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ガマニア、「ブライトシャドウ」8月27日よりクローズドβテスター募集開始
丁寧な作り込みが特徴のMMORPG、霊気、カードなどのシステムに注目

8月27日より募集開始



 ガマニアデジタルエンターテインメントは、台湾Gamaniaが自社開発しているMMORPG「ブライトシャドウ」のクローズドβテスターを8月27日より募集する。募集は各メディアやメールマガジンなどで行なわれ、「ブライトシャドウ」公式ページで1,000名となっている。今回、GAMEWatchの読者枠として500名をいただいており、募集ページへのリンクなどは27日掲載の記事で改めて紹介したい。

 クローズドβテストは27日から募集を開始し、9月中旬にはクローズドβテストを開始する予定だ。秋頃にオープンβテストに移行し、年内にも正式サービスを開始する予定となっている。「ブライトシャドウ」は、かわいらしいキャラクタデザインと、世界、モンスター、キャラクタの仕草など、あらゆる所に丁寧な作り込みを感じさせる作品だ。

 今回は募集に先がけて「ブライトシャドウ」の基本的な要素、そして今後の予定を本作のプロジェクトマネージャーを務めるプロジェクト推進本部第2グループのMYOUNG HUN氏と、ディレクターの河合修平氏に話を聞いた。ゲームの内容と共にスタッフのオリジナルタイトルへの意気込みも紹介したい。


■ モンスターやエモーションにこだわりを感じられる、丁寧に作られたMMORPG

ボディースーツのような装備。ユニークな世界観を感じさせる。足下のモンスターは「水滴君」。ぷるぷると身体を震わせ、水のしずくをまとわせて歩くモンスターだ
モンスターを倒すと出る霊気。強力なスキルやアイテム作成、変身などに使う
封魔全書。カードは現在様々なアイデアを検討中だ。現在すでに200以上のカードが用意されている
 「ブライトシャドウ」は、「霊気」という不思議なエネルギーが満ちている世界が舞台となる。この世界はかつて天空にいる「姫」と地上の「王」という2人の神によって治められていたが、王は姫の愛が自分だけではなく世界全体に向けられていることに嫉妬心を懐き、その醜い心が地上の霊気を汚し、恐ろしい魔物を生みだしてしまう。「暗黒霊気の時代」はこうして始まる。

 暗黒霊気の時代は続き、やがて魔物達からすべてを統べる「魔王」が誕生する。魔王は魔物を束ね、地上世界を支配する。魔王の支配からかろうじて逃れた人々は姫が残したと言われる「光の霊気」を研究し、魔物を封印する「封魔全書」を作り出し、4人の勇者に託した。4人の勇者は力を合わせて魔王を封印した後、残りの魔物を封印するために世界各地へ散る。その後しばらくは平安が続いたが、ある日封魔全書の封印が解け、魔物達が力を盛り返してしまう。再び世界に平和をもたらすため、勇者から伝えられた封魔全書を手に、人々は立ち上がる……。

 「ブライトシャドウ」のスタート地点である街は、ヨーロッパ風の石造りの街だが、住人の服は南国的な意匠も取り入れた独特のものだ。世界の風景は色遣いが優しく、ほのぼのとした雰囲気がある。キャラクタのデザインは目が大きくてかわいらしく、一方で服装はぴったりとしたボディスーツを思わせるデザインで、SF的なイメージもある。

 本作のディレクターを務める河合氏は「ブライトシャドウ」の細かい作り込みに特に注目して欲しいと語る。エモーションや、キャラクタの装備、そして特にモンスターにスタッフの強い思い入れが感じられる。キャラクタが背負うバッグが大きさによって変化したり、ロード画面で走るキャラクタの絵が装備によって変わったり、テストプレイ中でも感心されることが多いとのことだ。

 スタート地点である街の広場には初心者を案内するNPCや装備を売る商人、クエストをくれる長老などが立っていてゲームデザイン的には台湾・韓国産MMORPGのポピュラーなスタイルだ。個人的には建物の中にいたり、何らかの動きを見せていたりという、もう少し世界観やストーリーをを感じさせる演出が欲しいと感じた。

 街の外には「試練の平原」と呼ばれるフィールドが広がっていて5~6種類のモンスターが歩いている。ぷるぷるとゼリーのような動きが愛らしい「水滴君」は、水のしずくを身体にまとわせて歩く、耳の大きな「バッコ」はぬいぐるみのような外見と、派手な攻撃魔法を使ってくるところが面白い。試練の平原から進む「試練の洞窟」では手を繋いだ「ミイラブラザーズ」などが登場する。ミイラブラザーズは一見仲がよく見えるが、呪いで手が離れなくなっていて、実は仲が悪いなど、設定も細かい。

