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【レッスルキングダム2 プロレスリング世界大戦】
価格:7,140円
PS2「レッスルキングダム2 プロレスリング世界大戦」は、'60年代~'80年代にかけて活躍した名レスラーが多数収録された3Dプロレスアクションゲーム。新日本プロレスリング、全日本プロレスリングをはじめフリーの選手などが多数参加。もちろん現役レスラーも多数参戦しており、文字どおり時代を超越したドリームカードがプレーヤー自身の手で実現できる。 イベントは、新日本プロレスのトップレスラー「蝶野 正洋」選手と、お笑いトリオ「ダチョウ倶楽部」のトークショーからスタート。蝶野選手が壇上にあがると、ホームページの抽選で選ばれた約100名のファンから、大きな歓声と拍手が巻き起こる。銀座でプロレスという初の試みに、蝶野選手は「まさかココ(ADK松竹スクエアビル)だとは思わなかった。近くのビルにきたことがあるんですけど、まさか(銀座の)ド真ん中でやるなんて思わなくて。ビックリしましたね」とコメント。
ダチョウ倶楽部は、リーダーの「肥後 克広」さん、「寺門 ジモン」さんが登場。「上島 竜兵」さんは、スケジュールの都合により後から参戦するとのこと。肥後氏によれば「こうやってリングに立って蝶野さんと戦うのは、お正月のTV番組『お笑いウルトラクイズ』以来!(笑)」という。別段トーク対決というアングルではないのだが、蝶野選手と大勢のファンを前に、相当気合が入っているようだ。
ここでスクリーンに映し出されたゲーム映像のリアルさに、一様に驚く面々。肥後さんは「選手のリアルな動きもそうなんだけど、東京ドームなり後楽園ホールなり、会場が凄いリアルなんですよ! 細かいところまで作られてて、これはプロレスをわかってるスタッフが作っているね!」とコメント。蝶野選手は試合が終わったあと、自宅などで“ひとりになれる時間”として数時間ほどゲームに没頭することがあるという。「ゲームは辞められないっしょ」とナチュラルに語る蝶野選手の口調がとても印象的。 「今戦ってみたい相手は?」という司会進行氏の質問に、蝶野選手はずばり現IWGP王者「永田 裕志」選手の名前を挙げる。「永田選手との試合を(ゲームで)シミュレーションしてみたいね」というコメントと同時にスクリーンに投影されたのは、「レッスルキングダム2」で再現された蝶野選手と永田選手の試合。コーナーポストからのショルダータックル、シャイニング・ケンカキックなどの大技ラッシュで永田選手をあっさりピンフォール。「(現実でも)こんなに簡単に勝てたらいいんだけどね(笑)」という蝶野選手の言葉に、会場内は大きな笑いに包まれる。 ダチョウ倶楽部から蝶野選手への質問コーナーでは、マニアックな肥後さんから、2002年2月の北海道立総合体育センターで蝶野選手が残した名言(名コピー)についての話題が飛び出した。メイン終了後、蝶野選手が「このリングには“神”がいる! ミスター猪木!!」とアントニオ猪木をリング上に呼びつけた有名なエピソードだが、これについて蝶野選手は「いや、あれね、本当は……当時も結構ガタガタしたんですけど。猪木さんが色々と横槍を入れてきたんで『もう猪木さん、神になって上にあがってください』と。もう神だから上です、人間界じゃないです。そういう意味で“神”に崇めたつもりで言ったんだけど、逆に神様になりきって上からどんどん暴言を吐かれて。あの辺は本当に頭がいいですよね。死ねとはいえないっすけど(笑) 上にあがって神になってくれれば。そういうこと(笑)」と裏話を披露してくれた。 蝶野選手からダチョウ倶楽部の面々には「ゲームには70名くらいの選手が登場するけど、モノマネをするとしたら誰?」