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★PCゲームレビュー★

Windows VistaとXbox 360の垣根を越えて戦え!!
初の「Games for Windows - LIVE」対応FPSアクション

Shadowrun

  • ジャンル:チーム戦FPS
  • 開発元:FASA studio
  • 発売元:マイクロソフト
  • 価格:7,140円
  • 対応OS:Windows Vista
  • 発売日:6月21日(発売中)



 Windows Vistaのゲーム機能のひとつとしてついに本格始動したGames for Windows - LIVE。これは、Xbox 360で急成長を続けるXbox LIVEとアカウントベースを共有し、機能的にも完全に統合されたマルチプラットフォームのゲーミングコミュニティ環境である。

 PCゲーマーからも熱い期待が寄せられるこのゲーミング環境に、いわばローンチタイトルの1本として登場したのがこの本作「Shadowrun」。Windows Vistaというパーソナルコンピューティング環境とXbox 360というゲームコンソール環境の垣根を越え、完全なクロスプラットフォーム対戦を実現した本格チーム戦タイプのFPSアクションだ。

 本稿では、生粋のPCゲーマーを自認する筆者の視点で、Windows Vista による新しいゲーミング環境としての Games for Windows - LIVEについて 、そして初めて実現した Xbox 360ユーザーとのクロスプラットフォーム対戦の感触をお伝えしたい。


■ 勝負のセンスがモノを言う、頭脳プレイ重視のチーム戦FPS

「マジック」や「テック」を生かしたチームプレイ。高度な戦術理解が求められるFPSだ
「アーティファクト」を指定ポイントに運び込めば勝利するという、CTFのようなゲームルール
ゲームはラウンド制。開始時に装備を購入するシステムだ
 本作「Shadowrun」は、最大8人対8人の対戦が可能なチーム戦ベースのFPSだ。ゲームには長大なストーリーも純粋なシングルプレイモードもなく、いわば「Counter-Strike」などと系統をおなじくする対人戦専門にデザインされたゲームであるが、傑作「Halo」のリードデザイナーJohn Howard氏による自由な発想を縦横無尽に駆使して、非常にユニークで完成度の高いゲームプレイを持つ作品に仕上がっている。

 舞台は近未来の地球。発掘された「アーティファクト」により古代魔法が復活し、戦闘の方式が完全に様変わりした時代。その戦場を支配するのは「マジック」、そして魔法の力を利用する電子兵装「テック」だ。この世界では、魔法の力を独占せんとする世界企業「RNA」、それに対して魔法の自由を守らんとする勢力「リネージ」とが対立し、「アーティファクト」を巡る戦いを繰り広げている。

 プレーヤーはそれぞれに特徴を備えた「ヒューマン」、「エルフ」、「トロール」、「ドワーフ」の4種族のいずれかを選択し、「RNA」、「リネージ」いずれかのチームに属して戦うことになる。各チームは最大8人で、同時最大16人による対戦だ。ゲームはラウンド制で、1ラウンドあたりおよそ3~5分程度で進行する。

 チームの勝敗を決めるゲームルールは以下の3種類。

レイド  攻撃側チームが敵陣近くにある「アーティファクト」を奪い脱出エリアに運べば勝利する。

エクストラクション
 マップ中央に置かれた「アーティファクト」を敵陣の奥まで運び込んだチームが勝利する。

アトリション
 相手を全滅させたチームが勝利する。

 「アトリション」を除けば、FPSの王道であるいわゆるCTF(キャプチャー・ザ・フラッグ)の変形といったゲームルールだ。FPS慣れしたユーザーならまず迷うことなく理解できるだろう。ちなみにどのルールでも、いずれかのチームメンバーが全滅するとその時点で勝敗が決する。

 本作はラウンド内のリスポーン(再出撃)がないため全体的に決着までの時間が短く、装備する銃や本作独自の装備品である「マジック」、「テック」はラウンド終了時に個人成績に応じて与えられる報酬によって購入するシステムなので、複数ラウンドをまたいで組み立てる戦術もある。この点では「Battlefield」よりも「Counter-Strike」に近いゲームスタイルだ。しかし本作ならではの各種要素により、一筋縄ではいかないゲーム内容に仕上がっている。

