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バンダイナムコゲームス、「テイルズ オブ」シリーズ
2007年度ラインナップ発表会を開催

7月20日 開催

会場:バンダイナムコゲームス本社

 株式会社バンダイナムコゲームスは、「テイルズ オブ」シリーズの2007年度ラインナップに関する発表会を同社の本社で開催した。司会は昨年に続き、「テイルズ オブ デスティニー」のリオン役を務めた緑川 光氏をメインに進行した。

 同社ジェネラルマネージャーの吉積 信氏がまず挨拶に立ち、2007年度の「テイルズ オブ」シリーズの展望を語った。今年度のテーマは「挑越」。これは、“新しいことに挑み、それを越えていく”という意味での造語。そのうえで、2007年度は、ニンテンドーDS、Wii、PS2、PSPと、4つのハードに向けてタイトルをそろえていることを明らかにした。

「これからは若いスタッフにシリーズを任せていく」と語った吉積氏


■ 2007年の主軸はDS……DS「テイルズ オブ イノセンス」

左より、吉積氏、寺川氏、佐々木氏、笹本さん、木村さん、大館氏、鵜之澤氏
 2007年度の大きな特徴は、ニンテンドーDSにメインタイトル(吉積氏いわくマザーシップタイトル)である「テイルズ オブ イノセンス」を持ってきたことだろう。今まではプレイステーションプラットフォームにその主軸をあわせてきた「テイルズ オブ」シリーズが、初代「ファンタジア」以来の任天堂ハードへの注力となる。2007年冬の発売を予定。

 同作のクリエイティブプロデューサーである大館隆司氏によれば、同作の開発は株式会社アルファ・システムによるもの。ゲームボーイ「なりきりダンジョン2」からシリーズタイトルの開発に参加しているアルファ・システムは、PSP「テイルズ オブ ザ ワールド レディアントマイソロジー」とほぼ同時期からこの「イノセンス」の開発に着手したという。

DSタイトルとしては2作目の挑戦になる「イノセンス」


 ゲストとしてまず登場したのは、プロダクションI.Gの寺川英和アニメーションプロデューサーと、アルファ・システムの佐々木哲也代表取締役社長。「TGSではオープニングを公開します」と寺川氏が言えば、「私が遊んでも楽しめるようなものになっている」と順調な開発進行状況を報告した佐々木氏。今までのシリーズを多数手がけてきただけのことはある、余裕を感じさせるコメントが印象に残った。

 シリーズのDSへのタイトル供給は、「テイルズ オブ ザ テンペスト」に続く2作目。今回も3Dポリゴンによるグラフィックスをメインに構成されている。戦闘システムは「テイルズ オブ ジ アビス」で導入された「フレックスレンジ-LMBS(リニア・モーション・バトル・システム)」をベースに、PS2「テイルズ オブ デスティニー」の「エアーリアルLMBS」を融合した「ディメンション ストライド-LMBS(仮)」を導入。フリーランを軸とした、空中コンボを見つける楽しみと爽快感が味わえるという。

 オープニングムービーはプロダクションI.Gが担当、メインキャラクタデザインはいのまたむつみさんが手がける。このあたりは今までのシリーズと同じ流れだ。多忙ないのまたさんの本作への参加をうながしたのは、主人公であるルカ・ミルダ役の木村亜希子さんの起用だという。木村さんといえば、某カプコンの「ロック○ン」役としても有名。いのまたさんが「ロック○ン」ファンであったことがきっかけになったようだ。

【STORY】
長きに続く世界規模の戦乱の中、
優勢を保ち平和でありつづける王都レグヌム。
そんな中、超常的な力を操る人間「異能者」が現われ始める。
異能者は人々に恐れられ、忌むべき存在とされた。
そして王都レグヌムでは「異能者捕縛適応法(いのうしゃほばくてきおうほう)」を掲げ、異能者は次々に捕らえられていく。
ある時、王都レグヌムの商家の息子であるルカは、
自らの中の異能の力に気付いてしまう……。


KOKIAさんはビデオメッセージでコメント。「たくさんの絵コンテやストーリーの概要を見せていただきながら、イマジネーションを膨らませて曲を書かせていただきました。ゲームのスケール感に負けないような壮大な曲になったと思います」
 ルカは、一般的RPGの主人公としては未完成な性格のキャラクタで、それを仲間によって補ってもらうことで、自らが成長しつつも、仲間との絆を深めていくといった流れになるようだ。イリアはストレートな感情表現をする自分に正直な性格。仲間をどんどん振り回しつつ先に進むキャラクタで、大館氏いわく「大阪のオカン」といったイメージだという。ある意味、一般的RPGの主人公とヒロインの性格が入れ替わったような感覚だ。

 ここで、木村さんとヒロインのイリア・アニーミ役の笹本優子さんもゲストとして登壇。木村さんはシリーズ初の主人公の声を女性声優が担当することになったのだが、「多感な成長期の男の子を演じるという意味で木村さんの起用は正解だった」と大館氏も太鼓判を押した。笹本さんは「最初、設定をもらったときはあまり女の子っぽくなくて、一言で言えばがさつな女の子という印象だったのですが、演じやすかった。『そこまでいじめなくても……』というぐらい、ルカをいじるキャラクタですね」と印象を語ってくれた。

 シリーズの特徴のもう1つであるテーマソングはKOKIAさんの「Follow The Nightingale」に決定。大館氏いわく「ゲームに非常にマッチした曲を書き下ろしていただいた」と大満足のナンバーとなっているようだ。

