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【第9回文化庁メディア芸術祭 受賞作品展】
会場:東京都写真美術館
「文化庁メディア芸術祭」は、デジタル技術を用いたアート、ゲーム、マンガなどの“メディア芸術”の創造と発展を目的として年1回開催されるフェスティバル。アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの各分野の優れた作品を表彰し広く紹介する機会を提供すべく、各部門の審査委員が受賞作品を決定する。本年度の応募は1,808作品で、過去最高を記録したという。 本年のエンターテインメント部門では、株式会社カプコンのプレイステーション 2用大自然冒険活劇ゲーム「大神」が大賞を、任天堂株式会社のゲームボーイアドバンス用ノリ体感ゲーム「リズム天国」とニンテンドーDS用実践クッキングナビゲーション「しゃべる! DSお料理ナビ」が優秀賞をそれぞれ受賞した。昨年の第9回入賞作がDS「ニンテンドッグス」1本だったことを考えると、ジャンル的には大きな躍進といえる。ただし、製作元のクローバースタジオがすでに解散していることを考えると、ゲームファンにしてみれば一概に喜べない部分もある。 贈呈式において、開発チームディレクターの神谷英樹氏は「本日はこのような栄えある賞をいただいて、大変嬉しく思っております。ゲーム製作に対する情熱がより一層大きくなりました。本日は、ほんの少しだけ映像でご紹介した程度なんですけど、やはりゲームというものは“さわってナンボ”だと思いますので、ぜひ実際に触っていただいて『大神』の映像、触り心地、我々がこめた“遊び心”をご理解いただけたらと思います。これからもみなさんによろこんでいただけるエンターテインメントを作っていきます。よろしくお願いします」とコメント。 エンターテインメント部門主査の石原恒和氏は、総評において「今年のエンターテインメント部門の作品は、革新的な技術が商品の核となるようなものは見当たらなかった。しかし、こなれた技術を駆使・探求することによって、新しい表現・手法が試みられたものが数多くあり、それらが主に最終審査の対象になった。期Tにの技術やアイデアをさらに組み合わせることで、新た強い表現分野を追求する姿勢の面白さ、真摯さが、評価に大きく影響した」という。 大賞の贈賞理由は「日本神話をゲームに取り込んだ意欲的作品で、非常に高いレベルに仕上がっている。美麗なグラフィックと独特の表現手法は、海外でも高く評価されている。クローバースタジオの解散は大変残念なことだが、製作に関わったスタッフにエールを送るとともに、今後の活躍に期待したい」というもの。石原氏は「難しいテーマに正面から取り組み、斬新なCG表現技法で、これまでにないアクション・アドベンチャーのゲーム世界を実現したことを、審査員全員が高く評価した。新型の家庭用ゲーム機は、まだ成果が出ていない。来年はそれらのプラットホーム上で動く、新しい技術を駆使した作品にも期待したい」と総括している。
本フェスティバルでは、受賞作品以外にも“推薦作品”を多数展示している。ゲーム作品は自由にプレイすることが可能で、マンガやアニメーションなども自由に閲覧できる。ただし、例年の傾向から会場内は相当混雑する。出展数は、各タイトルにつき1台のみ。確実に触れたい人は、なるべく早めに会場を訪れたほうがいいだろう。
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□「文化庁メディア芸術祭」のホームページ (2007年2月23日) [Reported by 豊臣和孝]
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