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会場:六本木「TATOU TOKYO」
本パーティーは、Xbox 360用RPG「トラスティベル ~ショパンの夢~」完成を記念して開催されたクローズド形式のイベント。会場には、関係者や報道陣のほか、一般公募で選ばれたファン約50名が参加。イベントは、照明が落とされると同時にスクリーンに投影されたデモムービーからスタートした。幻想的で繊細、なおかつ温かみのある独特のグラフィック表現が、桜庭統氏の楽曲をバックに流れていく。俳優「森本レオ」氏のナレーションが、会場内にいるすべての人たちの心身に、静かに、確実に浸透していく様子がうかがえる。 デモムービーの上映が終わると、バンダイナムコゲームス代表取締役副社長の鵜之澤 伸氏が登場。本作の特徴を簡単に述べるとともに「事前予約もかなりいい感じ。30%を超えているくらい? 非常に楽しみにしています」と、発売前から“確かな手ごたえ”を感じていることを明らかにした。 会場には、マイクロソフト株式会社のXbox事業本部長の泉水 敬氏が、本作をイメージしたような豪華な花束をたずさえてお祝いに参上。ここからは、泉水氏が「別に漫才やってるわけじゃないですから(笑)」というくらい軽妙なトークが炸裂。ついつい口が滑ったのか、鵜之澤氏から「『アイドルマスター』が、ジワジワといい感じで。リピートもきてますし。アイテム(のダウンロード)販売が凄い。第6号まで出たのかな? 売上が1億円を超えたと。凄いよね! 売れるのは、お約束っぽいんですけど、制服、体操着(会場爆笑)、新しいビジネスモデルですよね」といった話から、「『パックマン・チャンピオンシップエディション』これもたぶん、今週中に開発費がリクープするという……数万人が一度にダウンロードしてくれて……」など、すれたゲームマニア向け(?)の生々しい話がボロボロこぼれ落ちてくる。
お二人とも会場に一般のファンがいることをすっかり忘れてトークに花を咲かせていた様子だが、それもこれも、両社のビジネス関係が良好に推移しているからだろう。鵜之澤氏は「今日お集まりのみなさんに、それこそシリーズの続編が作れるくらい、応援していただきたいと思います」とコメントし会場を後にした。
冒頭シーンの注目点として挙げられたのは、花畑のシーンなどに見られる鮮やかな色合い、細かい草花の動き。さまざまな試行錯誤の末に決定された色調はもちろん、単に舞っているように見える花びらの動きなども「なるべくたくさん(の草花を)出したかった」と、プログラム的に相当苦労したという。草花、髪の毛はもちろん、身につけた衣類など、揺れるものはすべて揺れるよう作りこんだというから驚きだ。
シナリオは、2001年の段階で7割ほど完成していたという。構想から足掛け7年に及んだシナリオを手がけたのは、代表取締役である初芝氏自身。母親の意味深な会話など「十分に気をつけた。メッセージ性の強い作品になっている」という。作中に登場するピアノも「現代のピアノは88鍵。この当時は82鍵しかないから、ゲーム中でもそのようになっている」など、細かい部分にも強いこだわりをもって再現したという。これからプレイする人は、そうした細かいオブジェクトにも注意してみると、新しい発見があるかもしれない。
平野さんは、役柄を演じたポルカについて「凄く芯の通った子。心の中は凄く強いけど、身体は弱いというギャップがあったり、演じていて“健気だなぁ”って励まされた部分があります。ポルカに似ている部分ですか? 私も負けず嫌いなので“あきらめない”ところ。でも、ポルカのほうがもっと凄いなぁって、見習わなきゃって思いました」とコメント。演じるにあたっては「ポルカはしっかりしているので、声がお姉さんになっちゃうんですけど、年齢はそんなにいってない。だから、なるべく(声の)年齢が上がらないように注意しました」という。 ポルカ役に平野さんを起用した理由について、プロデューサーの野口氏は「まず、キャラクタのイメージにあっている声の人が第一。本作の場合、セリフやストーリー、キャラクタ内面の深いところを通すシーンが多いので、演技力があることがふたつ。RPGの場合、バトルシーンがあるので“掛け声”がきちんとできる人。基本的には、この3つの条件が必要だった。音声を収録したのが、去年の3月頃。1年以上前なんですけど、その時点でスタッフ全員に『この候補のなかから、1年後に大ブレイクしている声優は誰だ!?』ときいたら“平野さん”ときいたので、それで決めた」と驚きのエピソードを披露。これには平野さんも「本当に嬉しい! ちょっとビックリしました」と、恐縮することしきり。 山本さんは、親御さんがピアノの先生だったため、3歳からレッスンを受けていたという。今は仕事が忙しくてなかなか弾けないというが、会場ではゲーム中の楽曲をグランドピアノで実演してくれた。本人は「出来は……30点?」と謙遜していたが、会場にいた人たちは一様に深々と聴き入っていたのが印象的。ゲームは、ひとりはもちろん家族で一緒に遊ぶこともあるという。本作もプレイ済みで「もう始まったのかな? と思うくらい画面がキレイ。ポルカがゲームの遊び方を教えてくれるところが、凄く可愛くて、面白い! 女の子でも楽しめるゲームだと思います」と、大層お気に入りの様子。 桜庭(和)氏は、3月に開催された格闘技イベント「HERO'S 2007」の計量時、ジャージの下にXbox本体やコントローラーなどを潜ませていた件の裏話を披露。「ただのネタです(会場笑)。普通に上がっても詰まらないんで、部屋から何を持っていこうかと思ったら、Xboxがあったので腹に仕込んでいった」とコメント。遠征の合間も「ほとんどゲームですね」といい、「この間アメリカで試合があったんで(ゲーム機を)持っていったんですけど(ホテルの)TVに映像入力端子がなかったんで、現地で(TVを)買っちゃっいました。結構安かったです」と、会場にいたファン全員はもちろん、隣にいた山本さんまで驚かせてしまう。ファイトスタイル同様、ゲームライフも“型にはまらない”人なのだろうか。 初芝氏は、本作の戦闘システムを解説。「リアルタイム制とターン制の、ほぼ中間のような感じ。桜庭(和)選手のように反射神経が豊かな人はもちろん、そうではない人でも楽しめる、両方の良さを融合したシステムになっています」という。ここで桜庭(和)氏が「初めの部分だけ、ちょっとやりました。あれ、傘ではたいてるんですけど、大丈夫なんですか? 武器使うの、良くないと思うんですけど」と、見事なおとぼけコメントで会場内を爆笑の渦に包み込む。このあたり、リング外でも“桜庭ワールド”全開といった雰囲気だ。 桜庭(統)氏といえば“ロック”のイメージが強いが、初芝氏によれば「オーケストラ系も凄くいい曲を書いている。今回はそっちに焦点を当てようと。得意のロックは封印して、オーケストラの楽器だけでショパンの世界を作っていこうと決めました」という。それについて桜庭(統)氏は「ぜひ、やらせてください、と(笑) 今のお話にもあったんですけど、ロックだと(曲調が)ハードになってしまう。今回は“柔らかい”感じの画面なので、ロック系の楽器は封印して、柔らかい広がりのある曲を作ろうとした」という。
パーティーの最後には、平野さんのサイン入りポラロイド、桜庭(和)氏と山本さんのサイン入りXbox 360フロントパネルがプレゼントされる抽選会が行なわれた。約1時間と短くはあったが、会場に詰め掛けたファンにとって忘れられないイベントになったことだろう。
(C) 2007 NBGI
□バンダイナムコゲームスのホームページ (2007年6月13日) [Reported by 豊臣和孝]
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