 プレーヤーキャラクタは「初心者」という職業でスタートし、一定レベルまで上昇すると近接攻撃が強い「ファイター」、遠距離攻撃が得意な「シューター」、治療に秀でた「霊術師」、攻撃魔法が得意な「魔術師」の4つの職業に転職が可能になる。今後は更に上級職も用意され、シューターはより強力な“銃”を使えるようにもなるということだ。

 本作ではプレーヤー達はすべて封魔全書を所持している。モンスターは一定の確率で倒されるとカードになり、プレーヤーはそのカードを封魔全書にコレクションできる。カードはNPCやPCとの取引にも使える「第2の通貨」としても使うことが可能で、この他の使い方も現在検討中だ。ボスモンスターすらカードにできるとのことで、今後どのような使い方ができるようになるか展開が楽しみだ。カードは「ブライトシャドウ」の大きな魅力となる要素だ。

 そして「霊気」である。モンスターを倒すと、魂のように霊気が残される。これをキャラクタが吸収することで霊気ゲージがたまっていく。霊気は様々な「大技」を使うときや、アイテムの作成に必要になる。雑魚モンスターで霊気ゲージを溜めておいて、ボスモンスターで一気に使う、といった使い方が有用だ。また、霊気は「変身」にも使用できる。初心者はゴーレムに変身するスキルを持っており、ゴーレムになることで防御力が跳ね上がる。変身のエキスパートのような上位職業も考えられている。

 この他、「プライベートダンジョン」も用意されている。初心者から中級者、ソロからパーティープレイもカバーしており、フィールドの狩りとは全く別なプレイを体験できる。入ってみたダンジョンは「部屋の中の敵を全滅すると、次の部屋へのドアが開く」といった形で進行し、ストーリーよりもゲーム的側面が強いものが多いように感じた。制限時間や、トラップなども存在し、奥にはボスモンスターなども待っているという。

 台湾のゲームというと筆者は「飛天オンライン」のイメージが強く、ストーリー要素の強いものを想像していたが、「ブライトシャドウ」はそういった部分をあえて押さえ、モンスターを倒しレベルアップをしていく、といったシンプルな楽しさに重点を置いている印象を受けた。今回は本当に序盤を触ってみただけで、実際にプレイをしていけばまた感触は変わってくるだろう。モンスターやフィールドから、スタッフのこだわりが強く伝わってくる作品だ。実際にプレイするのが楽しみだ。

スタート地点の街。チュートリアルのNPCや、世界観を説明する長老などがいる。噴水の柱についている歯車は常に回転している。様々な文明の要素が混じり合っているという
最初のフィールド試練の平原。街から出ると様々なモンスターが闊歩している。バッコは低レベルモンスターでありながら派手な魔法を使ってくるなど、各モンスターは特徴的だ。NPCの羽の生えた猫はキャラクターグッズとしての販売もあるかも
レベル10くらいの強さが必要な試練の洞窟。可愛いながら不気味なモンスターが待ち受ける
踊りのエモーションコマンド1つで数パターンの踊りを披露。エモーションコマンドは非常にたくさんのものが用意される予定だ


■ 開発は日本台湾ほぼ同時に進行中、すでに「エピソード2」の開発もスタート

プロジェクトマネージャーを務めるプロジェクト推進本部第2グループのMYOUNG HUN氏
ディレクターのプロジェクト推進本部第2グループ 河合修平氏
ダンジョンの奥で待ち受けるボスキャラクタ。彼らすらカードにできるという
 「ブライトシャドウ」は全体はオーソドックスでありながら、台湾Gamaniaの運営経験を活かして、「丁寧なMMORPG」を目指していくという。実際、インターフェイス、操作性、コミュニケーションなどは、機能が揃っており遊びやすい印象を受けた。台湾ではこれまでCCB(クローズドβテストより更にプレーヤーを限って行なわれたテスト)を2回行なっており、8月中にクローズドβテストを行なう予定だ。

 「ブライトシャドウ」は2006年の東京ゲームショウで試遊台が設置され、本誌は2006年の2月にも台湾で説明を受けている。開発にあたりガマニアはテストに多くの時間を割いており、クオリティアップに非常に力を入れている。プロジェクトマネージャーのMYOUNG氏は「パブリッシャーとして経験を積んだGamaniaだからこそ、ユーザーの立場に立ち、できるだけ質の高いものを提供するためにテストを慎重にくり返している」と語る。Gamaniaではクローズドβ、オープンβ、そして正式サービスの流れを順調にするためにも社内でもテストを重ねて、初期トラブルをできるだけ押さえることを目指しているという。

