奥に見えるシルエットが、今回登場するボスキャラクタ。ずんぐりした体格に、フライ返しのような形の武器。ちょっと可愛らしくも見える

　舞台となるのは、過去にルシファーが人間界に築いたといわれる謎の城で、現在は地下深くに遺跡となって埋もれている。具体的には、「竜の墓場」を入り口とした8つの新マップが追加される。対象レベルは50以上で、高レベルプレーヤー向けのコンテンツとなる。

【新マップ】
「謎の城」の地図	「悲鳴の深淵」
「灼熱の回廊」	「マグマの回廊」

　新マップのうち、「魔の厨房」と「デビルガレット」の2つはインスタンスダンジョンとなっており、進入者ごとに独立したマップが用意され、パーティメンバー以外のプレーヤーは進入できない。またパーティ専用のマップのため、1人では入場できない。推奨レベルは、「魔の厨房」が50以上、「デビルガレット」が65以上。

　インスタンスダンジョンは複数の関門で区切られており、「たいまつに火をつける」、「モンスターを全て倒す」など、関門ごとに設定された条件をクリアすることで次に進める仕掛けになっている。中には「全てのたいまつをほぼ同時に灯す」といった条件もあるため、3～4人は必要になる場所もある。

　中に入るとマップが表示されないなど、難易度はかなり高い。またここで登場するボスモンスターは、通常攻撃では倒せなかったり、ある仕掛けを作動させると力を弱められたりと、パーティメンバーでうまく連携して攻略する仕組みになっている。

　しかしクリアすれば、ここにしかないレアな装備アイテムも入手できるという。またメインクエストに関わる部分もあるため、何度か往復しながら、少しずつ進行するという方法も用意されるようだ。1回のプレイの制限時間はないので、じっくりと攻略できる。

【インスタンスダンジョン】
「魔の厨房」。壁にある張り紙に、関門を突破するための条件が書かれている。条件は複数人での協力が必要になるものもある
もう1つのインスタンスダンジョン「デビルガレット」。基本的な仕組みは「魔の厨房」と同じだが、推奨レベルが高く、かなりの高難易度になっているという

　このほかエリアの追加に合わせて、12種類の新デザインのモンスターが実装される。色違いなども含めると、100種類弱のモンスターが追加されるという。これらは新エリアのモンスターとなるため、対象レベルは50以上のものとなる。

【新モンスター】
今回もコミカルでかわいらしい外見のモンスターが追加されている。しかし強さはいずれもLv50以上推奨の強敵となる

　システム面では、レベルキャップが現在の70から、80へと引き上げられる。これに合わせて、全ての職業にレベル61から80を対象とした新たなスキルが加えられる。装備品も、レベル70から80までのものが追加される。

　追加される新スキルは、【神聖】は「ヘブンハンマーI～V」と「福音の響きI～V」、【大地】は「ウルフハウルI～V」と「ベアースクリームI～V」、【暗黒】は「ボーンガードI～V」、【精霊】は「魔霊の泉I～V」、【戦技】は「アイアンガードI～V」と「レイザーI～V」となっている。このほかにも、既存スキルの高レベルスキルが追加される。

【新スキル】
「福音の響き」	「ボーンガード」	「アイアンガード」

【新装備】
上のイラストは一部だが、いずれもレベル70以上の強力な装備品ばかり。目立ちそうなデザインのものも多い

　同様に生産系でも、112種類の通常レシピと、40種類の+1レシピ、40種類の注文書を追加。資源や生産用アイテムも高レベルの生産にあわせたものが追加される。このほか、高レベル向けの新たな乗り物や機甲も追加される。

【乗り物・機甲】
エレファン	ハイエレファン
ビートル	ラスビートル
Gaco Tama	Gaco Duck
Tiku Wani	Gabu Wani

　今回のアップデートについては、本作のディレクターの君塚靖征氏に説明をしていただいた。その中で、今回のアップデートにかかる話のみならず、本作の現状および今後の展開について尋ねてみた。

ディレクターの君塚靖征氏

――サービス開始から約半年が経ちました。これまでを振り返って、今の心境を教えてください。

君塚氏 ： どこのゲームでも同じだと思いますが、やはり立ち上げが大変でした。立ち上げの1週間は泊り込みでしたし、それからも泊り込みとはいわないまでも、細かい調整や粗さがしで目が離せない状況でした。今は半年経ってある程度落ち着いてきて、やっと休みが取れるかな、といった感じになってきました(笑)。

　そういった状況からも、大型アップデートを入れられるようになりました。ユーザーさんが聞いたら「気を抜くなよ」と言われそうですが、今後のペースを作りやすい環境にはなっています。

――現在の会員数や同時接続数の状況はいかがでしょうか?

君塚氏 ： 正確な数字はお教えできませんが、順調に伸びています。オープン時のように急激に伸びることはないですが、その後もじりじりと伸びていて、一安心しています。良くも悪くも予想通りの数字です。オープン前の見通しの数字は達成しているので、ここから伸ばすのが運営の頑張りどころですね。

――ではゲームの内容についてお伺いします。今回のアップデート要素の中で君塚さんがオススメの新要素は何でしょうか?

