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Gravity Festival 2007現地レポート

韓国Gravity、「ラグナロクオンライン」記者懇談会を開催
新エピソード、三次職、新攻城戦など「RO」の次期拡張計画を発表

7月21~22日開催

会場:ロッテワールド



 韓国Gravityは、「Gravity Festival」に合わせて、韓国内外のプレスを集めた記者懇親会を開催した。中でも注目されたのは、魔王モロクの復活から、異世界へと続く新エピソードや三次職など新要素満載だった「ラグナロクオンライン」の次期拡張計画の発表。記者懇親会の内容を中心に、独自取材の内容も交えながら、たっぷりお届けしたい。


■ モロクが破壊され魔王が復活する急展開の新エピソード
「Episode 12.X Resurrection of Morocc, the Satan(魔王モロクの復活)」

「ラグナロクオンライン」の拡張計画の発表を行なうGravity開発本部長のHong Sang Kil氏
取材に協力していただいたGravity開発1部プランナーの梁薫鐸氏(左)と田堯丞氏(左)
これが2007年に予定されているアップデート計画。実際の実装時期はかなり前後しており、「Episode 12.X」は11月頃になる見込みだ
「Episode 12.X Resurrection of Morocc, the Satan(魔王モロクの復活)」。荒廃したモロクを舞台に、魔王モロクの復活をテーマにしたストーリーが展開される。シュバルツバルドの生体工学研究所のアップデートも行なわれるようだ
 「ラグナロクオンライン」の次期拡張計画は、Gravity開発本部長のHong Sang Kil氏によって行なわれた。発表内容をリストにすると以下の通りだ。なお、スケジュールはすべて韓国での予定となっている。各「Episode」と新要素は直接ヒモ付けられているわけではなく、前後してバラバラのタイミングで実装される。特に「Episode 12.X」は実装時期が11月ないし12月と遅く、「Episode 11」の中で導入される新要素もある。日本でも比較的早期の実装が期待できるコンテンツも含まれていると考えて良いだろう。

●2007年実装予定
・「Episode 12.X」
・メモリアルダンジョンシステム
・新PvPシステム
・攻城戦1.5
・「RO」リニューアル計画
・ユーザーインターフェイスの改良

●2008年実装予定
・「Episode 13.1」
・勢力戦
・三次職(3-1次職、3-2次職)
・ベースレベルの拡張(99→150)

 まず、2007年実装予定のコンテンツから見ていこう。まず、「Episode 12.X」は、日本で言う「Episode 7.0」に相当し、アルナベルツ教国をテーマにした「Episode 6.0 Beginnings and Upheavals」の次に相当するエピソードだ。韓国では11月から12月頃の実装を予定している。

 「Episode 12.X」は、サブタイトルを「Resurrection of Morocc, the Satan(魔王モロクの復活)」と名付け、ルーンミッドガッツ王国に魔王モロクの復活を示す禍々しい廃墟をモロクの街に出現させている。かつてフェイヨンは街のリニューアルが実施されて、立体的な景観になったが、モロクの場合は破壊されてしまうというこれまでにない展開だ。

 荒廃したモロクの街を中心とした新エリアでは、魔王モロクにまつわるストーリーが展開されるだけでなく、異世界に繋がるゲートが存在することが明らかにされる。「Episode 12」の時点ではこのゲートには入ることはできないが、この異世界での冒険は、さらにその次のエピソード「Episode 13.1」で語られることになる。このゲートの先は、新たな勢力が存在し、新たな冒険が待ちかまえているということだ。

 「ドキドキ、メモリアルダンジョンシステム」は、「RO」初のインスタンスダンジョンシステムで、自分のパーティーだけが入れるプライベートエリアを攻略していくバトルコンテンツとなっている。インスタンスダンジョンは、欧米や日本のMMORPGでは一般的なシステムだが、韓国産タイトルではまだまだ珍しい。その内容は、同じデザインのダンジョンを、パーティーの数だけ別個に用意するというシステムで、先行するプレーヤーにダンジョンを荒らされることなく、完全に自分のパーティーだけでクリアを目指さなければならない。サーバーコストが増大するものの、作り手の狙い通りの遊ばせ方が可能なコンテンツである。

 このメモリアルダンジョンは、修道院の地下を舞台にした「Ancient Seal」と、どこまでも続く回廊を最上階目指してひたすら登っていくという「Infinity Tower」の2種類のダンジョンを用意。目的を達成することで、ここでしか手に入らないオリジナルアイテムが得られるようだ。また、これに合わせ「バインディングアイテムシステム」も導入される。メモリアルダンジョンの実装時期は10月を予定。

 新PvPシステムは、既存のギルド攻城戦や闘技場とは異なるデザインのPvPシステムで、ポイントやアイテムというわかりやすい形で、参加者に報酬を提供する。こちらはまだ具体的な形はわからなかったが、2タイプのバトルフィールドを企画しており、11月の実装を予定している。

 攻城戦1.5は、新しいタイプの砦を、シュバルツバルドとアルナベルツに5つずつ追加するというもので、シュバルツバルドは9月、アルナベルツは12月にそれぞれ実装が予定されている。

 既存の攻城戦との最大の違いは、マップが広大になったことが挙げられる。野外の攻城戦エリアは、既存エリアの2、3倍の広さとなり、アジトエリアも構造が複雑化した。基本ルールはエンペリウムの破壊/防衛であることは変わりないが、エンペリウムまでに複数のルートが用意され、ストラテジックポイントも複数になるなど、戦略性が増した印象だ。

