【Watch記事検索】
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】

スギヤマ工房、「第21回ファミリークラシックコンサート」開催
開発中の「ドラクエIV」と「IX」の音楽について語る

8月9日 開催

会場:東京芸術劇場

コンサートへの意気込みなどを語るすぎやまこういち氏
 スギヤマ工房は8月9日、「第21回ファミリークラシックコンサート ドラゴンクエストの世界」を、東京・池袋の東京芸術劇場で開催した。

 今回で21回目を数えるファミリークラシックコンサートは、「交響組曲『ドラゴンクエストVI 幻の大地』」と題し、同作中で流れる楽曲で構成されたプログラムを、東京都交響楽団が演奏した。コンサートマスターを山本友重氏、指揮とお話をすぎやまこういち氏。

 このコンサート開始直前に共同インタビューが行なわれた。そこですぎやま氏がコンサートへの意気込みだけではなく、現在開発中のニンテンドーDS用「ドラゴンクエストIX」や、先日リメイクが発表された「ドラゴンクエストIV」から「VI」についても語ったので、その内容をお伝えする。

 インタビューの冒頭ですぎやま氏は今回のコンサートについて、「今まで東京で一番長らくコンサートをやってない組曲はどれかを調べました。そしたら、最後に『VI』をやったのが11年前でした。そして『VI』をやると発表したら、“次のリメイクは『VI』か”と随分言われましたが、それが動機ではなくて、一番長らくやってないということで選びました」と選曲理由を明らかにした。

 そして「VI」のゲームについて、「みなさんの話を聞くと、『VI』のゲーム自体の印象が少し薄いんじゃないかと感じますが、振り返ってみると『VI』もいいゲームでしたね。いきなりトンカントンカンと小屋を建てるのを手伝ってみたりですとか、僕自身は面白かった」と印象を話した。

 続けて「『VI』は特に曲に思い入れがあり、『ドラクエ』シリーズの中でもヒットした楽曲が『VI』には結構あるんですよ。アンコールなんかでもしばしば演奏した『空飛ぶベッド』もそうですし、『エーゲ海に船出して』はシリーズ全楽曲の中でも僕自身一番思い入れのある曲であったり、それからエンディングの『時の子守唄』も作曲した僕本人が非常に気に入っている曲です。また、『VI』の時に冒険としてやってみたのが『悪のモチーフ』という2小節のフレーズですね。モチーフを積み上げて楽曲を作るということをやりました。ゲームの中で悪の象徴が出てくる、戦闘やダンジョン、塔などは『悪のモチーフ』を使って構成し、これも力を入れた曲の作り方でした。この『VI』の曲を11年ぶりに東京で演奏できるのは、とても楽しいことだし、気合が入っています」とコンサートへの意気込みを語った。

 『IV』〜『VI』のリメイクについては、「DSは『音しょぼいよ』なんて言われたりしますが、たしかにPSなどの方がいろいろもっとできるでしょう。でも音楽はそれだけのものじゃなくて、やっぱり曲があり、それをどう音楽的に表現するかの方が大きいと思います。DSの音源でもフレージング、その範囲内でできる音色などで音楽的にいいものを作っていくことは絶対可能だと思うし、頑張り甲斐のあることですね。いってみれば、『IV』までの曲はファミコンの3トラックで表現できていたわけですから、ファミコンに比べたらDSの能力の方がはるかに高いんです。それから、『IV』の音楽の音調整はすでにもう1回やりました。正直言って、DSの内蔵音源でこれだけ音楽的なものができるのかと驚きました。たぶんDSではまさに初めてと言えるくらいの音ができつつあると思います」と開発状況にまで踏み込んだ話を語ってくれた。

 さらに、「あとDSのメモリやなんかの制約がある中で、もしできれば『序曲』だけはストリームで流せたらなと思います。スクウェア・エニックスのスタッフたちも『序曲』はストリームで流したいと情熱を持って取り組んでいるところですので実現の可能性は結構あると思っています。ストリームで流すのは東京都交響楽団による生演奏です」と音へのこだわりを感じさせた。「僕自身もDSで出たら、久しぶりに『IV』を遊べるなと楽しみにしています。なんとか暮れに間に合わせて欲しいですね。暮れに間に合ったらぱっと持っていって、京都でのんびりお雑煮食べて『ドラクエIV』ができたらいいなと思っています(笑)」と年内発売の可能性をほのめかしていた。

