中でも多くの来場者の注目を集めたのは今話題の「エアギター」をヒントにした商品「AIR GUITAR PRO エレキギター」や話題の貯金箱「人生銀行」の1円玉バージョン「人生銀行ONE」など。比較的大人を対象とした商品を今回は取り上げてみた。なお、タカラトミーの主力商品「ポケットモンスター」関連商品のひとつとして発表された業務用キッズアミューズメント筐体「ポケモンバトリオ」については別項で紹介しているので、そちらをチェックしていただきたい。

■ 赤外線の弦をかき鳴らせ!! 「AIR GUITAR PRO エレキギター」

　昨今、巷で流行っているのが「エアギター」だ。最近では「エアボーカル」まで登場しやや混沌とした状況になりつつあるが、“エア”を冠した流行ものの走りはやはり「エアギター」だろう。

　ここで「エアギター」について知らない人のために説明すると、「エアギター」とはギターをまるで弾いているかのように“パフォーマンス”を行なうことだ。ギターは弾けないけどあのギタリストのパフォーマンスを再現することはできる……そういった人たちが密かに行なっていたのだが、今では世界大会まで開かれるにいたっているのだからバカにはできない!!

　そんな流行に敏感に乗っかるのが玩具業界で、これまでにも「簡単にギターを弾けますよ」的な商品は数多く発売されてきた。しかしこの「AIR GUITAR PRO エレキギター」はその極めつけと言っても良いかもしれない。

　本体はズバリ、ネックのヘッドのみ。この本体から、本来ならギターのボディとなる部分に向かって赤外線が照射されており、これを遮ることで音が鳴る仕組みになっている。ネックの部分には7つのボタンが配されており、それぞれが“A”から“G”までのギターのコードを意味している。側面にはさらに4つのボタンが用意されており、こちらはメジャー、マイナー、フラット、シャープとなっている。これらのボタンを押しながら目に見えない赤外線の弦をかき鳴らし、演奏を楽しもうという商品なわけだ。同社によればこのボタンだけで、教則本を片手に約80％以上の音は奏でることができるという。

　これらのボタンを押しながら曲を自由に演奏する「コード演奏モード」も楽しめるが、さすがにそこまでは難しいといった人のために様々な曲が収録されている (プリセット曲演奏モード)。これらの曲に合わせてタイミングよく赤外線の弦を引くことですぐにそれらしい“エアギター”を披露することもできる。ただ、担当者によれば「カラオケと一緒できちんとタイミングよくかき鳴らさないと、音痴のような状態になる」ということで、それなりのテクニックは必要なようだ。収録曲は「リンダリンダ」や「いとしのエリー」といった邦楽から、「WALK THIS WAY」や「SMOKE ON THE WARTER」といったギター少年の好む洋楽まで10曲が収められている。

　さらに、「コード演奏モード」では本体を傾けることでディストーションっぽい効果も再現できると言うことで、凝った作りとなっている。スピーカーはもちろん内蔵しているが、外部出力端子も用意されており、音を外部スピーカーから出すこともできる。逆に音声入力端子も用意されており、MP3プレーヤーなどを接続すれば外部スピーカーとして使用することもできる。

　「AIR GUITAR PRO エレキギター」は比較的、通な上級者向けだが、これとは別にプリセット曲を演奏できるウクレレタイプの「AIR GUITAR ウクレレ リロ&スティッチ」も同時に発売となる。こちらは商品名からもわかるとおり、ディズニーのキャラクタがデザインされた可愛らし外見で、ウクレレで南国の雰囲気を再現することができる。発売は7月26日を予定しており、価格は2,625円。「AIR GUITAR PRO エレキギター」は3色が用意されている。

「AIR GUITAR PRO エレキギター」の本体はネックのヘッドのみ。ネックの所から赤外線が照射されており、それを遮ることで弦をかき鳴らすのと同じ事となる	「AIR GUITAR」を持つ人の腰あたりに、赤外線の光が当たって赤くなっているのがおわかりだろうか? 見えない弦が伸びているのだ	コードを押さえることで自由に引くこともできるが、初心者向けに収録曲に合わせて弾くモードも用意されている