(C)いのまたむつみ (C)2007 NBGI 


■ 「シンフォニア」の3年後を描く続編タイトル……Wii「テイルズ オブ シンフォニア ラタトスクの騎士(仮称)」

(C)藤島康介 (C)NBGI
 次に明らかになったのはWii向けの新作タイトル。ニンテンドーゲームキューブ、PS2で発売された「テイルズ オブ シンフォニア」の続編となる「テイルズ オブ シンフォニア ラタトスクの騎士(仮称)」は、シリーズとしては「テイルズ オブ デスティニー」以来の続編タイトルとなる。ストーリーは、前作のラストで主人公・ロイドたちが世界を再生した後、3年の月日が流れたところから物語が始まる。

 小西輝彰クリエイティブプロデューサーによれば、ベースとなるのは「シンフォニア」ではあるものの、Wiiタイトルらしく、Wiiリモコンによる直感的操作を活かし、フィールド画面はなく、マップ上の地点をポインタで指定すれば即、移動できるよう変更するなど、ハードの特性に合わせたパワーアップが行なわれている。

 グラフィックス面でも、たとえ前作に登場した同じ街でも、テクスチャ解像度の向上により、より美麗なグラフィックへと進化。すべてのダンジョンとタウンマップが生まれ変わり、さらに新しい街やダンジョンが登場する。

 ゲームシステム的にも「シンフォニア」を継承。しかし、「ラタトスクの騎士(仮称)」では、新要素として、モンスターの捕獲と育成が可能となる。育成したモンスターはパーティメンバーとして参加でき、味方として戦闘にも加わることになる。モンスターによる攻撃や晶術が加わることにより、戦闘はさらに面白みが増すだろう。また、戦闘フィールドに「属性」が付加されることで、より地の利を生かした戦闘が楽しめる。

 今作の主人公はエミル・キャスタニエ(CVは下野 紘氏)、ヒロインはマルタ(CVは未公開)。さらに、ロイドをはじめ、前作のキャラクタたちがゲーム中に登場し、エミルたちの旅の手助けをしてくれるというから楽しみだ。2008年春の発売を予定している。

「ソウルキャリバー」などの企画をも手がけてきた小西クリエイティブプロデューサー。戦闘システムの進化などにも期待したい


■ PSP向けには「リバース」、そしてPS2「デスティニー」のディレクターズカット版が登場

 ブランドマネージャーである馬場英雄氏によって発表されたのは、PSP「テイルズ オブ リバース」と、PS2「テイルズ オブ デスティニー ディレクターズカット」の2タイトル。

 ヴェイグ・リュングベルを主人公とし、ヒューマとガジュマ、ふたつの“ヒト”の種族の共存をテーマに描いた「リバース」は、現在のところ2Dビジュアル最後のシリーズとなっている(PS2『デスティニー』はリメイクのため除外)。基本的にはワイド画面対応ということになるが、PSP版にはギャラリーモードを追加するなど、オリジナルのコンテンツも用意される。2008年初頭発売予定。

(C)いのまたむつみ (C)NBGI


「デスティニー ディレクターズカット」のBOX(試作版)を手にする馬場氏
 さて、もう1本のPS2「デスティニー ディレクターズカット」だが、こちらは前作のパワーアップ版となる。サブキャラクタたちのイベントを追加、戦闘の難易度を追加。ダンジョンではヒントが表示されたり、前作のセーブデータを引き継ぐこともできるといった要素が明らかにされた。こちらも2008年初頭発売予定。

 しかし何よりビックリしたのは、「デスティニー」だけでなく、「テイルズ オブ」シリーズでトップクラスの人気を誇るキャラクタ、リオンのオリジナルシナリオ「リオンモード」が追加されること。リオンの視点から「デスティニー」のストーリーを描き出すこのモードでは、イベントの追加はもちろん、ボイスも新規に収録。このリオンモードのためのシナリオを緑川氏が壇上で受け取ったことから、収録はこれからとなるが、リオンファンならずともその内容が気になるところだ。また、リオンをメインとしたイラストをあしらった限定BOXも登場する。本編ディスク、オリジナルDVDなどがセットになるようだ。

「リオンモード」は今回の発表会の台本をもらうまで知らなかったという緑川氏もビックリしたそうだ。壇上で本編台本を渡されて「(プレッシャーで)重いですね」と語っていた


鵜之澤副社長もシリーズの新たな挑戦に期待を寄せるコメントで締めくくった
 最後に登場した同社副社長の鵜之澤 伸氏は「ほぼ全社員がこのビルに集結し、コミュニケーションがよくなり、社内の雰囲気が変わってきた。これからクオリティの高いタイトルが登場し、すてきなプロモーションもうてるようになるだろう」と新社屋に社員を集結させたことの意義から語った。

 「テイルズ オブ」のラインナップについては、「DSは新しいユーザーを獲得しているハードなので、『イノセンス』では、『テイルズ オブ』の12年の歴史から新しいステップを目指していきたい。Wiiの『シンフォニア ラタトスクの騎士(仮称)』も、続編だが新たな展開が見せられるようにがんばっています。ハードも普及してきたので、50万とはいわず、100万本を目指します。皆さんの応援をよろしくお願いします」と来場者にアピールし、最後を締めくくった。

□バンダイナムコゲームスのホームページ
http://www.bandainamcogames.co.jp/
□テイルズチャンネルのページ
http://namco-ch.net/taleschannel/
□関連情報
【2006年6月20日】バンダイナムコゲームス、「テイルズ オブ」シリーズの2006年度ラインナップ発表会で新規4タイトルを発表
PSP「TOP」、「TOD2」、PS2「TOD」、PSP「TOW」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060620/tale_1.htm
【2006年6月20日】「テイルズ オブ」シリーズ「2006年度ラインナップ発表会」詳報
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060620/tale_2.htm

(2007年7月20 日)

[Reported by 佐伯憲司]



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