初期装備のピストルを含めて武器は8種。近~遠距離に対応して各種揃っている 本作ならではの要素である「マジック」。どれも劇的な効果が期待できる 「テック」は能力を恒常的にアップするタイプの強化装置だ

・局面打開に優れるチームプレイ要素「マジック」

これが代表的なマジックである「ライフツリー」。術者のエッセンスにより維持される。近寄ればライフが回復する
 本作では、プレーヤーに「エッセンス」と呼ばれるパワーが備わっている。画面左下に表示されるゲージがそれだ。これはキャラクタがもつ魔力のようなもので、本作の最重要概念である「マジック」と「テック」をあやつるための資源だ。消費された「エッセンス」は、種族によりスピードは異なるが、自然に回復していく。

 「マジック」は、神秘的な力の発現そのものであり、「エッセンス」を直接消費して発動する。その効果は状況により劇的な効果が期待できるものばかりだ。中でも近隣にいるキャラクタの体力を回復させる樹木「ライフツリー」は、拠点防衛には必須のマジックだ。「サモン」のマジックは敵を見境なく攻撃するタフなミニオンを召還し、乱戦を有利にする。「テレポート」を使えば壁や床などの障害物を無視して一瞬で10メートル先の空間に転移することが可能で、地形を無視した移動がゲーム展開を広げる。

 そして特に本作の特質を凝縮した真骨頂のマジックが「リザレクト」だ。これはその名の通り、死亡した味方を蘇生させるという強力なマジックである。しかし蘇生されたキャラクタは無条件に生き返るわけではなく、その生命を「リザレクト」を発動した術者の「エッセンス」によって支えられている状態になる。したがって、術者の「エッセンス」ゲージの一部が、蘇生したキャラクタの生命を維持するために占有されるのだ。このため、蘇生させた術者が死亡すると、蘇生された側のキャラクタは「エッセンス」の供給を失い、徐々にライフが減少して死ぬ。

 このとき、死んだ術者を、蘇生された側のキャラクタが「リザレクト」でさらに復活させることができるのだが、さらにそのキャラクタがほかの誰かを「リザレクト」していくような形で「命の支えあい」の連鎖がチーム内に広がっていくと非常に面白いことになる。この状態で誰かひとりが倒されると連鎖的にみんな死んでしまうのだ。これには筆者も笑ってしまった。このゲームでは、こういうことが度々起こる。
ストラングルのマジックは障害物を生み出す。敵の侵攻を遅らせる戦術的な存在だ 蘇生には体が必要。ゆえに倒した敵は、死体に追い打ちを掛けて完全に破壊しておくとよい

・キャラクタやチームの能力向上に寄与する「テック」

テックのひとつ「グライダー」。鈍重なトロールでも空を舞うことができる
 「マジック」に引けをとらない要素が「テック」だ。「テック」は「エッセンス」のパワーを利用した未来テクノロジーの産物で、「マジック」とは異なり、その多くが「エッセンス」スロットをいくつかを占有することで常時発動する。常時発動であるがゆえに局面の打開よりはチーム全体の底力や作戦展開能力を向上させる傾向にあるのだが、賢く使うことで勝利に貢献する度合いは「マジック」と同様に大きなものがある。

 チームプレイの面では、壁や床を透視して敵の位置を丸裸にする「エンハンスビジョン」は、チーム力を高めるために誰か一人は装備しておきたいテックだ。発見された敵の位置や人数は、報告コマンドによる音声でチーム全体に報告されるからだ。また「グライダー」のテックを使うと空中を滑空することができ、高い段差を飛び越えることができるため立体的なマップでの機動力が大幅にアップする。これはまた奇襲の機会を増すことにもつながるため、敵チームが拠点防衛にこだわった戦術を取ってくるならば積極的に活用したいところだ。

