく大会2連覇を達成。決勝戦で対面したふたりは仲間同士ということで、Ziji選手は「ふたりの賞金を合わせて今夜は豪華なディナーになるでしょう」と、相変わらずの不敵なコメントで「旋光の輪舞 Rev.X」決勝大会を締めくくった。

決勝戦ではZiji選手とROUGETSU選手が同キャラで激突。勝負は高いテクニックに裏打ちされた力押しの展開となった

3位入賞のpitapon選手。「チャンポに負けたけどどれも惜しかった。ファビアンでもここまでやれるんだぞと」と、キャラ選択に自信を深めたようだ 「障害はZijiだけ」と悔しさをにじませたROUGETSU選手。しかし結果は前回を上回る準優勝だ 連続優勝を果たしたZiji ver202選手はROUGETSU選手と仲がいい。ふたりの獲得賞金を合わせて豪華なディナーを楽しむのだとか


・「WarCraft III」ではニューフェイスが活躍。初出場のSaito選手が緊張に押されながらも見事優勝

「WarCraft III」で戦うSaito.選手。集中したまなざしで、マウスとキーボードを操る手元だけが素早く動く
 前大会優勝のTTaM.TaC.選手は不出場というなか、当初優勝が期待されたのは前回準優勝を果たしたベテランtenti選手。ところがtenti選手は準決勝で前回3位のnemuke選手に敗れて敗退。決勝戦では、このnemuke選手とオフライン大会は初出場というダークホースのSaito.選手が対決した。

 nemuke選手の使用陣営はナイトエルフで、対するSaito.選手はアンデッド。2本先取で戦われた決勝戦はSaito.選手が終始戦場を支配して進行した。ユニット生産効率を上げるためにふたつめの金鉱を作ろうとこだわるnemuke選手に対し、Saito.選手は終始積極的な攻撃をしかけ、出来上がったばかりの金鉱を繰り返し破壊。ユニット操作の精密性は明らかにSaito.選手に分があるため、nemuke選手は経済力で上回ろうという魂胆だったものの、完全に上手を取られてしまったようだ。

 細かい攻撃を幾度も繰り返したSaito.選手が最後にnemuke選手の本陣に攻め込み、これにたまらずnemuke選手が敗北を宣言したところで試合終了。結果としてはSaito.選手が2本とも無難に勝利して圧勝という形におわった。そのSaito.選手とnemuke選手は日ごろからオンラインで対戦しているライバルだ。nemuke選手は敗者コメントとして、「Saito.選手はこの大会で引退するといっていたので、負かして未練たらたらにしてやりたかったけど残念」、対するSaito.選手は「とにかく勝てて嬉しいです」と素直な喜びを表現していた。

決勝戦ではアンデッド陣営を操るSaito.選手がnemuke選手の建築物に執拗な攻撃を繰り返し、ペースを握ったまま試合を進めた。結果はSaito.選手が2本先取しての圧勝

3位入賞を果たしたkino選手。3位決定戦で前回準優勝のtenti選手を下した実力は確かなものだった 準優勝のnemuke選手。Saito.選手とはオンラインで対戦する仲で、今回打ち破れなかったことが相当悔しかったようだ 優勝を果たしたSaito.選手は初出場の緊張のなか優勝を成し遂げた。表彰式では「勝てて嬉しい」と素直なコメント


・「WARSOW」ではライバル関係のfumio選手とbluespear選手が対決。ミスからのプレッシャーが勝負を決めた

「WARSOW」ではマップ構造を熟知してアイテムを取り逃さないことが必要。移動でミスがあれば即座に不利になるというゲームだ
 「Quake III」タイプのFPSである「WARSOW」では、前大会入賞者の強さが際立った。無難に勝ち進み、決勝戦へ進んだのは前大会優勝のfumio選手と同準優勝のbluespear選手だ。ふたりはオンラインで切磋琢磨し続けるライバルでもあり、同じ組み合わせで二度目の決勝ということで、因縁の対決と目される組み合わせとなった。

 2本先取で戦われた決勝戦で最初に勝鬨をあげたのはfumio選手。接近しながら怒涛の攻撃をしかける持ち前のスタイルで、相手のテンポを崩した形での勝利だ。ところが、fumio選手のプレイがここで崩壊してしまう。2度目の優勝が見えてきたという安心感と、ここで負ければどうなるかわからないというプレッシャーからだろうか、急にプレイの精彩を欠く状態となってしまった。

 対するbluespear選手は始終冷静に試合を運び、fumio選手が自ら選んだマップ「DM1」でも圧倒的な勢いでスコアを伸ばす。fumio選手は「WARSOW」の特色である壁を使った2段ジャンプでの移動にことごとく失敗し、足場を踏み外してアイテム取得のタイミングを逃してしまう。そこに冷静なbluespear選手が正確な攻撃で追い詰め、完全に試合のペースを握った。完全に歯車の狂ったfumio選手はほとんどスコアを上げられないまま、最終戦は20対0という圧倒的なスコア差で勝負が決まった。