といった質問が投げかけられた。寺門さんは、デビュー当時からやっていたという「アントニオ猪木のブロンズ像(線が細い若い頃バージョン)」を披露。これは当時の寺門さんが、アントニオ猪木選手のブロンズ像が欲しかったことが由来。浅草キッドの両氏から「一番ブロンズ像に似ているのは寺門さん」とお墨付き(?)を頂戴しているほどのネタだという。肥後さんは「これといってできないけど……唯一自慢できるのは、藤波選手の試合中の息遣い」とコメントして、さりげなく「ハァ、ハァ、ハァ!」とモノマネを披露。これを見た蝶野選手からは「俺も似たような息遣いをしてたんですよ。最近なくなったんですけど。たぶん、藤波さんが仲人だから同じような息遣いを引き継いじゃったんでしょう。俺、藤波さんの近くにいたから、呼吸法をマネしてたのかなぁ。だからその頃、調子悪かったもん!(笑)」といったこぼれ話がポロリ。他愛もない内容かもしれないが、こうしたエピソードに触れられるのもファンにとってはうれしいものだ。
トークショーの最後には、ホームページ上で行なわれていたアンケート「あなたが選ぶ名勝負」の結果が発表された。一位に選ばれたのは「橋本真也」選手 × 「スタン・ハンセン」選手。2005年に他界された橋本選手だが、その姿はファンの心の中で永遠に生き続けている。
先発は、井上選手と外道選手。ロックアップから双方水平チョップの打ち合いになり、ロープの反動を利用してニーを叩き込んだ井上選手が、外道選手をネックロックで抱えたまま自コーナーへ移動。天山選手にタッチしてそのまま有利に展開……と思いきや、外道選手の意表をつく動きで一気に反対側コーナーへ強制連行されてしまう。外道選手は中邑選手にタッチ。 ロープブレイクなどクリーンな展開から始まった天山選手と中邑選手の戦いは、リング中央での力比べから一気にヒートアップ。前蹴りで先手を取った天山選手は、そこから頭突き、パンチ連打と一気に畳み掛けていく。ポストを背に追い打ちをくらいそうになる中邑選手は、カウンターのラリアットで窮地を脱出し田口選手へとタッチ。天山選手も外道選手とタッチし、リング上はジュニア勢によるスピーディーな展開へと移行する。 軽快な動きで機先を制しようとする田口選手だが、外道選手の老獪かつ巧みなムーブをきっかけに、敵コーナー付近でダブル・ショルダータックル、バックドロップ、膝蹴り、ロープを使った反則コブラツイストをくらうなど、しばしの間つかまってしまう。このまま中邑選手のパワーに圧倒されジ・エンドかと思われたが、ポストを背に中邑選手が突っ込んできたところをドロップキックで辛くも脱出。
この後、双方の選手がリング上を交錯する派手な展開に突入。ラリアット、パワースラム、プランチャー、クロスフェースオブ邪道など、それぞれの選手が遺憾なく持ち味を発揮。だが、やはり15分では時間が足りなかったのだろうか。天山選手と外道選手がロープ際でブレーンバスターを仕掛けあったところで、残念ながら時間切れ。第一試合は引き分けで終了となった。
先発はデヴィット選手と稔選手。腕関節の取り合いから、稔選手がジュニアらしい軽快な動きを披露。グラウンドからの蹴りで跳ね飛ばされると、リング外にエスケープして最前列のお客さんの隣に座るなど、余裕とも挑発とも取れる行動に出る。 両者ともドロップキック相打ちの後、パートナーにタッチ。リング中央でにらみ合う中西選手と永田選手。かつて何度も目にした光景だが、このふたりが対峙する姿は、月日を重ねるごとに味わいが増していくように感じられる。ロックアップからヘッドロックで相手の頭を締め上げる中西選手の咆哮に、会場内から暖かい笑い声と声援が沸く。そこからは、チョップ合戦、力比べといったパワフルな展開に引っ張られるように、観る側のボルテージもぐんぐん上昇していく。 