 そして筆者のお気に入りはキャラクタのあらゆる動作速度を高める「ワイアードリフレックス」。このテックを装備すると戦術的展開が速やかになる上、近距離での回避運動を交えた銃撃戦で有利に立てる。これはPCでプレイする大きなメリットである「マウスによる高速な照準動作」が生きてくるテックなのだ。「エルフ」や「ドワーフ」といった体が小さく動きの速い種族で使えばさらに効果的。


 「マジック」および「テック」は、ラウンド開始時の「購入メニュー」で自己資金の許す限り購入することができ、一度購入したものは死亡してもラウンドを超えて所有し続けることができる。しかし、これらを使用する際には画面左上に表示されている3つのスロットに登録する必要があるため、一度にたくさんの「マジック」「テック」を発動することはできない。このため、どのように組み合わせて作戦に生かしていくかが重要な要素になってくる。

 本作ではこれらの要素が存在することにより、あらゆる局面で戦術的選択肢が広がり、パターンにはまりにくいゲーム展開を実現している。とくに「リザレクト」に象徴されるように、チームプレイの中で緊密に機能するものが多いだけに、より連携のとれたチームが有利に戦いを展開できるという、きわめて戦略性の高いゲームプレイになっているのだ。

ヒューマン。エッセンス無しにテックを使用でき、平均的な身体能力を持つ エルフ。ライフが自動的に回復し、非常に素早く行動できる
トロール。動きは遅いが重い武器も軽々と扱える上、防御力が高くタフだ ドワーフ。エッセンスを吸収する能力があり、マジックの複合的な使用に優れる


■ マウス操作の威力は通用するか? PCゲーマーとしてXbox 360ユーザーと勝負する!

遠距離からの狙撃は、マウス操作によるメリットが感じられる状況のひとつだ
近距離ではショットガンが強力。マウスの高速照準により敵の側面や背後からの攻撃が効果的だ
 FPSファンならば、この手のゲームをプレイする上で「正確で素早い照準動作」が勝利に結びつくという傾向を無視することはできないだろう。もちろん本作でもそれは同様だ。特に本作はクロスプラットフォーム対戦をサポートした初のタイトルである。現在のところ対面するほとんどの相手はXbox 360ユーザーであり、当然ながらXbox 360コントローラでゲームを操作しているので、その照準動作はアナログスティックによるものとなる。

 これに対し、Windows VistaでプレイするPCゲーマーには、マウスとキーボードという、FPSの歴史とともに生まれた入力形態を使用する特権が与えられている。というのはいささか言いすぎかもしれないが、これは事実だ。筆者の経験上、こと照準操作に関しては、マウスは史上最強の入力デバイス。プレーヤーの操作スキルをモロに反映する機器であるだけに諸刃の剣の側面もあるが、動作原理的にはアナログスティックに比べて操作スピードと精密性の両立において上回る。

 そして本作はXbox 360という最新ゲーム機のグラフィック機能を前提としたタイトルであるだけに、PC版で快適に動作させるための必要動作環境はかなり高めであるものの、PCのスペック次第ではより高いフレームレートで動作させることができる。筆者のPCはCPU Core2Duo E6420に、グラフィックカードはGeForce 8800GTXという環境だが、解像度1,920×1,080ドットのセッティングでは、ほとんどのシーンで40~60fps程度のパフォーマンスを確保できた。Xbox 360版では常時30fps固定となっているようなので、この点でもPC版をプレイするメリットが感じられる。

 さて、照準操作にマウスを使えるというWindows Vista 側のアドバンテージは、果たしてどこまで通用するのか。これはクロスプラットフォーム対戦における興味深いテーマだが、その検討の前に本作に登場する武器について知る必要があるだろう。本作に登場する武器は8種類。武器は「マジック」や「テック」と同じくラウンド開始時の購入画面で購入することができ、同時に2種類までの武器を所有できる。