 Hong氏は、「既存の攻城戦は、マップが小さすぎて、移動が一本道で戦略性に欠け、簡単にエンペリウムを破壊することができておもしろくなかった。1.5ではマップを巨大化し、侵攻ルートを複数設けたことで戦いを切れないように工夫を凝らした」と企画コンセプトを説明してくれた。ギルド攻城戦の人気が高い日本でも大いに注目されるアップデートだ。

 「RO」リニューアル計画は、クエストシステムやその表示の仕方、バトルメッセージとチャットメッセージのウィンドウの分離のほか、三次職の導入に伴う難易度の調整、新システムの恒常的な開発体制の構築など、具体性半分、決意表明半分といった内容。中でもチャットウィンドウの分割およびクエストウィンドウの設置は、7月19日のアップデートで導入されており、日本でも比較的早期の導入が期待できる。

 この一連のリニューアル計画は、Gravity開発チームでも非常に力を入れている部分のひとつとしており、コンテンツアップデートと並んで今後も継続的に行なっていくつもりだという。

【荒廃したモロクと異世界のゲート】
「ラグナロクオンライン」でもかなり古い街のモロクが見事に破壊されてしまっている。中央の宮殿は跡形もなく消え去り、周辺の建物にも被害が出ている。生存者はいるのだろうか? 中央と右の画面は異世界へ続くゲート

【メモリアルダンジョン】
メモリアルダンジョンはインスタンスシステムを採用したプライベートダンジョン。「Ancient Seal」と「Infinity Tower」の2種類が用意される

【ギルド攻城戦1.5】
シュバルツバルドとアルナベルツエリアにギルドアジトが5カ所ずつ実装される。画面はシュバルツバルドの攻城戦マップとギルドアジト内部の様子。とにかく広大なマップとなっている

【「ラグナロクオンライン」リニューアル計画】
インターフェイスの改良やメニュー周りの改良など、「RO」が今後も生き抜くために必要な改修がほどこされる。これらは日本でも早期実装を期待したいところだ


■ 2008年はついにベースレベルを150まで拡張し、三次職を実装

概要だけを読む限りでは、勢力戦を楽しむためのエピソードのようだ。「Episode 12」における魔王モロクとのストーリーは完結しているのかどうか。こちらも気になるところだ
残念なニュースをひとつ。「ラグナロクオンライン」のプランニングマネージャーを務めていたリー・ミンスー氏が5月にGravityを退職していた。退職の理由は、新しいことが始めたかったためだという。「『RO』はまだまだ改良しなければならない部分がある」と手厳しい評価だった
 2008年度の計画については、「Episode 13.1」と三次職の情報が公開された。

 「Episode 13.1」は、「Episode 12.X」でモロクに開いたゲートから繋がる異世界を舞台とし、プレーヤーは、複数の勢力が割拠する環境下でいずれかの勢力に所属して「勢力戦」と呼ばれる大規模な戦いに身を投じることになる。勢力戦はまだ企画段階のものであり、戦いの規模、参加勢力などは一切未定だが、前エピソードである魔王モロクとは関係がなく、未知の設定による新しいストーリーが始まるようだ。

 一方、三次職は、一次職、二次職に続く第3のクラスであり、二次職から一定の条件を満たすことで転職可能な設計となっている。基本的には、二次職からそのままベースレベルを引き継ぐ形で三次職への転職が可能で、三次職になると同時にベースレベルのキャップが99から150まで開放される。注意点として、三次職に転職すると、レベル99で可能になる“転生”ができなくなり、上位二次職への転職も不可となる。三次職か、転生して上位二次職かの二者択一という設計だ。

 三次職の実装時期は、3-1次職は2008年の上半期、3-2次職は2008年の下半期がそれぞれ予定されている。記者懇談会では、ナイトの上位職「ルーンナイト」、ブラックスミスの上位職「メカニック」、ハンターの上位職「レンジャー」の3種類の三次職が公開された。

 この三次職もまだ企画レベルで、具体的な詳細については謎に包まれている。たとえば、現在の最上級クラスである上位二次職は、三次職の登場により“下級職”に転落してしまうのか、上位二次職のベースレベルは変わらないのか。ベースレベルも変わらず、何の補填措置もないとすれば、これは結構シビアな問題になりそうだ。

 なぜならレベル99の上位二次職と、レベル150の三次職では、単純計算してベースレベルのリセットがないまま成長した三次職のほうが圧倒的に強いのは明らかだからだ。苦労して育てた上位二次職が単なる下級職になり、三次職への転職もできない塩漬けジョブと化せば、やる気を失うユーザーも出てくるだろう。並列関係にあるクラスとのジョブバランスは非常に難しい問題だが、Gravityはどう軟着陸させるつもりなのか。三次職については、また機会を見つけて取材するつもりだ。

【三次職】
三次職については簡単な概要と、メカニックとレンジャーのラフスケッチが公開された。三次職のスライドに表示されている新職業は何だろうか?

□Gravityのホームページ
http://www.gravity.co.kr/
□「Gravity Festival 2007」のホームページ
http://www.gravityfestival.com/
□関連情報
【2007年7月21日】韓国Gravity、「Gravity Festival 2007」をロッテワールドにて開催
日本は初戦敗退。「W Baseball」など新作カジュアルゲームを多数出展
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060812/grav_01.htm
【2006年8月12日】韓国Gravity、「Gravity Festival 2006」をソウルにて開催
「ラグナロクオンラインII」を本格始動、日本はガンホーが獲得
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060812/grav_01.htm

(2007年7月22日)

[Reported by 中村聖司]



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