|
今回はそれを「アドクエ」やハイファイブの他のタイトルに限定せず、他社のオンラインゲームのポイントとしても活用できるというところがまったく新しい。ユーザーはこのサービスを利用することで、現金を使用せずに、さまざまなオンラインゲームの有料アイテムを購入することができるようになる。 このサービスの狙いは、現在正式サービスが実施されているオンラインゲームの過半数が基本プレイ無料のアイテム課金制を採用している中、その利用者の8割あまりが、一切有料アイテムを利用しない、つまり無料で遊び続けていることになるが、これら無料ユーザーに対して、売り上げを発生させる施策というわけである。 ユーザーの2割が、タイトルの売り上げの10割を占めるという構造は、ここ最近の話ではなく、アイテム課金制タイトルの構造的なウィークポイントだった。これをユーザーとメーカーの間に広告主を挟むことで、ユーザーにはゲーム専用の仮想通貨を、メーカーには売り上げを発生させるという、両方の利益に合致した上で、ビジネスとして綺麗にまわるという、理論的にはまさに理想的なビジネスモデルとなっている。 基本的な利用方法としては、まずユーザーは「ネトゲット」でハイファイブコンテンツIDを取得する。すでに登録済みのユーザーは追加登録は不要。そのIDで「ネトゲット」にログインし、登録されている広告の条件を満たすことで、一定期日後に一定額の“ネトG”を入手することができる。その“ネトG”を、対応タイトルの仮想通貨に交換することで、対応ゲームで有料アイテムが購入できるという流れになる。 注意点としては、不正獲得を防ぐために必ず一定期間をおいてポイントが充当されるようになっているため、「○○を買うポイントが足りないからちょっと稼いでくる」という場当たり的な利用法はできないことと、交換は常に“ネトG”からゲーム専用の仮想通貨への一方通行となっており、“ネトG”を仲介させて他社の仮想通貨に変えたりすることはできない。また、Web MoneyやNET CASHといった、汎用の仮想通貨との交換もできない。あくまでオンラインゲーム市場のためのアフィリエイトサービスとなっている。 このサービスがビジネスとして軌道に乗るかどうかはひとえにどれだけ対応タイトルを増やせるかに尽きるが、現時点で発表されているのはメーカーのみで、個別のタイトルについては最終調整中として明らかにしていない。8月24日時点での参入メーカーは以下のとおりだ。
・キューエンタテインメント ・ほか十社と年内参入に向けて交渉中 繰り返しになるが、現時点では残念ながらどのタイトルが貯めた“ネトG”で使えるのかはわからない。たとえば、参入メーカーの一社であるジークレストのフラッグシップタイトルである「トリックスター0 -ラブ-」が対応するかどうかはわからない。今のところ、ハイファイブのタイトルのユーザー以外は、“ネトG”を貯めるモチベーションが沸きにくい状態だ。
また、国内大手メーカーの名がないのも気になるところだ。スクウェア・エニックス、コーエー、カプコン、テクモ/SeedC、ガンホー、ゲームオン、ゲームポットなどなど、100万単位のユーザーを擁するメーカーが続々と参入し、過半数の現役オンラインゲームユーザーのニーズをカバーできるような状況になれば、世界的に見て前例のないユニークなビジネスモデルとして日本のみならず、世界的なビジネスに発展する可能性もある。今後のサービス拡充に期待していきたいところだ。
□ハイファイブ・エンターテインメントのホームページ (2007年8月24日) [Reported by 中村聖司]
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp Copyright (c) 2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|