ピストル:初期装備。低いダメージとほどほどの連射性能。
サブマシンガン:ピストル弾を高速にバラ撒く。中・近距離において万能性高し。
ライフル:敵を数発でしとめる。点射は正確だが連射すると不正確に。ズームして精密射撃が可能。
ショットガン:散弾を打ち出す。1発あたりの打撃力は近距離にて最強。
カタナ:白兵武器。命中判定が広く、近接戦に最適。背後から奇襲すれば失血死させることができる。
ミニガン:大量の弾を高速にバラ巻き続ける。スピンアップが必要で遭遇戦には不適。
スナイパーライフル:ヘッドショットならば一撃でしとめる。ズームしないと撃てない。
ロケットランチャー:弾速が遅く回避されやすいが、敵集団に打ち込めば大量キルも可能。

 本作に登場する武器は、全体的に弾がバラけやすい傾向にあるが、静止してバースト射撃に徹すれば正確な射撃をおこなうことができる。この特性はライフルで顕著に感じられ、精密性が必要な遠距離射撃では1発づつ点射することが求められる。この傾向のため、がむしゃらに撃ちまくるプレイスタイルでは敵に有効なダメージを与えることは難しい。

 このあたりを理解した上で武器の特性を適切に活用することができれば、俄然マウス入力のアドバンテージが活きてくる。特にマウス入力による利点を実感できる武器は「ショットガン」だ。この武器は近距離専用の武器であり、使う局面といえば敵も自分も回避のため高速に運動している場合や、出会いがしらの一瞬といったことが多い。このような局面では相手を視野内に捉えた一瞬に正確な攻撃をたたきこめるかどうかが勝敗のカギを握る。そしてこれこそ瞬間的に照準できるマウス入力の真骨頂だ。筆者のがんばってみた範囲では、近距離の1対1という対等の場面で撃ち負けるという事態はほとんどなく、相手の射線に自ら飛び込むようなミスをしなければ、まずまずの確率で撃ち勝てる。

 他の武器でも、たとえば「ライフル」での精密射撃では初動の速さでマウス操作の側に軍配が上がる。中距離以遠での問題は動く相手に攻撃を当て続けることができるかどうかという点であるが、これに関してはマウスとXbox 360コントローラとの間に大きな差は認められない。このような距離では素早い操作よりも確実な追跡が求められるため、純粋にスキルの差が勝敗の差となって現れてくる傾向があるようだ。

特にアナログスティックは相手の移動速度に合わせた追跡操作において確実性が高く、マウスは追従時にブレによる乱れが発生するため差が出にくいのだろう。このためか、筆者のスキルでは一方的に撃ち勝つようなケースはそれほど多くはなかった。しかし、トップレベルのプレーヤーであれば、マウス操作にはっきりと優位性が生まれる可能性を感じる。

・射撃の優劣だけでは勝てない「マジック」、「テック」そしてチームプレイ

射撃に夢中になっている間に、背後からカタナで切りつけられてしまった
勝敗はあくまでもチーム単位のこと。「アーティファクト」を運ぶことが何よりの貢献になる
 しかし、いくら射撃において勝っているとしてもゲーム自体の勝敗が覆るわけではないのが本作の特性だ。まず、敵を一撃で仕留められるのは「スナイパーライフル」によるヘッドショットくらいのもので、他の武器であればショットガンの近接射撃でも一撃で倒すことは難しい。このため撃ち勝ったとしても少なからず反撃を喰らってしまい、賢く戦わなければ易々と止めを刺されてしまうだろう。本作の持つゲームプレイは射撃だけで成立しているわけではなく、「マジック」や「テック」で敵を倒すことはもちろん、それらを駆使した連携プレイにより有利な展開を生み出すことにこそ本質があるのだ。

 とくに移動速度の速い種族である「エルフ」が近接攻撃武器である「カタナ」を装備し、それを別のキャラクタがマジックで支援しながら戦うような組み合わせは、乱戦においてきわめて強力なコンビネーションとなる。移動を阻害する「ストラングル」のマジックで足をとられたところに、「グライダー」で一気に迂回してきた敵から「カタナ」による切り込みを受けるような状況では、いくら射撃の腕を誇ったとしても、まず作戦レベルで対応を取らなければ易々と倒されてしまう。また「スマートリンク」のテックを装備するとあらゆる武器の照準が半自動的に敵を追尾するようになるため、照準スキルの差そのものは大きな問題でなくなってくる。