現IWGP王者に対して挑発するように蹴りをいなすなど、独特の間合いを見せる稔選手。ここで永田選手はパートナーのデヴィッド選手に交代。いいところを見せたいデヴィッド選手だが、敵コーナーに押し込まれ中西選手の野人パワーを一身に浴びてしまう。途中スイングDDTで切り返すも、ロープの反動を利用して飛び込んだ直後にカウンターの地獄突き、クロスチョップをくらい悶絶。永田選手と一緒に中西選手に対してダブル・ブレンバスターを仕掛けるも、これが逆に返されるなど、今日はいまひとつ見せ場がない。 一方の中西・稔チームは、野人ダンスの競演から、デヴィッド選手にハイキックとマッケンローのダブル攻撃からアルゼンチン・バックブリーカーを仕掛け、一気に仕留めにいく格好を見せる。かろうじて脱出したデヴィッド選手は、中西選手のラリアットをかわすと、延髄斬り、ミサイルキックで報復。いい流れでタッチに成功した永田選手は、キック、エクスプロイダーとラッシュをかけていくが、カバーにいった瞬間に中西選手のアイアンクローにつかまり悲鳴をあげてしまう。 この後、試合は全体に中西・稔チームのペースで移行。制限時間が迫るにつれ、全選手がラリアット、ハイキック、腕ひしぎ逆十字、ナガタ・ロックIIなど、得意技を惜しげもなく繰り出してくる。残り時間1分のアナウンス直後、デヴィッド選手が稔選手にポスト最上段からのフット・スタンプを敢行。決まっていれば十分なダメージがあったと思われるが、稔選手にかわされると同時にタッチしてコーナーから飛び出してきた中西選手につかまり、カナディアン・バックブリーカーをくらってしまう。
中西選手をサポートする稔選手。もはや勝負は決まったか……に思われたが、デヴィッド選手は根性でバックブリーカーを耐えギブアップを口にしない。そのまま制限時間の15分を迎えて試合は終了。熱戦を戦い抜いた両チームの選手には、健闘を称えるファンからの熱い拍手と声援が贈られた。
イベント終了後、プレス向けの撮影が始まった直後にダチョウ倶楽部の上島さんが会場に到着。それぞれイベントの感想をきかれると「夢を見た感じです! 現役バリバリの、一番身体がいい感じの頃の選手を、自分で動かせる。これは夢です!(寺門さん)」、「レジェンドのレスラーとありえない”対戦ができる。プロレスファンは妄想のなかでやってますけどね。ゲームでやれるっていうのが、本当に楽しい(肥後さん)」、「ボクは一回ブッチャーさんと(ゲームを)やったんですよ。これは面白いすよ! 蝶野さんみたいな現役選手もいいけど、やっぱりレジェンドがいいね! ジャンボ鶴田もいるし、猪木、橋本、タイガー・ジェット・シン……凄いよなぁ(上島さん)」、「私は、伝説のレスラーの中に入れてもらって光栄だなと思います。自分たちの世代くらいのTVゲームっていうは、こんなにリアルじゃなかったですから(蝶野選手)」とコメントをしてくれた。
最後は、取材陣のリクエストからダチョウ倶楽部の「だれかひとり」に蝶野選手がコブラツイストをかけるといった流れに発展。ここは、ダチョウ倶楽部のギャグでつとに有名な「どうぞどうぞ」が炸裂。案の定というか当然というか、餌食になったのは上島さん。「イデデデデデ!」と悲鳴をあげる上島さんに、ここでも「ギブアップ? ギブアップ?」に「ノーノーノー」と怒涛の鉄板的展開。イベントはファンの熱狂、そして暖かな笑いに包まれながら大盛況のうちに終了した。
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□ユークスのホームページ (2007年5月9日) [Reported by 豊臣和孝]
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