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今回の「第12回AMDアワード」の大賞/総務大臣賞は映画「時をかける少女」が受賞。同作を監督した細田守氏は部門賞の「Best Director賞」も受賞している。このほか部門賞では「Best Visual Designer賞」を「やわらか戦車」が受賞。「Best Platform Producer賞」に「BookSurfing」、「Best Network Producer賞」に「ナップスター」、「Best Producer賞」に「スーパーエッシャー展 ある特異な版画家の軌跡」がそれぞれ受賞した。 また、デジタルコンテンツ業界の発展に貢献したと認められる人物に対して贈られる功労賞に任天堂株式会社の宮本茂氏が選出された。宮本氏はスケジュールの調整がつかず授賞式には欠席したが、ビデオメッセージでコメントした。宮本氏は「選んでいただきまして本当にありがとうございます。ゲーム作りの中では結構長老の方かなという意識は何となく持ってたのですが、本当に“功労者”をいただく歳になってしまいました(笑)。これからもまだまだ現役でやっていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします」とコメントを寄せた。 AMD側の「任天堂はハードのスペックではなく、作品やインターフェイスに特化して勝ったといわれることについて」という質問については、「“勝った”とかそう言うことではないのですが、やっぱり、本来みんなが遊べる楽しいものを作るというはずだったのに、ビデオゲームはどうしても技術に走りすぎて、ゲームの上手な人だけのものになってきていると言うことをずっと懸念してきたんですね。任天堂は原点に返って最新の技術を使って誰でも遊べる楽しいものを作ろうという事で、WiiとかニンテンドーDSを作ったんです。このお正月休みなんかに家族中で遊んでもらってる姿を見てると、本当に嬉しく思っています。僕はいつもみんなが遊んでいる楽しそうな姿を信じて、それを形にしていくように心がけているんですけど、これからもそれを進めていきたいと思います」と答えた。 「TIME」誌の「20世紀アジアの100人」に選出されたことについては「とても光栄なことだと思っています。どうして僕が選んでもらえたのかよくわからないのですが、やっぱり西洋の文化にとってビデオゲームが与えた影響はそれだけ大きいという評価を受けているのかと改めて感じました」と感想を述べている。また、AMD側の「座右の銘は?」については「僕は特にないんですが (笑)、僕自身は新しいことをどんどん楽しんでやる、新しい事をやっていると楽しいんだと信じてやるようにしています。それと現場のスタッフの一人一人が生き生きしているのか、一人一人がよく機能しているのかを意識をもって仕事をしています」と答えている。 最後に宮本氏は「これからまだまだ技術を利用すると、面白い、いままで無かった遊びを作れると思うんです。それを少しでも誰にでも使えるように仕上げて、世の中の大勢の人が『また任天堂の宮本が作った物は面白い』と言ってもらえるようにがんばっていきたいですし、そう言ったことを続けながら、いろんなクリエイティブなことをやっている人に刺激を与え続けられるといいなと思っています」と締めくくった。 このほか若干ゲーム分野と抵触する受賞としては、展示会「スーパーエッシャー展 ある特異な版画家の軌跡」が挙げられる。純粋にゲームではないが、京都にある時雨殿と同様に、ニンテンドーDS Liteを観賞ガイドとして導入している。DSの2画面を利用し、タッチペンを利用し、エッシャーのだまし絵の作品紹介を音声で提供するなどこれまでの展示会にはないシステムを生み出した。“Best Producer賞”を受賞した日本テレビ放送網株式会社の事務局イベント事業部の犬山麻沙美氏は「このように栄えある賞をいただき光栄に思っております。だまし絵というローテクな作品を2006年にどうやってみせるかに取り組みました」としており、そういった課程から、DSを使用するなどのアイディアに結びついたようだ。
デジタルメディア協会の理事長の山科誠氏が「初めはCD-ROMのメディアだったものが、いまでは幅広くなりどこまで受賞の対象となるのか」と挨拶したとおり、デジタルの世界は広がり続けている。純粋なゲーム作品の受賞が少なくなっているが、ぜひとも来年度はゲームソフトが衆目一致する受賞作品として登場して欲しいところだ。
□デジタルメディア協会のホームページ http://www.amd.or.jp/ □AMDアワードのページ http://www.amd.or.jp/award/ □関連情報 【2006年2月1日】「デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー’05」発表 「ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン」で野村哲也氏がBest Visual Designer賞を受賞 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060201/amd.htm (2007年1月31日) [Reported by 船津稔]
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