 さらに、敵が「ライフツリー」をうまく活用して体力を回復しながら戦っているような場面では、攻撃を受けるたびに防御力が増す種族「トロル」が凶悪なほどのタフネスを発揮する。正面から撃ちあっても意味がないほどだ。そんな時にはまず手榴弾を投げ込み回避運動を強いてから、「ワイアードリフレックス」による高速移動で一気に距離をつめ、回復される前に倒すというような工夫が必要。もしくは仲間を呼んで数的優位を作り出すことが効果的になってくる。

 このように、本作において高い成績を記録するために必要なものは射撃の腕だけではなく、ゲームルールの理解と「マジック」、「テック」の組み合わせの妙、そしてボイスチャットを通じたチームプレイの連動、といった戦術要素ににまさるものはない。筆者のプレイした範囲ではK:Dレシオにおいてはそこそこ上位をキープすることができたものの、チーム勝利に対する貢献度でいえば他のプレーヤーに遅れを取ることも少なくなかった。また、撃ち合いに夢中になるあまりトータルスコアで下位を低迷することもあり、一筋縄ではいかない本作の醍醐味を垣間見た次第だ。繰り返しプレイすることで戦術理解を深めることが求められるゲームといえるだろう。

倒した敵の武器は拾うことができる。状況に応じて切り替えることが必要だ 無闇に移動して孤立するよりは、チームメンバーとともに戦うほうが全体として有利になるだろう トロールは攻撃を受けると皮膚が硬化する。正面から撃ちあっても分が悪い

殲滅戦ルールではマウスの有利が出る。戦闘に特化した装備で、キル数上位を獲得 「アーティファクト」を運んでチームを勝利に導けば大きなスコアが獲得できる マジックによる味方支援も個人スコアに反映される。しっかりとサポートしていこう


■ Xbox 360とのクロスプラットフォームはPCゲーム活性化の切り札となるか?

ゲーム中はいつでもLIVEのコミュニティ機能を利用できる。Xbox 360とまったく同じ感触だ
フレンドリストでは相手のプラットフォームを確認できる。現状ではPC版利用者を確認できなかった
 本作は単にクロスプラットフォーム対戦をサポートするのみならず、これまではXbox LIVE上でのみ利用できた各種のコミュニティ機能がゲーム内に実装されている。フレンド機能やプレーヤー履歴の機能、それに付随するメッセージングの機能等はXbox 360上のLIVE機能とまったく同じ感覚で利用することが可能だ。フレンドがオンラインになったときの通知はタイトル画面やムービー画面にあっても機能するし、HOMEキーを押せばいつでもLIVEコミュニティ機能にアクセスすることができる。

 アカウント管理等についてはWebブラウザ上で利用する形態になっているが、当然ながらアカウントデータは Games for Windows - LIVE とXbox LIVEで完全に同一であり、筆者はXbox 360で取得した LIVE アカウントをそのまま使用して今回のプレイをおこなうことができた。

 ちなみに本作はWindows Vista専用のPC版と、Xbox 360版の2種類が存在するが、PC版は高性能なPCを必要とするだけにユーザー数が少ない。そのためか筆者は、オンラインでプレイするたびにXbox 360のユーザーからフレンド要請やマルチプレーヤーセッションのパーティ勧誘が来るという大人気ぶりを味わうことができた。

 これはなぜかというと、Xbox 360対応ゲームの例に漏れず本作にも実装されている「実績」のためだ。Xbox 360ユーザーにとって、マルチプラットフォーム関連の実績である「プラットフォームの異なるプレーヤーを倒す」、「プラットフォームの異なるプレーヤーを蘇生させる」等を解除するためには、PC版のユーザーが同じセッションに参加しなければどうやっても達成できない。ゆえにPCでプレイする筆者もひっぱりだこの大人気というわけ。この状況を味わえるのはPC版ユーザーが希少種である今後しばらくの間だけだろうから、やるなら今だ。