君塚氏 ： 個人的には、象さん(乗り物)がすごくステキだなと思っています。ユーザーさんも、これ結構欲しいと思うんですよね。自分がプレーヤーだったら、これがかなりのモチベーションになります!

――お隣の担当者からは「えー」という声も聞こえますが(笑)。

君塚氏 ： これは与太話程度として……。やはりインスタンスダンジョンですね。メインストーリーが終わってからも行く用事はいくらでもありますし、攻略にも時間がかかるものですから、ユーザーさんのチームワークやプレイの錬度に直結しやすいつくりになっています。ボスの倒し方1つとっても、ボスのスキルを抑えている間に他の人が頑張るですとか、パーティのプレイスタイルでも攻略方法が変わってきますので、頭を使いながら楽しんで欲しいですね。

　それ以外にも、新しい装備やグラフィックスも入っていますし、特に新マップが一番気になるところだと思います。まずは「ここどうなってるの?」と楽しんでいただいて、その上でインスタンスダンジョンをクリアするのを目標にしてもらいたいです。

――第2話「エデンの謎の城」の拡張は今後も行なわれるのでしょうか?

君塚氏 ： 台湾で実装されている仕様としては、有料アイテムを限定販売するというものがあります。限定50個、50人が買ったら売り切れ、という仕組みですね。アイテムの実装は基本的にメンテナンス後になりますが、平日昼に入れると買えない人も出ますから、個数の調整や売るものを検討しています。

――今回はハイレベル向けの拡張となっていますが、今入っている仕様の中で今後、追加や調整などは考えているのでしょうか?

君塚氏 ： 初心者の方向けとしては、レベル20くらいまでは現状でも上がりやすいのですが、これをさらに補うためにイベントをやりたいと思っています。また、以前にギルド対抗戦が実装された際に、ギルドメンバーの募集イベントをやりましたが、思った以上に需要があることがわかりました。今後もアップデートなどの区切りに合わせて実施して、プレーヤーの輪を広げる手助けをしたいと思います。

　今から新しい要素を入れてくれと開発に言っても、実装される頃には機を逃していることもあります。あとはこちらのアイデア勝負で、既存のシステムを使ってプレイしやすくなるように、またGMとしてゲームに入ってユーザーに働きかけて、楽しんでもらおうと思います。6月にはGMが神父になる「ウェディングサポート」をやっていますが、こちらも数十倍の応募があるほどの人気です。今後も月1回のペースで続けていきます。

　もちろん日本からの要望は台湾(開発元)に随時送っていて、新しいアイテムやシステムもカスタマイズして入れてもらっています。「ランキングボード」は台湾では全員名前がでるのですが、日本では名前が出るのを嫌がる人も多いので、デフォルト設定ではレベルは出るものの名前は出ないようにしてもらいました。そういった国民性の違いを台湾に働きかけて、システムに手を加えてもらうことは今後もやっていきます。

――ちょっとずるい質問ですが、ユーザーからの要望で多く寄せられているのはどういったものがあるのでしょうか?

君塚氏 ： この間、ちょうどそういった要望を集計しました。特に際立ったものはありませんが、例えば「高レベル向けのクエストを増やして欲しい」という声がありました。これは今回のアップデートで対応できます。

　ほかには「このスキルはどんな仕様になっているのですか?」といった質問や、「職業別のペーパードールが欲しい」といったものなど、すごく多岐にわたっています。あとは台湾版が先行しているので、「早くアップデート情報を出して欲しい」とは言われますね。いきなり発表するので、ユーザーさんからは「サプライズ運営」と言われています(笑)。

　プレイの中で困るという声はありますが、システム上対応できないものもあります。「ギルドに他の所属国の人を誘えない」とか。ギルド対抗戦があるので、どうしようもないのですが……そういう申し訳ないところはいっぱいあります。

　ユーザーさんからすごく声があったものに関しては、もちろん精査は必要なのですが、現在あるシステムで可能なものであれば入れてあげたいなと思っています。

――では最後に、今回のアップデートを含めて、ユーザーへのメッセージをお願いします。

君塚氏 ： 既存のユーザーの皆さんには、新マップが増えて冒険の先が増えたということを、まず目で確かめてください。そして今まで仲間たちと培ったものを駆使して、攻略しがいのあるダンジョンを突破していただきたいと思います。

　これから始める人には、手前味噌ではありますが、プレイしやすいゲームだと思います。チャット以外はマウスだけで、小難しい操作もいりませんから、新しくこれからプレイを始めてもらって、「オンラインゲームってこういうものなんだよ」ということを実感してください。運営もそれに答えられるように、オンラインゲームの楽しさを伝えられるよう、サポートしていきたいと思います。今までからプレイしている方も、これからプレイする方も、ぜひよろしくお願いします。

――ありがとうございました。

(C)2006-2007 Q Entertainment Inc.
(C)2006-2007 UserJoy Technology Co., Ltd.

□キューエンタテインメントのホームページ
http://www.qentertainment.com/
□「Angel Love Online」のページ
http://www.angelloveonline.jp/
□関連情報
【6月15日】キューエンタテインメント、MMORPG「Angel Love Online」
公式サイトで絵描きツール「天使の落書き」を公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070615/angel.htm

(2007年6月25日)

[Reported by 石田賀津男]