 現在開発中の「IV」〜「VI」と「IX」の作曲について聞かれると、「作曲家として曲を作ってぽんっと渡して終わりではなく、音色の選び方から音楽的な調整までこだわって、サウンドクリエーターのスタッフとみっちりやります。この後もしばらくはコンサートが目白押しですが、その合間にいろいろやっていく。『IX』の作曲はもちろん、『IV』の調整もやりますし、コンサートのスコアの勉強もやっていきます。来年、オーケストラでレコーディングしたいなぁと思ってるものもあるわけですよ。まだ僕が携わったゲームの音楽を順次オーケストラに編曲して、レコーディングしていきたいとずっと思っています。ゲームでいうと、『ドラゴンクエストモンスターズ』や『風来のシレン』、『トルネコ』、『ヤンガス』、『46億年物語』など、オーケストラに書きたいと思っているものが山ほどあって……後何年生きていればいいんだろう(笑)というくらいあります」とまだまだ創作意欲があふれていることを感じさせた。

 「IX」の進捗についての質問には「ゲームの全体像はまだ仕舞いまでは見えていない」としながらも、「『IX』については、ある種“堀井雄二、天才のひらめき待ち”という部分がある。やっぱり天才を相手にするときは、“ひらめき待ち”が一番いいんだけどね。かといって企業としては何年も待ってられないよな(笑)。でも、堀井さんがひらめいたのは大抵すばらしいんで、僕もその“ひらめき待ち”、楽しみにしています」と発売はもうしばらく先になりそうだが、すぎやま氏自らも完成が待ちきれない様子だった。

 ゲーム好きでも知られるすぎやま氏は現在も「ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー」をやり込んでいるそうで、「最近やっとWi-Fiステーションに繋いでやってみたけど、全国で1万位前後です。僕が一番ベストの順位を出したのは、Fクラス限定などの限定戦で、最高800位くらいまでいきました。次の限定戦を楽しみにしています(笑)」と、最後は同席していたスクウェア・エニックスのスタッフにお願いしていた。

 すぎやま氏は今後も多数のコンサート公演を予定している。8月23日に愛知県芸術劇場コンサートホールで「夏休みファミリーコンサート ドラゴンクエスト・スペシャル」、9月23日は札幌コンサートホールKitara大ホールで「すぎやまこういちがやってきた!」、10月14日は伊東市観光会館ホールで「東京メトロポリタン・ブラス・クインテット〜バッハからドラゴンクエストまで〜」の公演が予定されているので、「ドラクエ」ファンはぜひチェックしていただきたい。

指揮とお話を担当するすぎやまこういち氏。演奏は東京都交響楽団。コンサートは「ドラクエ」シリーズおなじみの「序曲のマーチ」から幕を開けた


□すぎやまこういち氏のホームページ「すぎやまこういちの世界」
http://sugimania.com/
□スクウェア・エニックスのホームページ
http://www.square-enix.com/jp/
□「ドラゴンクエスト」シリーズのページ
http://www.square-enix.co.jp/dragonquest/
□関連情報
【8月1日】スクウェア・エニックス、「ドラゴンクエスト」“天空”シリーズ3作品をDSでリリース
第1弾としてDS「ドラゴンクエストIV 導かれし者たち」を今冬発売予定
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070801/dq.htm
【2月28日】スギヤマ工房、「すぎやまこういちとブラスの響き」開催
すぎやま氏「今年は『ドラゴンクエストIX』の作曲がメイン」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070228/sugi.htm
【1月15日】スギヤマ工房、「ドラゴンクエスト」コンサートの
2007年公演スケジュールを発表
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070115/dqcon.htm
【2006年1月30日】「交響組曲『ドラゴンクエストVIII』新春公演」開催
すぎやま氏「『ヤンガス』の楽曲はすでに完成」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060130/sugi.htm

(2007年8月9日)

[Reported by 滝沢修]



Q&A、ゲームの攻略などに関する質問はお受けしておりません
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします

ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

Copyright (c)2007 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.