■ 机の上で離発着も可能に、「Q-SKY」など

　1月に開催された商談会「TOYフォーラム2007」で発表された、「大人のホビーライフ提案商品」。少子化時代における市場を拡大させるためのひとつの方向性として注目される大人をターゲットとした商品群だが、中でも人気の高いのがラジコンだ。昨年度言えば、タカラトミーの「エアロソアラ」やシー・シー・ピー「赤外線ヘリコプター ハニービー」が記録的な大ヒットを記録している。夏の商戦を対象とした今回の商談会では開発がさらに進み、撮影が可能な商品が出展されていた。

　前述の「エアロソアラ」の発展系となるのが「Q-SKY」だ。極限まで軽くした室内用赤外線コントロール飛行機だが、「エアロソアラ」では手で投げることで飛行をスタートさせていた。しかし「Q-SKY」では車がついており、机を滑走路に見立て離発着が行なえるのだ。また、操作が難しいというユーザーの声があることは事実で、これに配慮して「イージー・モード」を搭載。赤外線出力を自動調節してくれる機能で、きりもみ落下を防止してくれる。「エアロソアラ」では右や左にキーを入れ続けるときりもみ落下するため、ちょんちょんと押して調整していたが、これを自動に行なってくれる機能だという。「Q-SKY」は9月14日に4,200円で発売される予定となっている。カラーリングは3種類が用意される。

　このほかでは手軽に飛行散歩が楽しめる「ヘリボット」と、高価ながら自由度の高い飛行が楽しめる「ジャンプ ジェット (仮)」が出展されていた。中でも楽しみなのが「ジャンプ ジェット (仮)」だろう。4つのプロペラをもちかなりのパワーで安定度の高い飛行が楽しめる。ホバリングはもちろんのこと前進後退、旋回まで可能。「ヘリボット」は7月に7,329円で発売される。「ジャンプ ジェット (仮)」は7月に26,040円での発売が予定されている。

1月に行なわれた商談会「TOYフォーラム2007」で、「大人のホビーライフ提案商品」として発表された「Q-SKY」より完成度を増している。実際にテーブルの上から離発着して見せていた。また、操作が難しいというユーザーの声が多いためか、今回は手軽に操作できる「イージー・モード」を搭載している
4組のプロペラで自由な飛行が楽しめる「ジャンプ ジェット (仮)」。ホバリング、前進後退、旋回など高度な動きも実現する。ただし価格は少し高めで、26,040円となっている		デザインがほぼフィックスしたという「ヘリボット」。ふわふわと飛ぶ様子はなかなかカワイイ

■ その他

　このほかにも注目度の高い商品がいくつか出展されていた。1月の商談会で発表され大きな注目を集めた「オムニボット2007 アイソボット」が今回も大きく注目を集めていた。同社担当者によればプログラムがより高度となり、動きが洗練されてきたという。パッケージデザインもほぼ決定し、発売が近いことを伺わせる。7月発売予定で価格は31,290円。

1月に開催された「TOYフォーラム2007」で話題をさらった「オムニボット2007 アイソボット」。今回の商談会では、パッケージが紹介されていたほか、同社によればプログラムが更新されて、より高度な動きが可能となっているという

机の上で育てるロボット「ロコボ」。音に反応して体を揺すったり耳をぱたぱたさせる。また液晶に顔やアニメが表示され、ユーザーを楽しませる。8月発売予定で1,344円

□タカラトミーのホームページ
http://www.takaratomy.co.jp/
□関連情報
【4月11日タカラトミーとAQインタラクティブ、AC「ポケモンバトリオ」今夏展開開始
“パック”を使った3対3のリアルタイムバトル
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070411/pkb.htm
【1月23日】「TOYフォーラム2007」開催
タカラトミー、新小型サーボ17個搭載した「i-SOBOT」や“ツンデレ”ワンセグTV端末
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070123/toytt.htm

(2007年4月11日)

[Reported by 船津稔]