 勝利して見事優勝を決めたbluespear選手は、前大会で敗れた際に「きれいに勝ちたい」と心情を吐露していただけに感激もひとしお。fumio選手に対してはネットでもよく対戦するライバルということでリスペクトしつつも、本大会で決めた勝利に自信を持ったようだ。当のfumio選手は自身の不調について、「何と表現すればよいかわからない気持ちです。デモを見直して研究したいと思います」と、将来の復活に向けて気持ちを新たにしていた。

決勝戦で対決したふたりは前大会でも決勝で顔をあわせた関係。前回トラブルに悩まされたbluespear選手は冷静な試合運びで正確な操作を徹底。対するfumio選手はプレッシャーに負けたのか、基本的なミスを連発して大差をつけられてしまった

3位入賞のnasa選手。前大会と同じ成績を取ったことについては満足していない様子 準優勝に終わった前回覇者のfumio選手は、「何もかもがうまくいかなくなった。デモを見直して研究します」と、意欲は失っていない bluespear選手は前大会で惜しい負け方をしただけに、優勝の喜びはひとしおのようだ。冷静な試合運びが見事だった



■ 次回「ステージ3」は「BIGLAN」内で開催。「もっと面白い仕掛けを考えます」とグレフ丸山氏

これからも大会を応援していく姿勢を明らかにした株式会社グレフ代表の丸山氏。選手たちと親しく交流する場面も見られた
 熱戦が繰り広げられた「Eスポーツスタジアム ステージ2」は盛況のうちに閉幕し、イベントは次回開催の「ステージ3」へ続くことになる。閉幕式ではGoodplayer.jp犬飼氏より、次回の「ステージ3」は、「BIGLAN Socket 6」内の特設イベントとして実施されるとアナウンスされた。「BIGLAN」は12月15日から16日にかけ、秋葉原UDXビルで開催される大規模LANゲームパーティのイベントで、より広い会場で多くのギャラリーが見守る大イベントが期待できるだろう。

 次回イベントについては「旋光の輪舞 Rev.X」の開発元であるグレフの代表取締役社長丸山博幸氏からもコメントが寄せられた。丸山氏は「Eスポーツスタジアム」で行なわれた2回の本戦に特別賞品などを提供してきたが、「次回はもっと面白い仕掛けを考えます」とのことで、大会をバックアップしていく姿勢を明らかにした。

 閉幕後、犬飼氏はこのことについて「大会を重ねていく中で、ゲームの作り手の側にもEスポーツの価値が伝わってきている思います。今このことが一番面白い現象のひとつで、今後Eスポーツがゲームデザインの主題として明確になっていけば、クリエイターがもっとゲームを作りやすくなると期待しています」とコメントしてくれた。

 Eスポーツの大会がユーザーを主役として行なわれていくことはこれからも変わらない。しかし、競技となるゲームを提供するクリエーターがその価値に気付き、ゲームタイトルをユーザーに届けてビジネスが終わってしまう現状とは異なる形の、新しいゲーム文化を犬飼氏は見据えているのかもしれない。それは既に海外では始まっているものかもしれないが、日本でも新しいムーブメントが起きるのかどうか、注目していきたい。

試合の合間に行なわれたさくらインターネット提供の「ロード・オブ・ザ・リングス オンライン」特別イベント。ミニ対戦大会ではLotROイメージガールの石原啓子さんも参加して、自慢のキャラクタで奮戦する姿を見ることができた

イベントの最後に行なわれた賞品抽選会は大盛況。抽選券を兼ねるアンケート用紙は数百枚はあろうかという厚みに達し、「借り物競争」をクリアして追加抽選券をもらった来場者を中心に「ロード・オブ・ザ・リングス オンライン」パッケージや、ASK提供の「ZALMAN Z-MACHINE」高級PCケースなどをゲット。筆者も挑戦してみたが、残念ながらかすりもしなかった

□GoodPlayer.jpのホームページ
http://www.goodplayer.jp/
□「Eスポーツスタジアム ステージ2」のホームページ
http://esportsstadium.com/
□関連情報
【10月23日】Goodplayer.jp、「Eスポーツスタジアム ステージ2」イベントの詳細が明らかに
決勝トーナメントを27~28日に秋葉原で開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071023/esports.htm
【9月5日】ネクサム、「Eスポーツスタジアム2007 ステージ2」を開催
オンライン予選は10月6日から14日、決勝戦は10月27日、28日
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070906/espo.htm
【8月6日】Goodplayer.jp、「Eスポーツスタジアム ステージ1」を開催
「War3」や「Halo 2」など4種目で熱戦が展開。一番人気は「旋光の輪舞」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070806/espo.htm
【8月2日】「Eスポーツスタジアム ステージ1」決勝トーナメントを秋葉原で開催
さくらインターネットのスペシャルイベントを開催決定
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070802/espo.htm
【6月21日】「Eスポーツスタジアム 2007 ステージ1」の特別種目で
WIN「Halo 2」を使った個人戦が開催決定
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070621/halo.htm

(2007年10月29日)

[Reported by 佐藤“KAF”耕司]



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