 念のため付け加えておくと、同一のLIVEアカウントでは実績のデータも共通なので、おもにXbox 360でプレイしている皆さんも、PC版をプレイすることでマルチプラットフォーム関連の実績を容易に解除することができる。希少なPCユーザーを探してパブリックマッチを放浪するより遥かに効率的なので、どうしても実績解除したいという向きにはオススメの方法だ。


アカウント管理やその他の機能はWebブラウザ上でサポートされる
PC版ならでの専用サーバーを立てることができる。実行には無料のシルバーメンバーシップでよい
 筆者の感覚としては、最近のPCゲーム関係の状況を鑑みるに、Games for Windows - LIVE の登場によりプラットフォームの垣根を越えてゲームを楽しめるようになった影響を歓迎したい。というのも、Xbox 360という新しいゲームマーケットが躍進してきた背後で、国内におけるPCゲームは全体的な風潮として下火の状況が続き、新作ゲームでもなかなか対戦相手が見つからないような状況が続いていた事実があるからだ。

 特に最近ではATARIの「Test Drive Unlimited」で体験したことが記憶に新しい。このタイトルはPCとXbox 360で同じゲームでありながらマルチプレイは完全に別サーバーとなっている。PC版はステアリングホイールやTrack IRといった入力デバイスの選択肢の豊富さにメリットがあり、筆者にとって魅力的な環境であったものの、国内プレーヤーの絶対数は少なく対戦相手に不足しがちな状況だった。そんな中で、やはり活気のある Xbox 360版のコミュニティをうらやましく見ていたものだ。クロスプラットフォーム対戦さえできたなら、と。

 PCとXbox 360という、このふたつのゲーミングコミュニティがひとつになることで、これまでの状況は一変する。PCでゲームを楽しむ筆者のような層は、Xbox 360という巨大なプレーヤーコミュニティを対戦相手とすることができるのだ。PCには自由度の高いゲーム環境があり、Xbox 360には活気あふれるコミュニティがある。両者の交流が始まることで、PCゲームの世界はいっそうエキサイティングなものになっていくだろう。そうなればゲームメーカーのPCゲーム市場に対する視線も熱くなってくるだろうし、最終的には日本国内におけるPCゲームを取り巻く状況も、より良いものになっていくに違いない。

 であればこそ、これから多くのゲームがWindows VistaとXbox 360のクロスプラットフォーム対戦に対応することを期待したい。その皮切りとして登場した本作「Shadowrun」は、ユニークで深みのあるゲームプレイと、繰り返しプレイし続けることに耐えうる戦術的選択肢の多様さとが、多くのユーザーに長く愛されるというローンチタイトルとしての使命を果たしていくことだろう。

(C)2007 Microsoft Corporation. All rights reserved.


【Shadowrun】
  • CPU:Pentium 4 3.4GHz以上(Intel Core 2 Duo E6400以上を推奨)
  • HDD:4GB以上
  • メモリ:1GB以上(2GB以上を推奨)
  • ビデオカード:NVIDIA GeForce 6800 以上(GeForce 7800 以上を推奨)
  • ビデオメモリ:128MB以上(256MB以上を推奨)


□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.com/japan/games/
□「Microsoft Shadowrun 日本語版」のページ
http://www.microsoft.com/japan/games/shadowrun/
□「マイクロソフト 2大 FPS 同時発売 プレゼント キャンペーン」のページ
http://www.microsoft.com/japan/games/fps_present/
□関連情報
【6月18日】マイクロソフト、「Shadowrun」クロスプラットフォーム対戦イベントを開催
PC、Xbox360双方の利点を活かした8対8の戦いを体験!!【豪華プレゼント付き】
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070618/shadow.htm
【6月18日】マイクロソフト、WIN「Halo 2」、「Shadowrun」
同時発売記念プレゼントキャンペーンを実施
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070618/ms2.htm
【6月14日】ゼネラルオートサービス、「Pro Gamer Command Unit」
WIN「Halo2」の推奨デバイスに認定
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070614/pgcu.htm
【5月28日】マイクロソフト、WIN「Microsoft Shadowrun 日本語版」
Xbox 360「Shadowrun」と同時発売
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070528/sr.htm

(2007年6月29日)

[Reported by 佐藤“KAF”耕司]



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