 このGamaniaの姿勢によって行なわれる9月中旬からのテストは、ユーザーにバグチェックを委ねる通常のクローズドβテストとは意味合いが少し違ったものになりそうだ。台湾版と日本版はほぼ同時に開発が進められており、2~3週間程度遅れた形で日本での展開を考えている。日本では秋頃(10月くらい)にオープンβテストに移行し、11~12月には正式サービスを開始する予定だ。

 台湾では現在「エピソード2」の開発が進められている。「ブライトシャドウ」は細かくアップデートをしていくのではなく、数カ月から半年単位で多数の要素を盛り込む形での大規模なアップデートを考えており、「エピソード2」では上級職や高レベルキャラクタ向けフィールド、新要素などを考えている。

 今回は確認できなかったが、アイテムモールの機能の充実は本作の大きなセールスポイントだ。倒れたときに復活用の課金アイテムのオススメメッセージが流れたり、セットアイテムで割引されたり、予約割引があったりと、ただアイテムを売っているだけではない、様々なアイデアが詰め込まれたものになっている。また、ゲーム内で他企業の広告を貼ることができるようなサービスも用意されている。日本のガマニアではまだ戦略は決まっていないが、開発側は様々な使い方ができるシステムとしてアイテムモールを作っている。

 台湾Gamaniaが開発していると言うことで、日本ガマニアからもより声が届けやすいところは日本のスタッフが大きく期待している部分だ。また、台湾ではダンジョンやクエストをユーザーから募集し、それを実装していこうというプランがある。実装していくコンテンツは開発側とユーザーのアイデアが半々くらいにしたい、というくらい積極的にしていくという。将来的にはエディタを開放し、ユーザー自身の手でダンジョンを作れる、といった構想もあり、積極的にユーザーの声を取り入れていく方針だ。日本のユーザーの声も反映されることに期待したい。

 「ブライトシャドウ」は台湾、日本で同じコンテンツが実装されていくのが基本的な方針だ。MYOUNG氏は開発スタッフが日本市場を重視し、日本のユーザーに向けてコンテンツを提供し、日本で通用するコンテンツとして完成度を上げたいという強い思いを持っている、と語る。もちろんそれをベースにしながら台湾のユーザーに喜んでいくものも足していきたい。基本的な部分は日本と台湾は同じコンテンツだが、細部は日本、台湾で変化していくかもしれない。もちろん、日本からは積極的に提案を行なっていくという。

 ユーザーへのメッセージとしてMYOUNG氏は、「『ブライトシャドウ』は日本のガマニアも開発に携わり、しかも日本と台湾でほぼ同時に展開したいと言うことで、時間がかかった部分もあります。多くの開発スタッフが携わり、クオリティはその分上がりました。私達が力を入れて世に送り出す作品をどう評価していただけるか、期待していますし、ご期待下さい」。

 河合氏は、「作品として基本がかなりできているものなので、伸びしろはすごくあります。ユーザーと一緒に、楽しみながら運営して行ければいいなと思っています」と語った。

 日本のガマニアは「飛天オンライン」や「ホーリービースト」といったタイトルでも、開発元と密接な関係を結んで運営を行なっているが、「ブライトシャドウ」では更にユーザーの声が届けられる環境も期待できそうだ。「ブライトシャドウ」はどんな作品に進化していくのだろうか。

初心者が変身できるゴーレム。力と防御力が一定時間アップする スキル画面。スキルの取り方はプレーヤーによって違いが生まれそうだ モンスターは世界の民話など、様々なモチーフから作られる
目的や参加人数など、様々な項目で選択できるプライベートダンジョン。敵を倒すと障壁が取り除かれ先に進めるようになる、というのが基本要素だが、中にはスイッチを探さなくてはいけなかったりと、パズル要素なども盛り込まれている
テストプレイでは世界観やストーリー要素は前面に出されていない印象がある。実際のゲームで確かめてみたい 攻撃のモーションなど細かいところに強いこだわりを感じさせられる 中級者向けの巨大な塔。この柱は見上げても上が見えないほどに高く天に伸びている。この像は何を現わしているのだろうか。

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□ガマニアデジタルエンターテインメントのホームページ
http://www.gamania.co.jp/
□「ブライトシャドウ」のティザーサイト
http://bs.gamania.co.jp/
□関連情報
【8月1日】ガマニア、MMORPG「ブライトシャドウ」
世界観を盛り込んだティザーサイトをオープン
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070801/bs.htm
【2月11日】Gamania、3本の新作オリジナルタイトルレポート
アイテムモールに工夫のある「Bright Shadow」、おもちゃの国の様な雰囲気の「富貴達人」、
派手な演出と戦略性が盛り込まれた「仙魔道」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070211/gamania.htm
【2006年9月24日】ガマニアブースレポート オリジナルタイトルを強くアピール
日台のスタッフの協力により新しいゲームを生み出す
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060924/gamania.htm

(2007年8月24日)

[Reported by 勝田哲也]



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