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会場:東京芸術劇場
公演前の会見ですぎやまこういち氏は「前回、チケットが発売日に完売してしまって。都響のスケジュールを調整して今回再演という形をとったが、今回も完売となってしまった。今回の公演で前回来られなかったお客様もかなりカバーできたのではないかと思いますが、まだ来られない方がいらっしゃると思うと……」と語っていた。CDのレコーディングから含めると都響は都合4回目の「DQVIII」の演奏となるが、「オーケストラのレパートリーといえるほどすっかりこなれ、かつ気合の入った演奏を披露できると思う。リハーサルも気持ちよくできた」とコメント。 東京都交響楽団による「ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君」からの楽曲を集めた公演だが、8月のものと少し内容が異なる。それはエンディング曲である「空と海と大地」。前回はオーケストラ向けのアレンジでゲーム中に流れる曲とは異なりピアノをカットしていたが、今回の公演ではゲーム中同様、ピアノが入ったバージョンとなっている。すぎやま氏も「ゲームで楽しんでくれた方には“おっ”と驚いてもらえると思います」とコメント。
会見でも述べていたが、MCで二ノ宮知子さん作のコミック「のだめカンタービレ」にも触れ、「二ノ宮さんはいろんなミュージシャンを取材していますよね。『のだめ~』はオーケストラとしての基本がしっかりできていて僕は高く評価している。僕自身も14巻まで読みました(笑)。二ノ宮さんが取材したオーケストラというのは都響なんだよね。都響とはある意味縁の深いコミックですね」と絶賛。「『DQ』コンサートもある種のオーケストラの布教活動をしているわけですが、『のだめ~』という頼もしい同志が現われたと。ともにさらにクラシック界を盛り上げていきたいなと思います」と語っていた。 発売が迫っているPS2「ドラゴンクエスト 少年ヤンガスと不思議のダンジョン」に関しては、作曲、音作りは完璧に終了しているそうだ。「『DQVIII』のヤンガスのテーマ曲といえる『そうだあの時は』のメロディをメインに据えて全曲作りました。そういった意味で『トルネコの大冒険』と同じように変奏曲がいろいろ出てきますので楽しみにしていただきたいと思います。ほかにも、まだ言えないけど『DQ』関連のゲームで取り掛かっているものがいくつかあります。その作業でもヒイヒイ言っています(笑)。昔は『DQ』本編が終わったらゆっくりしている暇もあったんだけど、今は次がすぐにやってくる。こうやってお仕事をいただけるのは私としても作曲家冥利に尽きます」と多忙なご様子。 ほかにも、2月22日、「SUGIレーベル」(発売:アニプレックス)から高橋敦氏(トランペット)、中山隆崇氏(トランペット)、西條貴人氏(ホルン)、小田桐寛之氏(トロンボーン)、佐藤潔氏(テューバ)の5人で構成される東京メトロポリタン・ブラス・クインテットの演奏による「金管五重奏による『ドラゴンクエスト』」のCDが発売となる。「マスタリングに立ち会ったが、非常に楽しいものになった」とすぎやま氏は感慨深げに語っていた。 また、CDの発売記念として、同日、紀尾井ホールで19時から「金管五重奏による『ドラゴンクエスト』」コンサートが行なわれる。これは昨年10月に行なわれたコンサートの再演でもあるが、そのときもチケットが完売になり、あふれたお客をステージサイドに収容するほどの人気ぶりだった。2月のCD発売記念コンサートでは、前回演奏しなかった曲もプレイされるという(チケットはすでに発売中)。
さらに、東京都交響楽団・富山小杉公演で「ビートルズからドラゴンクエストまで」というプログラムでコンサートが開催される。4月29日、射水市小杉文化ホールで14時開演というスケジュールで、「ドラクエ」の楽曲だけでなく、ビートルズやすぎやま氏自身の作曲によるヒット曲をすぎやま氏のアレンジで聞く事ができる。8月には東京、名古屋、11月には福岡で「ドラクエ」コンサートも開かれる。今年もすぎやま氏は多忙を極めそうだ。
(2006年1月30日) [Reported by 佐伯憲司]
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